ちっちの雪原冒険譚

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1人目

 粉雪のせいで、果てしなく雪原が続き、足跡もなく、屋根さえも真っ白にしている。
 そんな中、ちいさなうさぎさんのお家をご存知でしたか。
 のんびりと暮らしている二人が窓から見えて来ました。

「ちっち、シチューが吹いちゃうよ」
「熱い! やだわ。教えてくれてありがとう」

 ケイが、ちっちの指をふーふーしました。

「やだわ、やだわ」
「イヤなら、やめます」
「違うのー」

 何はともあれ、食卓につけました。
 献立は、ニンジンシチューと、ご馳走です。
 二人は胸の前で手を組みました。

「うさぎの神様女神様、私達は、沢山のニンジンがある所を見付けられました。これからは、食べ物に困ることなく生きられるでしょう」

 ちっちの長い感謝の後、胸を撫で下ろす仕草をします。

「ウッサーラ」

 そして、二人揃って唱えました。

「ああ、やだわ。ケイに匙つけ忘れちゃった」
「自分で取って来るよ」

 ちいさな小屋なので、直ぐに帰って来る筈だと思っていました。

「ケイ?」

 ドアも開いていないし、窓から見ても足跡もない。

「ケーイ!」

 大きな疑問を残して、ちっちの旅が始まる。