ちっちの雪原冒険譚
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3年前
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愛野ゆきえ
1人目
粉雪のせいで、果てしなく雪原が続き、足跡もなく、屋根さえも真っ白にしている。
そんな中、ちいさなうさぎさんのお家をご存知でしたか。
のんびりと暮らしている二人が窓から見えて来ました。
「ちっち、シチューが吹いちゃうよ」
「熱い! やだわ。教えてくれてありがとう」
ケイが、ちっちの指をふーふーしました。
「やだわ、やだわ」
「イヤなら、やめます」
「違うのー」
何はともあれ、食卓につけました。
献立は、ニンジンシチューと、ご馳走です。
二人は胸の前で手を組みました。
「うさぎの神様女神様、私達は、沢山のニンジンがある所を見付けられました。これからは、食べ物に困ることなく生きられるでしょう」
ちっちの長い感謝の後、胸を撫で下ろす仕草をします。
「ウッサーラ」
そして、二人揃って唱えました。
「ああ、やだわ。ケイに匙つけ忘れちゃった」
「自分で取って来るよ」
ちいさな小屋なので、直ぐに帰って来る筈だと思っていました。
「ケイ?」
ドアも開いていないし、窓から見ても足跡もない。
「ケーイ!」
大きな疑問を残して、ちっちの旅が始まる。