人工天使と偽りの星

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  • ハッピーエンド
  • 恋愛
  • ラブコメ
  • 現代ドラマ
  • 登場人物が死ぬの無し
1人目

昼間の都市に一つのニュースが流れ込んで来る。
「今朝、民間の研究所から実験体が一体脱走しました。周辺の住民は襲われる危険性があるので外出の際は最新の注意を払ってとの事です。今後追加情報が出次第お知らせしていきます」
そんなニュースをアイドル事務所の待合室で聞き、御志野 愛は「私の家の方は大丈夫なのかな・・・」っと独り言ちた。

2人目

「お疲れ様です。お先に失礼します」
マネージャーの「お疲れ様です」が一礼した愛の頭の上を通り過ぎた。
事務所を出て空を見上げる。すっかり月と星の時間だ。
「あ、傘……」
駅に向かってしばらく、愛は事務所に傘を忘れたことに気が付いた。
今朝は小雨が降っていて、お気に入りの傘を差してきたのだった。
足を止めたのは半分ほど来たところ。公園の角を曲がって、まっすぐ行けば駅前だ。
「最悪……」
――私が。
愛は心の中で自分を責めた。
私が自分で考えて、行動すると碌なことが起きない。
じわじわと靴がアスファルトがにじんで、愛は慌てて上を向いた。涙で乱反射した星空は、さっきよりも一層輝いていた。