転校しても幼馴染がついてくるのだが〜なんで他の女子と話したらだめなんですか〜
「転校生を紹介します。」
先生の声がクラスに響き渡る。その声を聞いた、クラス陽キャたちも転校生に興味があるのか静かだ。
転校生か。最近俺が引っ越してばかりなんだけどなぁ。
まあ、ここはそこまで田舎ではないので転校生がくるっていうのはおかしくないのだが。しかし普通、俺と同じ日だと思うんだがな。
「それでは転校生は前にきてください。」
そういうと足音をたてながら教室へと入ると…
教室へ入った瞬間、最近まで毎日見ていた顔が見えていた。
ん…?幼馴染にめちゃくちゃ似てるな…まあ流石に転校して来るわけないだろうから違うけど
「それでは自己紹介をしてもらいます。」
先生がそういうと転校生は話し出す。謎に視線が合うけど気のせいだろう。
「私の名前は葉月花音です!よろしくお願いします!あとあそこの鳳、奏多の幼馴染です!」
「奏多くん、寂しくなかった!? ううん、寂しくなかったはずがないよね、でもこれからは前みたいに毎日一緒に登校できるからね!」
おいお前、この美少女と一体どういう関係だ。
物問いたげなクラスメイトの視線が飛び交う中、休み時間に入るなり俺は花音に連行されて人気のない中庭で二人きりになった。
「いやあの、一体全体……?」
「奏多くんが転校しちゃって、私気づいたんだよね。そうか、私も転校してくればいいんだって!」
何もかもが訳が分からない。
目の前の美少女は一体何を言っているのだろう。
現実を許容するための時間が欲しい。
そんな風に頭を悩ませていたその時だった。
「ああー! 奏多くんだぁー!」
聞き覚えのある声が耳を劈く。
この特徴的なロリ声は……!
「くるみ先輩!」
俺の身長より一回りか二回り下にある頭、合法ロリの称号を欲しいままにしている三年生のくるみ先輩がそこにいた。俺の部活の先輩だ。
「奏多くん……あの女、誰?」
瞬間、花音からひやりと冷たい気配が伝わってきた。
俺は振り向くのが怖くなった。