スーパーロボット大戦relayb 第1部 -プロジェクト・リレイブ-

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1人目

「鉄の城」

――極東地区・日本。

 オーバーテクノロジーの粋を集めたスーパーロボットを数多く輩出した研究施設が集中する国。
その中でも代表格として知られるのが、富士山の麓に建造された
「光子力研究所」である。

「マジーーン! ゴォォォッ!!」

 天に轟く叫びと共に、汚水処理場の水が真っ二つに割れる。
その地下から迫り上がって来るエレベーターの上に佇む黒いスーパーロボット。

「パイルダァァッ! オォォォンッ!!」

 空洞になったスーパーロボットの頭部に
小型飛行機「ジェットパイルダー」がドッキングする。
その瞬間、生命が吹き込まれたが如く、ロボットの瞳に光が宿り、力強く胸と両腕を反り上げる。

 空にそびえる、鉄の城。
スーパーロボット、マジンガーZ。

 世界十大頭脳のひとりに数えられたロボット工学の権威・兜十蔵博士が
遺した最高傑作。

『甲児くん、マジンガーの調子はどうかね?』

 それを操るは十蔵の孫、「兜甲児」だ。

「オーバーホールの結果はバッチリですよ、弓先生!
三博士がいい仕事をしてくれたおかげですね」
『宜しい。では、君には新たな任務に就いてもらいたい』

2人目

『その任務のためにはまず、合体移動要塞ブルーサンダーに向かって欲しい。』
「ブルーサンダー?聞きなれない言葉ですね?」
『うむ。最近発足した組織で、過去にはアルデバロンという異星人と戦い勝利した経験があるんだ。』
「へー。鉄也さんが戦闘のプロならそのブルーサンダーってのは異星人退治のプロって訳だ。」
『甲児くんはそのブルーサンダーに向かい、連携を図ってほしい。』
「了解しました弓教授!」
『既に君があちらに行くことは伝えてある。すんなり通しては貰えるだろう。』
「よぅし。行くぞマジンガーZ!」

マジンガーZは走り出す。すると光子力研究所からマジンガーZの翼。大空を翔る紅の翼。ジェットスクランダーも発進する。

「スクランダークローース!!」

マジンガーZは跳びスクランダーと合体。大空を飛び立つ鉄の城となった。

こちらも改修により従来のマッハ3ではなくマッハ4.5で飛び立つ。向かう先は移動要塞ブルーサンダー。果たしてそこに待っているものとは。

3人目

「甦れ、ゲッターロボ」

 マジンガーZが光子力研究所を発った頃。
浅間山・早乙女研究所。

 宇宙から降り注ぐ未知のエネルギー「ゲッター線」を天敵とし
遥か太古の昔に地底深くに追いやられた爬虫人類。
再び太陽の輝きを取り戻すべく、人類に牙を剥いた「恐竜帝国」の決起。

 恐竜帝国の脅威に立ち向かうため、ゲッター線研究の権威・早乙女博士は
宇宙開発用に建造されたスーパーロボット「ゲッターロボ」を
流竜馬/神隼人/巴武蔵…3人の若者に託した。

 空・陸・海。合体/変形によってあらゆる戦況に対応出来る変幻自在の
ゲッターロボを駆り、恐竜帝国が送り込んでくるメカザウルスを次々と打倒していく。
その最終局面。
武蔵は単身、ニューヨークを舞台にした恐竜帝国との決戦に挑み、


『これで最後だトカゲ野郎ども! こいつで滅びやがれえええッ!!』


そして自らの命と引き換えに恐竜帝国を滅亡させた。

「ムサシの馬鹿野郎…どうして俺とハヤトを置いて逝ってしまったんだ…」

 今は亡き友を想う竜馬。ゲッターロボは失われ、パイロットも2人となった。
3人揃わねば、ゲッターは本来の力を発揮できないのだ。

4人目

「…悲しんでる場合じゃないぜリョウ。恐竜帝国は確かに滅んだ。だがこのご時世異星人がいつ侵略に来るかも分からない。」

冷静な判断を下すハヤト。だが彼もまた悲しみに身を委ね涙を流している。

「…だがハヤト。ゲッターを失い。3つの心も1つ欠けてしまった。これからどうすればいいんだ。」
「…その事だが心配はいらん。」

現れたのは早乙女研究所の所長。早乙女博士であった。

「博士…それはどういうことです?」
「…ムサシくんが特攻する前。もし自分に何かあった時、自分以外にゲッターに乗れる男を探してきたとな。」
「…それは誰です?」
「…紹介しよう。車弁慶君だ」

そうして博士の後ろから現れたのはムサシのような大柄な男。

「俺の名は車弁慶。ムサシ先輩の代わりにゲッターに乗ると決めた。」
「…弁慶。ひとつ聞きたい、お前はムサシの代わりになれるのか?」
「ええと…ハヤトだな?おお。訓練はちゃんとしたし…」
「違う!オレたちの欠けた3つの心になれるのかと聞いている!」
「…もちろんだ。」
「…なら試してやる。博士。新型のゲッターロボは完成してるんだろう?」
「ああ。ゲッタードラゴンだ!」

5人目

「宇宙の王者」

 大空羽ばたく紅の翼を携えた「鉄の城」マジンガーZ。
生まれ変わった「不滅のマシーン」ゲッターロボG。
地球を護る若者たちの意志は絶えることなく、脈々と息づいている。

 一方、その頃…

「ベガ星連合軍! これ以上地球には近づけさせんぞ!!」

 隼人の懸念は正しかった。
地球を狙う異星人の魔の手は、今まさに間近に迫っていたのだ。

「スクリュークラッシャーパンチッ!!」

 下腕部のブレードが展開して拳を包み込み、高速回転を伴って射出される。
怒りを込めた鉄拳は、小型円盤ミニフォーを易々と撃ち貫いた。

「ぐわああああッ!!」

 暗い宇宙空間を赤々と照らす爆発光が、重厚感ある漆黒の装甲を誇る
その勇姿を照らし出した。
かつて、ベガ星連合軍に滅ぼされたフリード星の守護神、グレンダイザー。

 母星を追われ地球に亡命した王子、デュークフリードは
宇門大介と言う仮の名で静かに暮らしていたが、
戦いの運命は彼を解き放つ事は無かった。

 フリード星に飽き足らず、地球を新たな標的に定めたベガ星連合軍の
動きを知ったデュークは第2の故郷を守るため、
再び戦火に身を投じる…

6人目

「ふたつの魔神」
兜甲児が飛び出し数時間。ようやっと、ブルーサンダーへと到着した。
移動要塞ブルーサンダーはマジンガーZを着陸させると2人の男が兜甲児を出迎えてくれた。

甲児はマジンガーを降りヘルメットを脱いで挨拶をする。

「はじめまして。光子力研究所から参りました。マジンガーZのパイロットの兜甲児です。」
「ご丁寧にどうも。私はブルーサンダーのリーダーの1人月影剛士。こちらはもう1人のリーダー。サバラスだ。」
「よろしく頼むよ兜甲児君。」
「リーダーが二人もいるんですか?」
「ああ。元々ブルーサンダーはふたつの組織に別れていてね。合体する際に対等に接することも兼ねてお互いのトップがリーダーとなったのだ。」
「なるほど…異星人を倒したって聞いたんですが…この要塞が倒したんでしょうか?」
「その事か。着いてきたまえ。」

サバラスと月影は甲児を連れて要塞の格納庫らしき所へ向かった。

「これがかつてアルデバロンを倒したスーパーロボット。バルディオスだ。」
「なるほど…あ、もうひとつロボットがありますね。あれはなんです?」
「あれは…戦国魔神ゴーショーグン。」
「戦国…魔神…!」

7人目

「プロジェクト・リレイブ」

 バルディオスとゴーショーグン。
新興組織「ブルーサンダー」にて、2体のスーパーロボットとの邂逅を
果たした兜甲児。

「バルディオス、ゴーショーグン、そして俺のマジンガーZ。
こうしてスーパーロボットが3体も集まると壮観ですね」
「兜くん。こうして君をここへ招いたのは他でもない。
それが本来の目的でもあるのだ」
「と言うと?」

 サバラスが甲児に向き直り、黄色いサングラスが光を受けて反射する。

「地球にかつてない危機が迫っている。それが現実のものとなった時、
我々もひとつにまとまり、団結せねばならない」
「数々の悪を打ち破ってきたスーパーロボットを集結させ、
地球を守護する盾とする。その名も…プロジェクト・リレイブだ」

 グッドサンダーチーム。ブルーフィクサー。
2つの組織が合わさり「ブルーサンダー」を発足させたのと同様に、
世界征服を企む悪の科学者、Dr.ヘル率いる機械獣軍団と
戦ってきた甲児にも協力を求める声がかかったのだ。

「プロジェクト・リレイブ…
そりゃあ、何とも壮大なプロジェクトですね」
「うむ。そしてそれは、過酷な道のりでもある」

8人目

「君の他にも早乙女研究所にも声をかけたんだ。新たなゲッターロボと共に駆けつけると連絡が入ったよ。」
「リョウ達もか!とすると鉄也さんにも声をかけないと…」
「ふむ。グレートマジンガーも関わるなら欲張ってあと3機、最低でも1機はこのプロジェクトに関わって欲しいな…」

と、思案していると扉が開き3人組が入ってくる。

「お、見ろよキリー。マジンガーZだぜ。」
「これが東の魔神ことマジンガーZか…」
「すっごい無骨なロボット。それがかっこいいんだけどね。」
「サバラスさん。この人達は?」
「この者たちはゴーショーグンのパイロットのグッドサンダーチームだ。」
「俺はメインの北条真吾。」
「サブのキリーだ。」
「サブで紅一点のレミーよ。」
「マジンガーZのパイロット。兜甲児だ。よろしくな!」
「こーんな可愛らしい少年がバイロットねぇ。」
「マジンガーZって言ったらあれだろ?目からパンチ撃ったり、胸から風を放出したり…」
「全然違うじゃないか!」
「はっはっは。ジョークだよジョーク。」
「しかし、戦国魔神に東の魔神ねぇ。なーんか繋がりを感じるなぁ。」
「確かにそうかもしれませんね…!」

9人目

「聞こえるか、地獄の叫び」

 古今東西のスーパーロボット達が集う一大計画
「プロジェクト・リレイブ」が動き出そうとしていた。
しかし、光が強くなれば闇もまたその暗さを深くする。

 ――ミケーネ帝国。

「何? 人間どもがそのような計画を…?」

 数千年前、機械獣を下僕として地上を支配していたミケーネ人。
機械獣を遥かに凌ぐ戦闘獣を送り込みマジンガーZを苦しめた
悪の軍団だ。そんなミケーネ帝国にも、
プロジェクト・リレイブの存在が俄かに伝え聞こえようとしていた。

「脆弱な人間どもがいくら徒党と組もうが
我らミケーネ帝国の敵ではなかろう」
「だが、このまま奴らの好きにさせておくのも面白くない」

 仄暗い大空洞に建造されたミケーネ帝国の基地。
光も殆ど届かない暗闇の中で蠢く巨人たちの影が
喧々諤々と口論を交わしている。

「忌々しき我が怨敵、ゲッターロボ、マジンガーZ、
そしてグレートマジンガー…我らミケーネ帝国が
再び地上全土を征服するには邪魔な存在だからな。
後顧の憂いは絶たねばならぬ」

 地底の奥底で、次なる企みを進めるミケーネ帝国。
それは地獄から響く、悪魔の雄叫びか…

10人目

「アーガマ降下作戦」

 プロジェクト・リレイブの始動に伴い、ぶつかり合う勢力。
それは同じ地球人類同士だった。

青い地球を背に、ビームが飛び交う宇宙空間。
金色のMS百式はすれ違い様に敵MSをビームサーベルで両断し、僚機Zガンダムの肩に手を触れる。
「タイムリミットだ!戻れ、カミーユ」
「けどラーディッシュだけじゃ持ち堪えられませんよ!」
「敵の目的は我々のプロジェクト合流阻止だ。降下に成功すれば追っては来まい」

反地球連邦組織エゥーゴは地球の危機を重大視し、主戦力の強襲揚陸艦アーガマの派遣、地球降下を決定した。
しかしエゥーゴと敵対する連邦軍強硬派ティターンズはその妨害のため、地球軌道上に艦隊を展開、アーガマ降下を支援するエゥーゴと交戦開始したのである。

「異星人が来ても人類同士の争いを優先するティターンズにそんな理屈――」
「カミーユッ!」
「…了解です、大尉」

諫められたカミーユ・ビダンは乗機Zガンダムをクワトロの百式と共に母艦アーガマへ収容する。
アーガマはそのまま地球へ降下し、作戦失敗を悟った知ったティターンズはクワトロの読み通り撤退した。

11人目

「大地に再び立つ」

——連邦軍基地
「アムロ・レイをプロジェクト・リレイブに参加させたいという話、本当に受けたのですか?」
「どこの誰の圧力だか知らんが、上が急に態度を変えたよ」
「最近は少々風向きもよろしくないのでプロパガンダでしょうか?  ……新型の開発はどうなるのです?」
「そのデータ取得も兼ねてとの話だ。 監視はあの女を付ければ良かろう」

——静岡某所
「それにしても、こんなところに展示されていたんですね……知らなかったな」
「あら、ガンダムのプラモデル、かなりの人気らしいですよ? アムロ中尉」
「その『アムロ中尉』って呼び方、落ち着かないんでやめて下さいマッケンジー中尉。 入隊もそうだし階級だってマッケンジー中尉の方が先任なんですよ? 歳だって……」
「でも、今回だって私はアムロ中尉のおまけみたいなものですし……初めてお会いした時は何かの冗談かと思いましたけど、当時のデータには及ばないまでも操縦の面では全然太刀打ち出来ないんですから」
「戦争の時はそれだけ必死だったんです。 一年戦争の英雄なんて後になって言われてもホワイトベースなんて酷い扱いでしたからね」

12人目

「遭遇」

 宇宙に脈動するゼータの鼓動。
優れたニュータイプとしての力を恐れた
連邦軍の監視下に置かれた一年戦争の英雄、アムロ・レイ。

「どうにかティターンズの追跡を逃れられたな…」
「艦長! 熱源反応アリ! 凄いスピードです!」
「何、このタイミングでだと!?」

 大気圏突入に成功したのも束の間、
地球降下作業中のアーガマの間近を猛スピードで横切っていく3つの戦闘機。
恐竜とメカニックが合わさった異形の怪物に追われている。

「くっ、ネオゲッターの訓練中にメカザウルスと遭遇するとは。
やはり奴らは…」
「早乙女研に戻る前に撃墜なんて洒落にもなってないぜ!」
「グダグダうるっせえぞ、翔! 凱! いつまで逃げ回ってんだ!
トカゲ野郎は一匹残らずぶっ殺してやる!」
「貴様が一番の足手まといなんだ、號! 
そもそも貴様のための合体訓練中にこうなっているんだぞ!」

 男女の言い争いが無線で飛び交っている。
ゲッターGではない、もうひとつのゲッターロボ。

「どう言う状況なんでしょう、クワトロ大尉?」
「地球も一筋縄ではいかん、と言う事か」

 アーガマの面々も、状況に困惑していた。

13人目

「鬼ヶ島計画と竜の戦士」
「確かなのか?」
「はい。メカザウルスの反応を確認しました。」
「…ゴールは死んだと思ったが…どうやら厄介なことになりそうだな。」
「ですがブライ大帝。人間社会に溶け込ませた鬼たち曰くプロジェクトリレイブというものが人間たちの希望の星になりつつあります…」
「うむ。異星人も攻め込む中、我ら百鬼帝国が世界を取るためにはどうやら手段は選んでられんようだ。」
「ではどうされますか?」

鬼たちがひしめく科学要塞島には最近現代に相応しくない服装をした男がいるという。

「…一先ずは協力者を募るしかあるまい。お前にも協力してもらうぞ。清明。」
「お任せ下さい。必ずやブライ大帝に勝利をもたらせましょう。この安倍晴明が…!」

歴史の産んだ大陰陽師、安倍晴明。彼の思惑とは…

青き空。美しき青き空に緑色の閃光が煌めく。現れたのはなんと、ゲッターロボであった。

「どうやら。平安京からは抜け出せたみてぇだな。」
「ようやっと現代に着いたかぁ…」
「…」
「どうした隼人?」
「おかしい。研究所と連絡がつかない。」
「どういう事だ?」
「どうやら…まだ一波乱あるらしいな。」

14人目

「出撃!! ネオゲッターロボ!」

「だぁーッ、分かったよ! やってみせりゃあいいんだろうが!!」

 蒼い戦闘機…ネオ・イーグル号が編隊を抜けて加速する。

「翔! 凱! 合体だァ!!」
「いいだろう。訓練の成果、見せてみろ!」
「よっしゃあ!」

「チェェェェェンジ! ネオゲッター! 1ッ!!」

 咆哮と共に、ネオ・イーグル/ジャガー/ベアー号が
縦一列に並んで急上昇。雲を突き抜け、太陽の光に溶け込む。
メカザウルス・バドもすぐさまそれを追いかけようとするが、

「どぉぉぉおうりゃあああああッ!!」

 自由落下してくる巨人が膝を折って、バドの背中に直撃。

「ギャァァァォォォォッ!!」

 ネオ・ゲッター1。ゲッター線を要さない、
プラズマエネルギーを動力源として戦う次世代型ゲッターロボ。
ゲッターロボGよりも早くロールアウトした機体であったが、
3人目のパイロット候補が見つからないまま、
恐竜帝国との戦いは巴武蔵の特攻により終結した。

 しかし、彼らはまだ息絶えていなかった。
恐竜帝国によって家族を失った一文字號をパイロットに迎え、
再び始まる戦いの時に備えていたのだ。

15人目

「號、合体出来たくらいで油断するな! 我々の目的は……」
「うるせえ! んなこたわかっどわぁぁぁぁぁぁ、落ちるぅぅぅーー」
「まったく……オープンゲット!」

溜息をつきながらバドから滑り落ちたネオゲッター1を強制的にオープンゲットする翔

「あっ! テメーなに勝手に!!」
「どのみちゲッター1では空を飛ぶメカザウルスには不利だ」
「なにをぅ! テメーがいきなり話しかけるからだろうが!」
「相変わらず仲がいいなぁ。 ははは」
「テメーバカなこと言ってんじゃ
「戦闘中の私語は慎め! 合体するぞ! チェンジネオゲッター! 2ッ!」
グギッ! いきなり合体する奴があるかよ! 舌噛んじゃっただろが!」
「それでも合体に成功しただけマシになったな」
「弁慶に先を越されたのがよっぽど悔しかったのかね」
「うるせぇ。 とっとと片付けて司令官殿を連れ去った入道雲野郎の捜索といこうぜ!」

16人目

「チェンジ! ネオ・ゲッター2」

 號がメインパイロットを務めるネオ・ゲッター1が陸戦型であるならば、
翔のネオ・ゲッター2は飛行能力を持つ高速戦闘タイプだ。

「ガオオオン!!」

 バドの翼にマウントされたミサイルがネオ・ゲッター2に向けてばら撒かれる。

「プラズマッ! ソォォォドッ!!」

 加えて、居合の達人でもある翔。
その剣技の冴えは、ゲッターの操縦においても遺憾無く発揮される。
飛んでくるミサイルを全弾真っ二つにしたかと思うと、

「取ったッ!!」

 空中に漂うミサイルが誘爆するのを待たずに一気に加速。
すれ違いざまに幾重にも走るプラズマソードの剣閃。

「グエエエッ…!?」

 断末魔と共にバラバラになったバドは爆発。
戦いはネオゲッターロボの勝利に終わった。

「さっすが翔だ。俺の出番は無かったな」
「ゲッター3の本領は水中戦だ。その時は頼りにしている」
「けっ、スカしやがってよ。
あんぐれえ、チェンジしなくても俺ひとりでやれたぜ」

「勝手に吠えていろ。ゲッターロボGも本格的な運用テストに入ったそうだ。
我々も務めを果たすぞ。オープン・ゲットッ!!」

17人目

「強襲、3大帝国」

——南極
「人間どもも何やらこれを調べておったようだが。 亜空間ワープ……なるほど、これは未来から来たというわけか」
解析にひとまずの手答えを感じ、口元を歪ませるガレリィはカプセルを見つめる。

その視線の先にあるものは——

——日本上空
「ネーサーでは早乙女司令官殿にさんざんシゴかれたからな」

ネーサーとは、早乙女研究所が行っていたゲッターチーム育成を引き継いだ組織である。
神隼人の提案により、扱いの難しいゲッター線を必要としない新型ゲッターの開発とそれによる訓練を行っているが、発案者である神隼人がゲッターロボのパイロットである為、早乙女ミチルを司令官とし活動を開始していた。
実際の指揮はDr.ヘルを退けた光子力研究所のメンバーがメインとなっており、ミチルは主にゲッターチームの訓練を担当している。
現在、ゲッターロボGのメインパイロットを務める車弁慶も数ヶ月前にある出来事を経て早乙女研究所を訪れた際に素質を見込まれてこのネーサーで訓練をクリアしていた。

「レディコマンドが消息を絶った周辺に不自然な積乱雲が観測されていた」
「その捜索中にメカザウルス……」

18人目

「あの時、ゲッターと武蔵さんの犠牲で壊滅したはずの恐竜帝国が生き残ってたなんてね。」
「へっ、しぶてぇトカゲ野郎共なんざ、また地獄行きにすりゃいいんだ。」
「そう簡単に言うな。それに恐竜帝国だけならともかく…」

翔の声を聞き流す號。耳の痛い話は嫌いなのだろう。しかし、ふと上の方を見る。肉眼ではギリギリ形が見えるくらいの上空。そこに居たのは、ロボットだった。

「…おい。翔、凱。」
「なんだ?」
「どうしたよ?」
「あの上のロボットらしきものはなんだ?」
「なに?」

翔、凱も上を見る。確かにロボットらしきものが見えた。
その直後信じられないものが起こった。なんとロボットは3機の戦闘機に分離。ゲッターロボと同じ分離で移動した。

「な!?」
「おいおい、あれが新型のゲッターってやつか?」
「そんなはずは無い!まだ発進すらしてないんだぞ!」
「…つまり俺たちの知らないゲッターってやつか?」

ネオゲッターチームの目の前に見えた謎のゲッターロボ。その正体とは。

‐科学要塞島‐
「ブライ大帝、協力者をここに。」
「よし、通せ。」

ブライ大帝の合図で通された者。それはバット将軍である

19人目

「クワトロ・バジーナと言う男」

 虎視眈々と地上進撃を狙うミケーネ帝国。
鬼の一族、百鬼帝国とそれに付き従う謎の男、安倍晴明。
そして滅びたはずの恐竜帝国…
悪の影は着実にその勢力を拡大しつつあった。

「さっきの合体する3体の戦闘機…あれは特機と言う奴ですね」
「地球では各地で盛んに研究が進められていると聞くな」

 大気圏に突入するなり、ネオゲッターとメカザウルスの交戦する様子を
間近で見せつけられたアーガマ隊。
ようやく安定状態に入り、通常航行へと移行した。

「地球、か…」

 アーガマの窓の外に生い茂る森林。流るる川。羽ばたく鳥。浮かぶ雲。
クワトロはサングラスの奥底で、その先に在る男へ意識を向けていた。

(アムロ…お前もこの地球の何処かにいるのか。
もしそうなら、いつまでも燻っている場合ではないぞ。
時代はまだ、お前と言う男を必要としているのだ)

 額の古傷が疼く。一年戦争の折、アムロとの一騎打ちで受けた傷。
クワトロ・バジーナ。またの名を、シャア・アズナブル。
ジオンの赤い彗星としてその名を届かせたエースパイロットだ。

「大尉?」
「済まない、考え事をしていた」

20人目

——極東地区・静岡

「あの時、アレックスを中尉に届けられたら……」
「あとでデータを拝見しましたけど、凄い機体ですねあれは」
「いま展示しているガンダム、実はパーツも変わってて性能もアレックスにかなり近付けたものなんですよ」
「確かに、近くで見るとジム改とかに近いパーツが使われてるんですね。 でも、なんでまたそんなものを展示なんて……」
「どうもよくわからないんですが、今回の出向と同じで急に決まったんです」
「とはいえ、コックピットには立ち入れないし融合炉は動かないようになっていて、今は外部電源を繋いで発光と可動をする簡単なデモンストレーションを私が遠隔でやっています。 お客さんにも好評で、他に何もないところですけど結構人が来るんですよ」

実際、ジオンとの戦いの後、日本を中心に活動するDr.ヘルや恐竜帝国との戦いに投入されたことでガンダムは連邦のスーパーロボットとして扱われており、一年戦争を抜きにしても特に日本ではパイロットのアムロを含めヒーロー的な人気は強い。

そのガンダムも今日で展示を終え、ブルーサンダーに合流すべく光子力研究所に移送し実戦装備に切り替えることになっていた。

21人目

「異邦者」

--かつて東静岡駅と呼ばれたエリア

「あれが移送中のガンダムか」
「それにしては傷が生々しいですね。アムロ中尉の機体、ですか?」
「まさか。俺のガンダムは一年戦争に置いてきたよ。レプリカじゃないのかな」

輸送機内の喧騒を知らぬ2人のベテランパイロットは、眼下のガンダムを呑気に眺めていた。


--輸送機にコクピットに通信が響く

「こちら第13独立部隊所属RX-78-3ガンダム、カイ・シデン少尉。至急回収頼む」

「艦長、眼下のガンダムから全方向チャネルで放送流れてます」
「聞こえてる。7年前に第13独立部隊は解散されたんだぞ? マニアの酔狂だろほっとけ」
「ですがコールサインも連邦と一致してますが」
「俺らは英雄をブルーサンダーに送るのが仕事だ。何も聞かなかった、いいな」
「はあ」


--眼下のガンダム

黄色い輸送機を見上げている。
放送を切り、大きく肩をすくめる白いパイロットスーツの男。
いや、まだ少年に近い年齢か。
頬にはそばかすが残る。

「あれはアムロか? 冗談きついぜ」
俯く。
「アイツは死んだんだ…」

俺は何処に来たんだ?

22人目

「歪み」

——光子力研究所
「ご無沙汰しています。 弓教授」
「すまないなアムロ君、また君の力を借りることになった」
「というと、連邦に打診したのは弓教授だったんですか?」
「ああ……もっとも、軍にはすぐに断られたがね」

やれやれといった顔をする弓、はアムロの隣の人物に目を向ける。
それを見たアムロはどうしたものかと思案中のクリスを紹介する。
「こちらはクリスチーナ・マッケンジー中尉……今回の監視役ってところです」
「クリスと呼んで下さい。 戦時中はアムロ中尉に届けるはずのガンダムのテストパイロットをしていました」
「よろしくお願いしますクリス中尉」

——光子力研究所付近
2人を送り届けた輸送機はガンダム用の装備や弾薬の受け渡しを終え基地に帰投しようとしていた。

「にしても、いくらガンダムとはいえわざわざ7年も前の旧型を改造しなくても……」
「お前、さっきも言ってたなそれ」
「ん?言ったか?」
「一年戦争が7年も前なわけないだろ。 あれからせいぜい3年ってとこだぜ?」

目の前には先程は無かった積乱雲。

「3年? じゃあ何か? これからコロニーが降ってくるってか?」

23人目

「カイの戦い」

「うわああああッ!?」

 談笑していた輸送機のパイロットたちに、突然激しい揺れが襲う。

「な、何だ!? どうした!?」

 エンジン部から火の手が上がっている。何者かからの攻撃。

「ギャオオオン!!」

 ミケーネ帝国の戦闘獣が、円陣を描いて輸送機を包囲していた。

「ば、化け物…!?」
「救援信号を出せ! だ、誰か! 誰か助けてくれ!!」

 無線機に縋り付く思いでSOSを連打するも、戦闘獣が大口を開けて間近に迫っている。

「う、うわあああ…!!」

 もうこれまで、と覚悟を決めた瞬間。
一筋の閃光が戦闘獣の右目を焼いた。

「グギャアアアアア!!」

 金切り声を上げて輸送機から遠ざかる戦闘獣。

「え、援軍か!?」
「やれやれ、あのまま機体を受け入れられてたら危機一髪だったな。
人生、何がどう転がるか分からんもんだ」

 狙撃したのはRX-78-3ガンダム。
先程、輸送機に受け入れを依頼したものの、素通りされてしまった機体だ。

「あれは、さっきの…!?」
「とは言え、目の前で化け物の食事タイムを見せられるのも寝覚めが悪い。
カイ・シデン、援護するぜ」

24人目

カイの動きは正確だった。
まるで遠ざかろうとする敵の動きがわかっているかのような動き。偏差射撃や、先読み。それらを楽々とこなしている。

「1つ!」
戦闘獣の翼をビームライフルで撃ち抜き落とす。

「2つ!」
またもビームライフルで頭を撃ち抜く。

「3つ!4つ!」
今度はビームライフルの貫通性能を活かし2体同時に撃墜。

「まだまだぁ!」

カイの猛攻は止まらない。戦闘獣達も余りのカイの強さに参ったのか一部が逃げ去っていく。

「ちっ、逃がすかよ!」

しかし、戦闘獣もただのやられメカではなかった。カイを取り囲むように移動し、カイを仕留めようとする。

「……」

カイとガンダムは動きを止めた。そしてカイは目をつぶる。
これは好機と感じた戦闘獣は一斉にかかる。

「……そこだ!!」

しかしカイにはこれがお見通しであった。カイは一斉に飛びかかった戦闘獣達をビームサーベルでどんどん斬り落とす。

「す、凄い…」

輸送機に乗る2人は余りの無双っぷりに息を呑んだ。

「な、なぁこれって…」
「あ、ああ。俺も初めて見た…」
「かつて一年戦争で現れた…」
「………ニュータイプ……!」

25人目

「偉大なる勇者」

「それにしても、数が多いのって…!」

 孤軍奮闘するカイ・シデン。しかし、倒せば倒しただけ
戦闘獣は次から次に増えていく。

「もうちょっと付き合ってちょうだいよ、ガンダムちゃん。
こんなわけのわからん状況で死ねないんだからさ」

 頬を滑る汗。次第に物量に押され始める。

「ヴァァッ!」

 戦闘獣の口から吐き出される溶解液。

「おわっ!?」

 G-3ガンダムのビームライフルに付着。見る見る内に腐食して溶けていく。
即座に投げ捨てたと同時にビームライフルが誘爆。火の手が覆う。

「ギャオオッ!」

 その隙に、別の戦闘獣が鋭い爪でG-3ガンダムの背中を切り裂く。

「ぐあっ!」

 完全にペースを崩されたカイ。四方八方から代わる代わるに飛んでくる
戦闘獣の集中攻撃。

「不味い、このままじゃ!」

 絶体絶命。そこへ。

「アトミック! パンチッ!!」

 空を切り裂く鉄拳が、G-3に飛びかからんとしていた戦闘獣の顔面を殴り砕いた。

「え…!?」
「そこまでだ、戦闘獣! この剣鉄也が相手になってやるぜ!!」

 偉大なる勇者、グレートマジンガーの降臨だ!

26人目

「これだけの数の戦闘獣相手によく持ち堪えたもんだぜ」
「すまねぇ、助かった」
「話はあとだ! まずは……何!?」
突然、雲の中から爆撃が始まる。 先程輸送機の前にあった積乱雲である。

「クソッ、あれも敵の戦力ってわけか」
「ガンダム、サーベルぐらいは使えるな? 俺は積乱雲の正体を拝んで来るぜ」

そういうとグレートは飛び上がり積乱雲へ突っ込んでいく

「確かに、空爆の方をなんとかしないとジリ貧ね……手足はあるんだ、もってよガンダムちゃん」

積乱雲に突入しようとするグレートに戦闘機部隊が襲いかかる。
「あの雲の中にこの戦闘機部隊を送り込んでる主がいるってわけか」
戦闘機部隊を蹴散らしながら雲の中へと進む鉄也を強力なビームが襲う。

「何ッ!? だが、迂闊だぜ。 グレートタイフーン!」
グレートの口に当たる部分のスリットから放たれた突風が渦を巻き雲を絡め取る。 その行く手を阻んでいた正体は恐竜空母としか形容のしようが無いものであった。

「メカザウルス・グダの力はいかがかな? 剣鉄也」
「その声、バット将軍か! まさかお前まで生きているとはな」

27人目

「恐怖! 悪の大軍団」

 輸送機を襲ったのは積乱雲に紛れてその巨体を覆い隠した恐竜空母、メカザウルス・グダ。
艦体から伸びる首長竜の血走った眼が、グレートマジンガーを睨み付けている。

「滅びたはずの恐竜帝国がミケーネの戦闘獣と行動を共にしているとは…」
「フフフ…お初にお目にかかる、グレートマジンガー。そして剣鉄也よ!」
「!? 何!?」

 グダの頭の上に、陰陽師の装束に身を包んだ怪しげな男が生身で立っている。

「何者だ、貴様は!?」
「私の名は安倍晴明。今は百鬼帝国の客将として厄介になっている身」
「百鬼帝国だと…むう!?」

 恐竜帝国の戦闘機部隊に紛れて、グダの周りを飛行する機動兵器・百鬼ロボット。
姿形こそ千差万別なれど、
皆共通して頭部に鬼を思わせる角が生えている。

「また新たな敵だとでも言うのか。
悪党同士で手を組んだってわけだな、バット将軍!」
「フフフフ…その通りよ。
全ては我らに辛酸を舐めさせてくれた貴様ら人間どもに復讐を果たし、
今度こそ太陽の輝きを我ら爬虫人類のものとするために!
さあ、剣鉄也。覚悟するが良い!」

「フン。上等だ、かかって来い!」

28人目

「交差」

「救援信号はこの先からだ。 対空、対地警戒怠るなよ!」
「周囲にそれらしき機影はありません。 が、付近で戦闘が観測されています」
「先程の戦闘機か?」

クワトロは見慣れぬ軍勢の戦闘に注視する

「艦長、地上にモビルスーツの反応が! モニター出します」
「ガンダムか? 見慣れん色だが」
「ティターンズの機体かもしれませんよ」
「識別信号は連邦のようだが、これは……」
ブライトは何かを思案し
「こちらはエゥーゴのアーガマ、艦長のブライト・ノアだ。 そこのガンダム、所属と官姓名を」
「ブライトさんかい!? いきなり新型艦でご登場とは気の利くこって。 こちらは第13独立部隊、カイ・シデン中尉」
「カイ、何故お前がガンダムに?」
「何故ってそりゃ……」
攻撃を掻い潜りながら問答を繰り返していたが、爆撃で崩れた地面に足を取られるガンダム。
その隙を突いて襲い来る戦闘獣は間一髪というところで真上からのビームに爆ぜる。

「貴方、ホワイトベースのパイロットだったんじゃないんですか? 迂闊ですよカイ・シデンさん」

ウェイブライダーからモビルスーツへと変形したΖガンダムがG-3と並び立つ

29人目

「エピローグ」

 かくして、プロジェクト・リレイブの名の下に集う鋼の戦士たちと
世界を我が物にしようと企む悪の軍団との戦いの火蓋がいよいよ切って落とされようとしている。

 地底より現れ出ずる地獄の住人たち。
宇宙から飛来する異星勢力。
遥けき彼方より訪れる異邦人。

 混沌極まる世界の中で最後に勝利と栄光を掴み取るのは一体誰か。

次回、「スーパーロボット大戦relayb」第2部にご期待ください!


~SPECIAL THANKS~

・龍千さん
・赤い方さん
・ぱすくろさん
・ryunosuke004さん
(参加順)

・t

・この作品を読んでくださった皆様



to be contcontinued…

30人目

【第2部】

https://relayb.com/book/01FGFVVEA83GKKW4241RXJF0WZ