スーパーロボット大戦relayb 第5部 -そして始まりの物語へ-

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  • 二次創作
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「プロローグ」

 火星から地球へと飛来したゲッターの塔。

 それは、早乙女博士が初めて建造した
ゲッターロボのプロトタイプが起動実験中に暴走をきたし
ゲッター線の共同開発者にして地球外生命体インベーダーに
取り込まれたコーウェンとスティンガー両博士を伴い
宇宙の彼方へ飛び去ったものが長い年月をかけ
「進化」を果たしたものだと推測された。

 世界を飛び越え、続出する異邦人達。
それは果たして、偶然的なものなのか。
はたまた、ゲッター線の成せる業なのか。

 自我を失ったまま、妹・ミユキと共に大気圏へと堕ちていく
宇宙の騎士テッカマンブレード。
突如放棄された地球連邦軍・最大規模を誇るジャブローの謎。
皇歴の世で、ブリタニア皇帝と対峙する
絶対遵守の力「ギアス」の継承者、ルルーシュ・ランペルージ。

 ゲッタードラゴン最大の必殺技「シャインスパーク」を受け
瀕死の重傷を負った安倍晴明もまた、
百鬼帝国の科学力の粋を結集した蘇生技術によって
復活しようとしていた。ゲッターへの恨みと共に…

 ヒトの意識が宇宙へと繋がり、世界を隔てる壁をも超えて、
また新たなる物語が書き記されていく…

「ラダムガーディアン」


「Dボゥイを……守る……」
焦点の合わない目をしながら虚ろに立ち上がるアキ。

今やホワイトホールを展開し重力波を放ち続けるブレード。 ホワイトホールの向こう側、ワームホールの彼方に待つものは……。

ゆっくりとフレイルのいるドアの方に近づいていく。
その時、重力波による嵐で家の天井が崩れだした。

「アキさん、フレイルさん!!」

ミリィの叫ぶ声が崩れる家の轟音に打ち消される。
アキが気がつくと、目の前にはフレイルが倒れていた。
二人共無事である。 ペガスがその身を挺して二人を守ってくれたのだ。
が、ボディは重力波から家を守って既にボロボロである。

「ア、アキ……」

アキは聞いた。 ペガスの声に混じって聞こえる彼女の最愛の人の声を。

「Dボゥイ!!」

そう、ペガスにインプットされていたDボゥイの声が今のショックで流れ出てきたのであった。

「ペガス、俺の最後の命令だ。 今から俺はラダムの母艦に突入する。 その最後の時まで俺を援護しろ。 そして、もしもお前一人だけでも生き延びたならその時は守ってくれ。 アキを……俺にカワッテ、カワ…テ…。テ…」

「哀・戦士、再び」

――ジャブロー。

「こうして、この場所にまたお前と一緒に
足を踏み入れる事になるとは思ってなかったぜ、アムロよ」

 ネオゲッターチームを伴い、アーガマ隊が訪れたこの場所は
地球連邦軍とジオン軍が熾烈な戦いを繰り広げた
一年戦争有数の激戦地である。
アムロとカイ、そして赤い彗星シャア・アズナブルもその只中にいた。

「妙ですね」
「ああ、静か過ぎる」

 カミーユのZガンダムやクワトロの百式も周りを哨戒するが、
やはり気配は無い。司令部へのアーガマ着艦許可にも
まったくの無反応だった。

「本当に放棄されているのか?」
「分からん。内部も調べてみよう」

 ジャブローの本拠地は地下の大空洞を改造して造られている。

「俺たちも手伝わせてもらうぜ」
「誰だ?」

 アーガマ隊の前に現れたのは藤原忍率いる獣戦機隊であった。

「自分は司馬亮。藤原忍、結城沙羅、式部雅人、以下4名は
ロス・イゴール長官直属の特殊部隊です。
ジャブローの異変を調査するようにとの任務を受けやって来ました」
「そうか。こちらこそ宜しく頼む」

 こうして、疑惑のジャブロー調査が始まった。

それを見つめる覆面の男

「恐らくここに奴が潜んでいる。 新宿では逃したが今度こそ奴を……」

——海辺の家

「テックセッター!」
アキが紅の修羅へと姿を変える。

ブレードの落としたランサーをその手に携え、一同にさよならの一言を残しペガスと共に重力波を放つブレードへと向かうテッカマンアキ。

「殺させはしない。 私以外の誰にも……殺すなら……私のこの手で!」

往時のブレードが相手なら敵うはずもない。 だが、ブレードの動きは明らかに精彩を欠いていた。
ブレードに、Dボゥイに残る僅かな意識がそうさせているのだ。

その一瞬の隙をつきアキの持つランサーが彼の胸を貫いた。
その瞬間、充分に育ったワームホールはブレードを離れ謎のシルエットが姿を現す。
ラダムガーディアン。 このガーディアンこそラダムが肉体的に最も進化を遂げた時をモチーフに造り上げた元祖テッカマンとも言える存在であった。
これを倒さぬ限り地球の危機は変わらない。
全ては遅かったのか? 地球は、Dボゥイの犠牲は無駄となるのか?

「そうはさせない!!」

ラダムガーディアンを倒すべくワームホールへの突入を決意するアキ。

アキはワームホールに突入する。
ラダムガーディアンとの激突が始まった。
だが相手は最も進化した存在のテッカマン。
ボルテッカも撃てない即席のテッカマンであるアキでは到底叶わない。

「…ここまでか…」

奮闘虚しく。そう言わざるを得ないだろう。だがその時、一筋の光がこちらに向かってきていた。
その姿に見覚えがあった。ブレードだ。
やはりあの時倒しきれてはいなかった。アキにとっては絶望だろう。

「…負けない…!あの人のためにも…!」

だがアキは諦めていない。最後の力を振り絞り、ブレードに向く。だが…

「クラッシュイントルード!!」

ブレードが突っ込んだ相手はガーディアンの方であった。

「Dボウイ…ま、まさか…!」

そう、これそこワームホール内にあるホワイトホールが起こした奇跡。この空間は時間の概念が通用しない。すなわち。ブレードに起こっていた神経核破壊も収まっていたのだ!
この空間だけではあるがブレードはDボウイの心を取り戻せたのだ!

「…アキ!」
「…はい!」

Dボウイはアキを助け起こす。今ここに史上最強のテッカマンコンビが誕生した。

「「テックランサー!!」」

「その名はレイピアペガス」

意識が僅かに回復し、その様子を見ていたテッカマンレイピア
「お兄ちゃん……アレは……アキさん……?」

「大丈夫か?」
レイピアを助け起こしたのはノアルのソルテッカマンである。
あのとき、宇宙でテッカマンセイバーの繰り出したペガスもどきがレイピアを追うのを見逃さず飛び乗ったのだ。
だが、もしやと思いペガスもどきを破壊しようとすると、それは重力波からレイピアを庇うように動いた。

そこにテッカマンセイバーが異星人テッカマンを引き連れ現れる。

「ブレードめ、しくじったか。 だが、遅い! ホワイトホールの向こうに何があるかわかるか?」

「あれは……星!?」

「そうだ! ガーディアンの護るあの赤い星がワームホールを通り抜けた時こそがこの地球の最期よ!!」

「お兄ちゃんたちは負けない! それに、2人の邪魔はさせない! ペガス!!」

「ノアルさん、これを!」
ミリーのブルーアース号がソルテッカマンに何かを投下する
「コレは、干渉スペクトル砲!!」

ゲッターの塔落着によるゲッター騒動の影、人知れず地球の命運を賭けた戦いは続いてゆく。

「瓦解 する オペレーション」

 気絶したC.C.と共に黄昏の間から脱出したルルーシュは、皇帝の意味深な言葉の意味を悟る。
皇歴の世はR.C(リレイブ・センチュリー)なるもう一つの地球と交わってしまったのだ。
人物、土地、勢力、歴史、その全てが同じレールの上を歩いていたかのように融合、改竄され、誰もがそれを常識として捉えている。

「一年戦争とレジェンド大戦で地球連邦が消耗した隙を突き、ブリタニア帝国は日本を占領し『植民地エリア11』とした極東事変…それが3年前だと!?
俺たちがスザクと会ったあの夏が3年前……」
端末で検索した情報に驚くルルーシュ。
ギアスを有するためか、はたまた儀式に立ち会っていたのが原因か。自身は改変の影響から免れていることを周囲の反応から知った。
「これでは超合集国による決戦プランも見直しだ。不確定要素が多すぎる、改変が影響する範囲、皇帝の行方、それに……」
画面に表示される『浅間山』の地図。
「ここは解放戦線の本拠、成田連山だったはず…それが早乙女研究所、ゲッター…」
それは皇帝が挙げていた"忌々しいもの"の名……

「調べる必要があるな……」

「世界の接続」

――百鬼帝国。

「!? 今のは…」
「おお、晴明。よくもしぶとく蘇ったものよ」

 百鬼帝国一の科学力を持つグラー博士による蘇生手術によって、
安倍晴明は復活した。

「何者かがこの世界に干渉した…我と同じく…」

 それと同時に、リレイブ・センチュリーの外の世界から
やって来た晴明は、皇歴世界とリレイブ・センチュリーが接続する事で
生じた世界常識の改変、その違和感に人知れず気づいていた。

「何をぶつくさ言っておる。薄気味の悪い奴だ」
「お主は何も感じなんだのか。まあ良い…」

 呪符を用い、陰陽師の装束を身に纏う。

「我の陰陽道にも比肩する、この世界を呑み込む程の『呪い』。
その出処を確かめてくれよう」


――???

「ついに始まってしまったか。次なる段階…世界の接続が」
「アンタが危惧していた通りになっちまったね。
はてさて、どうなります事やら」

「随分と楽しそうではないか」
「そりゃあね。本音を言わせてもらえば、超楽しい」
「酔狂な」

 観測者たちは静かに傍観を続ける。
皇歴世界と「接続」してしまったリレイブ・センチュリー、
その行く末を…

「出会い、別れ、そして再会」

——少し前、異なる宇宙。

高速機動で四方より迫る機動兵装ポッド、ガンバレルの一基をマシンガンが撃ち抜く。
「クソッ、あっちの鷹さんもやってくれるぜ!」

「見つけたぞ! ストライクゥゥゥ!」
「キラはイージスの相手で忙しいの。 このドラグナーが相手になるぜ!!」
「チィ!」

「イザーク! バスターで援護する!」
「おっと!お前の相手はこっちだ!!」

「ギガノスがいてくれたおかげでやりやすい。 この隙にこのまま母艦を叩けば……」
「残念、黄色いあんよが見えてるよってな! 熱源探知その他諸々。 D-3にミラージュコロイドはもう通用しないぜ!」

「ドラグナーの坊主ども、アイダホ奪回から戻ってきてから動きが断然良くなったな……」
「まぁね、課外授業っての? 秘密の訓練ってやつさ」
「さぁ、紫のキザ野郎! 勝負といこうぜ!」
「ドラグナーにエンデュミオンの鷹、それに連合のG兵器……ザフトの支援があるとはいえ少々旗色が悪いか」

交差する白と紅のガンダム。
ギガノス、ザフト、コーディネイター……この世界もまたリレイブセンチュリーに異変を引き起こす。

「走り出せ、振り向く事なく」

 異星勢力の襲来、地下帝国の台頭に続き、
シャルル・ジ・ブリタニアによって書き換えられた世界は
同じ人類同士での戦いをさらに激化させる事となった。

 人類が度重なる脅威に打ち勝つためには、
神聖ブリタニア帝国の名の下に、全人類がひとつに
ならなければならない。それはひとつの道理であった。
ある意味では、プロジェクト・リレイブの理念と交わる側面もある。

 しかし、ブリタニアの実態は圧倒的な力によって
他者の意志を奪う隷属だ。
ブリタニアに降伏した日本とて、それを素直に受け入れる事は
出来なかった。

「ブリタニアに反抗するか、イレブン!」
「トマホォォクッ! ブゥゥゥメランッ!!」

 豪回転する戦斧がブリタニアの機動兵器・ナイトメアフレームを
真っ二つに両断する。

「うわああああ!!」
「悪いな。俺はイレブンだのブリタニアなんてのは知らねえ。
何せ余所者なもんでな」

 マントを羽織った黒一色のゲッターロボ。血に飢えた目。
彼もまた、世界を覆う理から外れた者。

「俺の前に立つなら覚悟しときな。
メカならぶっ壊す。人間だろうがぶっ殺す!」

「スペースナイツ」

「クラッシュイントルード!」
レイピアが光の鳥となって異星人テッカマンを貫く。
「誰だか知らないけれど、地球は……この場所は壊させない!」

「フン、所詮は出来損ない。 私に敵うはずなど……」

「どうかしら? ボル……テッカァァァァァァ!!」
胸部のクリスタルを露出させレイピアがボルテッカを発射する。
それは発射口を持たぬレイピアが自爆覚悟のボルテッカを放ち、死を前にした時に起きた一種の奇跡。
神経細胞が異常を起こし、ブラスター化に適した段階と誤認したが故の偶発的進化。
その不完全さから本来のブラスター化にこそ至らなかったが、自壊寸前に胸部に2門の発射口を獲得、ブレード同様短命化を回避し、奇跡としか言いようのない生還を果たしたのだ。

が、すんでのところで回避行動を取ったセイバー。
「させるか!」
ノアルのソルテッカマンがブルーアース号の上から1発、2発と干渉スペクトル砲を放ち光の渦へと押し戻す。

「馬鹿な、貴様が何故ボルテッカをぉ!!」

ボルテッカを放ちながら答えるレイピア
「わからない……でも、この力はきっとこの時のためのもの! はぁぁぁぁぁぁ!!」

アキとDボウイ。2人のテックランサーコンビネーションでガーディアンを追い詰める。
しかしテッカマンにしても質量が大きいガーディアンにはまだ威力が足りない。

「Dボウイ…!」
「…離れていろアキ。」

Dボウイ。テッカマンブレードはアキを離れさせる。

「…」

思えば悲しい事故であった。
あの宇宙船に乗り込んだ仲の良かった者や師匠、家族全てを巻き込み、テッカマンとなりラダムを率いるものとなってしまった。
記憶を失うという最大のデメリットを背負いながらも、永遠の孤独と戦い抜きそして1度は完全に倒したと思ったラダム。しかしこうしてまた相対しなければならない。
神はどうしてここまで試練を与えるのか。嘆いたこともある。
しかし、今それも…再び終焉の時を迎える。

「…フリッツ。ゴダートさん。モロトフ。フォン。ミユキ…シンヤ…ケンゴ兄さん……アキ…俺に…俺に最後の力を…!!!」

ブレードは構える。ブラスター化し、彼の中での最強の技。理由なき侵略を潰す、その技は…

「ボルッ…テッカァァァァァァァッ!!」

最大火力。ブラスターボルテッカ。その威力はガーディアンと共に赤き星すら、消し去った。

「怪獣王、現る」

――海上。

 ブリタリアの連合艦隊が航行している。その進路上に…

「未確認物体、アリ!」
「何だ!?」

 水中から伸びゆく黒い物体。

「尻尾…か、アレは?」
「あんな巨大な生物の尻尾など、有り得ん…」
「もしや恐竜帝国のメカザウルスでは…」

 動揺しながらもブリタニア兵達がその正体について議論している内に
「それ」は現れた。
そのあまりにも巨大過ぎる全容を示しただけで、波が逆巻き、海が荒れる。


「―――――!!」


「か、怪獣…だと!?」

 天を衝く咆哮と共に出現した「怪獣」。そう表現せざるを得なかった。
生物には違いない。
しかし、一般的な生物学上有り得ない生体構造。

「げ、迎撃しろ! 撃てーッ!!」

 弾幕を展開するブリタニア連合艦隊。
しかし、それが怪獣王――ゴジラ――に自らの存在を知らせる結果を
招いてしまった。


「―――――!!」


 尻尾の先から後頭部にまで連なる背びれが青白く発光したかと思うと
ゴジラは大口を開き、超強力な放射熱線を吐き出して連合艦隊を一瞬で
壊滅させてしまった。

「うわあーッ! こ、皇帝陛下ーッ…」

テッカマンレイピアの放つボルテッカがセイバーを直撃する。
いかにテッカマンといえどボルテッカの直撃を喰らえばひとたまりもない…

「ぐっはぁ!ぐっ……はぁ…はぁ…!」

だがテッカマンセイバーはまだ何とか耐え抜くことが出来た。

「ぐっ…ブレードは失敗したが!覚えておけ!」

テッカマンセイバーは撤退し消え去る。

「やったな!ミユキ!」
「は、はい…でも逃しちゃった…」
「まぁ、あいつは当分動けない。俺たちの勝ちさ!」

ブルーアース号も着陸する。そしてワームホールが閉じていく。その中から出てくる2人。
Dボゥイとアキ。

Dボゥイはまた時が進んでしまった。

「Dボゥイ…」

アキは覚悟がまだできていなかった。Dボゥイからの拒絶がまだ記憶に残っていたからだ…

「アキさん!」

ミユキがアキの背中を押す。

「…お兄ちゃんの手を握ってあげて…」

ミユキが差し出した手、アキはDボゥイの手を握る

「こんな私でも…愛して…くれますか…?」

……

「もちろんさ…」
「……!Dボゥイ…!ううん…タカヤ!」


こうして人知れず始まったラダム再びは人知れず、幕を閉じた…

「新たな勇者の目覚め」

試作エクテアーマーを装着して出撃したエリアルド。

『アイザック、聞こえる?』
『その声はヘイズルか。聞こえるぞ。エリアルド、調子はどうだ』
「問題ない。これが自分を着ているのは不思議な感じだな」
『先程も言ったが、無茶な戦い方はできない。危なくなったらすぐに引き返してくれ』
「あぁ、わかった」
『…来たよ!』

飛行形態から変形して、着地する黒いソリッドアーマー。
エリアルドを認識し、口を大きく開き、ビーム砲を放つ。
飛び上がってビームを回避するエリアルド。

「…まるでメガ粒子砲だな…」
『当たったらひとたまりもないね』
「ビームコーティングはあるか?」
『あるけど、MSほどの強度はないよ』
「それさえわかれば十分だ。武装は?」
『両手首からビームソード。右腕からビームガン。頭からはバルカン砲が打てるよ』
「…わかった!」

ビームガンを放ち、敵の出方を伺う。命中するには命中したが、あまり効いていないらしい。黒い敵は、エリアルドを薙ぎ払おうと接近して殴りかかってきた。

「がっ…」

吹き飛ばされるエリアルド。そして、黒い敵は歩みを進めた。

「出ました! 破嵐万丈」

ーーJ9基地。

「一波乱あったが、まずは依頼達成おめでとう、と言う事で」

 鉄華団の地球行き護衛任務に就いていたコズモレンジャーJ9と
スパイク・スピーゲル。地球を目前にしていたところで
ラダムの襲撃と火星から飛来した巨大ゲッターロボの出現により、
一行は散り散りになってしまった。
 依頼主である万丈は異変に気づき、急遽宇宙へと上がって
漂流していたJ9とスパイクを救助したのである。

「依頼主に助けられてちゃあ世話無いな」

 煙草を燻らせるスパイク。

「チョメ! 基地内は禁煙よ。子どももいるんですからね」
「へいへい。ガキは苦手だ」

 J9の紅一点、マチコ・ヴァレンシアに諭され、
スパイクはとぼとぼ喫煙所に向かって部屋を出ていく。

「鉄華団は?」
「無事地球に降りたよ。彼らから君達に礼を言っておいてくれとさ」

「依頼は徹頭徹尾完璧にこなすのが私のポリシーではある。
依頼達成と言うには何とも不完全燃焼だな」

 完璧主義者のアイザックは不満をこぼす。

「…いや、本当に問題なのはこれからかも知れない」

 万丈の予感。それは……

「宇宙海賊、宇宙海賊を拾う」

甲板掃除の朝は早い。
甲板掃除の朝はガレオン船に張り巡らせた網を仕舞うことから始まる。
網をかけている理由はふたつ。
とにかく目立つ船を目立たなくするためと
修理の部材を引っかけるため。
赤いガレオン船が地球の衛星軌道上を彷徨い始めて、1週間になる。
そろそろ修理も終わる。
そんな時、網にかかったのは男女が眠るカプセル。
今回はそんなお話。

「ひさしぶりのヒューマンデブリよおオオオオオオオ」
バタン。
女海賊の綺麗な回し蹴りが甲板掃除の後頭部を捉えた
「うっさい!ばーか」

カプセルは音も立てずに開く。

「ひさしぶりの地球だな。今は西暦何年?」
「さあ?僕達も他の宇宙から来たし」
「それよりもテメェら何者だ?」
「いやー誰って言われてもねぇ…説明しようがないし…やっぱり俺達の世界じゃないよな」
「何をブツブツ言ってやがる!」
「あー悪い、名乗りが遅れた。
俺は十鬼島ゲン。彼女はリプミラ・ヴァイス。
伝説の勇者で、宇宙海賊。
まあよくわからんでしょうから、そーいうもんだと思ってください」

「堕ちた英雄たち」

「ロケットパーンチッ!」

 唸る鉄拳。その矛先は……

「ぐああッ!!」

 ブリタニアのKMF。
機体への直撃は避け、
ロケットパンチが真横を突き抜ける事で生じた衝撃波で
吹き飛ばしている。

「おのれ、イレブンの分際であのような機体を…!」
「耐久力も並ではない、こちらの攻撃がまったく通っていないぞ!」

「俺はイレブンなんかじゃねえ、日本人だ!
兜甲児って言う立派な名前もあらァ!」
「黙れイレブン!」
「貴様らは我らブリタニアに敗北したのだ!」

「イレブンに荷担する貴様らも同罪だ、宇宙人め!」
「くっ…これではフリード星が
ベガ星連合軍に攻め込まれた時と同じだ…!」

 プロジェクト・リレイブ。
それも今やブリタニアの圧政に抵抗する
レジスタンスの呼び名となってしまっていた。

「ちくしょう、マジンガーZはこんな事のために…
人間同士で殺し合うために造られたのか…! おじいちゃん、教えてくれ…」

 皇歴世界とリレイブ・センチュリーが接続された事で
改竄された記憶の狭間で苦しむ甲児やデュークフリードたち。
本来の記憶を呼び起こす日は来るのであろうか…?

「再集結目標」
「…正直まずいね。」

破嵐万丈が零す。

「あっちこっちからまるでリレー小説みたいに問題事が起こってくる。」

R.Cが皇暦世界に接続されて数日。万丈はこの事態にどうやら勘づいたみたいだった。

「記憶が甦ったのは僕だけみたいだ。ひとまずここ数日であっちこっちで情報を集めて整理しようか…」

「まず元プロジェクトリレイブ。現在皇暦世界に組み込まれレジスタンスに。記憶は戻っていない。」
「ジャブローに向かったエゥーゴ、ゲッターチームは現状不明…」
「地球に到着した海賊たちは説明を聞いた。ついでにテッカマンたちを保護したとも聞いたが…」
「あとハンターチームにも連絡はついた。」
「…ゲッターの塔付近はどうなっているか分からない。確か、ブリタニアが管轄していると聞いたが…」
「…ここまで世界がこんがらがっている。その原因は…これと見た。」

万丈が見たのはあるロボットが突然現れたというニュース。記事名はレイブ。

「…さぁてここからはふたつの選択肢だ。」
「この状況をまとめて、再びひとつの組織として結成するか…」
「それとも、このレイブの正体を探るか…」
「どっちだ…」

「万丈様、このボトルメールはお読みになりましたか?」
「残念ながら、僕の手元には届いてないな。
スパムメールとして弾かれてるな」
「トッポのパソコンはスパム対策を外していたようでして」
「ふーん。怪我の功名、と言う訳ね」

ボトルメールの送り主は、異世界から来たカイ・シデンだった。
端的に表せば、日記を付けろ、記憶を疑え、と言う内容だった。

「なるほど。僕は日記を欠かさない」
「私も」
「トッポの両親は?」
「イレブンの反乱分子として殺されたと聞いており、はっ!?」
「これが怖さだよギャリソン。
至急、アーガマ隊に連絡を。
それと、異世界人の捜索も頼む」

僕のメガノイドへの恨みは、世界改変よりも強い。
この思いを消そうとするヤツがセカイだと言うのなら、セカイを相手にしてやろうじゃないの。

「勇者、再起動」

黒いソリッドアーマーはまっすぐ、オーガンを再成している基地へ向かっていた。
その道中にKMFも存在していたが、黒い閃光に弾かれるように飛んでいく。

『向かっている基地って…』
「仲間がいる場所…!ヘイズル、もう少しスピードが出ないのか!?」
『これ以上はエリアルドが危険だよ!』
「くそっ」

カール達のいる基地にKMFがいたが、オーガンが迎撃してくれていた。

「BUNNySの言っていたオーガンがどうして」
「もしかすると、オーガンはBUNNySと通じていたのかもしれません」
「それで、俺達を…?」

モニターには徐々に押されつつあるオーガンが映し出されている。

「はっ。多数に無勢だな、白いの」
「これで終わりだ」

KMFに掴まれてしまう。
しかし、基地内で再成されていたオーガンが、劣勢に立たされていたオーガンに向かって飛んでいき、『自らの意思で』融合したのだ。

「はぁっ!」

KMFの拘束を解く新生オーガン。

「…これが私の新たなる力か。ならばっ!」

そして、黒い閃光が基地に現れた。

「…!」
「グオォォッ」
「エイドか…!」

「Jumping!」

飛び込んだ先で詠次は浴びるように次々と様々な光景を目の当たりにした。
様々なロボットの勇姿。 知っているものもあれば知らないものもある。 これはいったいなんなのか……。 次々と脳に流れ込んでくるイメージ。

「逃げ出した腰抜け兵が!」

その瞬間、迫るビームが詠次を現実へと引き戻す。
「ッ!?」

キラの目にはシャトルが爆発したように見えた。

——リボーンラボ・演習場

崩折れるたすきの前に ゴウン—— とけたたましい音を立ててそれは現れた。

シャトル。 宇宙から現れたわけでもなく、それは空間を歪めて突如堕ちてきた。

「何!?」

後を追うように出てきたタチもその光景に愕然とする。
「たすきちゃん! 大丈夫か? 怪我は? それにレイブは!?」
「レイブはあのままどこかへ……でも、その消えた辺りからアレが……」

それを聞き偉杉が呟く。
「我々がレイブを発見した時と同じか……」

「アサノの嬢ちゃんが観測結果と睨めっこしてますが、重力波や磁場の乱れが観測されていたようです」

「レイブ……詠次くん……勝手にいなくなるな馬鹿ぁーーーーーー!!!!」

「変わり果てた蒼き星」
 
 少女の叫びは月世界の白兎に届くのか。
それはまた、いずれかの物語…

 皇歴世界とリレイブ・センチュリーが接続した事による
世界の改変によって生じた記憶の改竄の条件。
それは大きく3つに分けてある一定の期間、地球上にいたか否か。
または強い意志により改竄をはね除けた者。
或いはリレイブ・センチュリーの外の世界からやって来た者。

 J9とスパイクを救助するため宇宙に上がった破嵐万丈。
謎の異星勢力と交戦するエリアルド・ハンター。
黒いゲッターロボに乗った第3の流竜馬。
復活した安倍晴明。

 そして特殊なケースとして世界が如何様に変貌しようとも
一貫して己の本能のままに破壊の限りを尽くす怪獣王ゴジラ、などだ。

 ではそれらを踏まえた上で地球への降下を果たした
鉄華団とクーデリア・藍那・バーンスタインは…

「ギャラルホルンだけじゃないのか…
まあいいか、どっちでも。邪魔するならまとめて潰しちゃえば」
「神聖ブリタニア帝国…これは一体…」

 「革命の乙女」とも称されたクーデリアには秀でた教養も備わっている。
にも関わらず、まるで別世界に来たような感覚…

「……オルガ。地球ってこんな国があるの?」
「事前に聞いた地球とはえらい違いだな…クーデリア。」
「は、はい。」
「俺たちに話した地球。ありゃ嘘だったのか?」
「い、いえそのような事はありません。このような国など存在しないはず…」
「…これも…存在しない記憶…か。」



一方、ジャブローでは

「…しっかし、物資なんかも全然残ってないねー。」
「ティターンズが使って、尚且つブリタニアからの急襲だ。ほとんどの物資を持っていかれても過言ではないだろう。」
「…ぶり…おいぶりなんつった?」
「ブリタニアだ。さすがにそれくらいはわかると思ってたんだが…」
「ブリタニア?なんだそりゃ?」
「神聖ブリタニア帝国。ヨーロッパ地方の西部にある島が源流で今や世界を牛耳っている3つの国家の一つだ。」
「あ?それってイギリスの事か?」
「イギリス…?何の話だ?」
「イギリスって国があるだろうが。それとはちげぇのか?」
「何の話してるんだ號?」
「放っておけ。いつもの事だ。」
「ああおい!」

(どうなってやがる?さっきからブリなんとかの話しかしてねぇ。)

號が感じる違和感。彼もまた爪弾きにされた者

「號ちゃん。その疑問は大事にしたほうがいいぜ」

號に話しかけたのはカイ・シデン。
近くて遠い世界からの来訪者。

「俺が、こっちに来てからも、このセカイは変わり続けてる。
疑問は忘れるな。
日記に書き留めろ。
少しは忘れづらくなる」
「俺は馬鹿だから、よくわからないんだが、疑問を持っていいんだな?」
「そうだ」

ニヤリと笑うと號の肩を叩いた。


ーー大気圏内ー赤いガレオン船が空を飛ぶ


「宇宙で、でっかい顔は見たことないか?」
「ないよ。そのでっかい顔?伝承族とか見たら忘れないよ」
「伝承族ってのは、なー」
「別にいい。こっちに居ない連中の話を聞いてもしょうがないだろマップマン。どうせなら、お宝の話が聞きたい」
「こっちの宝のことは分からない。
ただ、ここが地球なら、南極に俺達の船が眠ってるはずだ。稼いだお宝の一部なら払う。
飯代かわりだよ」
「交渉成立だ」

キャプテンマーベラスと十鬼島ゲンは固く握手を交わす。

「でもさー先に生ゴジラ見に行かない?
生のゴジラ見る機会はあんまりないからさー」

「忍者と極道」

「こいつら…すばしっこいな」

 三日月のバルバトスを包囲するKMF。
足裏に装備されたローラーダッシュによって
軽やかに陸上を滑走する。

「けど」
「!! ぐぎゃあッ」

 KMFの動きを先読みし、メイスを叩きつけるタイミングを合致させる。
脊髄に埋め込まれた有機デバイスシステム「阿頼耶識」が
パイロットの空間認識能力を飛躍的に拡大させたが故に成せる業だ。

「ギャラルホルンも厄介だが、ブリタニア何とかって奴らの方が
もっと厄介だ。増援が次から次に湧いて出てきやがる…」

 今や地球はブリタニアの占領下。彼我戦力差は比べるべくも無い。

「オルガ! 上空から何か降りてくる!」
「今度は何だってんだ!」

 舞い降りる翼。その名はエルシャンク。
そう、鉄華団、ゲッターロボに次ぐ、火星からの来訪者。

「戦艦…?」

 さらに、エルシャンクから発進する赤い鳥、青い竜、黄色い獅子。
動物の特色を象った3機のロボット。

「やっとこさ地球まで辿り着いたってのに、何だこの状況は!?」

「アンタら、何? 敵なら倒すけど」
「俺は火星開拓基地から来たジョウ・マヤだ!」

『開拓基地? あそこは確か流刑地みたいなもんだろ』

「なんだっていいよ。 敵なら潰すだけだ」

バルバトスが構える。

「そう殺気立つなって。 こっちは北米が受け入れてくれるってんで向かおうとしたらおたくらが襲われてるから親切に助けてやろうってのに」

黒獅子はバルバトスの周りの機体を次々に薙ぎ払う。

「こういう連中の相手はモビルスーツじゃやりにくいだろ?」
背中合わせに構える。

「頼んでないけど」
敵じゃないならいいか。 と言わんばかりに黒獅子の攻撃で態勢を崩したKMFを撃破していく。

前線の2機の活躍によりブリタニアの戦線は崩壊した。

「北米って言や、姫さんが行こうとしてる……」

「ええ、エドモントンのある地域です」


——連邦軍基地
「何ぃ? ジョウ・マヤとCGSのガキ共が手を組んだだと!?」

「今は鉄華団を名乗っているようです」

「名前などどうでもいい! 忌々しい宇宙ネズミのガキ共まで俺の邪魔をしやがって!! だが、それならギャラルホルンの貴族共を使うのも一興か……」

——波嵐邸
「さて、サナダ氏と蒔苗氏にも手を回しておかないとな。 忙しくなるぞ!」

「イバリューダー」

「エイド…?」
『オーガン、どういうこと?』

BUNNySがオーガンに問う。

「彼らは私と同じイバリューダーという宇宙を放浪する戦闘民族。元は地球人だったのだ」
「なんだって…!?」
『もしかすると彼らはこの地球に攻め込んできてもおかしくないね…』
「ヘイズル…?」
『オーガン、共に戦える?』
「無論だ、ヘイズル。新たな力を手にしたのだ。悪魔にこの地球を渡すわけには行かないからな」

オーガンとエリアルドが協力して、エイドに立ち向かう。

「グオォォッ」

ビーム砲を放つエイド。ビームバリアである程度攻撃を反らすエリアルド。

「悪魔め…!」

手首に収納されている刃物を展開して、エイドの装甲を切り裂くオーガン。

「これならどうだっ…!」

エリアルドも同じように手首からビーム刃を展開してエイドを切り裂く。

「オォォッ」
「はあぁぁっ!」

ライトニードルの斉射。まともに受けたエイドは装甲が破壊されていく。
しかし、細身の赤い敵に突き飛ばされるオーガン。

「『オーガン!』」

エリアルドとヘイズルの声が重なる。

「…だが…私は立っている…!」

——ソロモンベース
「万丈くん、君の言う通りこちらにも接触してきた。 私にはレイブに関して。 そしてサナダくんからも聞いているだろうが、現技術局長官にはIAS1……君の報告にあったエルシャンクに関して。 プロジェクト・リレイブの存在に関しても探っている様子だった」

「ゼロはおそらく観測者の存在に気付いているのではないかと思います」

「観測者か……オブザーバーの名の通りなら干渉が度を越えている。 これは越権行為だな」

「仰る通りです。 ところで、黒の騎士団からこちらへの見返りは情報、それと戦力の提供ですか?」

「あぁ、ブリタニアはもちろん、明確な外敵である地下勢力やザ・ブーム軍のみならず、ティターンズやギャラルホルンに対してもその鎮圧に協力するとのことだ。 プロジェクトへの参加を取り付けたと言えるだろう」

「偉杉さんの尽力のおかげです。 本来ならアムロ・レイをカラバの指揮に加える予定でしたが……」

「準備段階ではその予定だったが、エゥーゴが予定より早く決起できたのでな。 アーガマに任せよう」

カシュ 開いたドアより予め呼ばれていた男が姿を現す。

「早かったな、タチくん」

「決着」

『細身の赤いヤツ…。あれもエイド?』
「…あぁ」
『…格上相手では勝てない相手に対してのエイド、らしいね』
「そういうことなのか、ヘイズル」
『うん。だから、イバリューダーは本気でオーガンを倒すつもりでいる…!』
「…させるか!」
『そうだよ、絶対にオーガンはやらせない!』

エリアルドとヘイズルの意志がシンクロした。

「うおぉぉっ!」

ビーム刃で高速移動するエイドを捕らえ、切り裂く。

『エリアルド!』
「あぁ!」

背中のブースターを展開して、構えの体制を取るエリアルド。

「『ここはお前の来るところじゃない!出ていけーッ!』」
「グギャァァァ」

ビームキャノンで赤いエイドは爆散した。

「…ありがとう、ヘイズル。エリアルド」
「気にするな」
『僕はオーガンを助けたかった。それだけだよ』
「そうか。…私もこの地球を悪魔から守るために戦おう」
「ありがとう、オーガン」
『…ヘイズル、エリアルド。そのアーマーに名前をつけようと思う』

アイザックの通信が入る。

「どういう名前にするんだ?」
『エル・アライラー』

――ここに二人の勇者が誕生した。