私は俺で俺は男子が好きです。
私は、俺になれないと知ったのは小4の時の保健の時間だった。
女として生まれたら死ぬまで女らしいのだ。
男として生まれたら死ぬまで男らしいのだ。
でも私は俺。つまり男だ。
詳しくいうと、気持ちが男体が女って言うチグハグ人間なのだ。
男ぽい話し方をすると親に叱られてしまうため、私と言っているけれども
それも違和感であって仕方がない。
今は中2だ。ただ小3の時自分は男だ!と気づいて小4の時男になれないと思った時のことは鮮明に覚えている。
ただ、『頭がおかしいんじゃないの?』とだけは言われたくないので、友達にも親にも言っていない。
誰も私が俺だなんて気づいてないだろう。
それはいいとして、私には男になれない以外にもう一つ不安があって
クラスメイトの男子を好きになってしまった。
男子のことが好きってことは女?って聞かれるとそうじゃない。
男なんだけど男が好きらしい…
正確には女で男なんだけど男が好きらしい。
…………頭がこんがらがってきた。
よし。めんどいことは後回しにして数学の問題…を…解こう……
数学の問題は・・・わからないので・・・諦めよう。
女とか、男とか、分ける必要なんてそもそもないと思う。
だってオレはオレで、自分は自分で、誰でもない俺という、自分という人間だから。
男っぽいとか、女っぽいとか。
例えば女がズボンを履いていても、「嗚呼、スカートが嫌なんだな」で終わる。スカートを履かない女はよくあるから。でも、逆はそうじゃない。男がスカートを履いていたら、「変なの」と思われるに違いない。
学校で配られたプリントに、『LGBTQについて知ろう』というのがあった。
俺はこれに興味を持った。
おかあさんにきいたら、
「学ぶなら、いいよ」
と言ってくれた。
今日が、その、当日だ。
市役所の中で行われる、『LGBTQについて知ろう』の会。
「参加するみなさ~ん 準備ができた方から、席にお座り下さーい」
俺は、一番手前の、右側の席に座った。
「こんにちは、皆さんLGBTQを知っていますか?LGBTQの<L>は、レズビアン。女性を好きになる、女性のことを指すよ。<G>は、ゲイ。男性のことを好きになる、男性のことを指すよ。<B>は、バイセクシュアル。性別に関係なく好きになる人のことだよ。<T>は、トランスジェンダー。体の生徒心の性が違う人のことを指すよ。<Q>は、自分のせいをまだ決めていない人のことを指すよ。」
このあと、色々なことを言っていた。俺は、なにか吹っ切れた気がした。
俺は変なんじゃないと知って、安心した。
俺はトランスジェンダーなんだなと思った。
健常者っていうのは普通の人のことを指すんだよな、俺は、私だけど女だから、健常者じゃないんだろうな。そんな事を考えていた時期もあった。
でも、『LGBTQ』について学んで、今は自身を持って言える。
俺は変じゃない。
俺はトランスジェンダーだ。
良くも悪くも、そうなんだ。
好きなアイツに告白したとしても、どんな結果になったとしても、俺のことを性別に関係なく好きだと言ってくれる人が、好きだ。
今なら自信を持って、はっきりと、言えます。
私は俺で俺は男子が好きです。
私は俺で俺はトランスジェンダーです。
それは変でもなんでもなく、俺の普通です。
いや、結果すごいいいけど、数学の問題・・・やらなければ・・・