クロスヒーローズ 最強の転生者降臨!史上最大の戦い!

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1人目

ここは、インフィニット・ストラトスの世界・・・のはずだった。
だがたった一人のイレギュラーによって変わってしまった。
その名は転生者・《金丈 零二》
彼は神にもらった転生特典の力で原作主人公を殺害、そしてヒロインを次々と惚れさせて自分の者にした挙げ句に世界を支配し、組織《ゴールデン・キングダム》を結成していた。
それに抵抗しようと政府はIS操縦者や軍を向かわせたが、男性は殺害・女性は捕われて零二の消息不明になる始末。
そして更に悪い事は重なるもので、零二を転生させた神が零二と融合。彼が率いる強力な転生者達がインフィニット・ストラトスの世界に進行。
こうして最悪の軍が結成されたのだ。
これに対抗する為に《革命軍》が結成されたものの、最悪の同盟軍の前になすすべなく惨敗し続ける一方だった・・・
ここは革命軍支部・・・
深夜にサイレンが鳴り響く。
「侵入者確認!侵入者確認!」
「第一バリケード、第二バリケードが突破されました!」
「な、なんて実力だ・・・まさか22人いると言われている幹部格《タロット・フォース》の力なのか・・・」
司令官らしき男が嘆く。
モニターには多数のIS操縦者と黒づくめでシルクハットを被り、手には「魔術師」のタロットカードが刻まれた青年が対峙していた。
ダダダダダダダダ・・・
銃撃音が鳴り響く、だが青年は不敵な笑みを浮かべて不気味な時計を起動した。
《ウィザード・・・》
青年・・・《アナザーウィザード》は多数のIS操縦者を魔法で蹂躙していく。
《エクスプロージョン・・・》
「まずい、逃げ・・・うわあああああ!」
映像はここで途切れた。
「第三バリケードも突破されたか・・・」
「他に戦える奴はいないのか!?」「また惨敗だ!この基地も捨てた方がいい!」
「バリケードが全て突破されました!」
「なんてこった、このままでは基地は壊滅だ、このまま他も荒らされたらとんでもない事になる。いいか!?これを外部に伝えろ!そしてこの支部は捨てるしかない!全員逃走せよ!」
そして支部を壊滅させたアナザーウィザードはISを纏い露出度の高い服を着た金髪の少女と合流した。
「シャルロット。こっちはもう終わったぜ・・・」
「こっちももう終わるよ?魔藤君?」
「よし、引き上げて零二様に報告だ。」
「うん!零二君褒めてくれるかなぁ?」
二人は会話すると転送されてどこかに消えた。

2人目

「ーーはっ!?」

 織斑一夏が飛び起きると、そこは何もない虚無の空間だった。

「気がついたようだな」

 一夏の前には長身の男が立っていた。
視線は一夏に向けず、首から提げたトイカメラを弄りながら。

「俺は…確かあの男に」
「そう、お前は死んだ。厳密には、世界から追い出されたと言うべきかな」

 その言葉を聞きながら、一夏は自分の周囲を見回す。
そこには何もなく、ただ闇があるだけだった。

「ここは……?」
「何処でも無い、世界と世界の狭間にある空間だ」
「箒は、俺の仲間や世界はどうなったんだ!?」
「世界は支配された。お前を殺した男にな。仲間とやらも今や奴の意のままだ」
「そんな……」
 
 一夏は拳を握り締める。だが何もできない自分に腹を立てていた。

「まぁ落ち着け。お前はまだここにいる」
「え? どういう事だよ!?」
「正確にはお前の世界とは別の世界で生き続けていると言った方が正しいか」

「別の世界って、まさか異世界転生とか言うんじゃないだろうな!?」
「近いといえば近いだろうな」

 男は静かに語る。

「お前が元いた世界は今や完全にあの男の物となった。
他の世界にも手を伸ばし始めた以上、いずれは別の世界も同じような末路を辿るだろう。見ろ」

 男が指し示す先には、無数の地球が漂っている。

「左から三番目にあるのが、かつてお前がいた世界だ」
「あれが……」

「お前がここで死ねば、他の世界も同じ運命をたどる事になる」
「…………」
「だからお前には新たな生を受けてもらう。そこで再びやり直すんだ」

「アンタ…アンタは一体何者なんだ?」
「通りすがりの仮面ライダーだ」

 そう言って男ーー門矢士はトイカメラで一夏を撮影する。

「さぁ選べ。このまま消滅するか、それとも新しい人生を歩むのか」

「俺は……」

 選択肢などなかった。

「頼む、俺を連れて行ってくれ! 今度は間違えないように!」
「いいだろう」

 士はオーロラカーテンを展開する。

「これは……!?」
「行け、そして見つけろ。お前の新しい人生を」
「あぁ、ありがとう!!」

 一夏はその中へと消えていった。残された士に誰かが呟く。

「これで良かったのか? ディケイド」
「さてな。だが、アイツなら大丈夫だろう。多分な」

 そう言って士は再び歩き出した。行く先は彼のみぞ知る。

3人目

「ここは・・・どこだ?」
その男、神山飛羽真は未知の世界で目を覚ます。
「大丈夫か!?」
「無事だったんですね!」
飛羽真の仲間である倫太郎と賢人が駆け寄ってくる。
「俺は確か・・・ワームホールに巻き込まれて・・・」
「どうやらお前らもこの世界に来たようだな。」
現れたのは門矢士だった。
「君は・・・」
「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ。」
そういうと士はある一点を見据える。

そこにはオーロラカーテンが出現、中から全身黒づくめでサングラスをかけた青年が現れた。
「ここまで来るとは随分暇なんだな。」
士が軽口を叩くと、青年は笑い
「俺達が追い出した魂をわざわざ助けた貴様に言われたくない。」
そう言って彼はある四つのメモリを起動する。

《セイリュウ!》
《スザク!》
《ビャッコ!》
《ゲンブ!》

すると青い龍の様な怪人《セイリュウ・ドーパント》、赤い鳥の様な怪人《スザク・ドーパント》、白い虎の様な怪人《ビャッコ・ドーパント》、亀の様な怪人《ゲンブ・ドーパント》が実体化。
「しばらく遊んでいろ。」
そう言うと青年は去っていった。その青年の手の甲には「悪魔」のタロットカードが刻まれていた。
「やっぱりそうなるか。」
予測していたのか、慌てずに士は自分のベルトを取りだし、カードを挿入する。
「変身。」
《カメンライド!ディケイド!》
変身音が鳴り響くと士は仮面の騎士・ディケイドに変身したのだった。
「動物には、これで相手してやる。」
《カメンライド!オーズ!》
ディケイドは欲望の王・仮面ライダーオーズに姿を変えて四つの異形は彼に襲いかかる。

~~

「ここは・・・」
一夏は荒廃した世界に降り立った。
「アイツ、まさか俺を騙したんじゃ・・・」
いや・・・
「前から俺はそうだったな。二人目の男性操縦者・零二が現れて何も出来ず幼なじみや仲間にも見捨てられて・・・結局俺にはこれがお似合いなんじゃ」
「おいおい何うなだれてんだよ?」
「!?」
一夏の前に怪人が現れる。
それと同時に
「一体どうなってんだ!?」
「ったく、どこまで走るんだよ・・・ってお前は!?」
茶色の大剣を持った男性《尾上 亮》と緑色の双剣を持った青年《緋道 蓮》が現れる。
そして蓮は怪人の姿に驚愕する。
「まあ説明するとしたら、ここは死の世界で・・・俺の名は《デザスト》だ。」

怪人はそう名乗った。

4人目

「デザスト…お前はあの時…」
「死んだはず、か?」

 蓮の言葉を遮り、デザストがそう言った。
そうだ。俺はあの時、確かにこいつをーー

「なんでだ! どうして!」
「おいおい落ち着けよ」
「答えろよデザスト!!」
「まあ落ち着けって。そんなに興奮すんなよ」

 デザストの口調も声色もいつもと変わらない。それが余計に腹立たしかった。

「……俺がここにいる理由を知りたいんだろ? いいぜ教えてやるよ」
「っ!?」
「俺に勝てたらな」

 瞬間、蓮は地面を強く蹴った。一瞬にして間合いに入り込み、聖剣を振り下ろす。
しかしそれはデザストによって容易く受け止められてしまった。
そのまま鍔迫り合いになる。力はほぼ互角だった。

「ぐっ……!」
「どうした? 随分と力が落ちてるんじゃないか? 
あの時のお前はこんなもんじゃなかったろう」
「うるせぇ! 黙れ! 相変わらずムカつく奴だ!」
「そりゃどーも」
「このっ…マジ無いわ……!」
 
 思いっきり剣を押し返す。
そしてすぐさま追撃しようと構えるが、デザストの姿は既にそこにはなかった。

「遅いぞ」
「うわぁっ!?」

 背後からの声に反応して咄嵯に振り向くと、
そこには剣を振り上げたデザストがいた。ギリギリでそれを弾き返して距離を取る。

(なんだこれ……体が思うように動かない)

 今までの自分なら問題なく反応できたはずだ。
だが今はまるで別人のように動きが鈍い。
それどころか戦い方すら忘れてしまっているようだ。

「一体どうなってるんだ…」

 蓮とデザストの戦いを固唾を飲んで見守る一夏。
そして隣にいる尾上と目が合う。

(この人たちも、俺と同じなのか…?)

 尾上は一夏の心を読むかのように小さく首を縦に振った。
どうやらその通りらしい。

「あなたたちも、元の世界を追われたんですか?」
「ああ。特にあのデザストって奴は、
あの蓮って奴に一度は倒され、消滅した怪人だ」
「消滅…死んだ…じゃあ俺と同じく、世界から追い出された…?」
「やはり、少しばかりその辺の事情に関わってるみたいだな。お前も」

「あの通りすがりの男が言っていた通りなのか…」
 
 尾上の言葉に一夏は思わず顔を引きつらせる。
自分がインフィニテット・ストラトスの世界の
住人としての死を迎え、今この場にいるのだと言う実感がここに来て込み上げてくる。 

5人目

「ところで貴方達はどうしてここにいるんですか?」
「俺か?世界の破壊者ってやつに剣士全員に用があるとか言われて、この世界から追い出されたんだよ。」
「どういう意味ですか?」
「まあ、物語でよく言う生きながら死者になるってこった。その世界の破壊者ってのは、《門矢 士》って言ってたな。」
尾上はそうぼやく。 
一夏が再び視線を向けると蓮はデザストに追い詰められていた。
「くっ・・・何でだよ・・・」
「変身しろ、変身。」
「!?」
「どうした?しばらく会わない間に頭まで悪くなったか?」
「・・・!変身!」

蓮は仮面ライダー剣斬に変身し、デザストと激闘を繰り広げる。
その動きはさっきまでと違い、格段に良くなっていた。
「ハッハッハ!いいねぇ!やっぱりこれがしっくり来る!」
「あーもう!勝ったら教えろよ?」
「分かってるって!」

「どうして・・・」
「急に動きが良くなりやがった、やはり他の魂ってのが関係してんのか?」
「他の魂?」
一夏は尾上に問う。
「ああ、「生者は他の魂に侵食されやすい、聖剣があるから無事だが生身だと、その影響で戦闘力が半減する」って言ってたな。」
「あの人がそんな事を・・・」
ますますあの破壊者の事が分からなくなった一夏。

そして剣斬とデザストの戦いも佳境を迎えていた。
「行くぞ、デザスト!」
「ハッハッハ!来いよ!」

しかしその戦いに水を差すものがいた。
剣斬とデザストの前に異空間が現れる。

「何だよこれ?」
「チッ、もう来たか。」
剣斬は思わず異空間に目を見開き、デザストは舌打ちをする。
「見つけましたよ・・・」
異空間から響いて来る声・・・尾上と蓮はその声に聞き覚えがあった。
「アーハッハッハッハ!」
狂気に満ちた笑い声と共にセイバーに似た異形の怪人《アナザーライダー》が飛び出して来る。
それはセイバーを歪めた姿にドラゴンの骨や炎を模した装飾品を着けたさしずめ《アナザーセイバー エレメンタルプリミティブドラゴン》とも呼ぶべき姿だろう。
そして尾上と蓮はその声からあの怪人が誰なのか分かった。
「マスターロゴス・・・」
「何でアイツがここに!?」

「私の復活の糧となれ!物語の世界から追い出された古き主人公よ!」

アナザーセイバーEPD(エレメンタルプリミティブドラゴン)は二人に見向きもせず、一夏に襲いかかる。

6人目

「くっ……! やられてたまるかァッ!!」

 アナザーセイバーの凶刃が
一夏に届く瞬間、眩い輝きが包み込む。

「ほお…?」

 一夏がその身に纏ったIS、白式がアナザーセイバーの攻撃を受け止めていた。

「はああぁッ!!」
 
 一夏の裂帛の気合いと共に、アナザーセイバーを押し退ける。

「ふっ、ライダーとは違うらしいが、
やはりあいつも只者じゃなかったみたいだな」

 尾上はニヤリと笑う。
一夏はアナザーセイバーを睨み付けながら、ゆっくりと立ち上がった。

「アンタたちが何処の誰だかは知らないが、
俺はこんな所で終わるわけにはいかない!」

 そう言うや否や、一夏は再び構える。
その眼光からは闘志が満ち満ちる。

「ほう? まだ諦めないのですか? もはや君は物語の舞台から降ろされたと言うのに」
「当たり前だ! 俺は箒達を助けなきゃいけないんだ!
それを邪魔するなら、お前たちだって倒してやる!!」

 その言葉を聞いた途端、尾上は確信する。

「少年! お前の名は!?」
「織斑一夏です!」
「気に入った! その無鉄砲で向こう見ずな感じ、
俺が知ってる小説家にそっくりだ!」

 そう言って尾上は笑みを浮かべた。

「だがな、半端な覚悟じゃ、そいつらを倒すことはできないぞ」
「わかってますよ……でも、だからと言ってこのまま引き下がれません!」
「だから、力を合わせようってこった!」

「なるほど。この嫌悪感。私は彼の中に神山飛羽真を視ていたわけですね。
まったく、腹立たしい! 今も尚、私の前に立ちはだかろうと言うのですか!!」

 アナザーセイバーの変身者、マスターロゴス。またの名をイザク。
かつては尾上や蓮も所属する世界の均衡と秩序を守る組織
ソード・オブ・ロゴスの長であったが、その理想は醜い欲望と野心によって
黒く変質した。

 今の彼は己の目的のためならば、手段を選ばない外道へと成り果てている。
そんな彼を野放しにしておけば、必ず世界にとっての災厄となるだろう。
だからこそ、ここで討つしかないのだ。

「行くぜぇ! 少年!!」
「はいッ!!!」

一夏の返事と同時に尾上は駆け出した。

「はあぁっ!!」
「さあ、来なさい! 神山飛羽真への復讐の前に、まずは貴方たちの血で
カーテンコールを真っ赤に染めて差し上げる!」

 異世界の戦士たちがここに交錯する。

7人目

ここは《金丈 零二》の部屋である
「あぁ・・・零二様・・・零二様ぁ・・・」
「大丈夫かな・・・僕、あまり自信がないんだけど。」
「心配するな、全然いいからよ。」
天蓋付きのベッドでセシリア・オルコットとシャルロット・デュノアと断罪すべき悪・零二が体を擦り寄せあっていた。
「(まさか働いてないからって理由で親に追い出されそうになったんで殺して警察から逃げる途中で死んだら究極の力を貰えるなんて思わなかったなw 織斑一夏は死の世界に飛ばされたみたいだが俺の分身を送り込んどいたから余裕だぜw)」
この男は前世からろくでもない性格のようである。
一方、死の世界では
「くそっ、蛆虫共が!」
アナザーセイバーEPDは仮面ライダーバスターと織斑一夏に追い詰められていた。四大元素による攻撃もバスターにいなされ、バスターを倒そうにも一夏の白式によるサポートの前に阻まれ、防戦一方だった。
「どうした?まだやるんなら相手になるぜ?」
「箒達を助ける為に負けるわけにはいかないんだ!」
バスターと一夏はまだ余裕のようだ。
「マスターである私が負けるとでも・・・」
「苦戦してるようだな。」
すると氷とリヴァイアサンの意匠を持つ白いライダーが現れる。
「お前、まさか剣士か?」
「その通りだ、我は氷の剣士・仮面ライダーシヴァ。」
バスターの問いにシヴァはこう答える。
「邪魔をするな!私は」
「誰がお前を蘇生させたと思っている?」
シヴァはアナザーセイバーを黙らせると、二人に視線を向ける。
「また会おう、タロット・フォース最強格である私に辿り着ける力量があるのならな。」
シヴァはアナザーセイバーを連れて去っていった。
「何なんだアイツ・・・相当のやり手のようだが。」
「今までの敵とは桁が違う・・・」
バスターと一夏はシヴァに戦慄するが・・・
「アー、終わったか?」
「本当にお前の言う通りになった、ムカつく!」
怠そうにするデザストと怒り心頭の剣斬がいた。
「それでお前は何か知っているのか?」
「何かいいたい所だがどうやら気付かれちまったみたいだ・・・」
「?」
「おい!?」
「アレは・・・!?」
デザストが見た方向には巨大な黄金の剣士を思わせるISを纏った零二がいた。
ところ変わって零二の部屋
「俺の分身を何体まで倒せるのかねぇ・・・」
モニターに映った部屋には何体もの零二の分身がいたのだった。

8人目

 セイリュウ、スザク、ビャッコ、ゲンブ。
四神の名を持つドーパント達がディケイドに襲い来る。
対して、ディケイドは3つの動物パワーを組み合わせて戦う仮面ライダーオーズに
変身して対抗する。

【KAMEN RIDE 000】

【タカ! トラ! バッタ!】
【タ・ト・バ! タトバタ・ト・バ!!】

タカの目、トラの爪、バッタの脚力を併せ持つオーズの基本フォーム/タトバコンボ。

「はあッ!!」

鋭いトラクローの三連爪撃がビャッコドーパントを切りつけた。

「うぐッ」

その一撃でビャッコドーパントの胸部から火花が散る。

「まだまだ」

【ATTACK RIDE SLASH】

今度はライドブッカーをソードモードにしてセイリュウドーパントに十文字斬り。

「ぐあぁっ!!」
「はあっ!!」

 さらにバッタの脚力で横っ飛びし、ゲンブドーパントの顔面に連続キックを叩き込む。

「だらららららららららッ!!」
「グウゥッ!?」

連続攻撃を浴びて吹き飛ばされたゲンブドーパントが地面に倒れ伏す。

「調子に乗るなよ……人間風情がァアアッ!!」

 スザクドーパントが空中からディケイドを強襲、縦横無尽に飛び回り、
頭上から幾重もの急降下攻撃を仕掛けてくる。

「おっ…と。ドーパントならこいつか」

【KAMEN RIDE W】

 前転してスザクの攻撃を避わしドライバーにカードを装填してWへと変身すると、
すかさずトリガーマグナムを手に取り連射。

「ぐうぅっ!?」

 数発被弾したもののスザクドーパントも負けじと鉤爪を振りかざしてきた。

【FINAL ATTACK RIDE WWW W!!】

「ジョーカーエクストリームッ! 
てぇあああああああああああああッ!!」

 旋風を発生させて上空へ舞い上がりながらDCDW/サイクロンジョーカーの必殺技を
発動する。
分かたれた左半身と右半身が時間差をつけて着弾する両足蹴りがスザクドーパントを捉え、
爆裂四散させた。

「ぬおおおおおぉッ!!」

 爆炎の中から飛び出し、着地。再びディケイドの姿に戻る。 

「ス、スザクが…!」
「四神が欠けちゃ世話無いな。さあ、どうする? 奴の後を追うか?」
「お、おのれ、ディケイド…覚えておれ!」

 残るドーパント達が逃げ帰っていく。

「やれやれ、嫌になる程聞いた台詞だな」

9人目

ここは薄暗い牢屋、一夏は目を覚ます。
周りには尾上や蓮、デザストが倒れていた。
「(俺は確か二人の剣士や変な怪人と会って、変な怪物を撃退した後に零二が現れて、強力なISを使ってた割にはあっさりやられたと思ったら上に複数の零二がいて・・・)」 
「駄目だ、思い出せねえ・・・」
「イチカァァァァァ!」
何かに抱き着かれて押し倒される一夏、敵かと思って見上げると・・・
「箒!?」
「良かった、もう会えないかと思った・・・」
「抱き着くな!胸が当たって・・・」
「一夏好き!会いたかった!異性として好き!」
「え!?異性として好き・・・って、それって///」
「捕まってるのによくイチャつけるなおい・・・」
一夏と箒が振り向くと気絶から目覚めていたデザストと蓮、尾上がいた。
数分後
「それで箒はなんで捕まってたんだ?」
「どういうわけか私だけ操られていなかったんだ。」
「そうなのか・・・他のみんなは。」
「恐らく・・・奴の嫁に」
「そうか。」
箒は一夏にそういうと、デザストが口を開く。
「取り敢えずここはどこなのか、脱出の方法を探すのが先決だ。」
「お前が仕切んなよ!」
「何だ蓮?俺に命令されんのがそんなに不満なのか?」
「そりゃそうだろうよ、第一俺はお前を信用していねえ。」
デザストと蓮の会話に尾上が口を挟む。

「本当に大丈夫なのか一夏?」
「俺に聞くなよ箒、それよりさっきの異性として好きって・・・」
「・・・?」
一方敗走してきたドーパント三体は・・・
「まさかスザクがやられるとは・・・」
「あの方に見つかったら何て言われるか」
「俺がどうしたんだ?」
ドーパントを召喚した青年が現れる。 
「お前ら、俺は逃げてこいなんて言った覚えはないんだが?」
「それは・・・」
「まあいい、幸いメモリは回収しておいたから・・・よ!」
青年はスザクメモリにエネルギーを注ぎ込み、メモリからは悲鳴をあげるかのようにバチバチと音がなる、やがてそれはゲンブ・ドーパントと融合し、
「グオオオオオオ!」
ゲンブ・ドーパントは苦しみながら、玄武と朱雀を合わせた様なキメラに変貌した。
「あ・・・あ・・・」
怯える二体のドーパント。
「お前らも強化してやるけど、働き次第ではこうなるからな?」
青年はそういうと
「(零二様の点数稼ぎになるし、俺も行くか。)」
青年は黒いディケイドライバーを見てボヤいた。

10人目

 四神のドーパントを退けた士。
飛羽真、賢人、倫太郎はここを訪れる際に
尾上、蓮の2人と離れ離れになった事を知る。

「4体の怪人をたったひとりで……お見事でした!」
「あの程度は褒められるまでも無い。当然だ」

 倫太郎の言葉に自信満々に返す士。

「しかし、尾上さんと蓮とはぐれてしまうなんて」
「あの2人なら大丈夫だろう」
「それはそうですが……」

 心配する飛羽真と倫太郎だが、賢人は努めて冷静さを保とうとしていた。

「聖剣使いが全員集まるに越した事は無かったが……まあいい」
「それで、さっきの怪人は一体何なんです? メギドでも無かったみたいだけど……」

 飛羽真は先程のドーパントについて尋ねた。

「奴らはガイアメモリと言うものを使って肉体を突然変異させる化け物だ」
「ガイアメモリ?」

「専門分野の検索人間がいれば代わりに説明させるんだが、まあ大体理解できればいい」
「じゃあ、さっきのドーパントも元は人間なんですか!?」

「元々人間辞めてるような奴らが使う事もある。
死体を蘇生させて造ったゾンビ兵士とかな。
まあ、またろくでもない連中が裏で動いているって事だけは確かだ」

 士は険しい表情を浮かべながら言った。

「……」

 その言葉を聞き、飛羽真の脳裏にはある人物の顔が浮かんでいた。

「それよりお前ら、この世界に来た目的を忘れるなよ」
「目的?」
「そうだ。お前らの世界に害をなす存在がいる以上、放っておく訳にもいかないからな。
お前らも、もう無関係ではいられないと言う事だ」

 士の言葉を受け、3人は改めて決意を新たにした。

「わかりました! 僕達も協力します!」
「ああ。俺達は何をすればいい?」
「まずはお前らのはぐれた仲間を探し出せ。
奴らを味方につければ戦力アップになるしな」

 その頃、ノーザンベースにて。
ソフィアは1冊の本を手に取って眺めていた。

「まさか、こんな日が来るなんて……」

 ソードオブロゴスの書庫に収められた本を守護する彼女にとって、
今起こっている事態は自分の想像を超えたものだった。

「……いえ、今は感傷に浸っている場合ではありませんね」

 そう言って手に取った本のページを開く。
開かれたページにはこう書かれていた。

『かつて全ての悪しき者を封印せしめし混沌たる深淵』 

「どうか剣士たちに御加護を……」

11人目

「ここは・・・どこだ?」
時の剣士・仮面ライダーデュランダルこと神代凌牙はインフィニット・ストラトスの世界で目を覚ます。隣には自らの妹、仮面ライダーサーベラこと神代玲花が倒れている。
「確か俺は・・・くっ、思い出せない。」


「撤退いいいいい!撤退いいいいい!」
「クソッ、なんて戦闘力だ。」
ここは革命軍の拠点。しかしある一人の乱入者によって半壊状態においやられていた。
「全く・・・張り合いがないわね。」
その乱入者とは零二の配下の一人・鳳鈴音だった。

ドガアアアアアン!
砲撃で基地の設備が壊される。

そしてゴールデンキングダムでは・・・
「何?俺の世界に次々とイレギュラーが?」
「はい・・・」
零二が部下の報告を聞いていた。
「いかがなされますか?零二様?」
「と言われても、俺の分身は調整中だしな・・・タロット・フォースに向かわせるか。」
「おい、ヘルス!」
零二の命令で銀髪で仮面を着け、手の甲には「愚者」のタロットカードが刻まれた男が現れる。
「はい、ヘルスが参上いたしました。ご用件は何でしょう。」
「俺の世界を壊すイレギュラーを皆殺しにしてこい、男女は問わねえ!」
「かしこりました。」
ヘルスは魔方陣を通して消えていった。
「これで世界はこっち側に動く・・・ククッ。」
零二の笑みはしばらくの間、消える事はなかった。

12人目

 
 一夏や箒、尾上たちが捕らえられた牢獄。

「外が騒がしいな」

【この群青に沈んだ命が今をも紡ぐ、刻まれた歴史…】
【この薄命の群が舞う、幻想の一節…】

「「変身!!」」

凌牙と玲花。兄妹にて聖剣使い。

「仮面ライダーデュランダル!」
「仮面ライダーサーベラ!」

 二人の剣士は迫り来る敵をを迎え撃つべく駆け出した。

「行くぞ、玲花」
「ええ。お兄様には手出しさせない! 狼煙霧中!」

 サーベラは煙叡剣狼煙の力によって自らを煙と化し、
敵の間をすり抜けて斬りつける。

「ふッ! はッ! でぇやあああああッ!!」

 デュランダルもまた、三又槍に組み替えた聖剣・時国剣界時で
敵をまとめて薙ぎ倒す。

「何だこいつらは!?︎」
「構うな! まずは奴らを捕らえろ!!︎」
「向かってくるのならば容赦はしない。俺を怒らせるな…!」

 凌牙と玲花は迫る敵の大軍を相手に一歩も引かず戦い続ける。

「恐らく、神代兄妹が来てるみたいだな」
「分かるんですか?」
「まあな」

 牢獄の外から微かに聞こえてくる戦闘音、太刀筋による空気の震えから、
尾上はそれがデュランダルとサーベラによるものだと推察する。
そして、その推測を裏付けるように二人の戦いの音は徐々に大きくなっていく。

「あの二人が来てるなら……」
「これに乗じて抜け出せるかもなァ」
「みんな、準備はしておけ。隙を見計らってここから抜け出す」

 尾上の言葉に一同は大きく息を飲む。

「後はここに放り込まれる前に没収された聖剣を取り戻さないとな」

「俺たちのISも、ですね。箒、何か知らないか?」
「いや……少なくとも私は何も知らされていない」
「そうか……」

 凌牙と玲花の乱入により戦況は逆転したかに見えたが
それでも敵は怯むことなく攻め立てる。
だが、その猛攻を受けてなお、凌牙たちは余裕を見せていた。

「玲花、頼む」
「はい、お兄様。狼煙霧中!」

 玲花は凌牙と共に煙に包まれ、その姿を隠す。
煙叡剣狼煙には狼煙霧中に包んだ物を別の場所へ移動させると言う効果もある。
それにより、凌牙たちの姿は再び消え失せる。

「また消えたぞ!?︎」
「探せ! 絶対に逃がすなぁっ!」
「おい、お前ら落ち着け!」

 混乱する敵軍。その隙を突いて、凌牙たちは敵陣から離れた場所へと移動する。

「よし、上手くいったか」

13人目

デュランダルとサーベラが敵軍と戦っている隙を見て、牢獄から抜け出した五人。
しかし
「何だこりゃ・・・」
そこにいたのは、大量のゾンビ兵士だった。
「面白え!俺がまとめて相手してやるよ!」
この中で唯一戦えるメンバーであるデザストが先陣を切るが・・・

「光あれ。」

その声と共にゾンビ兵士が消滅する。

「ユーリ!お前もこの世界に来てたのか!」
「ああ、大秦寺も一緒だ・・・」

見ると無数のゾンビ兵士を仮面ライダースラッシュが一掃していた。

そこに一人の少女が現れる。
「このまま無双なんてさせない・・・」
少女はアルターライドブックを起動する。
《骨抜きのクラゲ!》
少女はクラゲメギドとなり、スラッシュに襲いかかる。
「!?君は誰だ・・・!」
「タロット・フォース「女教皇」の称号を持つ転生者・ロキシー。実力は最弱だが甘く見るな!」
クラゲメギドは電撃と触手でスラッシュを攻撃し、スラッシュもそれを迎え撃つ。

「大秦寺!俺達も加勢しねえと!」
「でも聖剣はどうすんだよ?」
「あぁ、それなら・・・」
尾上、蓮はデザストから自らの聖剣を受け取る。

「おい!何でお前がそれを・・・」
「ちょっと時間あったんで基地にあったのを奪わせてもらったんだよ、オラッ!」
デザストは一夏・箒に待機状態のISを投げ渡す。

「なんて奴だ・・・」
「でも・・・これで!」
「あ、ああ!」
一夏は自分勝手なデザストに呆れつつも、自らのISを展開して箒もそれに続く。

~~

「これで敵は全部か。」
「そのようですね。」
敵を全滅させた神代兄妹だったが・・・
《ハリケーン・・・》

どこからか放たれた、竜巻を回避する。

「あら、避けたの?やるじゃん。」
「何者だ?」
現れたアナザーウィザードに警戒心をあらわにするデュランダルを前に敵は恐れずに答えた。

「タロット・フォース《魔術師》の称号を持つ者・魔藤 快斗。さあ、楽しいショーの時間だ!」

そう言うとアナザーウィザードは二人に襲いかかった。

14人目

【かつて、四聖獣の一角を担う強靭な鎧の神獣がいた…】
【とある影に忍は疾風! あらゆる術でいざ候…】

「「変身!!」」」

 取り戻した聖剣で変身する尾上と蓮。

「こうなりゃこっちのもんだ」
「大秦寺、手を貸すぜ!」

 それぞれ仮面ライダーバスター、剣斬に変身し、大秦寺に駆け寄る尾上と蓮。
クラゲメギドと交戦するスラッシュに割って入る。

「またこうやって一緒に戦えるとは思わなかったぞ、一夏」

紅と白。
篠ノ之箒の赤椿と、織斑一夏の白式が並び立つ。

「ああ。俺はそのために戻ってきたんだからな。セシリアや鈴音もきっと
取り戻してみせる!」
「頼もしいな。だがまずは…」

 バスター達に加勢しようとする2人であったが、牢獄の壁を突き破って
IS部隊が這い出てくる。

「ISの無人機!?」
「ISの技術まで掌握されているのか…!」

 驚く一夏と箒だったが、すぐに気を取り直して武器を構える。

「少年!」
「尾上さん、奴らの相手は俺と箒でやります!」
「分かった! そっちは任せるぞ!」

 聖剣使いはクラゲメギドを、一夏と箒は無人IS部隊を迎え撃つ。

「数が多いな。俺たちはこちらに手を貸そう」
「ISとやらと戦うのも面白そうだなァ」

 最光とデザストが一夏たちの援護に回った。

「ありがとうございます!」
「さあ、行くぞ」
「ああ!」

 一夏、箒、最光、デザスト。IS装着者、ライダー、メギドと言う
世界や種族を超えた混成チームで
4人で無人機ISの群れに立ち向かう。

『────!』
「危ないッ!!」
 
 無人機は、一斉にビーム兵器を構えて放つ。
しかし、その攻撃は全て一夏と箒が装着したISのシールドエネルギーによる
バリアに阻まれる。

「大丈夫ですか?」
「ほう、これがその鎧の力か?」

興味深げに見つめるのは、最光。

「よし、行こう箒! 今度こそあいつらをブッ飛ばす!」
「応ともっ!」

 2人は同時に飛び出した。
そして無人機を次々に撃破していく。

「オラァァッ!」
「せぇいッ!」

 ISの防御システムも完璧ではない。シールドエネルギーを突破する攻撃力があれば、
本体にダメージを貫通させられる。
デザストと最光が同時攻撃を撃ち込む事により、無人機のバリアを突破して
本体に攻撃を届かせる。

「ハッ、これぐらいの方が歯応えがあるってもんだ」

15人目

クラゲメギドはバスター、剣斬、スラッシュの猛攻に追い詰められていた。
「くぅ・・・下郎がぁ・・・」
クラゲメギドは触手を振るい、なぎ払おうとするも三人に容易く避けられる。
「私を嘗めるな!下郎!」
そう言うとクラゲメギドは突如液状になり、三体のクラゲメギドに分かれた。

「何だと・・・?」
「マジ!?こんなのアリかよ!」
「分裂するメギドか。」
バスターと剣斬は驚愕し、スラッシュはそれを冷静に分析する。
そして三体のクラゲメギドが三人の剣士と対峙する。

「死ねえええええ!」
「危ねっ!?」
クラゲメギドは触手でバスターをなぎ払おうとし、バスターはそれを避けるが壁は大きくえぐれていた。どうやらバスターと戦っているクラゲメギドは攻撃力特化型のようだ。

「くそっ!?何だよコイツ!?」
剣斬はスピードでクラゲメギドを翻弄して連続攻撃を加えるもクラゲメギドの弾力に大きく弾かれ、防御力特化のクラゲメギドは剣斬に電撃を浴びせる。
「ぐあああああ!」

「個体ごとに能力が違う・・・厄介だな。」
スラッシュと戦っているクラゲメギドは能力特化型のようで、スラッシュはダメージこそ受けていないが多彩な電撃や液状化能力に苦戦していた。

~~
「これで殆ど倒せたか?」
「ハッ、手応えがねえな。」
最光はエックスソードマンとなり、無人機を全滅させていた。
それを見たデザストも怠そうに言う。

「よし、後は・・・」
「待て一夏!何かくるぞ!」
「あれは・・・!?」

何かが天井を突き破って乱入してきた・・・それを見た一夏と箒は驚愕する。
「セシリア!?」
「何でここに・・・!?」
「へえ、お仲間さんか。」
「・・・」
現れたセシリアに一夏と箒は驚愕、デザストは平然としていて最光は何かを考えている。

ゴールデン・キングダムでは
ベッドで抱き着いて眠るセシリアとシャルを抱き、零二がモニターを見ていた。
「苦労して作った分身だ、簡単にやられるなよ?」。
「お前らには生きていられたら都合が悪いんだ、ここで全員殺してやるよ、」
そう言って零二は不敵に笑う。
 

16人目

 牢獄の天井を突き破り、セシリア――の分身体――と交戦する一夏。

「やめろ、セシリア! 目を覚ませ!!」
「………」

 目の前にいるのがセシリアの姿をした紛い物である事に
一夏は気づけずにいた。その姿、能力に至るまで、全てが本物と寸分違いない。
まして、仲間であるセシリアが攻撃をしてくるとなれば、
冷静な判断力が働くべくも無かった。

「俺の事が分からないのか!? セシリア!」
「………」

 必死の説得も、空中を縦横無尽に飛び、ビームを発する遠隔操作型ビットに阻まれる。
セシリアのIS「ブルー・ティアーズ」は徹底した遠距離射撃戦に特化している。
近接戦に持ち込めれば勝機はあるが、
そう易々と不可侵の結界にも似た距離を詰める事は叶わない。

(くそっ……どうすればいいんだ)
「一夏!」

 熾烈なセシリアと一夏の空中戦に箒も加わる。

「私も戦うぞ!」
「待てよ! 相手はセシリアなんだ!」
「あれは確かに姿形はセシリアだが、私にはどうにもあれが本人とは思えない」

「何でそんな事が分かるんだよ?」
「……直感だ。奴からは意志が感じられん。まるで人形のようだ」

 その言葉にハッとする一夏。

「とにかく、私が援護する! その間に何とかしろ!」
「あれがセシリアにせよ、偽物にせよ、無力化しなきゃどうにもなんないのは確かか…
よし…!」

 地上では、アナザーウィザードと交戦する神代兄妹が一夏達の姿を目撃していた。

「人が空を飛んでいる…あれも貴様らの仕業か…!」
「さぁて、どうだろうね。まあでも、一つ言える事があるとすれば……」

 惚けるアナザーウィザードは右手を高々と掲げ、指を打ち鳴らす。
乾いた音が鳴り響くと同時に、
デュランダルの左右側面の空間に魔法陣が広がる。

「むっ…!?」
「君はここで死ぬって事かな?」

 直後、魔法陣から炎の渦が噴き出し、デュランダルを挟撃。
一瞬にして炎に包まれデュランダルの姿が見えなくなる。

「お兄様!」

【界時抹消!】 

 炎が収まると、そこにデュランダルの姿は無い。

【再界時!】

 デュランダルは一瞬の内にアナザーウィザードの背後に回り込み、一太刀を浴びせた。

「ぐあッ!?」

 思わぬ反撃を食らい、よろめく。

「小賢しい真似をするじゃないか。どう言う手品だ?」
「これが我が聖剣、時国剣界時の力だ」

17人目

デュランダル、サーベラと交戦するアナザーウィザード。
「成程、だったらこっからは出し惜しみなしで行くか・・・」
《ドラゴライズ・・・》
すると魔法陣が出現し、炎が放たれる。
「まずい・・・!」
「・・・!」
デュランダルとサーベラは回避するが、アナザーウィザードが姿を消していた。
「正直アンタらを甘く見ていたよ・・・でもこれが本気だ。」
魔法陣から現れたのは骸骨かゾンビを思わせるドラゴンの様な怪物《アナザーウィザードラゴン》
そして、その背中にアナザーウィザードが乗っていた。
「悪く思わないでね?まあ、綺麗な最後にはならないだろうけど。」
アナザーウィザードラゴンの火炎が再び、デュランダルとサーベラを襲う。

一方、一夏と箒はセシリアに苦戦していた。
「機体が強化されているのか・・・!」
「動きがまるで違う・・・!」

二人にとどめを刺そうとするセシリア。

「カラミティ・ストライク!」
しかし、デザストに阻まれる、ギリギリでかわしたが
「うらぁっ!」
跳躍したデザストの一撃をくらい、墜落する。
そして、デザストは一夏の元に行き
「おい。」
「今度は何だよ・・・?」
「力を貸せ!コイツを止めるぞ!」
「は、はぁっ!?」

そして箒の元にも
「ん!?何だこの剣は!?」
「その鎧といい最高だな、力を貸してやる。」
「まさか・・・さっきの」
光剛剣最光が現れていた。


そしてバスターと剣斬、スラッシュはクラゲメギドに手こずっていた。
「このままじゃキリがねえ。」
「どうすんだよ・・・」
そう嘆くバスターと剣斬にスラッシュは・・・
「尾上、蓮、ワンダーライドブックを変えるぞ。」
「そうか大秦寺!前みたいにするんだな?」
「ああ。」
「よし、そうと決まったら」
バスターはスラッシュからヘンゼルナッツとグレーテル、剣斬はバスターからジャッ君と土豆の木、スラッシュは剣斬からこぶた3兄弟を受けとり、フォームチェンジをする。

「姿を変えようが負ける運命よ!やれ!」

分裂したクラゲメギドと姿を変えた剣士達との戦いは佳境を迎えていた。

18人目

「感じる…この剣から、並々ならぬ力を…!」

 金剛剣最光とは、ユーリの本来の姿。

『俺が他人に力を貸すなど、滅多に無い事だ。
まして聖剣使いでも無い者になど、前代未聞だぞ』
「確かに、この力……使い方を誤れば、大きな災いを呼ぶ事は必定……」

 箒は知っている。大きな力を扱うには、強き心を伴う事を。
力を求めるあまり、自分とて道を誤りそうになった事もある。
故にこそ。

「それでも私は……私達は、立ち止まれないのだ! 一夏の為にも、皆の為にも!!」

 再びセシリアと戦う一夏に視線を向ける箒。

「はっはァ! こりゃいい乗り物だなァ!」
「お前なぁ……」

 一夏の背中に乗って空を飛ぶデザスト。セシリアのビット攻撃を掻い潜る。

「よっ!!」

 デザストは一夏の背中から飛び降り、セシリアのバリアに斬りつける。
反動で弾かれたデザストの落下地点に一夏が回り込んで受け止めた。

「ご苦労ご苦労」

 超々高度での戦い、さらに音速を超えるスピードで展開されるIS同士の戦いを
デザストは愉しんでいた。

(こいつ…ふざけてるけど、強い!)

「さっきの無人機との戦いでISとか言う奴の戦い方のコツは大体掴んだ」

 燃費の悪い白式では長時間の戦闘は不可能に近い。
だが、デザストを伴う事によって手数を増やす事が出来る。
白式の欠点、及びISを倒すにはエネルギーを消耗させ、
バリアや武器の使用を封じるのが最適解だと言う事をデザストは
これまでの戦闘経験から導き出していた。

「はあああああッ!!」
「でぇええええッ!!」

 白式から飛び降りたデザストが先行し、時間差で一夏が追撃を仕掛ける。
それによってセシリアのシールドエネルギーを消耗させていく。

「あのデザストとか言う怪人、出来る……!」
『ならば篠ノ之箒、お前もあれくらいやってみせろ』
「言われるまでもない!」

 金剛剣最光が輝きを増し、その刃を巨大化させる。

「おお……」
『さあ見せてくれ、篠ノ之箒。お前が俺を振るうに値するかどうかを!』

「一意専心……」

 意識を集中し、己を見つめ直す。
自分がどうありたいのか? 何をなす為にここに居るのか? 
それはかつて一夏が教えてくれたこと。

「この一撃に全てを賭ける! はあああああっ!!」

 巨大な光の刃を振りかざし、箒はセシリアに向かって突撃していく。

19人目

「どうしたぁ!?全力でかかってこいよ・・・」
アナザーウィザードラゴンの巨体から繰り出される攻撃の前にデュランダルとサーベラは追い詰められていた、アナザーウィザードはそんな二人を見下ろして嗤う。
「俺を怒らせるな・・・」
「ぐ・・・うっ・・・」
聖剣の能力で何とか持ちこたえているが、質量の差は補えず防戦一方のデュランダルとサーベラ。
「フッ、やっぱりその程度だったな・・・やれ!」
「グオオオオオオ!」
主の命令を受けたアナザーウィザードラゴンが禍々しい咆哮を上げながら、二人を塵に変えんと襲いかかる。


箒の最光による一撃が決まり、爆炎が上がる。
「箒・・・ユーリさん・・・!」
「ここで倒れてくれるなよ?」
箒達を案ずる一夏、挑発するかのような物言いのデザスト。

炎の中に立っていたのは・・・
「ふぅ。」
箒と最光だった。

「箒!よかった・・・」
「ったく、ヒヤヒヤさせやがって・・・」
箒達の無事を喜ぶ一夏とデザスト。

「そういえばセシリアは・・・」
「確か無事だと」

《マーメイド!》

「!?」
突然鳴った音声に驚愕する一夏達、異変はここ以外でも起きていた。

「がぁっ!?ぐがががが」
「何だ・・・これは・・・あがががが」
「クソが・・・こんな所で・・・ごがががが」
バスター達と戦っている三体のクラゲメギドが突如結合し、何かに引き寄せられていったのだ。
「おい、何だよ気持ち悪い。」
「引き寄せられているのは・・・一夏達の所だ!」
「分裂したと思ったら結合・・・どうなっているんだ。」

ゴールデン・キングダムのアジト
「あーあ、とんでもないの引き当てちまったな、分身体にはガイアメモリを埋め込んであるんだ。何が起こるか分からないぜ?」
そうぼやく零二。

そしてクラゲメギドはセシリアが発した光に吸収され、それはブルー・ティアーズをも取り込んで一つの繭のようになっていく。

そして繭は数分もしないうちに、弾けてそこから出てきたのは

「・・・」

セシリアを中心にブルー・ティアーズと人魚、クラゲが合わさったようなキメラだった。

20人目

「あの姿……!」

 クラゲメギドとセシリアの分身体が
ガイアメモリの力で結合させられたキメラ。

「オオオオオオオオオ……!」

 海辺で嘆きの歌を歌う人魚のような悲しげな声を響かせる。

「あいつ、泣いているのか……」
「一夏?」

「少年! 大丈夫か!? メギドがこっちに……」

 クラゲメギドと戦っていた尾上たちも牢獄から合流する。

「おっさん! あれ……」

 彼方の向こうからはアナザーウィザードラゴンに追われるデュランダルとサーベラの姿が。

「やっぱり、神代兄妹だったか!」

「お兄様、彼らは……」
「あいつらもこちらに来ていたのか!」

 ついに、それぞれの戦場で戦っていた戦士たちが一同に集う。
しかし、前門のキメラドーパントに後門のアナザーウィザードラゴン。
状況は極めて最悪と言って良い状況だ。

「よ、久しぶり……と言いたいが、再会を喜んでる場合じゃなさそうだな」
「まったく、一体何がどうなっている……!」

 背中合わせに陣形を組む聖剣使いとIS装着者たち。

「箒、まだやれるか?」
「誰に言っている。お前こそ、エネルギー切れで動けなくなるんじゃないのか?」

「心配するな、まだやれる!」
「それが聞ければ十分だ。だが、無理はするな。お前の事は、私が……」
「ん? 何か言ったか?」
「……何でも無いッ! そう言う所だぞ、お前はいつも……!」

 皆、戦意は失われていない。最後の最後まで戦い続ける覚悟だ。

「グガアアアアアアアアアアアアア!!」
「オオオオオオオオオオオオオオ……!!」

 アナザーウィザードラゴンとキメラドーパントが一斉に襲いかかろうとしたその時。

【烈火一冊! 勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】
【流水一冊! 百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!】
【黄雷一冊! ランプの精と雷鳴剣黄雷が交わる時、稲妻の剣が光り輝く!】

「「「変身!!!」」」

「やれやれ、最近のベルトは随分とやかましいな。変身」

【KAMEN RIDE DECADE】

「みんな! 大丈夫ですか!?」
「小説家! 倫太郎と賢人も! いい所で現れやがって、この野郎!」

「アンタは、通りすがりの……!」
「どうやら、まだ生き延びていたらしいな。」

 飛羽真、倫太郎、賢人の合流。
そして、ディケイドと一夏の再会。

21人目

「あらら・・・面倒な事になっちゃったか。」
四神のドーパントを送り込んだ青年はそう嘆く。
傍らには強化されたセイリュウ・ドーパントとビャッコ・ドーパントもいる。
「加勢してやるか。」
青年は手を仰ぐと玄武と朱雀が合わさったようなゲンブ・ドーパント暴走体が姿を現し
「行け。」
ゲンブ・ドーパント暴走体は戦場に向かって行き、セイリュウ・ドーパント、ビャッコ・ドーパントも後に続いた。
「さて・・・お前らは俺の特典であるダークディケイドには勝てるかな?」
青年・イビルはそう呟いた。

「ったく、どうなってんだよ・・・」
アナザーウィザードはアナザーウィザードラゴンに乗りながら嘆いた。
「(アイツらは・・・)」
アナザーウィザードは一夏と箒を視認した。

「再開を喜びたい所だが・・・まだお客さんだ。」
「え?」
ディケイドと一夏の視線の先には・・・

「グオオオオオオ!」
「ディケイド!」
「強化された我らの力、とくと見るが良い!」
「何だ、またやられに来たのか?」
ゲンブ・ドーパント暴走体とセイリュウ・ドーパント、ビャッコ・ドーパントがいた。
「こいつらは俺一人で引き受ける、お前は何もするな。」
「だ、大丈夫なのかよ?」
「まあ何とかなるだろ。」
ディケイドは四神ドーパントに向き直る。

そして一夏と箒の後ろに魔法陣が現れ
「(油断したな、死ね!)」
アナザーウィザードが襲いかかろうとするが
《界時抹消!》
《再界時!》
「させると思うか?」
「お兄様の手を煩わせた事、後悔しなさい。」
「クソッ・・・」
デュランダルとサーベラが立ちはだかる。

「アンタらは・・・」
「一夏、急ぐぞ!」
「ああ!」
一夏と箒はキメラドーパントに立ち向かう。

「Laaaaaa~♪」
力が安定したのか綺麗な歌声を鳴り響かせるキメラドーパント、クラゲメギドの触手やピットでバスター達を蹂躙していく姿は歌声には不釣り合いだ、アナザーウィザードラゴンも暴れ回る。

「倫太郎!賢人!みんな!」
「心配しないでください!」

《キングライオン大戦記!》

ブレイズはキングライオン大戦記となり、ライオンモードに変形。エスパーダはそれに搭乗する。

「よし、俺も!」
セイバーもドラゴニックナイトワンダーライドブックを起動し、反撃に移る。




 

22人目

「再生怪人は弱体化するって話、知ってるか?」
「ほざくなァ!!」
「貴様のためにスザクとゲンブはこのような姿にされたのだ!」

「逆恨みか…いいだろう、来い!」

 ディケイドへの復讐に燃えるビャッコとセイリュウ。
2体同時に攻撃を仕掛けてくる。

「グオオオオッ!!」
「キエエエァッ!!」

「形振り構ってられないって感じだな」

【KAMEN RIDE KABUTO】

 赤きメタリックボディが輝き、天に頂く一本角。
蒼き複眼に光が走る。

【ATTACK RIDE CLOCK UP】

「光速の速さについて来られるか? ハッ!!」

 DCDカブトは体内のタキオン粒子を操作する事により、
時間流の中を自在に行動できるようになる。つまり、ディケイドにはビャッコとセイリュウの攻撃がスローモーションのように映り、
ビャッコとセイリュウにはディケイドが目に止まらぬスピードで動いているように感じられるのだ。

「ぐわっ!?」
「や、奴め、何処から攻撃しているのだ、み、見えん……!!」

 まるで透明人間にでも殴られているかのように、
打撃の衝撃だけがビャッコとセイリュウに襲い来る。

【FINAL ATTACK RIDE KA KA KA KABUTO】

 クロックアップを解除するのと前後してカードを入れ替える。
通常空間に現れたDCDカブトはセイリュウの背後に回っていた。
腰を低く落としたDCDカブトの右足に超エネルギーが集中し、稲妻が走る。

「セイリュウ! 後ろだ!!」
「はッ……!?」

「ライダーキック」

 セイリュウがビャッコの声に反応して振り返ろうとした時にはもはや手遅れだった。
セイリュウの首を刈り取る死神の鎌のように放たれた鋭い上段回し蹴りは
電光石火、一撃必殺の元にセイリュウの顔面を蹴り砕いた。

「ギ……ギアアアアアアアアアッ!!!」

 断末魔と共に仰向けに倒れ込んだセイリュウは爆散。
爆発の炎を背にして、ディケイドの姿へと戻る。

「セ、セイリュウゥゥゥゥゥゥゥッ!! き、貴様、またしても……!!」
「仲間の死を悼む程度の理性があるなら、お前たちが
今までにしでかした罪の数を数えるくらいはしてみたらどうだ?」

「黙れええええええええ!!」
「グオオオオオオオオッ!!」

 怒り狂うビャッコとゲンブ暴走体がディケイドに向かっていく。

23人目

ビャッコとゲンブ暴走体の猛攻を回避するディケイド。
「やれやれ、怒りに任せた攻撃だな。」
しかし、ビャッコは不敵な笑みを浮かべていた。
「!?」
ゲンブ暴走体が咆哮すると炎を纏った隕石が落下、ディケイドを襲う。
「まずい・・・!」
《カメンライド!ファイズ!》
《フォームライド!ファイズアクセル!》
ディケイドはファイズアクセルフォームとなり、高速移動でそれを全て回避し・・・
《ファイナルアタックライド!ファファファファイズ!》
「何!?」
アクセルクリムゾンスマッシュでビャッコを狙う。
ビャッコ・ドーパントは断末魔を上げる事もなく爆死した。
「後は・・・このデカブツをどうするかだな。」
元に戻ったディケイドはゲンブ・ドーパント暴走体を見据える。
「グオオオオオオ!」
ゲンブ・ドーパント暴走体の背中から無数の翼が放たれ、それは爆発してディケイドは吹っ飛ばされる。

「くっ、少し甘く見てたか。」
「グオオオオオオ!」
再び炎を纏った隕石が落下し、ディケイドはそれを何とか回避する。
「グファファファファ・・・」
融合させられる前の事を微かに覚えているのかそれともディケイドが滑稽に見えたのか嘲笑うような声を上げるゲンブ暴走体。
「その程度で調子に乗るなよ・・・!」
その笑い声が癪に障ったディケイドは一枚のカードを取り出す。
《カメンライド!鎧武!》
《フォーム!鎧武!パイン!》 
ディケイドは鎧武パインアームズとなりパインアイアンを操って遠距離攻撃を仕掛ける。

パインアイアンはゲンブ暴走体の硬い装甲車に確実にダメージを与えて行くが、倒すには至らない。
「やはり効かないか・・・なら」
《フォームライド!鎧武!スイカ!》

ゲンブ暴走体と同等の大きさとなり鎧武スイカアームズとなり、ゲンブ暴走体に向き直る。
「ここからは俺のステージだ!」

それを合図にディケイドの反撃が始まった。

24人目

 巨大な薙刀型アームズウェポン、スイカ双刃刀でゲンブ暴走体に
怒涛の斬撃を浴びせる。

「グゥッ…アアアアアアアアアアッ!!」

 激昂したゲンブ暴走体の怒りに呼応し、その背中にスザクの翼が生え、
大空に飛び上がる。

「逃がすか!」

 DCD鎧武もスイカアームズを飛行形態のジャイロモードへと変形。
装甲に組み込まれたバーニアが両肩に展開し、
上空のゲンブ暴走体を追う。両者がぶつかり合う度に火花を散らす。

「喰らえッ!!」

 機動性においてはDCD鎧武がゲンブを一歩上回っていた。
ゲンブ暴走体を中心に円を描く軌道で高速しながら両手の指先からバルカン砲による
弾幕を集中させる。狙うはスザクの翼だ。

「グオオオオオッ!?」

 元より超重量級のゲンブである。それを支えつつ、まして空まで飛ぶのであれば
スザクの翼にかかる負荷はかなりのものだ。
必然、そこにバルカン砲の攻撃を浴びればたちまちバランスを崩し、
高度を維持できない。ゲンブ暴走体は地響きを立てて地上に落下した。

「じゃあな、今度は化けて出るなよ!」

【KAMEN RIDE HIBIKI】

スイカアームズから飛び降りながら音撃戦士の鬼・響鬼にカメンライドし、
未だ起き上がれないゲンブ暴走体の体に爆裂火炎鼓をセット。

【ATTACK RIDE ONGEKI-BOU REKKA】

 二振りの音撃棒・烈火を連続で叩きつける。

「はあああああああああああああああああああああああッ!!
音撃打・爆裂強打の型!!」

 DCD響鬼が音撃棒を激しく打ち鳴らす。その清めの音は全ての悪しき邪悪を払う。

「ふん! ふん! ふん! ふん!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 己の不浄が発出する事で、ゲンブ暴走体を足をバタつかせて苦しみの声を上げる。

「ふん! ふん! ふん! ふん!
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」

 そしてトドメの渾身の一打。左右両方の音撃棒を同時に打ち込む。

「アア…アアアア……スザク、セイリュウ、ビャッコ……
グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ……!!」

 音撃に清められた事で最後の最後にかつての人格を取り戻せたのか、
仲間たちの名を呼びながらゲンブ暴走体もまた、爆発の炎に消えた。

25人目

アナザーウィザードラゴンの前にバスター達は苦戦していた。
「あのクラゲは小説家達が相手してくれているけどよ・・・」
「正直俺達だけじゃキツすぎだろ・・・」
「何か強力な技は無いものか・・・」
バスター、剣斬、スラッシュが嘆くなか・・・
「おい、蓮。」
「今度は何だよ?」
「あれを使うぞ。」
「あれって何?」
「忘れたのかァ、賢神とかいうやつの時に使ってたろ。」
「!?まさか・・・」
デザストには何か作戦があるようだ。

「Laaaaaa・・・」
一方セイバー達もキメラドーパントと戦っていたが、触手や電撃、水流や砲撃などの多彩な技を前に追い詰められていた。
「駄目だ!勝ち目がねえ!」
「しかし諦めるわけには・・・」
特に一夏と箒は満身創痍だった。

そんな時
《アタックライド!サンダー!》
《アタックライド!ブリザード!》
《アタックライド!グラビティ!》
電撃と冷気、重力がキメラドーパントの動きを封じる。
「苦戦しているようだな。」
現れたのはDウィザード・フレイムドラゴンだった。
いや、それだけではない。
ハリケーンドラゴン、ウォータードラゴン、ランドドラゴンまでいた。
恐らくディケイドがドラゴタイマーの能力を使って召喚したのだろう。

「援軍が沢山・・・」
「目茶苦茶すぎだろ・・・」
「あのライダーは一体幾つ能力をもっているんだ?」
一夏、箒、セイバーは呆然としていた。

「驚いている暇はないぞ!」
「そうです、僕達も続きますよ!」
ブレイズ、エスパーダは自らの聖剣を構える。

「倫太郎達も戦ってるんだ、俺も負けてられない!」
「行くぞ、箒!」
「ああ!」
セイバー、一夏、箒も気合いを入れ直す。

長い戦いに決着が付く時が迫っている中・・・四神ドーパントが撃破された場所では
「どうやら私が入る隙はないようですね・・・」
零二の命令を受けたヘルスが様子をうかがっていた。
「仕方がありません、折角ですしいただきましょうか。」
《グラトニー!》
ヘルスは「暴食」のメモリを起動し、グラトニー・ドーパントとなると持っていた斧をかざす。
すると四神ドーパントのガイアメモリの破片が浮き上がり、斧に吸い込まれていった。
「これで能力は取り込めました、さて撤収しましょう。」
ヘルスは空間を開くと去っていった。

26人目

「LaaaaaaaaaaaAAAAAAAaaaaaaaaaaAAAAAaaaaaaaAAAA!!」

 キメラ・ドーパントが苦しんでいる。

「!? どうしたんだ…」
 
 クラゲメギド、セシリア分身体をマーメイドメモリの力によって無理矢理に
結合すると言う継ぎ接ぎだらけの合体によって、
体内のバランスが崩壊しようとしている事によるものだった。

『コロセ! コロセ!』
『奴ラヲコロセ!!』

 セシリア分身体の肩や腹から3体のクラゲメギド達が次々に浮き出て、
呪詛と共に憎しみと破壊衝動を突き動かす。

「何と言う…」
「やっぱり、あれは悲しみの歌なんだ。戦いたくないのに戦わされている。
セシリアが助けを求めている声なんだ」
「一夏? 何を言う、あの化け物はセシリアなどでは…」

「だったら、どうする。織斑一夏」
「助けたい。目の前で助けを求めている人がいるなら」
「お前みたいな奴を知っている。底抜けにお人好しで、どれだけ痛い目に遭っても
誰かの笑顔のために戦い続けた男を」

 かつて士と共にいくつもの世界を旅した仲間との思い出。
そして白式のエネルギー残量も残り僅か。チャンスは限られている。

「――紅椿のエネルギーを白式へ。供給を許可する」

 箒の紅椿が白式とリンクし、エネルギーをシェアする。
白式のステータスモニター画面に表示されたエネルギー残量が急上昇していく。

「箒?」
「まったく、お前のお人好しは筋金入りだな。死んでも治らんと見える。
あのような化け物にまで情をかけようとするとは、甚だ理解出来ない」
「ごめん、こればっかりは自分でもどうしようもないみたいだ」
「だが、それでこそ織斑一夏だ。もう楽にしてやろう、『セシリア』を」

「何だか、飛羽真とも似たような事がありましたね」
「ああ。ソードオブロゴスの内部に裏切り者がいた時も、
プリミティブドラゴンと出会った時も、そして俺が世界の滅びを予見した時も、
飛羽真は決して自分の中にある信念を曲げようとしなかった」

 倫太郎と賢人も、尾上のように一夏の諦めない意志に
飛羽真と共に歩んできたこれまでの戦いの記憶を思い描いていた。

「行こう、一夏くん。『彼女』を戦いから解放するんだ」
「はい!」

 セイバーと一夏。追憶のマーメイドの悲しき物語に終止符を打つ。

「物語の結末は…」
「俺たちが決める!!」

27人目

その様子を零二はモニターで見ていた。
「チッ・・・セシリアの分身もうやられるのかよ。ヘルス!」
「はい、零二様。」
「ヒロインの分身体を連れて来い、そしてタロット・フォースの「女帝」「皇帝」「教皇」「恋人」「戦車」を召集しろ。」

「畏まりました。」
すると鈴、ラウラ、シャルの分身が現れる。
鈴には「サラマンダー」、ラウラには「ウィッチ」、シャルには「ディーパ(歌姫)」のメモリが埋め込まれており、そして5人のフードの人物が現れていた。

「次はこの9人でイレギュラーも含め、反逆者を全員皆殺しにしろ!分かったな?」

~~

セイバーと一夏はキメラドーパントに向き直るが、キメラドーパントは新たな変化を始めていた。

「aaaaaaaaa~!」
「コロス・・・コロス・・・」
「ヴァァァ・・・」
「ニクイイイイ・・・」

3つのクラゲが剥がれ、クラゲと人魚が合わさった怪物の上半身がブルー・ティアーズを纏ったセシリアの様な物をつり下げてるような異形に変貌した。

「セシリア!」
「助ける方法は・・・」
「俺に任せろ・・・」
セイバーと一夏の前に最光が現れる。

「ユーリ!」
「俺と飛羽真の力なら彼女を助けられるかもしれない。」
「本当に出来るのか?」
「ああ、俺はメギドと人間を分離できるからな。」

「僕達も忘れないで下さい!」
「行くぞ、飛羽真、倫太郎!」
ブレイズ、エスパーダも参戦する。

「aaaaaaaaa~!」
「ヴァァァ・・・ニクイイイイ・・・」

異形の怪物と化したセシリアの分身を助けるために剣士と少年は走り出していった。

28人目

「剣には剣か」

【KAMEN RIDE BLADE】

 刃の如く研ぎ澄まされた勇気を秘めた白銀の剣士。

「行くぞ」

 DCDブレイド、ブレイズ、エスパーダ。
3人の剣士がキメラドーパントに挑む。

『コロセ! ミナゴロシダ!!』
「LaaaAAAaaaaaAAAAA!!」

 ブルー・ティアーズの6基のビットが射出され、ビームの雨が降り注ぐ。

「くっ!」

「確か、ブルー・ティアーズのビット兵器は……」
「そうだ。その軌道制御にはセシリアの意識を集中させる必要がある。つまり……」
「狙うなら今か!」

 金剛剣最光を携えたセイバーと箒の紅椿が両サイドから突入する。
キメラドーパントは箒に狙いを定めた。

「それでいい。来い、セシリア!!」

 銃と剣。紅椿とキメラドーパントが膠着状態に入っている隙を突き、
セイバーが金剛剣最光を振り下ろした。しかし、ブルー・ティアーズのバリアがセイバーの攻撃を阻む。

「だったら!!」

 一夏の白式がセイバーの援護に向かう。

「零落白夜! 行けええええええッ!!」

 対象のエネルギーを消滅させる事が出来る白式の単一仕様能力。
ブルー・ティアーズのシールドバリアを無効化させ、突破する。

「はあああああああああッ!!」

 一閃。セイバーの唐竹割りがセシリア分身体とクラゲメギドの境界を断ち割る。

【FINAL ATTACK RIDE B B BLADE】

【Kick】【Thunder】【Macha】【Lightning Sonic】

【必殺読破! ケルベロス! ヘッジホッグ! アランジーナ! 三冊撃! サササ サンダー!】
【キングライオン大戦記! スプラッシュ!リーディング! ライオニックフルバースト!】

「てぇああああああーッ!!」
「グギャアアアアアアアアッ……」

 DCDブレイド、エスパーダ、ブレイズの必殺技がクラゲメギドに炸裂。そして…

『a…aa……』

 金剛剣最光によって結合が断たれた事により、
セシリア分身体とクラゲメギドを
繋ぎ止めていたマーメイドメモリが砕け散った。
無理矢理に力を行使され続けたセシリア分身体は光の粒子になって消えていく。

『アリ…ガト……イ……チ………』

 その声は安らぎに満ちたものであった。

「おやすみ、セシリア。本物のセシリアも、きっと取り戻してみせる」

29人目

「行け! 俺に逆らう奴らを皆殺しにして来い!!」

 ゴールデンキングダムのアジトでは、持てる戦力の限りを尽くして
反乱分子を殲滅するべく本体勢力が動き出していた。
そこへ……

「零二様! 侵入者です!!」
「何だと!?」

「それにしても、でっかい城だなあ。俺もこんなお城を構えてみたいもんだなあ」
「そうか? 何処もかしこも黄金まみれでどうにも落ち着かんが」
「君ならこれよりもっと巨大な城を築けるとも、我が魔王」

 4人の男女が、玉座の間にやってくる。

「あの男がここの主ってわけね」
「何者だ、貴様ら!! 俺の城に土足で踏み込んで来やがって!
どうなるか分かっているんだろうな!? 俺はこの世界の神だぞ!!」

「俺、常磐ソウゴ。将来の夢は王様になる事。よろしく!」

「……………」
「……………」

 あっけらかんとしたソウゴの挨拶に、
零二及びその配下のタロットフォース達も呆気に取られていた。

「殺せええええええッ!! 一匹たりとも逃がすなあああああああああああッ!!」

 零二の号令でソウゴ、明光院ゲイツ、ウォズ、ツクヨミに
タロットフォースが殺到していく。

「あーあ、ソウゴのせいだよ」
「俺? 俺、何かした?」
「やれやれ、これだから始末に悪い」
「とりあえず、身に降る火の粉を払うとしよう」

【Zi-O】

「「変身!!!!」」

 

30人目

仮面ライダージオウ、仮面ライダーゲイツ、仮面ライダーウォズ、仮面ライダーツクヨミ
時の王者とその仲間達がこの世界に降り立った瞬間だった。

「時の王者如きがタロット・フォースに勝てると思うな!」
《エンヴィー!》
「女帝」アイリーンは「嫉妬」の記憶を持ったガイアメモリでエンヴィードーパントに変身。
「反逆の罪、貴様らの死で償ってもらうぞ!」
《アナザーレジエル》
「皇帝」フォースはレジエルに変身。
「我が主に勝利の美酒を・・・!」
「教皇」シキはスコーピオンゾディアーツに変身した。
「さて、始めようか。」
《レッツゲーム!デッドゲーム!バッドゲーム!ワッチャネーム?ザ・バグスター!》
「恋人」アインズはガシャコンバグヴァイザーⅡでラヴリカバグスターに変身する。

そしてウォズはエンヴィードーパント、ゲイツはレジエル、ジオウはスコーピオンゾディアーツ、ツクヨミはラヴリカバグスターと交戦する。

「零二様はこちらへ、お前らは下がってろ!」
「戦車」シルバがそういうと零二は玉座ごと姿を消し、鈴達の分身体もそれを追うように消える。

「生き残るのは俺達タロットフォースだけだ!」
シルバがそういうと激しい駆動音と共にブラキオサウルスに似た巨大なロボットが出現し、シルバはそれに乗り込む。

「・・・!」
「何だあれは・・・!」
「これは規格外だね。」
「あれってダイマジーン?」

「これぞ俺の切り札・ブラキオマジーンだ!」
シルバの台詞を合図にジオウ達にブラキオマジーンの砲撃が放たれた。


第2章へ続く