ラヴィーノ&ポンナのゆうえんち大騒動

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1人目

桜の花びら舞い散る、暖かな春の日。
様々な動物たちが住む『虎ノ穴町』は賑わいを見せています。
そう、今日は住人たちが待ちに待った『バクバクランド』の記念すべきオープン日なのです。
入口には親子連れや外国からの観光客までもが行列を作り、開園を今か今かと待っています。
一方……行列から少し離れた桜の木の下には、三人の少年少女たちが。ちょっと覗いてみましょう……

「ったく、あのアホタヌキいつまで待たせんのよ!」
「まぁまぁ落ち着いて……」
と、苛立ちを隠せない様子で腕組みしているウサギの少女が一人。
その傍らには同じくウサギの少年が苦笑いを浮かべながら宥めています。
(はぁ……本当は家で録画した深夜アニメ一気見する予定だったのになぁ……トホホ)
心の中で寂しくボヤく彼の名前はラヴィーノ。虎ノ穴中学校に通う冴えない草食系男子で、この春から二年生になります。
「だいたいなんなの?自分から誘っておいて遅刻って!信じらんないわ!!」
プンスカ怒るウサギ少女の名前はバニラ。ラヴィーノのクラスメイトで、性格はかなりキツい。
「まーしょうがないじゃーん、ポンちゃんお寝坊さんだし、それにさっき連絡あったけどもうすぐ来るってさー」
そんなバニラをものともせずヘラヘラしているのはポメラニアンのギャル、ポメ。

「あ、ほら来たみたいだよ?」
ラヴィーノの言葉通り、遠くの方からこちらに向かって走ってくる人影が見えました。
「ごめんねみんな〜!!遅くなってぇ〜」
息を切らせながら駆け寄ってきたのはタヌキの少女のようです。
「遅いっつーのバカタレェッ!!!何分遅れたと思ってんのよ!?」
「ひぃっ!ごめんなさいぃ……」
怒り狂うバニラの形相を見て怯えたのか、タヌキの少女はその場で小さく縮こまりました。
彼女の名前はポンナ。ラヴィーノの幼なじみで、明るく活発な性格。ちょっとおバカで食い意地が張っているところはありますが、誰にでも優しい純粋な心を持った少女です。
「ふんっ、アンタたちなんか居なくてもあたし一人で十分だったんだから!」
そう言い捨てるとバニラは他の三人を置いてズンズン歩いて行ってしまいました。
「ちょ、ちょっと待ってよぉ……」
慌てて後を追うラヴィーノ達。しかし―――
ドゴォーン!!!
突如鳴り響いた轟音と共に地面が大きく揺れ動き、周囲の木々が激しくざわめき始めました。