曼珠沙華

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1人目

小金井聡は目の前にある掲示板を凝視しながら、この1年間を振り返っていた。
一年の勉強漬けの日々を。
やれることは全てやった。本当に全て。
起きてる時間全てを勉強に費やし、寝る時間は極限まで削った。
これでダメなら俺は。。。

2人目

そして合格発表の日、そこには小金井聡の名前があった。
俺は喜びを爆発させ涙が溢れそうになった。
だが…
そこに俺の名前を指さして喜ぶ人物が立っていた。
どうやら同姓同名の小金井聡だったようだ。
俺は頭がポカーンとなりそのまま家に帰ってすぐに布団に入った。

3人目

布団に入って10分ほどたったころ。
俺は気がついた。
同姓同名。
2分の1の確率で、俺は受かっている。
このまま、あいつが入学するのは許せない。
正々堂々、聞いてやろうじゃないか!
まぁ、今度の休みにでも。

4人目

なかなか眠れなかったので、布団の中で俺は、俺の代わりに受かったヤツについて考えた。
掲示板の前で喜んでいたヤツの姿を思い出す。俺よりも身長が低く、少し長めの髪。
ヤツは後ろを向いていたので、顔はハッキリとは見ていない。

そして、思い出しているうちに一つの疑問が俺の中に浮かんだ。
ずっと「聡」は「サトシ」と読むものと思っていたが、違う読み方の可能性もあると。
読み方を調べてみると、他には「アキラ」というのもあるらしい。

小柄なヤツの姿を思い出す。男だとばかり思っていたが、もしかしたら女……?

5人目

「小金井聡さん、二人ともお待ちしておりました」
事務局の奥の隠し部屋に通された俺と、昨日の小柄な人物——アキラ。
デスクに座る男が、二人の試験結果を並べる。
「計算問題が全問正解のサトシ君と、記述・論文が満点のアキラさん。二人は片方だけでは不合格だが、二人合わされば我が大学が求める『完璧な頭脳』になる」
男が差し出した契約書には、衝撃の条件が記されていた。
『授業料を全額免除する代わりに、大学直属の「難問解決チーム」に所属すること』
それは、大学が抱える公に出来ない研究をするという契約だった。