悪魔の学校。「First place観戦」

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1人目

俺は、いま学校に通っている。学校と言っても主要教科は『科学』、『数学』、『語学』、『魔法』の4つ。かなり校則が厳しいし、『悪魔の学校』という名前もある。その『悪魔の学校』では、一週間に一度、期週テストが出る。期末テストのようなものだ。俺は、学年一位に上り詰めた。特に努力などはしていない。もともとの才能だろう。年に一度、『First place観戦』というものがある。これは、それぞれの学校一位の人達が集まり、チームとなり、成績10位以下のチーム(5人)と戦うお祭りだ。もちろん、相手を殺してはいけない。俺は今年、この大会に出ることになった。俺の組む相手は、「轟渚」。”とどろきなぎさ”と読むらしい。こいつは、俺の聞いた情報によると、『二位と圧倒的な差をつけて一位』、『不良』、『最強』らしい。本当かどうかは、チームを組んで初めて分かるものだ、ちなみに、俺達一位のチームは本番前に会うことを禁止されている。相手チームは、許されているが。しかし、なぜそんなルールが有るのだろう。強ければ、話し合う必要などないのだ。相手の動き、仲間の動きを読み、その動きに合わせて反応すればよいだけの話。

2人目

そうやって、失敗を知らなかったから、彼らの情熱を、覚悟を、甘く見ていたから。
だから、理解できなかった。


「もう既に放課後の筈なんだがな......」
教師から手伝いをさせられ、遅れて帰宅しようとした時だ。
ふと、視線を教室へと向けてみると、ドア一枚隔てたその部屋から微かに漏れる話し声が聞えてきた。
放課後は静粛に、そして速やかに帰宅すること。この学び舎に在籍する生徒ならば誰もが初めに覚え、その厳しさを理解する第一条。とかく学ぶことに特化したここはその他一切を禁じる程の校則を定めている。
学校内を縛る禁則、禁則、禁則―――
週に一度行われるありとあらゆる難問が敷き詰められた期週テストではなく、紙にして纏めるならば広辞苑もかくやという程のその量こそが我が校における『悪魔』の正体であった。
故に、今日の全授業が終わった今この時間に帰宅する生徒以外がいるというのはおかしな話だ。少しだけ興味がそそられてしまい、耳をそばだてて何を話しているのか聞くことにした。