ケチャップ&マヨネーズ
俺は、ケチャップ派である!鮮やかな色、ちょうどいい酸味。塩気。全てが混ざることで、最高の調味料が作られる。最高の調味料の例がまさにケチャップだ。ケチャップは何にでも合う。山盛りのご飯に少しケチャップをかければ、それはチキンライスのようになるし、その味は、とてつもなく美味しい。いや、美味しいという言葉では表せないような、そんな味なのだ。
俺はマヨネーズ派である。
あの酸味がクセになるのだ。
私はマヨネーズひとつあれば味付けに困らない。
玉ねぎ、キャベツ、にんじん、多くの野菜の味を滑らかにしてくれる。
こんなに魅力的な調味料は他にはないのではないか。
ケチャップが好きだ。とりわけ、Hから始まるメーカー品が大好きだ。
人類の叡智が詰まったこの調味料、活かすも殺すも使い手次第。
幸いにも日本にはケチャップを使った品が多く、それ無しでは成り立たないと言われるものがある。
その中で最高峰は間違いなくナポリタンだろう。
諸外国から見てスパゲティにケチャップを使うのは邪道と非難を浴びせられるが、日出ずる国ではむしろ賛同される。
魚肉ソーセージ、一口大の野菜、そしてなによりもケチャップ。
単純明快なこの料理を久しぶりに食したくなってくる。
いざキッチンへ
「で、どっちの味にするか決まったの?」
痺れを切らした彼女が言う。
俺はケチャップとマヨネーズを握りしめたまま天を仰いだ。
絶対に決められない。ケチャップライスかツナマヨライスかなんて。いっそハーフ&ハーフか、ツナマヨライスの卵の上にケチャップなんていうのも……いやいや、ツナマヨにはホワイトソースだろ。んーやっぱ悩む。
「あと五分で決めないなら、問答無用でケチャップライスだからね」
彼女は冷蔵庫から手早く材料を取り出し、サラダを盛り付ける。
サラダなら簡単なんだけどな、オーロラソースがあるから。
俺の家族は全員マヨラーだった。
我が家ではマヨネーズが切れたことは無かった。しかし、冷蔵庫にケチャップは存在しなかった。
幼少期からのマヨネーズ教育のお陰で、俺はマヨネーズが大好きになったのだが、一人暮らしを始めて、なんとなくスーパーでケチャップを買った。
そして、衝撃を受けたのである。
直接口に絞り出したいほど魅力的な程よい酸味に、俺は虜になった。
それまではマヨネーズ一択だったが、どちらも食べるようになり、さらにどちらもストックまでしている身として、これ程難しい選択は無いだろう。
ケチャップもマヨネーズも好きだ。
それぞれいい味をしている調味料だが、
混ぜるとオーロラソースになり、
揚げ物やお肉料理、野菜、
何にでも合う美味しいソースとなる。
まるで、
相性のいいカップルのようだ。
と、
両方好きな人から、
褒められてしまったマヨネーズとケチャップは、
お互い顔を合わせ、
嬉しい気持ちになる。