あとまわし

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1人目

ある日の午後のことだった

2人目

 雨音が響き渡る。青き紫陽花はその中で綺麗に咲いていた。GWも終わりを告げ、通学帽子を被った子供たちが帰宅する。
 4年A組の教室では、幾谷太一が居残りで宿題をさせられていた。
「太一くん、宿題が終わるまで帰らないように!」
 太一は宿題が大嫌いだった。

3人目

 だからこその居残りだ。太一は宿題は大嫌いだが、居残りは大好きだった。
 誰もいない教室の中で自分だけが教室に残っている。その事実に気分が昂まり、歌でも歌ってやりたい衝動を抑えるのが難しい。
 だが、歌ってはいけない。太一が宿題の次に嫌いな担任が戻ってきて、彼の唯一の楽しみである居残りライフが失われてしまう。悪ければ、そのまま臨時の家庭訪問にまで発展するだろう。
 それに、太一が歌ってはいけない理由はもうひとつあった。