不思議な夏の夜

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  • ホラー
  • ファンタジー
  • 性的描写無し
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  • 登場人物が死ぬの無し
1人目

「おいで、おいで……」

「さあ、こちらへおいで……」

夏祭りのざわめきの中そんな声が聞こえた気がした。それはとてもか細く小さいものだった。

彼はビクッとして辺りを見回したが周りにいるのは夏祭りを楽しむカップルや家族連れ、友人と楽しそうにはしゃぐ人たちばかり。

2人目

「陽介どうしたんだ?」
と一緒に来ていた翔(かける)に声を掛けられてハッと我に返る。
「ごめん翔、ちょっとぼーっとしてたわ。」
と言って翔と一緒に祭りを楽しんだのだが、「おいで、おいで、こちらにおいで。」とまた声が聞こえた。
今度は翔にも聞こえた様で「なんだろう今の声。」と不思議そうな顔をしていた。
そして俺達はちょっと怖くなり家に帰ることにした。
その日は元々翔の家に泊まる予定だったから一緒のベッドで寝る事にした。
2人ともホラーが駄目だから男同士だけど抱きしめ合って寝る。

3人目

新宿二丁目の朝6時

4人目

新宿二丁目といえば同性愛者の街というイメージが強いだろう。もちろんそういう側面もある。しかし多くのマンションが建ち並んでるため案外多くの住人が住んでいる。特に単身者の人口が多い。

翔のマンションはその新宿二丁目にある。

昨夜、体験した奇妙な声が怖くて抱き合って眠りについた俺と翔は流石に夏真っ盛りで暑かったのかいつの間にか背を向けあって寝ていたらしい。

翔はまだ眠っているのか規則正しい寝息が聞こえる。

「まあ、まだ6時だしな……」時計を確認しながら小さく呟いて俺はベッドを抜け出した。

5人目

「翔の奴立派なテント張ってる………。」
俺はそう呟きながらキッチンに向かう。
昨日高校の夏期講習ついでに夏祭りに行き、あの声が聞こえ、飛んで帰り、そのままベッドに入ったため制服のままである。
しかし今日も夏期講習があるため着替えるのがめんどくさい。

そんな事を考えながら朝食を作っていた。