いじめの代償

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  • ホラー
  • 残酷描写有り
  • 登場人物が死ぬの有り
  • 自由に続きを書いて
  • 楽しんだもの勝ち
  • ハッピーエンド
1人目

私は死んだ。
私は死にたくなかった。死ぬつもりはなかった。でも私は死んでしまった。本当にきっかけは些細なことだった。それは通学に使っていた駅のホームに電車が滑り込んできたときに私の中で何かが切れた。

次の瞬間


私は線路へ飛び込んでいた。

2人目

なぜだろうか。何が切れたのだろうか。
知りたくない。
自分はまだ生きていると、思いたい

3人目

そして私は意識を失った。

4人目

ザァァ…ザァァ…

微かに波の音がする。
私はしばらく目を閉じたまま、ただぼんやりとその音を聴いていた。

のろのろと瞼を開くと、一面に灰色が広がる。

私は知らない海の波打ち際に横たわっていた。
自分が死ねなかった事実に絶望感がじわじわ広がり、涙が溢れてくる。

無性にここでは無いどこかに行きたくなって、止まらない涙を拭いながら立ち上がり、曇天の空の下駆け出した。

ふとあることに気付く。
服が、体が濡れていない。

5人目

 海水の正体を探るべく振り返るが、先程まであった海は無くなっていた。

「ここはどこ……」

 地はどこまでも伸びており、それに付き合うかのように曇天も続いている。

 果てしなく終わりの無い景色に、抱いていた後悔が孤独へと変わる。

 拭い去った涙が思い出したかのように湧きあがり、私の視界は歪み始めた。

「お母さん……」

 絶望の淵から呟く一言は母のことであった。

 涙は止め処なく流れ続け、口元を歪ませながら鼻水も姿を見せる。

 ひとしきり泣き続け、現実を受け入れ始めるのに時間がかかった。

 その間にもこの場に変化は何一つ起こることなく、不変な時だけが過ぎている

「どうすればいいの?」

 空を見上げ、何かないのだろうかとその場で360度まわる。

 雲ひとつない青空であるが――太陽はどこだ。

 私は慌てて首を後ろにして影を確認する。

「影がない」

 消えそうな声が漏れ、冷や汗が湧いた。 

6人目

足元を見ると水たまりが出来ていた。その水たまりには私をいじめていた奴らが写っている。

「ひょっとしたらなにかできるかも!」

水たまりに映る奴の頭を叩いてみると「痛、誰だ?頭叩いたやつ!」と怒鳴る声が水たまりから聞こえた。
私はもしかしてチャンスなのでは?と思い今度はそいつの股間を叩いてみる。男だからかなり痛いはずだ。
案の定水たまりに映る男が股間を抑えて悶えていた。