都市型神隠し

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  • 性的描写有り
  • BL
  • ミステリー
1人目

「昨日午後5時頃名古屋市北区で男子高校生が何者かに誘拐されたと通報がありました。行方不明になっているのは名古屋市の公立高校に通う男子生徒2人との事で、警察が捜査しています。………」
とテレビのニュースを見ていた。
「また名古屋市内で誘拐事件か………。」
俺はそう呟いてから家を出て、学校に向かう。学校までは電車なので駅まで歩く。
そして駅に着いて改札を通ってホームに降りて電車を待つ。これが俺、桐生素晴の日常だ。
ちなみに電車は1回乗り換えがあるがだいたい17分くらいで着く。
ちなみに電車内では俺はスマホで漫画を読んでいる。
そして学校に着いたらホームルームまで寝る。
そしていつも通り授業を受け、放課後になる。
そして家に帰るのがルーティンなんだがこの日から歯車が狂いだした気がする。

2人目

学校に着いた俺はいつものように机を抱きかかえるように眠ろうとしたその時だった。

「ピコーン」と携帯が鳴り、ショートメールを受信した。周りを見渡し先生が居ない事を確認して、メールを開いた。どうせ何かの迷惑メールか何かと思ったが、そこに書かれていたものは……

「ガラガラ、、おはよう!」と先生が入ってきたのですかさず携帯の電源を切ったが、僕のココロは穏やかではなかった。

3人目

メールは他校に通う幼なじみの湯川龍也で、そこに書かれていた文章が『おい素晴、和真を見かけなかったか?昨日お前の家に行くって言っていたんだが………。それに今日学校に来ていないんだ。俺、心配だぜ。』と言う内容だった。
俺と龍也と和真こと如月和真の3人は幼なじみだ。龍也と和真は一緒の学校に行っている。
だからこのメールを見た時は叫びそうになった。
そして昼休みに俺は龍也に電話をかけた。
「もしもし龍也?朝のメールの件なんだが、和真は昨日来ていないぜ。」
と龍也に言うと。
「まじかよ。って事はもしかして………、素晴、今日暇か?」
「暇だけど………もしかして!」
「そうもしかしてだ。じゃあ学校終わったら大曽根駅に集合だ。」
そう龍也は1連の男子生徒行方不明事件と関連があるのか確かめるつもりだ。どの方法で確かめるのかは分からないが………。
午後の授業も集中出来ずにいた。
そして下校時間になると俺は速攻で教室を出て集合場所の大曽根駅に向かう。学校の最寄りから大曽根駅までは4駅7分の距離だ。今の俺にはその距離がものすごく長いと感じた。
そして駅に着き、改札を出ると龍也が既にいた。
「龍也、待ったか?」
「素晴、早かったな。」
と軽く挨拶をして俺達は近くのファミレスに入った。

4人目

そこで軽い食事をしながら話をする。
「それで龍也、どうやって確かめるんだ?」
「それは今から説明するけどまずは質問させてくれ。昨日和真が素晴の家に行く事は知っていたか?」
「いや、知らないし和真は来てもいないぞ?」
龍也のメールで初めて知ったくらいだ。
「なら和真は素晴の家に行く途中で行方不明になった可能性が高いな。」
「そう考えるのが自然だよな。」
和真が行方不明となったとされる時間から約1日が経っている。連続で男子高校生が行方不明になっているから見つからないかもしれないという不安が頭をよぎる。「龍也どうしよう!和真が見つからないってのは俺嫌だ!」
思わず感情的になってしまった。
「落ち着け、まだそうと決まった訳じゃないだろう?それに今は少しでも情報が必要だ。とりあえず飯を食おうぜ。」
そう言って龍也はハンバーグセットを頼んで食べ始めた。
「そうだな。焦っても仕方ないもんな。」
俺もカレーを注文して食べた。
そして腹ごしらえが終わると龍也は真剣な表情になって話し始めた。
「さっきも言った通り今は情報が欲しい。だが普通に聞き込みしても有力な情報は得られないと思う。」
確かに警察でも目撃者を探しているらしいがなかなか見つけられないようだ。
「そこで俺は少しだけ調べたい事がある。」
「それってどんな事を調べてるんだ?」
「行方不明になる前の和真の足取りを知りたいんだ。例えば昨日下校してから誰かと会っていなかったとかそんな些細な事でもいい。何か手がかりがあればそこから犯人を捕まえられる可能性がある。」
確かにその可能性はある。だがどうやって調べるんだろう?。
「なるほどね、じゃあ和真と一緒にいた奴らを探すのか?」
「それも手だけどちょっと違う。あいつらが知っているとは思えない。だからもっと他の人に聞く必要がある。」
「他?誰の事なんだ?」
すると龍也はニヤッとして答えた。「お前の兄貴だよ。」
「えっ?兄ちゃん!?」
兄ちゃんが行方不明の事件を調べていたなんて知らなかった。確かにあの人なら知っていてもおかしくはないけど……。