ドリームプログラム
「あ〜退屈だ。」
と嘆いているのは佐山真琴と言う男子高校生だ。
「真琴、うるさいぞ。」
と顔をしかめるのは幼なじみの男子生徒、青木快斗だ。
ちなみに真琴と快斗は恋人である。
「快斗さぁ、退屈だとは思わない?」
「思わない。真琴、馬鹿な事言って無いで移動教室の準備をしろ。」
と快斗に怒られ渋々移動教室の準備を始める真琴。そして快斗と真琴は一緒に第2理科室に行くのだった。
そして授業が終わり放課後。
「快斗、帰ろうぜ!」
「ああ、帰るか。」
と2人は一緒に学校から帰る。
その途中で「快斗、ちょっと本屋よっていいか?」と真琴が言い出し、「俺も買いたい本があるからいいぜ。」と快斗も承諾した。
そして本屋に入り真琴はお目当ての漫画と、レシピ本を購入していた。真琴は料理を最近始めた為よくレシピ本を買っている。快斗はお目当ての小説を購入していた。
「快斗おまたせ。」
「じゃあ帰るか。」
と本屋を出て駅まで歩いていた。
「あれ?何か落ちてない?」
と真琴が道端に何か落ちているのを発見した。手に取ってみるとフロッピーディスクだった。
「なんでフロッピーがこんな所に落ちているんだろう?」と真琴は不思議そうな顔をしていた。
「とりあえずどうするんだ?そのフロッピーディスク。」
「んー、どうしようか?とりあえず交番に届けるしかなさそうだよな。だけどここら辺って交番無いよな。」
そう、本屋があるこの辺りは交番が無い。2人は改めて明日、学校近くの交番に届ける事にし近くの駅に向かう。
本屋に寄り道する時はいつもとは別の駅を使うのが日常なのだ。
「それにしてもこのフロッピーディスクは一体なんだろうな。」
「真琴、興味本意で中を見るなよ。」
と快斗が注意していた。
「わかってるって。それに家にフロッピーディスク対応のパソコン無いから。」
「それなら安心だ。」
その後駅の改札を通ってホームに降り、真琴と快斗は他愛もない会話をしながら自宅の最寄りの駅まで電車に揺られた。
「まもなく小牧、小牧です。」
とアナウンスが流れ2人は準備をして電車を降りた。そしてホームから上がり改札を通って地上に出るとすっかり空は暗くなっていた。
「もう冬が近いな…。」と快斗が呟いて「そうだな。もう10月になったからな。」と真琴が答える。
そして2人は一緒に歩きそれぞれの家に帰宅した。
…翌日。
「わ!遅刻する〜!!」
待ち合わせ場所に行く時間は7時30分なのに、真琴は7時20分に起きてしまった。
「快斗に心配させたら、また怒られちゃうよ〜!」
急いで支度して、学校近くの交番の2つ隣の公園へ向かう。
そしてようやく間に合い、時間ギリギリで着いた。
「遅いぞ。」
「ごめん!」
そしてフロッピーディスクを交番に届けようと、交番に直で向かった。
「あのー、これが道端に落ちてたんですけど…」
「フロッピーディスク?そんなものここら辺はないですけど…」
「!?」
2人はギョッとした。とりあえず預けててくださいと頼み、学校へ急いで向かった。
とりあえずフロッピーを預けて一安心の二人だった。
この日もいつも通り授業を受けて放課後になる。
「真琴帰るぞ!」
「今日も本屋行っていいか?」
「まぁ、いいぞ。」
そして本屋まで歩いていると見知らぬ男達に囲まれてしまった。
「何なんですか?」
真琴が警戒心むき出して問いかけると男達の1人が「フロッピーはどこだ。」と強い口調で言ってきた。
二人は昨日拾ったフロッピーの事だとすぐに分かった。だがそのフロッピーは既に交番に預けてあるから正直に「交番に預けました。」と答える。
すると男達が「ちっ。どこの交番だ!言え!」と怒鳴ったのだ。
「大曽根駅前交番だ。」
正直に快斗が言うと「そうか、じゃあ俺は取りに行って来るからお前ら、こいつら捕まえておけ!」と言って走り出していた。
真琴と快斗は抵抗虚しく男達によって車に押し込まれ、誘拐されてしまう。
手足を縄できつく縛られ、縄が解けた時用として手錠までかけられた。
そして男達は2人にとある薬品を嗅がせていた。
「あれ…なんだ?」
「なんか…変な匂いだな…」
快斗と真琴は変な感じかした。
「まさか…」
真琴はゾッとした。
「俺ら誘拐された?」
「いやいやこんな状態で誘拐じゃなかったらヤバすぎだろ!?アイツら何しにきたってなるから!」
「w」
「まあ…助け呼べないしな…手足縛られて手錠まである。スマホあるけどなぁ…」
「うーん…」
すると男たちが来てこう言った。
「これを飲め。」
「これは…?」
「いいからさっさと飲め!!!」
「は…はい…」
焦りながら飲んだ。すると何か眠気が感じた。
「真琴?」
真琴はもう寝ていた。何故か。
「なんか俺も眠気が…」
バタン
「よし、睡眠薬はバッチリ効いたな」
「コイツら殺すか?」
「いや、まだまだだ。」
すると男たちはあるものを準備してきた。
「この首輪を使う時だな!」
男達が用意したのは首輪だった。
「ああ、この特殊な首輪をな!それにこいつらを殺すのはもったいない。だから実験台になってもらう。」
男達は眠っている二人に首輪をはめる。
「学ランに首輪って首元苦しそう!」
そう言いながら真琴と快斗に首輪をつけたら、第1ボタンを閉め、ホックも閉めるのだった。
「今どきの学ランの着方もいいがやはり全て閉めてキッチリ着た方がいいよな!シャツ出しとか論外!」
「それは同意する。」
「それにしてもこの首輪って嵌められたら、その時着ていた服が脱げなくなって、年も取らなくなるって本当か?」
「ああ、まぁズボンは排泄する時用に膝までは下げられるがな。」
「それはすげぇ!」
「それにな、スマホでこいつらの性感帯を刺激する事も出来る。」
「すげぇ!あいつがヘマしてフロッピーを落としてくれたおかげでいいおもちゃが手に入ったな!」
「まさかフロッピー落とすとは思わなかったがな。」
「そういやあいつどうなるんだ?」
「そりゃ、こいつら共々このドリームプロジェクトを成功させる実験台になる。」
「そういやあいつもまだ17歳の高校生だったな。」
「だから実験台になるんだろう。」
男達がそんな会話をしていると車はとあるオフィスビルの地下駐車場に入って行った。
車を止め、真琴と快斗を建物の中に運び会議室の床に転がして閉じ込めた。
…それから10分後
「ん…」
真琴が起きた。空を見るともう夜だ。
いや、違う。ただ部屋が真っ暗なだけだ。
「快斗…?どこ…?」
「なんか真っ暗だな…電気のスイッチないのか…?」
「しかもなんか苦しい…!?」
真琴は首に首輪があるのに気づいた。
「もしかしたら、快斗も…」
首輪が首にあった。
「俺たち、弄ばせられているのか?」
「真琴、うるさいぞ…なんか苦しいし、真っ暗だな…」
「俺たち、閉じ込められたんじゃ…」
「ドアは?」
「真っ暗だからわかんない…」
「…いよいよ脱出ゲームの始まりだな」
2人は冷静になり、電気のスイッチを探した。
しかし手足を縄で縛られているため身動きが取れずにいる。縄を解こうとしても手錠までかけられている。
すると部屋の扉が開き男達が入って来た。
「待たせたな、お楽しみの時間だ!」
そう言って2人を運び出した。
運ばれた場所はモニターがたくさんある部屋で、中央に檻が設置されていて既に1人学生服を着た男子が縄で縛られて、閉じ込められていた。
「なんだよこれは!」
快斗が叫ぶと男の1人がニヤニヤしながら「今から最高に面白い事が起こるぜ!」と言い、スイッチを押した。
すると檻に閉じ込められていた少年が一瞬で檻の外にもう1人立っていたのだ。しかも全裸で。
目の前で何が起こったのか理解できない快斗と真琴は呆然とその様子を男に抱き抱えられながら見ているしか無かった。
「すごいだろう?瞬間クローン製造機は。だがな、記憶まではコピー出来ないんだな、そこで出番になるのがこれだ!」
と見せてきたのは二人が拾ったフロッピーだった。
「これはな、普通のフロッピーに見せかけた特殊なメモリーだ。これに入っている記憶をクローンに植え付けると………さぁどうなるんかなぁ。」
男はそう言うと快斗と真琴をその檻に入れるように指示した。
まともに抵抗出来るわけがない二人は檻に閉じ込められてしまう。
「うわー辞めてくれ。」
快斗は顔が熱くなるのを感じた
「あっ辞めてまぢ辞めて。」
真琴は体をふるわせる
理由は目の前に照明器具が照らし出したクローンが始めたことだ
「学ランてさあ脱がすのもいいよなあ。」
クローンの快斗が真琴の学ランのホックを外してキスをする
「辞めろてんっ、ああ快斗の臭い。」
「うわー!走れ走るんだ真琴。」
二人は必死で逃げるが怪しい声だけきこえてくる
「ヒイー。辞めてくれー!」
真琴がついに膝をついてしまった。
映像はここで終わった。
「この映像のようにもできるんだ。すごいだろう?ちなみにこの映像のお前らはCGで再現してみた。」
男がそう言った。確かに再現度は高かったが感心している場合じゃない。
「クローンを作って何するつもりだ!?」
真琴が叫ぶが男はそれを無視して装置を動かしてしまう。
すると真琴と快斗に微弱な電流が流れる。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
二人の叫び声とともに檻の外に快斗と真琴のクローンが全裸で現れた。
「よし、じゃあ俺はこのクローンに記憶を植え付けてくるわ!お前ら檻の中にいるガキ共を地下の牢屋に入れておけ!拘束は解いても大丈夫だ。」
男がそう言うと、快斗と真琴のクローンと、先程作られた少年のクローンを連れてどこかに行った。
快斗と真琴ともう1人の少年は薬品を嗅がされ眠らされ、地下の牢屋に一人ずつ入れられる。
_______________________________________
男はクローン達を連れてとある装置の前に来ていた。その装置というのがクローンに記憶を植え付ける特殊な装置だ。
「まずは三人ともこの椅子に座らせてっと。」
椅子に座らせてスイッチを押すとクローンの手足を拘束した。記憶を植え付ける際に暴れられたら困るからだ。
「こいつらにはこの記憶にするか!」
そう言って男が選んだ記憶は学生服を着た男子高校生や男子中学生を見ると興奮する。と言う記憶だった。
口調や性格などは特殊な首輪からデータとして送られているためそれを当てはめる。
最終項目の行動目標に、日本中の男子中学生と男子高校生を誘拐する。と打ち込む。そしてEnterキーを押すとクローン達に微弱な電流が流れ記憶などを植え付けることに成功した。
「真琴、行くぞ、今街を歩けば可愛い男子中学生が大量に居そうだ。」
「快斗、俺もそう思っていたんだ!早く行って捕獲しに行こう!何人捕まえたか勝負だ!」
快斗と真琴のクローンはそう言いながら外に出ていった。ちなみにクローンは瞬間移動ができる能力があるから大量に男子中学生を連れて来ると思うと笑いが止まらない男であった。
「さてオリジナルのあいつらは………。」
男達の計画が第2段階に入ろうとしていた。