むかしむかーしのお話
ぷくぷく パッパ
チカチカ とってん
ぷくぷく パッパ
チカチカ とってん
爺さまがたくさんたーくさん松茸を見つけてきますように!!
むかーしむかし
あるところに
爺さまと婆さまが仲睦まじく暮らしておった。
ある晩のこと、
爺さまが目を覚ますと婆さまの姿が見えない。
「婆さま、婆さまや?」
家の外で物音がする。
柱のかげからそーっとのぞくと、婆さまがお月さんの下で大鍋をぐらぐら煮ながら、なにか唱えておる。
ぷくぷく パッパ
チカチカ とってん
ぷくぷく パッパ
チカチカ とってん
「爺さまがたくさんたーくさん筍をとってきますように」
婆さまはそう呪文のようなものを唱えていた。
爺さまは思った。
そうじゃ、明日は筍をとりに行く日じゃった。
婆さまには筍をとりに行くとは言ったが、わらびでもとりに行こう。ちょっと驚かせるのも面白いじゃろう。
次の日、爺さまは婆さまに内緒で、わらびとりにいった。
ところがどこをどう歩いたのかわからないが迷子になるうえ、全くわらびがとれない。困った爺さまは予定通り、筍を採ることに変更した。すると、どうだろう。筍がわんさかわんさか採れるではないか。
爺さまは驚いた。
筍を採っていくうちに、知ってる道にも出た。
「ここまで来れば大丈夫。もう日も落ちるし、道もわかった。婆さまが心配するので帰ることにしよう」
爺さまが婆さまに言った。
「ほれ、こんなにたくさんの筍じゃ」
すると、婆さまは言った。
「こりゃ、たまげた。 なんとたくさんの筍
今夜は、筍尽くしにしようかの。お味噌汁、煮物、筍ご飯、サラダも体によさそうじゃ」
婆さまは、嬉しそうに筍を受け取ると、台所へと急いだ
ぷくぷく パッパ
チカチカ とってん
ぷくぷく パッパ
チカチカ とってん
呪文を唱えながら、筍料理に励んでいる。
婆さまが最後の筍に包丁を入れようとした瞬間、
筍から生まれた小さな小さな赤ん坊。
オギャー!!
「こりゃ、たまげた!!」
と爺さまと婆さま。
「筍から生まれたから、筍太郎と名づけよう」
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チカチカ とってん
ぷくぷく パッパ
チカチカ とってん
それから10年の月日が流れて
筍太郎は10歳の少年になった
爺さまのお手伝いをしに山へと向かった時
ぷくぷく パッパ
チカチカ とってん
ぷくぷく パッパ
チカチカ とってん
歌が聞こえてきた
近づいてみると、10歳くらいの少女が
筍を拾いながら歌っていた