陽介と翔の異世界事情
「陽介帰ろうぜ!」
と幼なじみの翔が声をかけてきた為帰り支度をして一緒に帰る。
そして学校を出て駅まで歩く。
翔と他愛もない会話をしながら歩いていると足元に紋章のようなものが現れて白い光に照らされて気を失ってしまった。
そして目が覚めると翔が心配そうな顔をして覗き込んでいた。
体を起こして辺りを見ると草原だった。
「なあ翔、もしかしてさ………。」
「陽介の想像通りだな。異世界転移だと思うぜ!」
と何故か翔が嬉しそうに言っていた。
見る限り魔物のような生き物は見当たらない。よくある異世界転移だと最初に魔物にエンカウントだがここは違うようだ。
少し俺は安心した。
「とりあえず街に向かうか?」
と翔に聞いてみた。
「そうだな。ここが何処だか気になるしな。」
街の場所が分からないためまずは看板が無いかを確かめる。
「あったぜ!」
翔が街に向かう看板を発見した。
その道に従って歩いていると大きな街を発見した。
「よくある門番みたいな人はいないんだな。」
何やら期待していたようだ。
街に入り周りを見渡した。
洋風建築が建ち並んでいた。そしてとあるカフェでバイト募集と言う張り紙をみつけすぐに店員にバイトが出来ないか聞いてみた。
すると是非と言われバイトをする事にした。
バイトをしている時にふと俺は疑問に思った。
(そう言えばこの世界の言葉も金の価値もなんで分かるんだろう?)
そしてバイトが終わり報酬をもらう。
そして宿屋で部屋を取り状況を確認する事にした。
「とりあえずここは異世界、で、何故か俺達は言葉もわかるし、金の価値もわかる。」
「だな。やっぱ陽介も疑問に思ったか。」
そしてとりあえずしばらくはカフェでバイトすることにして就寝する。
カフェでバイトを始めてから1ヶ月が経ち、お金も溜まってきたため、とりあえず服を買う事にした。
「服かぁ。確かに毎日魔法で綺麗にしていても同じ格好はないよな。」
「俺は毎日制服でも大丈夫だぞ?」
「陽介はそうだろうな。制服フェチだし……。」
俺たちはこの世界に来てからずっと学校の制服を着ていた。魔法が使える世界なので『クリーン』と唱えれば洗濯したかのように汚れが落ちるのだ。
それに俺は翔には内緒にしているが『アイテムコピー』というスキルもあるらしい。なので今着ている制服を既に何着も複製して『アイテムボックス』に入れてある。ちなみに翔の制服もこっそり複製している。
「陽介もちゃんとオシャレしたら結構イケメンなのに………。」
「は?翔の方がイケメンなくせに何言ってんだ?俺は普通だ普通!」
そして服屋に無事に連行されました。
この世界の服装はだいたい学校の制服と変わらないみたいで俺は少し安心した。
「陽介これ似合いそう!」
翔が手に取ったのは黒のベストに黒のスラックス、白の長袖のワイシャツに赤のネクタイだった。