明日はきっと………
和真は少し悩んでいた。
「どうしようかな。あいつの誕生日プレゼント。」
ショッピングモールの雑貨屋で親友の昴のプレゼントを選んでいた。
「そう言えば昴スマホケース変えたいって言ってたっけ。」
スマホケースがボロボロになってきているとボヤいていたのを思い出したのだ。
「いろいろな種類あるな。ん、これかっこいいじゃん!」
和真が手に取ったのは黒字に赤い線の入ったスマホケースだった。
昴はシンプルなスマホケースを好むためこのデザインはちょうどいい。
和真はすぐに会計をしてスマホケースを購入する。
「いい物買えたぜ!」
そしてショッピングモール内を歩いていた。他にも何か役に立ちそうな物が無いかを探していた。
「あーイヤホンもいいかも知れないなぁ!あいつずっーと片耳壊れてるやつ使ってるし」
「ほぉ…和真くん····みーつけた♪」
後ろから和真を呼ぶ声が聞こえた。
「ん?誰か俺の事を呼んだ?」
急いで和真は振り返るが、声の主は見当たらなかった。
不思議なこともあるもんだなと関心する和真だったが、それは少しずつ不安へと変わっていく。
翌日学校で和真は昴に「スマホケースとイヤフォン、誕生日プレゼントだ!」と渡すと、「ありがとう和真!」と喜んでいた。
そして「その時に和真くんみーつけたって声が聞こえたんだが誰も知り合いはいなかったんだよな。」と昴に話していた。
「なんだよそれ、ホラーじゃねぇか!」
「まぁ聞き間違いだろうな!」
とその後は和真が昴に抱きついたりしてホームルームまで過ごすのだった。
昼休み、和真と昴は学食に行く。
すると、「今日は昴君も一緒だぁ!」とあの声が聞こえた。
和真と昴は顔を合わせ、「今誰か何か言ったか?」と確認し合うのだった。
「昴も聞こえたか?」
「ああ、バッチリ聞こえたぜ。」
と二人は少し恐怖を感じていた。
そしてある日、和真と昴はいつものように教室で他愛もない話をしていた。
するといきなり『和真に昴、やはりお前らは俺の物にしてやる!』という男の声が聞こえる。
「昴!」
「和真!」
お互い名前を呼び抱きしめ合う。幸い昼休みで空き教室なため誰もいない。
二人は空き教室から出ようとするが扉が開かなくなっていた。
「なんでだよ!鍵なんてかけてないぞ!」
焦る和真、昴ももう片方の扉を開けようとしていたが、やはり開かない。すると隅の方から床が黒いなにかに飲み込まれていく。
「ちょっと開かなきゃ俺達もやばい!」
「そんな事は分かっている。だが和真開かないんだ!どうすることも出来ない。」
そして為す術なく二人は黒いなにかに飲み込まれていく。
『うわぁぁぁぁぁ!』
先に目を覚ましたのは和真だった。
「ん?ここは……。」
周りを見渡すと屋敷のような場所にいた。体を起こそうとするが起き上がれない。
「なんだこれ!」
手足は縄で縛られており、着ている服も高校の制服ではなく、中学まで着ていた詰襟学生服を着ていた。
ちなみに昴も同じ様に縄で縛られて詰襟学生服を着ていた。