あの鳥の正体

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1人目

私はかつて、1匹の小鳥を飼育していた。

名前は····なんだったかな、とても可愛らしい名前を
つけていた気がする。

その子はとても不思議で、インコでもオウムでも九官鳥でもないのに人の言葉を真似することができた。

けど、その子が口にする言葉は 一言も教えてない
不気味なモノばかりだった。

例えば

2人目

あれは学校から帰ってきたときのことだった。

当時の私たち一家は、古い借家で暮らしていた。
両親とも共働きだったから、夕方の私にとってその子は大きな存在だった。

家に着いた私は、軒下に吊るしてある鳥かごを覗きこんだ。
その子に「ただいま」と声をかける。
片脚で毛づくろいする姿が見えて、ほっとした。

それから手を洗おうと思って、台所に入る。
そのとき。

すりガラスの引き戸の向こうで、その子は異様に思えるほど激しく鳴きはじめた。

3人目

鳥かごが音を立てて揺れるほどに、小鳥はバタバタと暴れ回って鳴いている。
私は怖くて、台所から出ることができなかった。

『クルナ、クルナ』

ギャッギャッと耳障りな鳴き声だったのが、不意に調子が変わった。

『クルナ、ノロイ、クルナ』

初めは意味はわからなかったが、日本語なのではないかと思ったら、頭の中に漢字が浮かんだ。

『来るな、呪い、来るな』

4人目

この鳥には悪魔の魂が乗り移ったみたいな環境になっていた。「この体乗っ取らせてもらったぞ。お前は飼い主失格だ。こんな狭い檻の中にとじめこめやがって餌もろくなのをあげてないな」と悪魔の声が呟いた。