右肘は、右側にあり
左肘は、左側にある
ごく当たり前のことを考える

肘と肘は物理的に人間の能力ではくっつくことが出来ない
巷で流行ってた。

皆、徐に肘と肘を合わせようと精一杯
あらゆる角度から身体をねじったり収縮を重ねる。

それがどうだ？
いま正にこの俺だけ唯一肘と肘を両膝にくっつけ
ボールのような球体になり
むしろボールになった。

靴を見て、くるぶしを見て 、
すねを見て、ひざを見て。

腰を見て、脇腹を見て、
胸見て、肩見て。

右ひじ、左ひじ、交互に見て、

そう、僕は肘のカリスマ。

そして、僕は肘のパイオニアなのである。

頭みて　顔見て
耳みて　目を見て

右肘　左肘　交互に見て

そう、僕は肘の王子様
皆に愛され愛でられる

自分の肘を見て

他人の肘と比べる

いささか私の物だけが鋭利に見える

鋼をも砕く肘
時には守り時には攻める

そんな肘を手に入れた私はクロコダイルの手下になることを、決めた。