世界はいつか終わるのだから
世界はいつか終わるのだから。
自由に生きていいでしょう?
自由に死んでいいでしょう?
好きに過ごせばいいでしょう?
やりたいことを、やればいいでしょう?
命は大切に扱わなくてもいいでしょう?
世界はいつか終わるのだから。
世界はいつか終わるのだから
よく食べよく寝てよく生きたい。
よく食べよく寝てよく死にたい。
世界はせっかく始まったのだから
よく食べよく寝てよく生きたい。
よく食べよく寝てよく死にたい。
今日もゲームや漫画の散らかった部屋。
ハンバーガーを片手に
うとうとしてる昼下がり。
確実に死に向かい、
「いま」を生きてるなぁという満足感が降ってくる。
TVでは、世界が1週間後に終わるというニュースが流れてる。
一週間後に世界は終わる
必死に考えた
何ができるか考えた
そうだ 海に行こう
山に行こう 旅行もいいな
やりたいことをメモにのこした
世界の終りまであと7日
海に行くことにした
まだ季節は春 桜の季節
向こうで 桜が咲いている
水が冷たく きもちがいい
人も少く ぼーっと生きていることの喜びを感じながら
海に 一人でいる
釣りをした 魚は釣れない
ぼんやり 海を眺めて 釣りをして
今度は 素潜り
海の中は綺麗で 輝いて見えた
貝を見つけた
紅の空 貝を焼いて食べて 幸せを感じる
今度は何をしよう
のんびり ぼんやり 空色も変わる
花火を買った
線香花火 ねずみ花火 ロケット花火 色々買った
星が 瞬き始めた
たくさん 遊んで
たくさん 遊んで
たくさん 遊んで
気が付かないうちに
日付は変わっていた
ーーー世界の終りまであと6日ーーー
あと5日で世界は終わる…
それでも太陽はいつもと同じように輝いている。
そんな日差しの下をいつもと同じようにイモ虫がのそり、のそりと歩いてる。
いも虫は世界が終わるなんて知らない。
いつもと同じように、ただゆっくりとあてもなく。
私はぼんやりとそんな光景を眺めていた。
その時、突然強い光を感じた。
ぼんやり のんびりすごしているうちに
あと3日で世界が終わる
外に出てみた
空がきれいだ 白い雲 青い空
当たり前のこの景色を 眺めながら
息をすう 吐く 両手いっぱい広げて 深呼吸
空気がおいしい 世界が終わるなんて嘘じゃないかと思うほど
周りも穏やかに過ごしている
只 謎の光がゆっくりと近づいている
それを 不安に思う人は少なからずいるようだった
世界の終わりまで48時間をきった。
今や光は月よりも大きく映る。
そのせいで夜でも昼のように明るく、北欧の白夜を思わせる。
そして多くの人が不眠症を訴え始めたが、薬局や病院は既に閉鎖されており、薬も製造されていない。
ありとあらゆるライフラインは止まり、文明は死んでしまったと感じる。
私は河原で仰向けになり、のんびりしながら今が朝か夜なのか分からずでいた。
様々な事柄から解放され、一人で過ごすようになって心はずっと穏やかなまま。
ああ、なんだか眠くなってきた。
最期の日
周りは騒がしくしているけど
そんなこと気にせず 川で魚釣り
やっぱり釣れない
けれど ぼんやりしながら釣り竿を握る
何時間かして 光が周りを覆い始めた
と 同時に 魚が釣れた
やった!!
初めての体験で 心から喜び 叫んだ
光は周囲を照らし
見渡す限り一面 眩しい程 光の世界
それは それは ただ ただ ひたすら
白く 美しかった