こっくりさんの憂鬱
どうもこんにちは。突然ですが私はこっくりさんです。
はい。私は【あの】こっくりさんです。
紙とペンと10円玉で呼び出せる低級霊のこっくりさんです。
私に実体はありません。狐狗狸さんなんていうのはただの当て字にしか過ぎません。
ええ、ええ、古来より人間というものは怪異に妖怪、幽霊に呪いなどの類いが好きですよね。本当に。
しかもそれをエンタメにするんですから。全く理解できません。
特に都市伝説が好きな人間って沢山いますよね……。
本当に、本当に全くもって理解できません。なぜなら……
「小学生に毎日毎日呼び出される私の身になってみろ!!」
ってことです。
たったの10円で私を呼び出して○○くんの好きな人は誰ですか?とか○○先生は結婚してますか?とか明日の体育の授業はなんですかとか……なんなんだ!みんな揃いも揃ってそのくだらない質問は!もっとましな奴はいないのか!
しかもたった10円で人のこと毎日毎日呼び出してこき使いまくりやがって!ブラック企業か!!
と思う毎日です。都市伝説だって大変なんです……。
今日も今日とて午後3時に叩き起こされましたよ。
私の仕事はたいてい放課後なので、それまでは寝ているんです。
え? 幽霊も寝るのかだって? そりゃそうです。疲れますからね。私の仕事は頭を使いますから、そりゃ眠くだってなります、ええ。
はいはい、あの学校ですね。公立の小学校ですか。都市部なので子供の数は多そうですね。
はぁ……。もっと田舎の、人数の少ない学校でしたら仕事が楽なのですが。
あぁ、あの子供たちですか。
さて、じゃあ仕事の時間です。
変な50音表ですね……。アルファベット表もあるじゃないですか。
まあ、最近は英語の授業もあると言いますし、
ABCDに怖気付いてちゃ商売あがったりです。
ん? なにか口論していますね。
女の子「そんなこと、こっくりさん知らないわよ!」
男の子「へえ? なんでも答えてくれるんじゃないの?」
なかなか質問してくれませんね……。待ってる身にもなってくださいよ。
残業代出ないんですよ、全く。
……お、やっと質問が決まったみたいです。
男の子「アマギフの番号を教えてください」
そんなもん教えられるか!!!!!!!!!!!!!!!
ええ、そうです。私の魂の叫びが火を噴きました。
まぁ実際には10円玉がちょっと動いただけなのですが……。アレですかね?最近の小学生は、ソシャゲ?とかいうモノに課金するとかなんとか。
ええ、許せません、こっくりさんマインド的に。
こう、私が教えるのは、どのクラスの誰々くんは私のこと好き?とか…そんな質問でしょうよ。
大体人様のアマギフの番号を知ろうというのがいただけません。これは、少しこらしめてやる必要があるような。
そう、皆様ご存じのように、こっくりさんは知りたいことを教えてくれるだけじゃあございません。
手順や礼儀を間違えると………そう、
世にも恐ろしいことになるから、都市伝説なのです。
さあ、ちょいとあの子たちに味わって貰いましょうか。
こっくりさんの恐ろしさというモノを。
ここはひとまず「いいえ」に10円玉を動かす。
「ほら言ったじゃん!さすがに無理だって。」
と女の子が言った後すぐにまた10円玉を動かす。
「おまえらをのろう」
すると女の子が「ひっ」と小さな悲鳴をあげた。
「呪われるわけないだろ!」
と男の子が言うと別の男の子に「なぁまじでもうやめようぜ。」と言われていた。
私的にはまだまだ序の口なのでやめさせるわけが無い。
全くズウズウしいわりには怖がる
しかも普通は十円や紙切れなんて私達の仲間は無視ですよ無視
でも私は子供のお遊びに付き合ってさしあげてるというのに
もう怒りましたよ
男の子を脅してやりますか
他の子は辞めたそうですね
私はてはじめにまずは別の男の子のクビに巻き付きました
そして十円に手をのばし
[マズハヒトリメ]
女の子「何も聞いてないのに動いたわ。」
フフフ
こんなのかわいいほうです
さてこの子には申し訳ないがエイ
パタリと倒れた
ああちょっと魂の尻尾を引っ張っただけですよ