プライベート CROSS HEROES reUNION Episode:5

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1人目

「prologue」

 CROSS HEROES。
かつて、世界存亡の危機を救うべく、時空を超えて集結した勇者たちの名をそう呼んだ。
そして永き年月を超え、今再びその名を背負いし戦士たちの新たなる物語が始まる。

 キャスター・リンボ、安倍晴明、ドンキホーテ・ドフラミンゴ
そしてクォーツァーを追放されたスウォルツを迎え入れた同盟者とは
狂気の天才科学者「Dr.ヘル」であった。兜甲児の祖父・十蔵と肩を並べる才能を
持ちながら古代ミケーネ帝国の遺産に心奪われた男。
その研究の中で機械獣の建造、さらにミケーネ帝国が数多の並行世界にまで
影響を及ぼしていたと言う事実に辿り着いたヘルはリンボ達の存在とその超常たる力に
目をつける。

 神浜市では、十咎ももこの身柄を狙うジェナ・エンジェルの前に
謎の仮面を着けた黒衣の男「ジョーカー」、ジェナと浅からぬ因縁を持つ男「ゲイル」が
現れる。自身の分身たる「ペルソナ」と契約したジョーカー、
ジェナと同じく自らの肉体を悪魔「ヴァーユ」と化したゲイルがジェナに挑むが、
そこに新たなる脅威「アスラ・ザ・デッドエンド」と「ウラヌスNo.ζ」が出現。
ももこの行方を探していた承太郎、いろは、やちよが戦闘に加わるが、
先の激闘で疲弊していた事に加え、圧倒的な戦闘力を見せつける
ジェナ、アスラ、ウラヌスの前に窮地に陥ってしまう。

 仲間の命と引き換えにももこに卑劣な取引を持ちかけるジェナの前に
世界の平和と秩序を守る正義超人「テリーマン」率いる超人軍団が乱入。
かねてよりジェナの暗躍を知り、その野望を打ち砕かんとするものの
吉良吉影の第2の爆弾「シアー・ハート・アタック」が引き起こした混乱に乗じて
ついにももこはジェナに囚われ、誘拐されてしまう。

 傷だらけの戦士たちを包む挫折感と敗北感に打ち拉がれる間もなく
新たな戦いがCROSS HEROESを待ち受けている。

 かつて勇者アレクと共に戦った過去を持つ地球育ちのサイヤ人「孫悟空」。
母星の王位を継承し、地球を去った正義超人の雄「キン肉マン」。
邪悪なる存在「ジークジオン」を討ち滅ぼすために天より降臨せし「騎士ガンダム」。
黄金の精神を受け継ぐジョースター一族の末裔「東方仗助」。

 これまで、強大な悪を討ち滅ぼして来たまだ見ぬ光の戦士たち。
この星から消えかけている、正義を見せてくれ。

2人目

“あなたこそロトゼタシアを救った まことの勇者……あなたは これより
ロトの勇者として語り継がれ皆の希望の架け橋となるでしょう。
勇者よ、光ある限り闇もまたあります。
長き時の果て、再び闇から何者かが現れるでしょう。
もしかしたら私自身が闇に染まることも あるかもしれません。
しかし……人の愛は 勇気は決して消えることはありません。
もし私が闇に墜ちてしまったらその時は、どうかこの剣を手に……”

かつて、世界そのものを創造した聖竜がいた。

“私は龍の女王。神の使いです。もしそなたらに魔王と戦う勇気があるなら光の玉を授けましょう。 この光の玉で一時も早く平和を取り戻すことを祈ります。生まれ出る私の赤ちゃんの為にも……”

その血を継ぎ世を見守った竜の女王がいた。


その聖なる竜神の血族の中に突出した力を持つ者が現れた。

その者は自分に眠る聖なる力だけでなく闇の力をも手に入れんとかつての大魔王の城に居を構え、光も闇も備えた至高の存在になる野心を持った。

“儂が王の中の王、竜王だ”

その者は竜王を名乗りかつての大魔王のようにアレフガルドを闇に包んだがロトの血をひく新たなる勇者に敗れた。
これが“正しい”歴史の流れである。


しかし世界そのものを創る神の一族たる竜王は体が滅びようともその存在そのものは簡単には滅びはしなかった。
その魂は大いなる混沌、光と闇の両方が数多く存在する次元にたどり着く。


“随分と面白い世界があるものだ……肉体を取り戻すにはいい時期かもしれんな”


「アレク様」

時を同じくしてインド、アジャンダ石窟群。
アレクとローラはロトの剣の反応を辿った二人は周辺で聞き込みをし、この一帯が前と雰囲気が変わったという情報を得て探索をしていた。

「何か見つけましたか」
「いえ、でも今何かを感じました」
「ではこの近くに我々の探すものが」
「いえ、秘宝や武具などそういったものではありません。もっと大きな何かがこの世界に現れたような……」


次元の壁、正しい歴史の流れ、それらが聖なる邪竜の牙によって裂かれようとしていた。

3人目

「戦え!二大スーパーロボット!」

甲児と竜馬がトゥアハー・デ・ダナンを出てすぐの頃、光子力研究所ではビューナスAとボスボロットが機械獣の軍団と戦っていた。
「ボス!いくらなんでもこの数はまずいですよ!?」
「うるせぇ!甲児がミスリルの手伝いしてる今、戦えるのは俺たちだけだろうが!」
「けど、くろがね五人衆の皆さんが一緒じゃない俺たちが戦っても勝てっこないですって!
マジンガー軍団もさやかさんのビューナスA以外は修理中ですし」
「それでもやるしかねぇんだよ!」
「そうよ、それに甲児君達もきっと来てくれる!だから…」
「っ!さやか!危ない!」
「…っ!?」
さやかの乗るビューナスAに後ろから機械獣が襲いかかる。

その時!

「ロケット!パァーンチ!」
鋼鉄の鉄拳、ロケットパンチが機械獣の身体を貫き破壊する。
「ロケットパンチ……もしかして!」

「待たせたなさやか!ボス!」
その声と共に空からマジンガーZとゲッターロボが舞い降りた。
「甲児君!」
「遅えぞ兜!」
「悪りぃ、ちょっと遠かったから時間かかっちまった」

「こいつらがお前の仲間か甲児?」
「あぁ、俺の頼れる仲間だ!」
「甲児君、その赤いロボットは?」
「詳しいことはあとで話す。まずは機械獣を倒すぞ!」
「おう!いくぜ!ゲッタートマホーク!」
ゲッターロボは斧のような武器、ゲッタートマホークを取り出す。
「おりゃあ!」
そして取り出したトマホークで機械獣を次々とぶった斬っていく。
「ルスト!ハリケーン!」
マジンガーZの口から酸の含んだ風を発生させて、機械獣を錆びさせ朽ち果てさせる。
「俺たちも負けてられねぇな!」
ボスボロットも腕を伸ばして機械獣を掴まえ、ぶん投げる。
「さやかさん!」
「わかったわ甲児君!」
「「光子力ビィーム!」」
マジンガーZとビューナスAは光子力ビームを放って機械獣軍団を蹴散らす。



機械獣を次々と撃破していくと、更に多くの機械獣が増援として出現した。
「チッ、まだ来やがるのか!」
「キリがないわ!」

「っ!お、おいあれ…!」
「どうしたボス?…ってあれは…!」
ボスが指を指した方向を向くと、そこには巨大化したテリーマン達超人軍団の姿があった。

4人目

「結成、ザ・マグナムズとブラックスターズ!の巻」

「あのでっけぇの、超人なのか!?」
「そうか、超人は巨大化出来るんだったな!助けに来てくれたのか!」
突然現れた正義・悪魔混合超人軍団が巨大な姿に変貌している事に驚愕するボス。
反対に、超人の性質を思い出した甲児は合点がいった様な表情だ。
「あぁ、ここは僕達…」
「ザ・マグナムズに任せるのだな、カーッカッカッカッカ!」
「マグナムズか…全く、僕等にはお似合いだ!」
啖呵と共に先陣を切って出るアシュラマンから出たタッグ名に、テリーマンは苦笑しながらも後に続いた。
「久々に全力で戦えるわ!阿修羅六道蓮華!」
機械獣の最中へと躍り出たアシュラマンが、6本の腕を乱れ打つ。
フック、ジャブ、ストレートと絶え間なく打ち出される拳は、敵を文字通り蹴散らしていく。
「しゃがめ!」
「ぬぅ!?」
直後、銃声と共にアシュラマンの頭上を飛んでいく銃弾。
それは角を取って振りかぶった機械獣の脳天に穴を空け、崩れ落ちさせた。
テリーマンの早撃ちである。
「全く、闇雲に飛び込むのはやめたまえ。」
「ならばタッグとして支援するのだな!カーッカカカカ!」
「やれやれ…それじゃ今度は僕が暴れる番だ!テキサス・コンドルキック!」
アシュラマンのカバーをしたテリーマンは、そのまま戦火へと飛び込み、勢いのままに機械獣を破壊、次いで別の機械獣へと掴みかかると、関節を極める。
「テキサス・クローバーホールド!」
地べたに這いつくばった相手をエビ反らせ、そのまま機械獣を粉砕した
「向こうはマグナムか、それならこちらは…」
「ブラックスターズ、と言ったところだな。黒星というのは縁起は悪いが、悪魔には相応しい!」
その様子を見ていたBHとプラネットマンも、常に黒が付きまとう星として共通点はあった。
そこに現れる無数の機械獣が二人に襲い掛かるも、余裕綽々といった表情で二人は躱して退ける。
BHは相手の影に隠れ、プラネットマンはその体をバラバラにして。
直後に機械獣達を襲う無重力、否、プラネット重力が生み出す『宇宙地獄』の光景だ。
突然の事に困惑する機械獣達が、ふと小さな穴を見つけると、そこから直列に並んだ球体が飛び出す。
「惑星直列―ッ!」
それはBHの穴であり、飛び出してきたプラネットマンによって機械獣達は串刺しにされてしまった。
アイツの顔は、覗いちゃいけない。

5人目

「魔神と超人、いろはの決意」

 マジンガー、ゲッターチームと超人軍団によって
光子力研究所を襲撃していた機械獣たちは次々に撃破されていく。

「ふふふ……Dr.ヘルのお言葉通りだな」

 高みの見物を決め込むあしゅら男爵、そして安倍晴明が不敵に笑う。

「光子力研を襲えば、兜甲児は必ず現れると」
「流竜馬も奴らに与しておるようだな」
「うむ……しかし、正義超人たちまでもが奴らについているとは。Dr.ヘルに報告せねば」

 甲児たちの戦力を測りトゥアハー・デ・ダナンから遠ざけるために
Dr.ヘルは機械獣を光子力研究所に差し向けたのだ。

「CROSS HEROES……いずれは我らの障害になるであろう」

 これはまだ前哨戦にすぎない。新たなるステージへの序曲なのだ。


――神浜市・みかづき荘。

「やちよさん、体のお加減はどうですか?」

 いろはがベッドで横になっているやちよに声をかける。
ウラヌス-No.ζの氷結攻撃によって大ダメージを負ったやちよだったが
いろはの献身的な回復魔法とグリーフシードによるソウルジェムの浄化も手伝って
小康状態へと向かっていた。

「ええ……大丈夫よ。ありがとうね、心配してくれて」

 そう言って微笑んでくれるやちよを見て、いろははほっとした表情を浮かべた。

「それにしても、やちよししょーがこんなにやられるなんて……あいつら、何者なの?」

 エプロン姿の鶴乃がやちよのためにおかゆを用意して台所からやって来る。

「話によると何処か別の世界からやって来た人たちだそうです。
とても強かった……やちよさんや承太郎さんがいなかったら私なんて
簡単にやられちゃってました」
「いろはさん……」

 鶴乃とさなも、その話を聞いて黙り込んでしまう。

「でも、このまま大人しくしているわけにもいかないわ。ももこを救わないと……」
「その気持ちはよく分かりますけど……今はゆっくり休んだ方がいいですよ」
「だけど、こうしている間にも」

「やちよさん。私、CROSS HEROESの皆さんと一緒に戦うことに決めました。
あの人たちと一緒に行動すれば、ももこさんの行方を突き止めることも出来るかも
知れません」

 いろはの強い決意表明に、やちよは何も言えなかった。

「そう……分かったわ。あなたの意思を尊重する。ただし無茶だけはしないでね。
約束よ」

6人目

「開幕、『聖杯』戦争」

_数分後、そこには機械獣だった物が無数に転がる、一種の地獄絵図としていた。
その光景を一笑したアシュラマンが、余裕の表情で肩を回して勝利を宣言する。
「ふん、肩慣らしにもならんわ!」
今だ息のある機械獣にも、飽き飽きした様子でとどめを刺そうとはせず、ボロット達にくれてやると言わんばかりだった。
「(可笑しい、たったこれだけなのか…?)」
「おい、どうした辛気臭い顔をして?」
だがその横で考え込むテリーマンを見て、アシュラマンは首を傾げる。
数こそあれど物の数ではない機械獣ばかりの光景に、テリーマンは一種の違和感を覚えていたのだ。
「どうも妙だと僕の勘が告げていてね…あまりにあっけ無さ過ぎる。」
「カーッカッカ!強い事を誇れば良いだけだ…むっ?」
そんな様子を笑い飛ばそうとしたアシュラマンだったが、遅れて彼の第六感が何かを告げる。
「上か!」
気付けば体がその場を跳び退き、直後に何者かがさっきまで自分達の居た場所目掛けて着地、瓦礫を舞い散らし、土煙を上げる。
「新手か、丁度いい!暴れ足りなかった所よ!」
「いや待て、どうやら機械獣じゃないらしい…」
不意打ちとも言える突然の登場に警戒心を強めるテリーマン達だったが、そのまま何もしてこない様子を見て構えを解いた。
今までとは明らかに違う動きに、様子見を決め込むと、次第にその姿が露わになっていく。
ピンク色の武道服を着た大男を筆頭に、何人もの人…いや、超人の影が浮き上がってくる。
「あの姿は…ネプチューンキング?」
テリーマンは先頭に立つ武道服の男に見覚えがあった。
かつてタッグマッチにおいて、ネプチューンマンを完璧超人の長に置きながら陰で操っていた真の頭領。
「…いや、有り得ない。」
確かな実力こそあったが、その最期はザ・マシンガンズとの戦いで死亡、今も天上界にて晒し者にされているとテリーマンは記憶していた。
「グロロ~、如何にも。私はあの様な下っ端の存在ではない。」
「下っ端だと!?」
そんなテリーマンの内心をひっくり返す様に、武道服の男は近くのビルにある巨大モニターを竹刀で刺し、告げる。
「私はストロング・ザ・武道。完璧超人代表として、貴様らに聖杯を掛けて戦争を申し込む!」
宣戦布告と共に映し出されたのは、牢獄に吊るされたネプチューンマンの姿と、燃やされた不可侵条約の紙だった。

7人目

「争乱の始まり、黒衣の魔法少女」

 正義・悪魔・完璧の超人三勢力の代表が一同に集う中、突如として突きつけられる
不可侵条約の破棄。
そして、戦争の始まりを告げる宣戦布告。

「あしゅら男爵、あれは何者ぞ」
「どうやら超人達の間で何かが起きたようですな……これは都合が良い。
Dr.ヘルに素晴らしい報告が出来そうだ。晴明殿、引き上げましょう」

 ストロング・ザ・武道の出現は、事態を一気に加速させた。
超人たちの間に引き起こされる不和と、それによるパワーバランスの崩壊。
あしゅら男爵たちにとっては願ってもない展開であった。

「テリーマン、聖杯とは?」
「聞いた事がある……万能の願望器。
それを手に入れた者は如何なる願いも叶える事が出来ると言うが……
それよりも、完璧超人軍の条約の破棄。そしてネプチューンマンを
あのような目に遭わせる男、ストロング・ザ・武道……」

 テリーマンもまた、この一件にはただならぬものを感じていた。

(キン肉マン……お前から託された地球の平和、必ず守って見せる)

 遠く離れた宇宙に居るであろう友に誓うテリーマンであった。
一方、環いろははCROSS HEROESに加入すべくミスリルの強襲揚陸艦
トゥアハー・デ・ダナンへと向かう途中だった。

「環さん」

 声をかけられて振り返ると、そこにはいろはと同じ宝崎市の魔法少女、黒江が居た。

「黒江さん……どうして?」
「私も行くよ、あなたの手伝いをする為にね」

 そう言って微笑む黒江。その手にはグリーフシードがあった。

「これから戦うなら、グリーフシードは多い方がいいでしょ? 
あなただってソウルジェムを浄化しないと危険だし」
「それはそうですけど、でも」

 言い淀みながらも、いろははその申し出を受け入れる。
確かに彼女の言う通りだと思ったからだ。
それに何より、彼女が同行してくれる事はとても心強かった。

「ありがとう黒江さん。正直、不安で一杯だったんです」

 安堵した表情を浮かべるいろは。そんな彼女を見て、黒江も笑った。

「あなたの事は私が守るから」

 こうして、2人の魔法少女はトゥアハー・デ・ダナンへと乗り込む。

「みんないいなぁ。俺も冒険してえよ」

 各地に散ったメンバーに対して、ルフィは羨ましそうに呟いた。

「我々も動きますよ、ルフィさん」
「マジか、テッサ!」

8人目

「聖杯を追って、友を探して」

いろはと黒江を加えて再び動き出したトゥアハー・デ・ダナン。一方その頃、士達カルデア組も特異点内にある聖杯を捜索していた。
「ふもももっふ!(昨日よりも敵の数が多くなってるな)」
「それだけ聖杯とやらが近くにある可能性が高いってことだろ」
「え、士さん今宗介が言ったことがわかるんですか?」
「あぁ、大体だけどな!」
これまでいくつもの世界を旅し、その中でグロンギを始めとした人間とは異なる言語で会話をする種族とも何度も出会った士にとって、ボン太くんの着ぐるみを来た状態の宗介が何を言ってるのかを理解することなど朝飯前であった。
「恐らくはあそこに聖杯があると思います」
マシュが指を指した先にあるのは、竜頭が付いた大きな城、そこから大量のモンスターが次々とゾンビのように湧いているのが遠くから見てもわかった。
「確かに、ダ・ヴィンチちゃんも聖杯の反応があそこからしてるって言ってたしね」
「なら、さっさと行くぞ」
一同は聖杯があると思わしき城へ向かって進む。



一方、杜王町では仗助と騎士アレックスが康一達を探して町中を駆け回っていた。
「康一ー!億泰ー!露伴先生ー!いるなら返事してくれー!」
「……どうやらこの辺にもいないようだな」
「クソ!」
「落ち着け、まだ探してないところh…っ!?」
「どうした?」
「……気をつけろ、なにか来るぞ!」
アレックスが言ったとおり、空から巨大な青色のドラゴン、『キースドラゴン』が現れた。
「な、なんだコイツ!?まさかドラゴンか!?」
「……どうやらそうらしいな……っ!来るぞ!」
「ギャオオオオオオン!」
キースドラゴンは炎を吐いて二人を攻撃する。
「あぶね!?」
二人はなんとか攻撃をかわす。
「気をつけろ仗助殿!こいつ恐らくは他のモンスターよりも!」
「あぁ、俺もそう思ってたところだ…!」
「っ!仗助殿後ろだ!」
「なに!?」
突然仗助の後ろの建物が崩壊しその中から1つ目で一本角の青い巨人『ギガンテス』が現れた。
「グォオオオオオオ!」
「ドラゴンの次は巨人かよ!?」
「クッ……これは少しまずい状況になってしまった……」
キースドラゴンとギガンテス、2体の大型のモンスターを相手に、果たして仗助とアレックスの二人は勝てるのか?

9人目

「正義」

伝説上の存在だった竜と巨人、その二つが今、仗助と騎士の前にいる。
竜の口から吹き出される業火は、二人諸共町の全てを薙ぎ払わんとする。
「来るぞ、仗助殿!」
だが騎士アレックスの盾が炎を防ぎ、二つに掻き分けていく。
「あっぶねぇ!?俺の髪が焼けちまうぜーっ!?やりやがったなーっ!」
その後ろで激情する仗助が『クレイジー・ダイヤモンド』を顕現させ、竜を討たんと躍り出る。
しかしそうはさせまいと、一つ目の巨人ギガンテスが行く手を遮ってしまう。
「ちくしょーっ、あれじゃ近寄れねぇぜ!何か策は無いのかよ!?」
「今考えている!だが、この戦力差では…」
そう、彼等を脅かす者は竜と巨人だけではなく、中身無き鎧や雫型のスライム、果てはからくりの蒸気兵等、多種多様な魔物が現れ始め、仗助達を包囲している。
一見烏合の衆のに見えるそれ等が行う、まるで軍隊の様に意思疎通が取れた動きを前にして、騎士アレックスは焦りを隠せない。
「くっそー、せめて突破口の一つでもあればよぉー…!」
じわじわと迫り来る、異形の群れ。
今にも一斉に襲い掛からんとする魔物達を前に汗を拭おうとしたその時、巨人が動き出す。
「うおぉーーーーっ!!クレイジーダイヤモンドーッ!!!」
大の大人を優に上回る大きさの棍棒を、巨人が振りかぶる。
それだけで、対処の為に一人の動きを封じられる。
その瞬間を待っていたか、一斉に魔物達が動き出す。
「不味い!防ぎきれないぞ!」
「こっちも手一杯だ!やられちまうーっ!!?」
二人の命が断たれんとしたその時だった。
一発の銃声と共に、騎士アレックスに襲い掛からんとしていた魔物の一体が倒れ伏し、消滅する。
音が聞こえた方角に視線を向ければ、そこには王子の様な姿をした茶髪の男が、弓を持った異形を引き連れていた。
手に持った玩具の様なレーザー銃からは、硝煙が立ち上っていた。
「なんだ、新手のスタンド使いか…?」
「だが助かった!助太刀、感謝する!」
二人の様子を見て、男は。
「…ハァ、街が滅茶苦茶になったと思ったら、とんでもない事になってるな。ハァ!」
溜息と共に懐の剣を構え、辺りの魔物を蹴散らし始めた。
「こっちの事は無視かよ!」
「それでも味方だ、ありがたい!」
突然現れた男に動揺する魔物達へと、騎士アレックスは剣を取り反撃を始めた。
「目障りだ、消えろぉ!!!」

10人目

「ラクロアン・ヒーローズ」

 バーサル騎士ガンダムたちがムーア界へ向かう途中のアクシデントで
散り散りになってしまった事を未だ知らずにいた
騎士アムロを始めとするラクロアの勇者たち。

『騎士ガンダム! 僕も……』

 アムロもバーサル騎士ガンダムたちと共にムーア界へ向かおうとした。
しかし、見えない不思議な力が彼の行く手を阻む。

『うわあああっ!』

 弾き飛ばされたアムロは地面に叩きつけられた。

『騎士ガンダム! アレックス団長! ゼータ! ダブルゼータ! ニュー!
ちくしょう、何故僕じゃ駄目なんだ!』

 天へと昇り行くバーサル騎士ガンダムは地上のアムロを優しく見下ろして微笑んだ。

『アムロよ、我ら無き後のスダ・ドアカ・ワールドを頼む……お前なら出来るはずだ』

 そして騎士ガンダムたちは光の中に消えていった……。

「騎士ガンダム! 待ってくれ! 僕も連れていってく……」

 気がつくと、そこは自分の部屋だった。
どうやらベッドで眠っていたらしい。

「目が覚めて? アムロ……」
「騎士セイラ……そうか、僕はあの後気を失ってしまっていたのか。
情けないな、騎士ガンダム達に置いて行かれるのも無理はない」

「いいえ、あなたには騎士ガンダムから託された使命があるはずよ。
あなたの命はきっと騎士ガンダムに繋がっている。
だから悲しんでばかりいないで……」
「うん、そうだね。騎士セイラ、ありがとう」

「それよりも、ラクロア城周辺に巣食っていたモンスターたちが
再び活動を活発化させたみたいだわ」
「騎士ガンダムたちがジークジオンの居城へと攻め入った事でモンスターたちも動き出したというわけか」

「これこそ、きっと私たちが騎士ガンダムたちの代わりに成し遂げる使命だと思うの」

 騎士セイラの言葉に力強く頷いたアムロは身支度を整え、部屋を出る。
ラクロア城の城門前には、既に戦士ガンキャノン、僧侶ガンタンクと言った仲間達が集結していた。

「すまない、みんな。待たせてしまったようだね」

 その言葉を聞いた戦士ガンキャノンは首を横に振った。

「その様子だと迷いは吹っ切れたみてぇだな?」
「ああ。僕たちにしか出来ない事がある。行くぞ、みんな!」

「うむ」
「ええ」
「おうよ、派手にやったろうじゃねえか!」

 残されし者たちもまた、己の戦いに身を投じていく。

11人目

「再会する者達」

王子服の蘭入者を交え、騎士達の戦いは加速する。
スライムに乗った騎士兵が撃ち落とされ、腐敗した死人の四肢が裂かれ、人面岩が爆発四散する。
地球史上最も混沌とした戦場は、今まさに幕を下ろさんとしていた。
戦いのピリオドを打つのは、やはり最後まで生き延びた竜と巨人か、対する騎士と仗助か、そして謎の男の何れか。
_グオォォォ!!!
傷付き、血を流しながらも活力に満ち満ちた竜の叫びが轟き、最後の戦いの火蓋が斬って落とされる。
「まだやろうってのかよ、あんのドラゴンヤロー!?」
「巨人もまだ生きている、最後まで油断は禁物だ!」
戦いの終わりを感じ取った騎士もまた、警戒心を崩さない。
「時間を喰った…とっとと終わらせるぞ!」
「あ、おい!」
そんな二人に指図する男は、返事も聞かぬまま竜へと飛び掛かる。
竜も負けじと爪や炎で迎え撃つが、見た目に似合わぬリアルな銃声を鳴らすレーザー銃に牽制され、思うように動けない。
その隙を、男は慣れた剣裁きで突いていく。
「すげぇ…あんなでけぇ竜相手に全く物怖じしてねぇぜ、アイツはよ~!!」
「アレほど勇猛果敢な戦士は私たちの世界でも稀だ。彼は一体…」
「甘いんだよぉ!!」
まるで今まで戦ってきたかのような振る舞いで、当たれば致命の一撃を受けるであろう一挙一動を全て躱していく。
やがて動く力も無くなったのか、竜はバッタリと倒れ伏してしまった。
「うおぉー!やりやがったぜアイツ!!」
「お見事!こちらも負けてられませんな!」
その光景に奮起した二人もまた、巨人を相手に善戦していた。
強大だった棍棒は見る影も無く、巨人は今にも倒れそうな悲壮感が漂っている。
「あぁ、ここで出来るっつー所を見せてやんねぇとな!」
そして巨人が膝をついたとき、容赦無く追撃に出たのは仗助のスタンドだった。
「行くぜ!ドラララ…!」
ラッシュにてトドメを刺そうとしたその時。
「っ待て、仗助殿!」
「え?」
せめて一矢報いようと、本体の仗助目掛けて棍棒が投げ込まれる。
結果的に不意打ちする形となった一撃に、仗助は成す術が無かった。
「_アルセーヌ!」
そう、仗助は。
またも現れた異形の蘭入者が、棍棒を打ちこわし、そして今度こそ巨人は倒れた。
其方を向けば、またも謎の男達と黒猫、そして康一の姿があった。
「康一!」
「…明智」
「久しぶりだね、蓮」

12人目

「彼と似た声の男」

杜王町で一波乱あったその頃、光子力研究所では
「完璧超人軍の条約破棄と宣戦布告、それに聖杯を掛けた戦争か……」
「とんでもないことになっちまったな」
「それにさっきの機械獣軍団…」
「熱海にタロス像が出現したことといい、やっぱりDr.ヘルが復活したのか?」
「わからない……とにかく、今回のことは私からテッサ艦長へ報告しておこう」
「ありがとうございます弓教授」
(Dr.ヘル……今度はいったいなにを企んでいるんだ…?)



一方その頃
「うっ……ハッ!こ、ここは…?」
ムーア界へ向かってる途中に発生したワームホールに吸い込まれた騎士ガンダム。
気が付くと彼はどこかの建物の中にいた。
(どういうことだ……確か私はあの時……)

「やっと目を覚ましたか」
(っ!その声はまさか…!?)
聞いたことのある声のした方向を向くとそこには顔に大きな傷跡が付いた男がいた。
(アムロ殿ではない…!?しかし、今の声は明らかにアムロ殿の声……どういうことだ?)
「しっかし驚いたぜ、空から急にアンタが降ってきたからな」
(空から…?そうか、私はあの時に……)
「おっと、自己紹介がまだだったな。俺の名前はヤムチャだ。アンタは?」
「私の名は騎士ガンダム……ヤムチャ殿、助けてくれて感謝する」
「なに、困ったときはお互い様だろ?
それよりもアンタどうして空から降ってきたんだ?」
「……実は……」
騎士ガンダムは今までのことをヤムチャに話した。



「……つまりはアンタはそのムーア界とやらに突入しようとしたら突然現れたワームホールに吸い込まれてこの世界に飛ばされてきたと……」
「信じてくれるのか?」
「当然だ。この世界はとんでもないことが何度も起こってたからな。その程度のことならいくらでも信じられるぜ。
……それで、アンタはこれからどうする?」
「……まずははぐれてしまった仲間と合流するつもりだ、彼らも恐らくはこの世界のどこかに飛ばされてる可能性がある」
「なるほどな……なら、俺も協力するぜ」
「っ!ホントか!?」
「あぁ、当然だろ?」
「……かたじけない!」
飛ばされた先で騎士アムロに似た声の男ヤムチャと出会った騎士ガンダム、果たして彼は仲間達と再開することができるのだろうか?

13人目

「完璧・無量大数軍(パーフェクト・ラージナンバーズ)」

「さて。」
ドスン、と音を立てて道路へと竹刀を突き立てる武道。
巨大化したテリーマン達でさえ大きく上回る巨体の一挙一動が、人々の恐怖を煽る。
「聖杯については貴様が説明してくれた、故に私からは目的を言おう。」
そう言うとテリーマン達を指差し、告げる。
「粛清だ。」
「何だと!?」
条約破りの宣戦布告に次ぐ粛清という言葉に、さしものテリーマンも同様を隠せない。
そんなテリーマンの様子を見てか、武道は続ける。
「我ら完璧超人は、常に完璧でなければならない。にも拘らず他の超人と蜜月関係になるなど、最早それは完璧ではない。ましてや一度戦火を巻き起こした悪魔超人と交わった正義超人の存在、そして一度は正義超人になったネプチューンマン等が不可侵条約を結ぶ等、我ら『完璧・無量大数軍』が許さぬっ!」
武道マスクの奥に見えるぎらついた眼光が、その怒りを表す様により一層血走り、呼応するようにモニターの先で条約文が燃え上がり、ネプチューンマンの身を焦がす。
「『完璧・無量大数軍』だと…!?」
「グロロ~、思えば初対面であったな。」
そこで初めて、武道以外の者達に話題は移る。
彼等もまた異形の巨漢であり、誰も彼もが強大な力を放っていた。
「我ら『完璧・無量大数軍』は、完璧超人の中でも選りすぐりのエリートで構成された、真の完璧超人。貴様らがかつて戦った完璧超人なぞ、物の数では無い。」
「ふん、無量大数とは大きく出たな?貴様らなぞ、このアシュラマンが捻り潰してくれる!カーッカッカ!」
武道の言葉を鼻で笑うアシュラマンを初め、悪魔超人達は余裕の表情を崩さぬまま、彼等の前へと歩き出すが、テリーマンがその間に割って入り仲裁を試みる。
「待つんだアシュラマン!ここは条約を守る為に正義、悪魔共に協力して当たるべきだ!」
「ふん、貴様一人で正義超人軍か?」
「…!」
そう、今正義超人として戦える超人は、テリーマンただ一人。
他の者は世界各地の医療施設にて長年の傷を癒すべく集中治療を受けている最中なのだ。
故に、正義超人として戦えるのは戦えるのはただ一人、テリーマンのみなのだ。
「それに」
だが、次の言葉がテリーマンを驚愕させる。
「条約など此方から願い下げだわ!我らもまた、奴等完璧超人を粛清する!」
そしてまたも条約破棄は告げられるのであった。

14人目

「ようこそドラゴンワールド」

 正義・悪魔・完璧の三代超人同盟の決裂。
拡張を続ける特異点で繰り広げられる戦い。アレクによって滅びたはずの竜王の影……
各地で次々と巻き起こる脅威が世界を震わす。

「ドラゴンワールド?」

 トゥアハー・デ・ダナンは、ソウゴやルフィ達を乗せて移動を開始していた。
ドラゴンワールドと呼ばれる場所は既存の世界政府とは異なり
国王が統治する一大国家であるらしい。
そのため、ソウゴ達が暮らす日本とはまた違った文化を持つようだ。

 何でも、ドラゴンエリアには人間でありながら超人的な力を持つ者が
数多くいると言う。それを聞いてルフィは興奮したように目を輝かせた。

「そんじゃあ、すっげー強ええんだな!」
「そいつらを俺たちの仲間に引き入れるってわけか」

 承太郎も興味を示したようでテッサの話に聞き入っている。
CROSS HEROESのメンバーに加わったばかりのいろはと黒江は、
あまり話に参加できずにいた。

「い、いきなり外国に行っちゃうんですか!?」

 海外に行くというのはそれだけ危険を伴うことだ。
まだ中学生の身である以上、何かあってからでは遅いのではないかと考えたのだろう。
だが、そんな心配をよそにルフィはあっけらかんとした様子で言った。

「何だよ、心配すんなって! 俺が守ってやるさ」

 この男にしてみれば、海外など恐れるに足らないということなのか。
海賊王を目指す彼にとってその程度の危険は日常茶飯事だ。
彼の言葉を聞いたいろは達は、呆れたような表情を浮かべながらも笑みを見せた。

「国王かあ。王様を目指す俺としてはちょっと興味あるかな」

 そう言うとソウゴはドラゴンワールドへの期待感を高めるのであった。

「か、亀仙人様、大きな潜水艦が……」

 海のド真ん中にある小島にポツンと建てられた一軒家。
壁にローマ文字で「KAME HOUSE」と書かれている。人語を話すウミガメが
家の中でエッチなビデオを鑑賞するサングラスをかけた老人に向かって話しかけた。
彼こそが、亀仙人。「武天老師」の名で伝説として語り継がれている人物であるが
現在では隠居生活を送っている。

「うるさいのう、今ええ所なんじゃ。潜水艦ぐらいおるじゃろ、海なんじゃから」

 新たなる物語の舞台で、CROSS HEROESの次なる戦いが始まろうとしていた。

15人目

「三つ巴」

そんなドラゴンワールドにて始まる新たな冒険の裏で、崩れ去る超人達の平穏。
それは悪魔・完璧超人の条約破棄という名の粛清。
突然の宣告に、さしものテリーマンも黙ってはいられなかった。
「ふざけてる場合か、アシュラマン!?」
「カーッカッカ、ふざけて等おらんわ。」
激昂するテリーマン。
対して口調こそ笑えど、アシュラマンは冷徹な顔を見せるのみだった。
即ち、本気という他無かったのだ。
「アシュラマン…」
テリーマンに、正義超人に付きつけられる無慈悲な事実を前に、条約を締結したあの日の出来事が脳裏に過ぎる。
悪魔らしからぬ微笑みを浮かべ、条約にサインしたアシュラマンが零した一言。
『もう争う理由も無いしな…』
「あの言葉は嘘だったのか!?」
今度こそ、テリーマンの感情は我慢の限界を迎えた。
怒り、悲しみ、裏返って憎しみともなり得た感情は、テリーマンの顔を歪ませ、涙を誘う。
「…カーッカッカ!何の事か分からんな!」
「アシュラマーーーンッ!!!」
いまだ冷酷な言葉を紡ぐアシュラマン達に、テリーマンは今にも掴みかからんとしていた。
「おっと、お前は用無しだ。」
だが間に割って入ったBHによって、両者は引き裂かれる。
「BH!し、しまっ…!」
時すでに遅く、彼の顔へ覗いてしまった彼の結末は決まった。
「吸引。」
BHの顔の穴へと飲み込まれていくテリーマン。
最後までアシュラマンへと手を伸ばすも、アシュラマンはその手を取ることは無かった。
「…よろしかったのですか?」
「カーカカ、何を今更。分かっていた事だろう。」
「…グロロ~、では、始めようか?」

「アシュラマン…」
トゥアハー・デ・ダナンへと戻されたテリーマンが、ぽつりと呟いた。
何故なら、彼の阿修羅面の一つ、笑いの顔は、不気味な笑み等浮かべてはいなかった。
あれは、覚悟を持った者の目だった。
もはや止める事は叶わないと思い知った。
打ちひしがれる思いと共に、テリーマンは廊下をフラフラと彷徨う内、ふと外の風景を見る。
眼下に広がる穏やかな海とは対極的に、テリーマンの心中は荒波に呑まれていた。
「…テリーマンさん?」
その姿を見かけたテッサは、全ての事情を聞く事しか出来なかった。
ダナンが向かう先、テリーマンはこの感情に答えを見出せるだろうか?
このドラゴンワールドで、果たして…

16人目

「ぶっちぎりの凄い奴」

「テリーマンさん、一体何が?」
「ここは、トゥアハー・デ・ダナンの中か…………」

 テリーマンは正義・悪魔・完璧の三大超人同盟の和平条約が破棄されてしまった事をCROSS HEROESの面々に説明する。
それを聞いた彼らは言葉を失うしかなかった。

「と言う事は、再び超人同士の戦いが始まるのですか……」
「うむ……口惜しい事だが、そう言う事になるな」

 テリーマンの言葉を聞いて表情を曇らせたテッサ。
それは他の者も同じだった。

「トゥアハー・デ・ダナンがドラゴンワールドに向かっていると言う事は、
ある意味では好都合だったかも知れない。『彼ら』と接触するつもりなのだろう?」

 テリーマンの問い掛けにテッサは首を縦に振った。

「知っているのかテリーマン? ここに向かっている理由を」

 承太郎の質問に対してテリーマンは険しい顔をしながら答えた。

「孫悟空。我々超人に匹敵する力を持つ存在だ。彼は人知れずこの世界に現れた
悪の者達と戦い続けている。私たち正義超人も幾度となく彼らと共闘してきたのだ」
「そんな人が居るんですね……」

 テリーマンの説明を受けていろはや黒江達は驚きの声を上げた。
彼女たちのような女子中学生であっても、正義超人たちの活躍は
テレビを通して見聞きしているし、その活躍に憧れを抱いている。
その超人たちと比肩する存在がいると言う事は表沙汰にはされていないが、
彼女達にとって大きな衝撃であった。

「彼らは地位や名声には興味がないらしくてね。かねてより、
地球を狙う宇宙人や世界征服を企む軍隊らと戦って来たのだと言う。
超人たちのパワーバランスが崩壊した今、孫悟空達の力を借りられるのは大きい」

 テリーマンが語った孫悟空たちの存在価値は計り知れないモノであり、
この世界の秩序を守る上で欠かせない存在である事が窺えた。

「超人和平条約が破棄されたとあれば、我々も急がねばなりませんね……」
「ドラゴンワールドの地理に関しては、私もある程度把握している。
まずは、孫悟空と関わりのあるブルマ氏が住む西の都に向かおう」

 テリーマンの提案に対し、一行はすぐに行動を開始した。
その言葉通り、彼らはドラゴンワールドで一際目立つ大都市である西の都に向かった。

「何か楽しみになってきたね、ゲイツ!」
「お前は気楽でいいな……」

17人目

「怪獣襲来」

トゥアハー・デ・ダナンがドラゴンワールドに着いた頃、光子力研究所では……

「まさか完璧超人だけではなく悪魔超人までもが超人同盟による和平条約の解消をするとは……」
「アイツら、他にも倒さねえといけねえやつらがうじゃうじゃいるってのに内輪揉めするつもりかよ!」
「けど、これまずいわね……」
「あぁ、今後は完璧超人達や悪魔超人達が敵として出てくる可能性があるな……」
「テッサ艦長からの連絡によると、テリーマンは現在トゥアハー・デ・ダナンに飛ばされたらしく、そのまま行動することが決まったそうだ」
「そうか」
すると
「弓教授、GATSセレクトから連絡が来てます」
「わかった、すぐに出る」

「GUTSセレクトだと?なんだそれは?」
「そういや竜馬さんは別の世界から来たから知らないのか」
「GUTSセレクトは地球平和同盟TPUが設立したエキスパートチームで、主に怪獣や宇宙人と戦ってるの」
「俺たちやミスリル、正義超人達とも何度か共闘したことがあるんだ」
「なるほどな……」
(この世界、怪獣や宇宙人も出やがるのか……)



「皆、すぐに出撃してくれ。どうやら東京に怪獣が2体同時に現れたそうだ。
今はGUTSセレクトが頑張って対処をしているがどれぐらい保つかわからん、すぐに救援に向かってくれ」
「わかりました!」
甲児達はそれぞれのロボに乗り込み、怪獣が出現した場所へと向かった。



同じ頃、東京では2体の地底怪獣パゴスが暴れており、GUTSセレクトがその対処をしていた。
「皆!光子力研究所からの救援が来るまで粘るぞ!」
「「ラジャー!」」
(ケンゴやタツミ隊長がいない今、私たちが頑張らないと…!)
地上からはトキオカ隊長代理を中心にユナとアキトを含めた3人が、空中からはナースデッセイ号とGUTSファルコンが攻撃していた。
「ギャオオオオオオン!」
すると片方のパゴスが攻撃をくぐり抜けて移動し始めた。
『っ!まずいぞ!そっちには避難所が…!』
「させるかよ!」
そこにマジンガーZ、ゲッターロボ、ビューナスA、少し遅れてボスボロットが到着し、パゴスの進行を食い止める。
「来たか!」
「……なんか赤いやつが増えてないか?」
「恐らくは新型だろう。よし、このまま一気に畳み掛けるぞ!」
「「『『『ラジャー!』』』」」

18人目

「彼の者来たれり、終焉の時迫る。」

西の都、カプセルコーポレーションにて、一同は驚愕の言葉を受ける。
「あら、孫君なら丁度キン肉星へ行ってるわよ?」
「何だと!?」
孫悟空は不在、地球から遥か数百億光年先のキン肉星雲にあるキン肉星に居るのだという。
「それで!いつ帰ってくるんだ!?」
「ちょっと、近いわよ!」
興奮するテリーマンに抗議の声を上げるブルマ。
ハッとなって落ち着き、テリーマンは頭を下げて謝罪をする。
「あぁ、レディに対して済まない…それで、孫悟空は何と?」
「そうねぇ、飯食ってくるって言ってたからもうすぐ帰ってくるんじゃないかしら?」
思わぬ待ちぼうけを食らう事になった一同。
しかし、この間の悪さが『彼』を呼ぶ事になるとは、この時誰も思いもよらなかった。

地底奥深く、岩盤が剥き出した研究室の一角。
そこには様々な科学機器に繋がれた大聖杯と、それを観察する丸喜拓人の姿があった。
「…ここに誰かが来るとは思ってなかったよ。何者だい?」
ふと、丸喜が姿の見えぬ誰かに対して語りだすと、その者は姿を現す。
紫のローブに身を包み、青い肌と黄昏色の目を持つ異形の霊体。
「我が名は、竜王。王の中の王だ。」
竜族の王と、彼は名乗った。
思わぬ来客に、丸喜は釈然とした態度で応対する。
「それで、どんな要件かな?僕は今、手を離せない状態でね、手短に頼むよ。」
言外に「帰ってくれ」と言いたげな丸喜の腹の内を、竜王は暴く。
「恐れているのだろう?神々の復活を、その先にある人々の淘汰を。」
「…それをどこで、いや、何が目的かな?」
クツクツと笑いながら内心を当てる竜王に、丸喜は動揺を隠し切れなかった。
「どうだ?私の味方になれば、世界の半分をやろう。」
そして囁くのだ、甘い言葉を。
「不甲斐ない『現実』が要らぬと言うのならば私が貰おう、代わりに貴様が『理想の現実』を得る為に、我の力を貸してやっても良い。」
…丸喜と武道の同盟は、武力という面で他に大きな後れをとっている。
『完璧・無量大数軍』と丸喜パレスのシャドウこそいれど、圧倒的に数が足りていない
かと言って他と同盟を結ぶことも、思想の違いから難しい。
神を降臨させるミケーネ、人類の自然淘汰による進化を望むジェナ。
「…分かった、僕は何をすれば良い?」
どちらも相容れぬ敵となる以上、丸喜はこの言葉に乗るしかなかった。

19人目

「アナザー・インキュベーター」

「ここは……」

 ジェナ・エンジェルに誘拐された十咎ももこは今、見知らぬ部屋に監禁されていた。
ここが何処であるかを知る術はももこには無い。

「………」

 視界の先。見慣れた影。

「……キュゥべえ!?」

 魔法少女と契約を交わす白い毛並みを持つ獣が部屋の隅に佇んでいた。

「君は僕を知っているようだね」
「……えっ?」

 予想だにしない反応に面食らうももこ。

「いや、知っているって言われても……」
「厳密に言えば、僕は君と契約を交わしたキュゥべえとは違う。君たちの言葉で言えば
『はじめまして』と挨拶をするべきだね」

「はあ? 何言ってんだお前?」

 困惑するももこを尻目に、キュゥべえは淡々と話を続ける。

「僕は君がいる世界とは別の世界から来た」
「別の世界……?」

 ももこは突拍子もない話をされて混乱するばかりだった。

「それより、何でお前がここにいるんだ! ここにはあのジェナ・エンジェルとか言う女が居るんじゃないのか!」
「ジェナ・エンジェル……ああ、僕は彼女と協力関係にある。僕の目的を果たすためにね」
「協力……?」

「そう。円環の理を掌握する悪魔を滅ぼすために」
「円環、悪魔? 何を言ってるのかさっぱりだ。あたしにも分かるように説明してくれよ」

「君が知る必要は無い事さ。
君には僕の目的を果たすために大いに働いてもらうつもりだからね」
「な、なんだとぉ!?」

 ももこの目の前にいるキュゥべえもまた、吉良吉影、アスラ、ウラヌス、
梵天ブラフマンらなどと同じく数々の並行世界を渡るジェナ・エンジェルが迎え入れた
平行世界の存在である。

「ご歓談の所、済まないな」
「……ジェナ・エンジェル!!」

 突如現れたジェナ・エンジェルの姿を見るなり、ももこは敵意剥き出しの目を向ける。
そんな彼女を見てもジェナは涼しい顔を浮かべていた。

「ふふ、囚われの身でありながら、勇ましいことだな」
「アンタの目的は一体何なんだ!?」

 精一杯の威勢を見せるももこに対し、ジェナは表情を変えないまま答える。

「そいつから話の一端は聞いているだろう。私の目的は万人に遍く『解脱』をもたらす事。
そして、インキュベーターの目的は世界の理を改竄する悪魔を滅し己が物とする事。
その悪魔の名は……暁美ほむら」

「それって……」

20人目

「風雲」

各々が思わぬ遭遇を果たし合う中、ここ特異点の杜王町においても思わぬ再開を果たす者たちが居た。
「康一!良かったぜぇ無事でよぉ~!」
五体満足、喜色満面といった様子の仗助に、康一もほっと一息ついて、ふと気づく。
「仗助君も無事…じゃなさそう、だね?」
「そうなんだよぉ~!!危うくドラゴンに大事な髪を燃やされちまうところだったぜぇー!」
焦げかけた彼の髪の毛を見て、訂正。
その判断は正しく、命よりも大事なモヒカンとリーゼントを抱え込む様から、本人にとって一大事が起きていたようだ。
「あはは…それは災難だったね。」
「そういう康一は何とも無さそうで羨ましいぜ…」
「僕は彼等に助けてもらったから。」
ほら、と蘭入者達をの方を見れば、そこには異様な光景が広がっていた。
一人…ゲイル…を除いて、お互いに知り合いと思わしき様子だ。
ならばこの二人の間に漂うピリついた空気は何だ?
傍に佇む黒い猫のマスコットは一体?
「明智…生きていたんだな」
「あの程度でくたばる僕だと思ってたのかい?」
いつの間にか居なくなっていた異形の代わりに、彼等は仮面をつけていた。
謎が深まるばかりの3人…2人と一匹に、仗助達はコッソリと話し合う。
「(なぁ康一、あいつ等新手のスタンド使いか?)」
「(わっかんないよ、少なくともスタンド使いっぽくは無いけど…でも、あっちの方は確か…)」
二人が話し合う間にも、彼等の緊張感は増していく。
「何なら今度こそ、ここで決着をつけるかい?」
「望むところだ…!」
「お、おい!お前ら、それどころじゃ…」
そして互いの威圧感がピークに達するところだった。
「お前達、そこまでにしないか。」
二人の間に割って入ったのは、誰あろうゲイルである。
あの殺意の中へ平然と入る勇気に、仗助達は内心驚愕していた。
「今はこの異常事態を収めるのが先決、だろう?」
暗に「目的を忘れるな」と忠告された蓮は、自らの威圧感を内に秘める。
張り詰めた空気がみるみるうちに四散する様が、仗助達に安心感を与えた。
「それよりも見ろ、あそこにどうやって入るか考えなければならない。」
ゲイルが指差す先には、先程の襲撃から逃げ帰った魔物が燃え盛る光景が映し出されている。
「ゲェー!なんだあれー!?」
驚く仗助を余所に、他の魔物が"城の方向"に近付こうとした時。
地面より噴き出す火炎が魔物を焼いた。

21人目

「むう……」

 カルデアの管制室でホームズとダ・ヴィンチがモニターを見ながら話している。
どうやら、今回のレイシフト先である特異点について調査していたらしい。
しかし、その表情は暗いものだった。

「この特異点は現在も『拡張』を続け、次々と別世界の人や建造物を呑み込んでいる……」

 立香たちが中世風の宿屋の窓から見たコンビニなどは、序の口に過ぎなかった。
東方仗助、騎士アレックス、ゲイル、ジョーカー……
そしてついには『杜王町』までもがこの特異点に引き寄せられ、その一部と化している。

「これも聖杯の魔力の影響なのだろうか?」

 ダ・ヴィンチちゃんが尋ねると、ホームズは静かに頷く。
聖杯自体が持つ莫大なエネルギーによって引き起こされる時空震動で
あらゆる異世界と空間を引き合わせているのではないか? というのが
ホームズの仮説だ。

「このまま放置すれば、やがて世界そのものが特異点に上書きされてしまうだろう」

 ホームズの説明を聞いて、ダ・ヴィンチも顔を曇らせる。

「けど、藤丸君たちは聖杯の所在地まであと一歩のところまで来ているんだ。
なら、きっと大丈夫さ!」

 全ては立香やマシュ、士たちにかかっている。
ホームズとダ・ヴィンチは信じて待つしかない。

【FINAL ATTACK RIDE DE DE DE DECADE】

「てぇぇああああああッ!!」

 聖杯の反応があると言う古城の最深部にて炸裂するディケイドのディメンションキック。
空中に浮かび上がった複数の巨大なカード状のイメージを突き破る事で威力と速度を
倍増させる必殺技だ。
この一撃で、行く手を遮る全ての敵を一掃、敵の気配は完全に消え去った。
両手をパンパンと払いながら、ディケイドが呟く。

「これで全部か……」

「先輩! あれを!」

 マシュの声に振り返ると、そこには紛うことなき黄金の輝きを放つ聖杯があった。
ついに辿り着いたのだ。
これこそが聖杯、特異点の発生源にして中心点……今すぐにでも回収して、
カルデアへ帰ろう。そう思って、駆け寄ろうとした時だった。

「ご苦労だったな。手間が省けた」
「く……」

 闇の中から姿を現し、倒れ伏すのはボロボロになった海東。
そして、その背後には……クォ―ツァーの王。

「何!?」

 そして、問う。

「お前たちの『平成』って、醜くないか?」

22人目

「クォーツァーの王ともう一つの太陽」

「へ、平成…!?」
「急になにを言ってるのアイツ!?」
「ふももふもっふもっふる?(そもそも平成とは元号のはずだ、それが醜いとはどういうことだ?)」
「なに、そのままの意味だ。たった30年の間にいくつもの出来事が起こったこの平成という時代、これをお前達にもわかりやすい言葉で表すとしたら、まるで凸凹で、石ころだらけの道だ……そんな平成という道を、綺麗に塗装し直す……それが俺たち、クォーツァーの目的だ」
「クォーツァーだと!?そうか、お前がクォーツァーの…!」
「さて、このまま聖杯を貰って帰るつもりだったが……まさかこんなところにいたとはな、千鳥かなめ…」
「っ!」
「せっかくの機会だ、聖杯を手に入れるついでに貴様をアマルガムへの手土産としよう…!」
そう言いクォーツァーの王はジクウドライバーを腰に巻き、ライドウォッチを1つ取り出して起動する。
《BARLCKX!》
そして起動したライドウォッチをベルトにセットし
「変身!」
掛け声と共にジクウドライバーを回した。
《RIDER TIME!
KAMEN RIDER BARLCKX!》
クォーツァーの王は仮面ライダーバールクスへと変身した。
「っ!あの姿は……RX!?」
「士さん知ってるのですか?」
「あぁ、だが何故ヤツが…!?」
「わからんのか?俺があの男から奪ったのだよ。太陽の子の力を……真の平成最初のライダーの力をな!」
そう言いバールクス指を鳴らすと、大量のカッシーンが現れた。
「なんかいっぱい出てきた!?」

「……気をつけたまえ士……やつの力は、スウォルツなんかとは比べ物にならないほどに強い…!」
「さぁ、やれ!」
バールクスの指示のもと、大量のカッシーンが士達に襲いかかる
「っ!ふもっふ!(来るぞ!)」
「チッ!はぁ!」
士の変身する仮面ライダーディケイドはソードモードのライドブッカーでカッシーンを何体か斬り裂く。
「お前らはかなめの護衛と聖杯の回収を優先しろ!こいつ(バールクス)の相手は俺がする!」
「ふもっふ(わかった)」
「気をつけてください!」

「……世界の破壊者ディケイド、平成ライダーであるお前にこの俺が倒せるかな?」

23人目

「原点にして頂点」

バークルスを引き受けたディケイドと別れ、かなめ達は聖杯を目指す。
道中のカッシーンを退け、広間を駆け抜ける、そして辿り着いた時、一行は異変に気付く。
輝かしい聖杯の光を受けて尚、闇を纏う何者かの姿を。
小さな聖杯を眼前にしてようやく気付く存在を。
『っ気を付けるんだ!誰かが居る!』
「よくぞ来た、星見の一味よ。」
片手に掲げる小聖杯を余所に、玉座に腰掛け杖の音を立て、不遜な態度で男は名乗る。
「儂は竜王、王の中の王。」
「竜王…」
城の王、魔王が彼等の前に現れた。
「イーッ!」
両際に、髑髏の装甲を纏った漆黒の兵隊を並べて。

「どうするよ康一、あれじゃあ近付けねぇぜ?」
今だ燃え盛る町と山城との境界線を前に、仗助達は立ち往生を続けていたる。
それもその筈、先程の竜の火炎すら上回らんとする火力を持つそれは、一行の足を止めるには十分すぎる物だった。
「無理に突破しようとしても、燃え尽きるのがオチだね。」
「何か手立ては…そういえば明智、パレスでワガハイ等と別れた後、どうやって生き残ったんだ?」
ふと思い立った様に尋ねるモナに、明智は苦い顔をしながら。
「生憎だけど、その経験は役立ちそうに無い。」
と言い捨てた。
「だが、あそこが元凶なのは…待て、別れた後?」
間違いないと追求しようとした時、何か喉元に引っ掛かるような違和感をジョーカーが覚える。
とても大事な約束を忘れているような、恐怖に似た感覚に頭を抱える、
「お、おいジョーカー!大丈夫か!?」
「あ、あぁ…っ!」
今はそれどころではないと立て直したジョーカーが観察を続けていると、カード状のエネルギー波が何処からともなく城へと放たれ、その中を何かが…否、ディケイド達が駆け抜ける。
炎の壁を突き破り、城の最上階へと突き抜けたソレを見届けて、康一は安堵の声を上げる。
「良かった、誰かが向かったみたいだよ!このまま…」
「終わらせる、という訳には行かんのでな。」
康一の言葉に被せる様に、康一達の前に武道服を纏った男、ストロング・ザ・武道が現れる。
その傍らに抱え込んでいる悪魔超人は、アシュラマンだった。
「アシュラマン!」
「グロロ~、中々良い相手だったわ。」
そう言うと同時に、投げ捨てる様に地面へと降ろす。
「テメェ、アシュラマンをよくも!」
「だが足りぬ。」
激昂するモナを前に、武道は構えた。

24人目

「失墜する黒き太陽」

 仮面ライダーBLACK RX。
いくつもの並行世界を巡る旅を続けてきた門矢士にとって、その名は特別な意味を持つ。
時には頼もしき戦友として。
時には信念の衝突から進むべき道の先に立ちはだかった障壁として。
ともあれ、士の永き旅路を語る上で欠かすことの出来ない存在。

 その力が今、クォーツァーの王によって奪われると言う形で
士の目の前に姿を現したのだ。

「……!」

 あの男が、南光太郎がそう易々と倒されるはずがない。
確信を以ってそう断言出来る程度には士もまた彼を信頼していた。
だが現実としてクォーツァーの王の持つ力があのRXと寸分違わぬものだとしたら。
これほどに恐ろしい話はない。
そんな相手に対し、果たして今の自分が勝てるのか?

「──では、早速始めようじゃないか。リボルケインッ!!」

 瞬間、ジクウドライバーから出現した魔王剣がバールクスの手に握られる。

「やるしかないか……!」

 ディケイドもブッカーソードを握り締めると、バールクス目掛けて駆け出した。

「おおおおおッ!!」

 ブッカーソードと魔王剣リボルケインが激突し、火花を散らす。

「ふんっ!」

 しかしディケイドの力を以てしても、バールクスの力を完全に相殺することは敵わない。
ならばとばかりにバックステップで距離を取り
ブッカーガンの銃口をバールクスへ向けた。だが引き金を引くより先に
バールクスが投擲したリボルケインが飛来する。

「!!」 

 ブッカーガンの弾丸をものともせずに突っ込んでくるそれを辛うじて回避するが
リボルケインは空中で軌道を変え、ディケイドの背後から襲いかかった。

「ぐぅっ!?」

 咄嵯に身を捩り直撃こそ避けたものの左肩を掠め、火花が散る。

「おおおおおッ!!」

 体勢が崩れたところへ更に追い討ちを掛けるように、足先を赤熱化させたバールクスの
ライダーキックが直撃する。

「ぐあああああッ!?」

 城の柱を砕きながら吹き飛ばされ、煉瓦造りの壁に叩きつけられるディケイド。

「ふふ、どうした? よもやこの程度ではないだろう?」
「くっそ……!」

「ミスター・門矢! 彼の実力はカルデアのシミュレーションでも検証済みだ。
それがこうも圧倒されるなんて……」
「平成……あの言葉が気にかかるな。ある種の誓約のようなものなのか……?」

25人目

「完武」

_武道の戦いを言い表すなら、『圧倒』の言葉の他無かった。
はち切れんばかりに力の込められた腕(かいな)が振るわれれば、身を包んだ防御等剥がされ、次いで襲い掛かる衝撃が身を千切らんと体中を駆け巡る。
ならばと攻撃に転ずれば、武道服越しに伝わる金剛の如き肉体の絶壁には傷一つ付ける事叶わない。
隙など端から有りはせず、一挙一動が攻守を備えた完璧な動作。
6対1、この数の差を、完璧超人の武器を使わぬ掟を受けた上で、武道はただ体術のみで引っ繰り返す。
彼の名乗る『完武』の異名を、『完璧・無量大数軍』の力をジョーカー達は身を以て思い知らされていた。
「化け物、かよ…!?」
這う這うの体で喋るのがやっとと言ったモナの様子からも、その恐ろしさは一目瞭然だ。
「どうした?貴様等よりもまだこのアシュラとやらの方が長く戦ったぞ?」
「テ、メェ…!」
そして何より、これでまだ、武道の底が何ひとつ見えてない事がジョーカー達には分かっていた。
自分達は今、彼の気分一つで生かされている。
ただただ強かった。
「さて、貴様等はそこで這いつくばっているが良い。」
戦闘の意志が途絶えかけた様を見て、最早勝負見えたりと武道が振り返る。
そして今だ燃え盛る炎の壁に向かい、足を踏み入れると、炎はまるで主を受け入れる様にするりと消えていった。
「(炎を、超えた…!)」
視界すら霞む一撃の中、ジョーカーは確かに見た。
即ち、彼こそこの町の惨状を招いた元凶に間違いないと。
であるならば立ち上がらぬ理由は無し。
「ほう、骨の有る奴がいたか。グロロ~…」
力は既に使い果たし、後は叛逆の意志のみが彼を突き動かしていた。
このまま帰らんとしていた武道の気が、変わる。
「貴様もまた、友情の力に目覚めた者か。」
一歩、その踏み込みがジョーカーの懐まで潜り込んでくる。
呆気に取られる間も無く、咄嗟の行動すら許さず、武道の両腕がジョーカーの頭を捉える。
「ガッ…!?」
「冥途の土産だ、見せてやろう。」
ジョーカーの体を軽々と持ち上げ、離さない武道。
ホールドした頭の向かう先には、構えられた膝。
ココナッツクラッシュ…否。
武道最大の一撃が、今放たれる。
「『完武』兜砕きっ!」
_真っ赤な花が咲く光景を幻視した一行が次の瞬間に目撃したのは。
「ぐにゅにゅ…!」
頭と膝に割って入り一撃を受け止めるキン肉マンの姿だった。

26人目

「集う伝説、悟空とルフィ」

 ついに降臨したクォーツァーの王、仮面ライダーバールクス。
悪魔超人アシュラマンを制したのみならず、異世界から集った歴戦の戦士たちを
一度に相手取って尚、荒れ狂う嵐の如き猛威を振るう完璧・無量大数軍の首魁
ストロング・ザ・武道の前に突如として現れた奇跡の逆転ファイター、キン肉マン。
激震する特異点の戦い。一方その頃、西の都では……

「おっ?」

 ブルマの実家の大企業、カプセルコーポレーションに集まっていた
CROSS HEROESの前に、孫悟空が瞬間移動で現れた。

「わっ!? 急に現れた……」
「魔法でしょうか……?」

「孫くん! ちょうど良かった。今、アンタの話をしてた所なのよ」
「ブルマの周りにやたら強えぇ気がゴロゴロしてっから、様子見に来たら……
おめぇ、テリーマンじゃねえか。久しぶりだなぁ」

 悟空の得意技である瞬間移動は知っている人間の「気」を探り
遠く離れた場所でさえも行き来出来ると言うものである。

「孫悟空、君はキン肉マンの所に行っていたと聞いたが……?」
「おう、しばらく会ってなかったからさぁ。たまには一緒にメシでも食おうと思ってな」

(キン肉マンは一緒ではなかったのか……いや、俺はあいつに誓ったのだ。
地球の平和を守り抜くと……それなのに俺は心の何処かでキン肉マンが来てくれれば、と
期待をしてしまった……)

「お前が、ゴクウって奴か?」

 逡巡するテリーマンを後目に、ルフィがずい、と前に出た。

「ああ、そうだけど。おめえは?」
「俺はモンキー・D・ルフィ。ところでよ、お前強いんだってな?」
「自分で言うのも何だが、強えぇと思うぞ」

「そっか……んんっ!!」

 ルフィの身体から、「覇王色の覇気」が発散される。
長年の修行によって会得出来るとされる「覇気」。応用すれば周囲の敵の気配を察知したり
悪魔の実の能力を無効化させる事も出来る。
中でも、「王の資質」を持つ者のみに発現する覇王色の覇気は、気迫のみで
自分よりも格下の相手を気絶させたり、天変地異にも似た現象を引き起こす事も
可能だと言う。

「はは。おめぇ、やるなぁ……はっ!!」

 ビリビリと肌に伝わるルフィの覇気に対し、悟空も気を解放する。
「気」と「覇気」。人間の体内に宿るとされる力。立ち上るオーラがぶつかり合い
激しい突風を巻き起こす。

27人目

「奇跡の逆転ファイター」

_キン肉星の首都、その一角にて帰路に付くキン肉マン。
『お、何かブルマんところにテリーマン達の気も感じっぞ?』
だが旧友との仲を深め、共に飯を食い終え、いざ帰ろうと言う時に言われた言葉。
それがどこか胸に引っ掛かりの様なモノを作り、キン肉マンの心を惑わせていた。
「…スグル大王様、さっきから様子が変ですよ?」
「むっ、済まない。考え事をしていてな…」
その不安が伝わったのだろう、隣を歩いていたミートが心配する様に声を掛ける。
「もしかして、悟空さんの言っていたことですか?」
「うむ、地球を任せたテリーマン達が一同に会してると言われてな…」
「もう、王子…じゃなくて大王には大王の仕事があるんです!それに悟空さんが加わったなら、テリーマン達はきっと大丈夫ですよ!」
不安を紛らわそうとするミートを見て、キン肉マンは己が不甲斐無さを攻めながら、決心する。
「…ミートよ、今の真弓パパの影響力はどれくらいじゃ?」
「え?そうですね…失礼ながらまだ大王様以上かと。」
「よし、なら儂は儂の出来る事をしに行こうと思う!」
「え、大王様!?」

そして舞台は巻き戻り、結果として一人の命を繋ぐことになる。
「キン肉、マン…母星に、帰ったんじゃ…」
「あぁ、だがこうして地球に戻ってきたぞ、ジョーカーよ…ふぬぬぬ!!」
武道の兜砕きを防ぎながら、キン肉マンは帰還を宣言する。
「キン肉マン…!!」
「ヒエェ!!?よく見たら怖い!!!」
…あまり締まらない態度だが、それこそが彼らしさとも言えるだろう。
今まで以上の殺意を向ける武道に、キン肉マンはビビリ散らかすのだった。
だが、同時に武道の意識に隙が出来た瞬間でもあった。
「そこだっ!」
「ぬぅ!?」
全身全霊の力でもってヘッドロックを抜け、その勢いのまま武道の顔にドロップキックを浴びせ、よろけさせるジョーカー。
初めて、武道の完璧さにヒビが入った瞬間だった。
「よくやったジョーカー!」
「…その力だ。」
だがそれは同時に、武道を本気にさせる自殺行為にも等しかった。
「その『友情の力(コープ)』、その力を放って置くわけにはいかぬ…!」
ここに来て武道の真の目的が明かされる。
「私はその力をこそ、粛清せねばならぬ!完璧なる管理の為…!」
「何…!?」
武道マスク越しに見える目は、より一層血走っていた。

28人目

「鈍色に輝く銀」

 バールクスの圧倒的な力の前にディケイドは為す術もなく追い詰められてしまう。
そしてついに変身が解けてしまった。

(強い……海東がやられる訳だ……)

 士はその場に倒れ伏し、立ち上がる事すらできない。

「平成ライダーの力に意味は無いからな」

 リボルケインの切っ先を士に向けながらバールクスが歩み寄る。

「平成だの昭和だの、似たようなやり取りを前にもしたような気がするぜ……」
「士……!」

 絶体絶命の士と海東。
そして城の最上階にて聖杯を所持していたのは、勇者アレクに倒されたはずの
竜王であった。

「凄い魔力を感じます。こ、これは神霊クラスにまで達しているのでは……」
「はっ、わしの前で魔王を気取るか!」

 竜王の気迫に気圧されるマシュをよそに信長の赤い瞳は爛々と輝いていた。

「貴様の御首、この第六天魔王・織田信長が直々に貰い受ける!」

 信長の威勢に応えるように、その手に握られた愛刀・へし切長谷部が
禍々しい赤黒きオーラを放つ。

「ノッブ、気をつけて!」

「なるほど、君たちが噂のカルデアか。そして……」
「む……!?」

 竜王の玉座の影から、銀髪の見目麗しいスーツジャケットの青年が姿を現す。

(!? 大佐殿……!?)

 宗介は目を疑った。その青年の顔立ちはミスリルの総司令官、
つまりは宗介の上官であるテレサ・テスタロッサに瓜二つだったからだ。

「はじめましてだね、千鳥かなめ。俺はレナード。レナード・テスタロッサ。
アマルガムの幹部をやっている」
(テスタロッサ……やはり奴は……)

 レナードはテッサの双子の兄であった。ミスリルとアマルガム。
兄妹が敵対組織のトップに分かれ戦い合っていたと言う皮肉。

「俺と君のウィスパードとしての力を共鳴させる事でチャンネルを繋ぎ
クォーツァーの時空を渡る力でこの特異点を探り当てたと言う訳さ。
そりゃあ、何処を探しても見つからないはずだよね」

「あの方は一体……」
「アマルガム……俺達と同じ世界から来た、敵だ」

「ふぅん。君はさしずめ、千鳥かなめを守るミスリルのナイト様と言う所かな。
なかなかユーモラスな格好じゃないか。よく似合っているよ」
「黙れ……! ここで会ったが好都合、アマルガムのトップと聖杯をまとめて潰す
良い機会だ!」

 宗介はボン太くんスーツに身を包む。

29人目

「友情パワーと完璧」

「友情パワーが狙いだとー!?どういうことじゃい!」
武道より告げられる真の目的、それはキン肉マンに激震を走らせるには十分だった。
その事を問い詰めようとして、ギロリ、とその眼がキン肉マンを捉える。
「ヒェッ!」
「キン肉マン…貴様から始まった友情パワーとやらの力、それは我々の完璧な管理に綻びを生じさせるのだ!」
硬直したキン肉マンを巴投げしながら、続きを語る武道。
「だから何だと言うんじゃい!火事場のクソ力は正義も悪魔も超えた友情の証、それが…!」
体を撓らせ両足から着地、振り向き様にラリアットを繰り出すも、正拳突きと相打ち、腕を痺れさせてくる。
「その力は下等超人共の増長を呼び、戦乱を招くのだ!グロローッ!!」
先のラリアットの果てがその証明だと言わんばかりに、怯んだ隙に仕掛けられるアームロック。
そして片足を天に向け、キン肉マンの頭に引っ掛ける形で降ろし、激昂と共に地面へと叩きつけた。
「…故に、友情パワーに関わった者は全て、粛清せねばならぬ。そこな人間も同様にな、グロロ~。」
そうして漸く怒りが静まったのか、音を立てて手を払う武道。
「…完璧な管理だか何だか知らんが。」
だが、キン肉マンは再び立ち上がる。
「何て傲慢な奴じゃ!下等超人だの増長だの、一方的に決めつけおってからに!!」
武道の語る超人像は全て、キン肉マンが仲間と認めた同士達への侮辱と同義。
なればこそ、今ここで負けて倒れている訳には行かなかった。
「確かに悪どい事をする超人も居た!卑怯もらっきょうもあったもんじゃ!」
「分かっておるではないか、グロロ~。」
「だが!!」
その目に闘志を燃やし。
「皆、最後には笑って仲間となったのじゃ!そこに管理等必要無い!!」
その心に正義超人の誇りを宿して。
「私を理由に皆の自由を脅かすというのならば、私が戦う!!」
そしてその体に友情の力を灯して、キン肉マンは立ち向かう。
「…キン肉マンとやら。」
その光景を見たゲイルが、打ちのめされていた筈のゲイルが再び立ち上がる。
「お前の正義に、誇りを見た。ここで這いずってるは居られん。」
「…っその力を!根絶やしにせねばならん!!」
改めて友情パワーと対峙した武道が、今度こそ本気になる。
二人の、死力を尽くした戦いが繰り広げられる。
そんな時だった、古城を直撃する揺れが特異点を襲ったのは。

30人目

「Epilogue」

「何だ……何が起こった!?」

 カルデアで状況をモニタリングしていたホームズとダ・ヴィンチは驚愕する。
突如、全てのモニターがブラックアウトしたのだ。

「特異点の魔力係数が乱高下している。これじゃあ観測できない!
一体何があったんだ藤丸くん……ッ!!」

 管制室には、未だ事態を飲み込めないスタッフたちの困惑の声だけが響いていた。
どうにかして状況回復を試みるも、まるで手応えがない。
原因不明の異常現象に、ホームズたちは立ち尽くすことしかできなかった。

「な、何じゃあーッ!?」

 ストロング・ザ・武道と交戦するキン肉マンやジョーカー達も異変を感じ取っていた。
彼らもまた突然の事態に混乱し、足を止めてしまう。

「グロロ~~……始まったようだな」
「ストロング・ザ・武道! 貴様、あれは一体何事が起こっているというんじゃ!?」

 そう尋ねるキン肉マンに対してストロング・ザ・武道は、
さぞ愉快だと言わんばかりに笑い出す。そしてこう答えた。

「今この瞬間から、世界そのものが書き換えられているのだ。
私と同じく、完全なる『管理』を求める者たちの手によって……!」

 武道、竜王、バールクス、レナード……この特異点に集結している邪悪なる者たち。
目指すものはただ一つ。彼らの望みに反するものたちを排除するためであり
自分たちの都合の良い世界を創るためでもある。
その目的のためならば手段など選ばず、どんな犠牲を払おうとも構わない。
故に彼らは、聖杯の力を以ってこの特異点を固定化させた。
永遠に終わらない理想の世界を作り上げるために。
つまり―――この戦いは、全世界を巻き込んだ総力戦なのだ。

「あ、あれは……!!」

 騎士アレックスは見た。暗雲立ち込め、光閉ざされた空の隙間から、
特異点を覗き込む、巨大な影を……

「まさか闇の皇帝、ジークジオンか……!!」

 ムーア界の奥底にて、静かに鎮座する闇の支配者。
彼は愉悦に浸りながら、特異点を見つめていた。これから世界を揺るがす程の大事件が
起きようとしている中、それをまるで余興を楽しむかのように見届けようとしているのだ。
そしてついにその時が訪れる。

「さあ、心せよ! 貴様らの命運はここに尽きた!
貴様らの屍の上に、我々の理想郷を築き上げてくれるぞ!」

 その日。世界は終わりを告げた。