1人目

ここはドラえもんの世界のはずだった。

「ぐあああああ！」
「どうした？その程度か？」

とある少年が悲鳴をあげて壁にたたき付けられる。その少年が対峙しているのは本来なら正義のヒーローであるはずの戦士・仮面ライダークロスセイバーだった。

「転生先がドラえもんだと知った時はショックだったが案外良いもんだな・・・ここにも案外可愛いヒロインはいたし、神からの転生特典で俺のモノにする事に成功したしよ。」

「ぐっ・・・ああっ・・・」

「安心しろ・・・ひみつ道具は全て破壊したし、お前の未来の花嫁である源しずかの面倒は俺がハーレムの一員として見てやるから安心して死ね。もう一つの転生特典の力でな！」

刃王必殺読破！
聖刃抜刀！刃王一冊斬り！
セイバー！

「ぐああああああ！」

状況を説明しよう。どうやらドラえもんの世界に転生した悪しき者が仮面ライダーセイバーの剣士の特典を望んだせいで本来通る結末を大きく反れてしまったようだ。のび太以外の人間がどうなっているかは分からない・・・

「おいセイバー、こっちはもう終わったぜ？」
「俺ものび太を始末し終えた。戻るとしよう・・・俺達剣士の理想郷へ」

双剣を持った緑色の仮面ライダー・剣斬がクロスセイバーに声をかけると、彼らはアジトへ戻っていった。