召喚されたら勇者の嫁でした。

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  • ファンタジー
  • 性的描写有り
  • 残酷描写有り
1人目

学校から帰ってまずやる事はオンラインゲームである。
「今日もレベル上げしとくか。」
ちなみに俺はこのゲームを最近始めた訳ではなく、いわゆるサブキャラと言うもので今は遊んでいる。
メインが強くなりすぎて手応えが無くなったからだ。
ゲームを始めて2時間が過ぎ、いい加減制服から着替えて夕飯を食べなきゃという時に俺の体が白い光に包まれてしまった。

目を開けるとそこは漫画でよくある王様の謁見の間のようなというか謁見の間だった。
俺はわけも分からず辺りを見渡したら俺以外にも男が1人と女が1人いた。
「ようこそおいでくださいました!勇者様。」
勇者?俺達が?よく分からないので1から説明してくださると助かりますが………。などと考えていたら相手に伝わったのか説明してくれた。

どうやら魔王討伐のために呼び寄せたらしい。それではい、そうですかという雰囲気では無かった。なぜならこの王様上から目線で言ってくるからだ。召喚された俺達3人は目配せして従っている風に受け答えした。
「ではステータスを見せてもらおうか。」
王様がそう言うともう1人の男からステータスを表示させていた。
「タクマ・モリサワ……。おお!そなた勇者であったか!これは素晴らしい!」
いや勇者を召喚するためなんだろう?何故驚いているんだろうか。そんな事を考えていたら俺の番になった。
「カイト・カナシマ………、そなた勇者の花嫁だったか!これはめでたい!」
ん?今なんて言いました?勇者の花嫁?俺が?勇者って男だろ?俺も男だ………。え?なにかの間違いじゃあ?俺が混乱している間に王様は最後の1人の女のステータスを見ていた。
「カナミ・ヒラヤマ………………。」
王様はそこから何も言わなくなった。
ヒラヤマさんも不安そうな顔をして王様を見ていた。
「この者を別室に案内しなさい。」
王様が騎士にそう命令した。ヒラヤマさんは騎士に別室に案内され、俺達は城にある勇者の部屋に案内された。ちなみにベッドはダブルベッド1つしか無かった。

「えっと守沢拓真だよろしくな。」
爽やかイケメンに笑顔で自己紹介されてしまった。
「神島(かなしま)海斗、よろしく。」
握手をしソファーに座りヒラヤマさんについて話していた。
「なぁ、ヒラヤマさんの事なんだけど……。」
「やっぱり海斗も気になるよな、彼女のステータスってなんだったんだろうな。」
「別室に連れて行かれなきゃならないステータスってなんかあるのかな?俺は思いつかないけど。」
「俺もそんなの知らないぜ?ってか今までステータスとか無かったしな。」
「だよな。ってか俺のステータス勇者の花嫁ってなんだよ!」
「文字通り海斗は俺の花嫁だろ?」
「なんで嬉しそうなんだ……。」
「実際嬉しいからさ!」
「え?」
「冗談だ。」
そう言ってはいたが拓真は本気の顔をしていた。しばらく話していたら騎士の1人が入ってきた。

「勇者様方、1つ報告があります。先程のカナミ・ヒラヤマの件についてです。」
「彼女はどうなったんだ?」
拓真が騎士に彼女の処遇を尋ねる。すると「あの者は街で生活してもらう事にしました。ステータスがあまりにも低かったため、魔王討伐について来れないと思い街に移っていただきました。」と言っていた。
それだけ伝えると騎士は帰っていった。

「え?それって実質の追放じゃあ?」
拓真もやはりそう思ったようで怪訝そうな表情をしていた。
「だよな、聞こえよく言っていたが無能だからいらねって事だよな。」
「この話が本当なら別に別室に連れていかなくても丁寧に案内すれば良かったはず……。」
「実際はもっと違う話だったり……?」
「するかもな……。」
とりあえず一旦この話はやめにする。実際に見ていた訳では無いから本当かどうかが確かめられないからだ。
ちなみに俺達は意外と自由に行動出来るらしく、王様の許可なくても街などに行けると言っていた。

「今日はひとまず寝るとするか……。」
「拓真、着替えってどうなるんだ?」
俺も拓真も学校の制服を着ている。ちなみに拓真と俺は同い年だ。
「まぁ、今日くらいは制服で寝ればいいだろう!」
そう言って拓真は俺をお姫様抱っこしてベッドに連れて行った。
「ちょっと拓真いきなり何すんだよ。」
「海斗は俺の花嫁なんだからいいじゃねぇか!」
ニヤニヤしながら拓真は俺を抱きしめて眠りについていた。
(よくねぇよ、まだ会ったばかりだろうがって力強い離れられねぇ!)
そんな事をしていたらいつの間にか寝てしまっていたようで翌朝拓真に頬を抓られ起こされた。

朝食や着替えなどは使用人が持って来てくれた。まぁ学校の制服とあまり変わらなかった事は伝えておこう。
朝食を食べ終えると朝の鍛練だ。魔術や剣術をみっちり鍛えられる。

鍛練が終わるとあとは自由時間、俺達は街に出て散策していた。
「やっぱり異世界に来たんだな。」
「拓真何しんみりしてんだ?」
「だってよ、昨日はバタバタしてたから異世界に来た感じがしなかったんだ。」
「たしかにそうだが………。」
「まぁあの王様はいけ好かねぇがな。」
「それは同感。」
ちなみにあの後ステータスを確認してみると勇者の花嫁は意外とチートな能力の様だった。勇者を無敵にする事が出来たり相手のレベルを引き下げたり出来るのだ。
ちなみにレベルを上げる条件は勇者とセッ〇スする事だった。

「あっあったぜ!」
拓真が指さした先に俺達のお目当ての店はあった。