異世界召喚されたら人質になりました。
「さてと、帰るか!」
今日の授業が全て終わり帰り支度をする。
「快斗帰ろうぜ!」
「ああ、帰るか。」
俺は樹と毎日一緒に帰っている。こいつとは所謂幼なじみと言う奴で家が隣同士なのだ。
「来年は受験生か、快斗は行く高校決めてるか?」
「ああ、砂田橋高校を目指してる。」
「結構偏差値高いが快斗なら大丈夫だろう。」
「そういう樹は決めてるのか?」
「いや、まだ決めてない。一応候補はあるんだがな……。」
そんな会話をしていると足元がいきなり光りだした。
「なんだこれ!」
俺達は一瞬で光に包まれてしまう。そして目を開けるとそこは漫画でよく見るような謁見の間だった。
「おー素晴らしい!5人も召喚できるとは!」
俺と樹の他に男が二人に女が1人いた。その三人はどうやら知人同士らしい。見た所高校生と思われる。
「それで俺達はどうして呼ばれたんだ?」
三人組の中の1人の男が王女に聞く。
すると女王からは「あなた達には魔王を討伐していただきたい。この国には力が必要なんです。」泣きそうな顔で言われるが俺には演技のように見えた。
樹や三人組を見てみるとやはり疑っているような感じだった。だがここで反抗したりするのは得策ではないため従うことにする。
「それでは皆様この水晶に手をかざしてください。」
高校生の三人組から1人ずつ王女が持ってきた水晶に手をかざしていく。
三人組の1人、正孝さんのステータスはこうなっていた。
名前:武田 正孝(17)
Lv.1
体力:500/500
筋力:250
魔力:15000
敏捷:200
スキル:鑑定LV.1・剣術LV.2・身体強化LV.1・言語理解
称号:勇者
称号が勇者とあり周りの人達も騒めきだす。
「なんと!これは凄まじいですね!勇者の称号まで持っておられるなんて!」
周りからも歓声が上がる。そして次に手をかざしたのは凌也さんだった。
名前:南雲 凌也(17)
Lv.1
体力:180/180
筋力:260
魔力:245
敏捷:270
スキル:鑑定LV.1・剣術LV.3・火魔法LV.1・水魔法LV.1・風魔法LV.1・土魔法LV.1・雷魔法LV.1・回復魔法LV.1
称号:騎士
またもや歓声が上がった。そして三人目の菜津美さんが水晶に手をかざす。
名前:斎藤 菜津美(16)
Lv.1
体力:152/152
筋力:120
魔力:325
敏捷:220
スキル:鑑定LV.1・槍術LV.MAX・火魔法LV.1・水魔法LV.1・風魔法LV.1・土魔法LV.1・回復魔法LV.1・結界魔法LV.1・生活魔法LV.1
称号:聖女
「勇者と聖女が一緒に召喚されたァァァ」
周りにいた人が叫び出す。かなり珍しい事のようだ。そして次に樹が水晶に手を当てる。
名前:青木 樹(14)
Lv.1
体力:150/150
筋力:130
魔力:300
敏捷:170
スキル:鑑定LV.1・刀術LV.1・隠密LV.4・気配感知LV.1・危機察知LV.1・料理LV.1・闇魔法LV.1
称号:魔法使い
樹にも歓声が上がり始める。そして次は俺が手をかざすと水晶は割れてしまった。「えっ……」
王女含め全員が驚きを隠せない様子だ。
「すみません、あなたは別室で待っていてください。」
そう言われ俺は別室に案内されそこで待つように言われた。
そして待つこと15分くらいで扉が開かれた。そこには新たな水晶を持ってきた兵士と王女がいた。
「あの……申し訳ありません。もう一度手を当てていただけますか?」
「いいですけど。」
「ありがとうございます。」
王女はとても嬉しそうな顔をしていた。なぜそんなに嬉しいのか不思議だったがとりあえず手を乗せる。
するとさっきと同じように水晶は砕け散った。
「やっぱり……。」王女は小さく呟きながら俺を見ていた。
「どうしたんですか?俺に何かあるんですか?」
俺は疑問に思い王女に聞いた。すると王女はニヤリとした
「あなたは今すぐこの指輪を嵌める事をおすすめします。」
そう言って渡された指輪を嵌めると王女が「あなたは今から立派な人質ですわ。」と言ってきた。
「え?」
俺は何を言われたのかよく分からず聞き返すと「あの4人に言う事を聞かせる為の人質よ、この指輪には特殊な魔法がかけられていて1度嵌めると一生外せないのよ!そして嵌めた人の魔力を奪う事が出来るのよ!そして行動制限も出来るシロモノってわけ。あなたは今からこの城から出る事が出来ない。そしてあの4人が命令無視したり失敗したらあなたの命は無いわ。」