はじめてのいせかい。

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  • ファンタジー
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1人目

ん………。ここはどこだろう……。何か声が聞こえる気がする。
「…………て。…………。…………きて。」
あー、はやく起きなきゃ。でもなんで俺寝ているんだ?確か学校から帰る途中だったはず。まぁいいや、なんだかよく寝た気がするしこのまま起きよう。

そして目を開けると中学生だと思う少年に膝枕されていた。なんせ学ラン着ているし、ボタンに中の文字が書かれていた。ちなみに俺の通う高校の制服も学ランである事はどうでもいいですね……はい。
「ようやく目が覚めたんですね。良かった心配しましたよ。」
心配そうに見つめてくる。だが俺はこの少年の事を知らないのである。そして今いる場所も知らない部屋の中だった。
「えっと……。」
「説明するとですね、俺達異世界召喚ってのに巻き込まれたようです。」
少年が丁寧に教えてくれる。俺とこの少年は勇者召喚に巻き込まれてこの世界に召喚されてしまったらしい。ちなみに勇者は俺達以外に召喚された二人の男子中学生だったらしい。
そしてただいま俺達をどうするかが話し合われていると少年が教えてくれた。

「とりあえず自己紹介でもしましょうよ。俺は藤川雷(あずま)です。中学2年生です。」
やっぱり中学生だった。しかも中学2年生とか可愛いざかり………ゲフンゲフン。それより俺も自己紹介しなくては。
「俺は佐久間晃希(こうき)だ、高校2年生だ。これからよろしくな。」
「はい、よろしくお願いします。」
自己紹介をしていたら俺達の処遇が決まったようで騎士らしき人が言いに来た。
「非常に残念ですがあなた達二人は勇者では無いため街に出ていただきますが、住む場所と当分の生活費はこちらでご用意致しましたので今から案内致します。」

騎士の案内の元俺達は城から出て、城下町から少し離れた場所にある大きな庭がある家に案内される。
「こちらがあなた達の住む場所となります。そしてこちらが1年分の生活費です。元の世界に返せなくて申し訳ありませんがこの世界の生活も楽しんでください。あと冒険者ギルドなどでお金は稼ぐ事が出来ますのでそちらで仕事を探していただければ幸いです。」
そう言って騎士は城に帰って行った。俺はこういう時は追放パターンだと思っていたため拍子抜けしてしまった。いや親切にしてもらった方がありがたいのだがな。

「それにしても広い家ですね。」
「そうだな、俺達二人で使うには広いな。」
ちなみに家具などはちゃんと立派な物が用意されていた。異世界なためか風呂場は無かったのだが庭も広い為あとからつくる事が出来そうだ。
家の中を一通り確認した時に俺は思い出した。
「そういえばステータスって確認したのか?」
「ステータスですか?佐久間さんが寝ている時に王様が確認していましたよ。」
「そうか、あと佐久間さんじゃなくて晃希と呼んでくれ。今日から一緒に住むんだから敬語もいらないぞ!」
「えっいやさすがに会ったばかりの人にタメ口なんて……。」
「嫌なのか……?」
「嫌って訳では……(かなりイケメンなのにシュンとした顔が可愛い……。この人と一緒に住めるなんて俺勇者じゃなくて良かった。)わかりました。晃希さんと呼びます。タメ口はおいおいで。」
「改めてよろしくな。雷!」
「はい、よろしくお願いします晃希さん。」
「(めちゃくちゃ笑顔がイケメン………。俺勇者じゃなくて良かった、イケメン中学生と一緒に住めるの最高だ。)」
改めての挨拶をして俺はステータスを確認する事にした。

「ステータスってどうやって見るんだ?」
「念じてみると目の前に表示されるらしいですよ。」
「なるほどありがとう。」
ステータスと念じてみると言われた通りに目の前に表示される。

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名前:佐久間 晃希(17歳)
種族:人間族
レベル:1/100
体力:1500/1500
魔力:1000000/1000000
攻撃力:50
防御力:45
敏捷性:25
知力:78
運:30
スキル…【アイテムボックス】【鑑定】【アイテムコピー】【水魔法】
固有能力……【創造主(クリエイター)】
称号……なし
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確かにこのステータスじゃあ勇者について行くには低いわな。魔力だけが異常に高いのは気になるが、今のところ攻撃スキルなんて一つしか無いから宝の持ち腐れだしな。
「そういえば雷のステータスはどうなんだ?」
「俺ですか?こんな感じです。」

********
名前:藤川雷(14歳)
種族:人間族
レベル:1/100
体力:1500/1500
魔力:1000/1000
攻撃力:68
防御力:15
敏捷性:10
知力:60
運:20
スキル……【鑑定】【アイテムボックス】【剣術】【火魔法】
固有能力……【成長促進(グローアップ)】
称号……なし
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「ありがとう、そういえば勇者二人のステータスはどんな感じだったんだろうな。」
「直接は見ていませんが全て5万以上だったようですよ。」
「5万!!そりゃあ格が違うわな。ってかその二人って雷の知り合いだったり?」
「しないですね、多分召喚された人全員初対面だと思います。」
「なるほど、それじゃあ街に行ってみようか!」
「はい、そうですね。」

街までは徒歩5分くらいで到着する。人が多くて賑わっている印象だった。街では食料や武器に防具を買った。
買った物は俺のアイテムボックスに入れて、アイテムコピーで複製しておく。そうすればお金が無くなっても食料などの心配がいらないし、アイテムボックス内は時間経過が無いため食料も腐らない。当たり前だがお金はアイテムコピー出来ないようだった。

「たくさん買いましたね、これだけあればひとまず困りませんね!」
「ああそうだな、オマケに俺のアイテムコピーのスキルでいくつでも複製できるしな!」
「そのスキル羨ましいですよ。」
「とりあえず雷の制服1式と俺の制服1式もアイテムコピーで複製しておくか。」
「そうですね、なんかこの世界の服ってなんか落ち着かなさそうですし。」

服屋に行ったら男女問わず肌の露出が多い服ばかりで何も買わずに出てきたのだ。特に胸元が開きすぎている服が多かった。
雷と話した結果アイテムコピーで今着ている制服を大量に複製してそれを着回していく事になった。ちなみに1000組くらい複製したら雷にやりすぎと怒られてしまった。

「さて、明日からどうするかな。」
「とりあえず冒険者ギルドに行ってみましょう。冒険者登録も必要になるでしょうし、ひょっとしたらダンジョンなどの情報もあるかもしれません。」
「だな、よし決まりだ。明日は冒険者ギルドで登録兼情報収集だ!」
こうして俺達の一日が終わった。

翌日、さっそく冒険者ギルドに行き冒険者登録を済ませる。すると受付のお姉さんが初心者ならまずは水のダンジョンがおすすめらしい。魔力が1000あるなら失敗はしない最弱ダンジョンと言っていた。
「よし、試しにそこに行こうか。」
「行きましょう!」
水のダンジョンに向かうのだった。

2人目

ダンジョンまで歩いているといきなり「金目な物を出しな!」と盗賊に剣を突きつけられた。
「そんな物持って無い!」
と抵抗するが「お前がアイテムボックス使える事は見ればわかるんだぜ?」とどうやら相手も鑑定が使えるようでこちらのステータスが筒抜け状態だった。
「うわっ!」
「雷!」
「おっと動くなよ、動いたらこいつがどうなるかわかるよな?」
「くっ。」
雷を人質に取られてしまい為す術がなかった。俺は抵抗をやめ手をあげる。
「晃希さん俺の事は「ダメだ。」でも……。」
「おお、若いねぇ。それにコイツアイテムコピーや創造主(クリエイター)も使えるのか、これはいい物をゲットできたな。」
盗賊の男が俺と雷を縄で縛りながらそう呟いていた。

「よし、じゃあコイツらをアジトに案内するか!」
「了解!」
俺達は盗賊達の転移魔法によって一瞬で建物の中に移動させられ、「まずはポーションを作ってもらおうか!」とポーションを作らされる。

男が用意した材料は聖水と薬草だった。雷にナイフを突きつけられているため仕方なく魔力を込める。すると一瞬でポーションが出来上がった。
「ちゃんとポーションになっているだろうな?」
と言いながら男が鑑定を使い効果を確認していた。
そして男が「お前ら、今できたポーションを飲め!」と今俺が作ったポーションを無理やり俺達二人に飲ませてきたのだ。

「うぐっ。ゴクン。」
「ん〜。ング。ゴクン。」
ポーションを飲んだ事を確認したら男がニヤニヤしてこう言ってきた。