異世界から帰って来たが不老不死の呪いは健在でした。

1 いいね
3000文字以下 30人リレー
1年前 502回閲覧
1人目

俺はつい先程まで異世界にいた。魔王を倒したから日本に帰って来ることができたのだがなんと異世界でのステータスがそのまま引き継がれていたのだ。日本に戻ったら無かった事になると聞いていたのだが……。
そしてこれが問題のステータスだ。

======
名前:西村裕隆
年齢:14歳(不老不死)
身長:175cm
Lv:9999(MAX)
HP:150000000/150000000
MP:155000000/155000000
筋力:190000000
敏捷性:240000000
魔力:198000000
知力:243000000
運:650
スキル:全属性魔法・聖剣召喚・経験値100倍・アイテムボックス・鑑定・気配感知・言語理解
======
「不老不死の呪いも継続中かよ……」
これじゃあもう、ただのチートじゃないか……ってか地球ではこのステータス自体使わないしなぁ。レベルはカンストしてるけど、まあいいか。
とりあえず家に帰る前にコンビニで飲み物でも買おうかな。

「ありがとうございましたー」
店員さんの元気の良い声を背に受けてコンビニを出る。
さて、これからどうしようかな。

2人目

「そこの君、ちょっといいかな」
 しばらくコーヒーを飲みながら歩いていると、後ろから声がした。
 振り向くとそこには、巡回中の警察官が二人、こちらへ向かって駆けてくるところだった。
 コンビニの駐車スペースには、パトランプを回したままの警察車両も見える。
「何か身分を証明できるもの、ある?」
 どうやら職務質問らしい。
「俺、今さっき魔王を倒して戻ってきたとこなんすよ。勇者タカって言ったら異世界じゃ知らない人いないんすけど、それじゃダメっすか?」
 そう告げると警官たちは、顔を見合わせて何やら小声で話している。
 俺は早く帰りたさに、アイテムボックスからさっき脱いだばかりのヴァルキリーヘルムを取り出し、頭に装着した。
 これならどこから見ても勇者タカとわかるはずだ。
 けれど警官たちは俺の行動に一瞬身を固くして、腰の拳銃に手を添える。
 あちゃー、こんな一般ピーポーの警官じゃ俺の事知らないかー。そんじゃしゃあないなー。
 慌てて漆黒のマジックマントを跳ね上げ、アイテムボックスの中を探る。
 異世界での入国証明なら手の甲の魔方陣を見せれば事足りるのだが、現世だと現物が必要で面倒くさい。
 白銀の鎧のスロットまで探してから、俺はあることを思い出した。
 そういえば向こうへ転生したときに、持っていた学生証をうっかり池へと落としてしまってそれきりだった。
 あの時はもう現世になんて戻れないと思っていたから気にも留めなかったが、まさか今になってこんな場面に遭遇するなんて。
 何か役に立つスキルはなかったっけ。
 考えてみるも、この世界のこの場面で使えるスキルなんて持ち合わせていない。
「あ、あの、すんません。持ってないかもです」
 俺は正直に言って頭を下げた。いくらなんでも、魔王を倒したほどの勇者が素直に謝っているのだから、そう無茶なことも言うまい。
 向こうの世界じゃ勇者が頭を下げただけで称賛ものだからな。
 にやりと笑って顔を上げると、俺の予想に反して警官二人は怖い顔をして睨んだままだった。
「ふむ。ちょっと持ち物検査とか良いかな?」
 おもむろに俺の背後に一人の警官が回り、上着から足元へと向かって探っていく。
「これは一体何だ?」
 途中で腰の剣に気が付き、警官の一人が驚きの声を上げた。
「魔王討伐に国王からもらったエクスカリバーっすよ。凄いっしょ」
 胸を張って答える。こんな一品物、異世界でだってなかなか手に入らない。俺の自慢の最終装備の一つだ。
「えー、本部、本部、応答願います。銃刀法違反疑いの青年の身柄を確保。刃渡り百センチ以上の刀剣を所持。年齢は十五ほど。奇妙ないでたちで徘徊しているところを現在職質中。発言にも怪しいところがあり、署まで連行いたします」
 両脇をがっしりと固められ、歩くように促される。
「いや、俺、勇者なんすよ。魔王倒したんすよ?」
 いくら叫んでも聞く耳を持たないというようにコンビニ前へと連行され、パトカーへと押し込まれた。
 その姿をコンビニの店員たちが引きつった顔で見つめている。その手には俺の支払った硬貨があり、二人で表や裏を観察しながら、首をかしげていた。
 ああ、こいつらが通報したのか。
 そこでやっと事情が呑み込めた。
 コーヒーを買った時にこっちの世界の硬貨が無くて、もったいないが金貨で払ってやったのだ。
 普通に考えればコーヒーを千本貰ってもおつりがくるだろうに、物の価値のわからん奴らはこれだから困る。
 まあ勇者だと証明出来たら警官の態度も変わるだろう。警察署へ着いたら剣技か魔術でも披露してやるか。
 そんな軽い気持ちのまま俺は、パトカーの後部座席でしばしの眠りについた。

3人目

「おい! これどういうことだ!」
俺は怒りに任せて叫んだ。
両手は後ろ手で縛り上げられ、足も同様に足首あたりをロープできつく縛られている。
「あっお前は危険人物なんだから当たり前だろう?この牢屋で大人しくしていてくれよな」
牢屋の見張り番らしき男が、面倒くさそうな表情で俺を見下ろしている。
ここはどこだろうか。薄暗くてよくわからない。
「なんでだよ。俺は異世界を救った勇者だぞ!? 早くここから出せよ!!」
必死に訴えかけるが、「あーはいはい妄想はそこまでにしような。」と取り付く島もない。
「いいか、あんまり騒ぐなよ。さっきみたいにうるさくすると……こうだぜ?」
男はそう言うと、鉄格子の間から槍を突き出した。
「ひっ」思わず息を呑む。
「わかったな?」

4人目

「ああ、わーったよ」
 俺は振り回していた足を止めた。
 別に槍が怖かったわけじゃない。躊躇せずに槍を突き出してきたこの見張り番の行動が、俺を否が応でも不安にさせたからだ。
 だって考えてもみてくれ、俺は不老不死の呪によって死ぬことを許されない体なのだ。たとえ槍で刺されたとしても、数時間後には傷口が閉じて元通りになってしまう。厄介なのか便利なのかわからないが、今はその呪いがありがたいと思えた。
「分かりゃいいんだよ、分かりゃ」
 男はまた牢屋前の椅子に腰を下ろす。その腰には牢屋の鍵がぶら下がっていた。
 さあ、どうすっかな。っていうか、一体ここはどこなんだ?
 それが分らない以上、暴れるわけにもいかない。本当ならMAXのチートスキルとステータスでこんな牢屋なんて吹っ飛ばせてしまうんだが。
 だがここがもし警察の留置所なのだとしたら、俺が暴れることで様々な弊害も生まれるだろう。例えば俺が逮捕されて社会的地位を失い、両親や親戚まで後ろ指をさされる。そんな事実さえ残さないほどにここを破壊し殺戮を繰り返したとしても、結局この国に俺の居場所はなくなるだろう。そう考えると現状を把握するまでは、下手に動かない方が賢明だ。
 這いつくばり起き上がろうとしていた姿勢を元に戻す。
 仰向けになってごろりと寝転がると、天井を見上げた。
 ちくしょう勇者の俺になんの恨みがあんだよ。そりゃあこの世界を救ったわけじゃないが、平行世界が崩壊したら、この世界も危なかったんだぜ? そう考えたらこの世界でも俺は英雄だろうに……。
 いや、待てよ。
 先ほどの槍がどうにも引っ掛かった。
 俺が危険人物だとしても、さすがに槍を使って脅すなんて警察の範疇を越えている。
 しかもあの槍の鋭さは、この世界の物とも思えない。
 試しに腕と足に巻かれたロープに力を籠める。思った通り、俺のスキルとステータスをもってしてもロープは引きちぎれなかった。
 なるほど、ここは警察じゃないな。しかも現世の通常の牢屋でもない。その証拠にこのロープには強力な緊縛の呪文がかけられている。
 何者なんだよ、こんなことする奴は。

5人目

俺はある異変を感じた。それは牢屋の外から甘い匂いが漂ってきたのだ。
「なんなんだこの匂いは。」
嗅ぐのは良くないだろうが縄で縛られていて口や鼻を塞げず為す術が無かった。

だんだんと頭がぼーっとしてくるとそれに伴いからだが熱くなりはじめる。
(なんかやばいかも、ちょっとムラムラしてきた。)
気が付くと俺の股間が完全にお勃ちになられていた。
(これって、もしかして媚薬なんじゃ……。ああ触りたい……。やばい触りたい。)
縄で縛られていて触りたくても触れない。一体俺をどうするつもりなんだろう。

6人目

 気が付くと俺は、部屋の隅まで転がってしまっていた。どうやら悶絶しながらゴロゴロとしているうちに、気を失ってしまっていたらしい。
 床には点々とよだれの跡が残っている。
 うわ、すげえなこれ。あの媚薬どんだけ効果が高いんだよ。
「んしょっと」
 動きかけて気が付いたが、就寝用に支給されてあった薄手の毛布が首周りに絡まり付いて凄く邪魔だ。
「ああ、面倒くせえな」
 体を起こそうとしても邪魔な毛布のせいでうまく行かない。そのうちに俺は、ある異変に気が付いた。
 なんだか気を失う前と違う場所が邪魔なんだが……。
 気を失う前は股間のあたりの盛り上がりが邪魔で、そこが床に触れるたびに妙な声が出てしまったが、今は胸元の辺りに妙な違和感がある。
「なんだよこれ。転がってるうちにロープがほどけてきたのか?」
 後ろ手に縛られた手首を動かしてみると、確かに緩んでいる気がする。
 おお、さっすが勇者の俺、ツキも味方につけちまうなんてただ者じゃないな。
 思わず顔がにやける。
 待て待て、これを気づかれちゃ元も子もない。
 暴れるのをやめて牢屋の外をそっと確認する。
 見張りの男は、どうやら席を外しているらしい。牢の前に置いてある椅子ももぬけの殻で、交代の見張りの姿も見当たらない。
 おそらくきつい媚薬に巻き込まれないように避難しているのだろう。これはまたとないチャンスだ。
 緩んでいると思われる手首に力を集中する。緊縛の呪文さえ弱まっていてくれれば、こんなロープをほどくことなんて造作もない。
 やっとこれで自由になれるぜ。
 そう思って手首を外へとひねったが、意外にもロープから手首がするりと抜けた。
「えっ」
 拍子抜けして思わず声が出た。
 こんなに簡単にロープがとれてもいいのか?
 そんなことを考えながら、とりあえず自由になった手を床について体を起こす。
 足首に巻かれているロープに手をやると、こちらも意外なほどするりと抜けた。
「なんなんだよこれ」
 立ち上がりながら首元の毛布に手をかける。そこでまた異変に気が付いた。
「ん? なんだか俺の手、小さくなってないか?」
 呟きながら毛布を取り去る。
「って、ええええええええええっ!」
 その瞬間、思わず叫び声をあげてしまった。なんと俺の胸のあたりには、あるはずのない突起物が二つ、存在しておられた。
 とりあえず両の手で揉んでみる。
「うん、柔らかい」
「おっ、やっとお目覚めか」
 俺の絶叫に気が付いたのか、見張りの男が戻ってきた。
「ちゃんと女になってんじゃねえか。しかも立派なもんも付いて」
 俺の胸のあたりを眺めながら舌なめずりをする。その姿が妙に腹立たしい。
「何者んだ、お前ら! 何の目的があって俺にこんなことしてんだ」
「まあ落ち着け」
「はぁ? からだ女にされて落ち着いてられっかよ!」
 ふっと見張り番は鼻で笑う。
「お前の下半身のシンボルがあっちの力を持って来ちまったみてーでな。それを切ることも出来たが、手っ取り早く女になってもらったってわけだ。切られなかっただけありがたく思え」
 なん、だと? こいつらの目的は、俺の能力を奪う事だったのか? ってことはやっぱり向こうの人間じゃねえか。
 なんだかふつふつと怒りが湧いてきた。自分たちが消し損ねた能力をわざわざ人を拘束してまで奪いに来るなんて。
「とりあえず男に戻せよ! つか、俺の大事なもん返せ!」
「それはできない相談だな」
「なんだとゴラァァ! てめーら、ぶっ殺す」
「やれるものならやってみろ」
 そう言われて、横の壁を拳で殴りつける。
「痛ってー!」
 普通なら砕けるはずの壁はびくともしない。それどころか手のほうがジンジンとして痛みが増していく。
「うわ、なんだよこれ。久々の感覚じゃん、痛みなんて」
 多分、喜ぶところじゃないんだろうが、なんだか嬉しくなった。
 やっとこれで普通……
「んなわけねええええええっ!」


◆ ◆ ◆


 牢の鍵が開けられ、女になってしまった俺はごつい見張り番二人に両脇を固められ外へと出された。
「おい、目隠しを忘れるなよ」
 黒い布状の目隠しが、俺の頭にギュッと巻かれる。固過ぎるくらいに巻かれた目隠しはもう一度殺意を芽生えさせたが、体の小さな女になってしまった俺に、もうあがなう力はなかった。
 力をなくしたお前にもう用はない。そんな捨て台詞とともに、俺は車から降ろされた。
 きりきりと締め付ける目隠しをはぎ取り、走り去る車を見つめる。不意に股間に手をやった。握りしめるものがそこにはなくて、俺は硬く拳を握りしめた。
「ぜってー取り戻してやるからな、俺の大事なジュニアを」

7人目

とりあえずステータス画面は表示させる事ができた。
だがステータスではなく、『男に戻るには男性とセッ○スしてください。』としか書かれていなかった。
「まじかよ……。男とヤラなきゃいけねぇのかよ。でも仕方ない、男とセッ○スして男に戻ろう!」
そう意気込み俺は目の前にあった男子校に乗り込んだ。

8人目

数時間後俺は男子校から出てきた・・・
ふうう・・・やっと男に戻れた・・・それにしても厄介だったけどたまたま入ったところで手伝ってくれる奴がいて助かった!!

俺は急いでステータス画面を見た・・・
======
名前:西村裕隆
年齢:14歳(不老不死)
身長:175cm
Lv:9999(MAX)
HP:150000000/150000000
MP:155000000/155000000
筋力:190000000
敏捷性:240000000
魔力:198000000
知力:243000000
運:650
スキル:全属性魔法・聖剣召喚・経験値100倍・アイテムボックス・鑑定・気配感知・言語理解
======
ステータスもスキルも元に戻っていた!!よかったー!!
あいかわらず不老不死の呪はそのままみたいだ!?


さあここからどうすっかな?とりあえず腹立つからこっちの世界で奴ら倒してからもう一回向こう行って世界でも滅ぼしてやるか!?勇者リスペクトしない奴らに復讐だな!!
とりあえず家帰って風呂でも入るか・・・
俺は家へと向かった・・・


家に帰ると俺の部屋は荒らされていた・・・多分奴らの仕業だろう・・・これじゃ風呂どころじゃない!!
取り戻した気配感知と鑑定スキルで手掛かりを探すと・・・奴らは晴海埠頭の倉庫にいることが分かった!!
すぐに補助魔法の空間転送で晴海埠頭飛んで片っ端から倉庫を回って奴らに探した・・・

奴らも結界を張って気配を消していて探すの苦労した・・・
残り2個の倉庫を探すだけになった時・・・妙な気配がした倉庫のほうに入るとそこは奴らの武器庫だった!!
おーいっぱい武器がある!!俺はその中から最強の武器と防具を鑑定と気配感知スキルで探し当てて装備した、これで勇者復活だ!!


そしてとうとう奴らのアジトらしい倉庫を見つけた!!
今度こそぶっ殺してやる!!と言いながら俺は奴らの倉庫へ乗り込んだ・・・