ランダム商法は悪です!
「しんどい……」
どうしてどうして推しが1個も出ないんだーーー!!
今日は私の愛してやまない推しのグッズの発売日だったので、ルンルン♪でアニメショップに走った。走ったんだけど……。
まあ、なんというか軒並みのグッズがランダム ブラインド商法の餌食だったわけで……。
いや、知ってたんですけどっ!!
でもオタクの性というか使命感というか買わないわけにはいかなかった。
そして今まさに私は推しの缶バッチを自引きするためにかれこれ15個目のパッケージの開封を終えたんだけど……。
推しが1個も出ない……(涙)
おのれ……憎きランダム商法め……。
推しを諦めたくないというホットでカッチカチな意志を持ち、自分のお財布さんと何度か相談してみたが、「NO」と言い切られてしまった。
今月は割合出費がかさんで金欠なのである。
私は推しを諦めねばならないのか.....?15個の缶バッチに描かれたキャラクターたちは無言で私を見つめていた。そのうち半分くらいはダブった。同じ顔面が複数あるってこわ。
「おお わたしよ ばくししてしまうとは なさけない.......」
ゲンドウポーズで己の状況を俯瞰しながらぼそっと呟いた。虚しい。部屋に居るのは私とあと計15個の缶バッヂだけなのである。
仕方ないので缶バッヂをコルクボードに貼り付け、椅子にかけておくことで一人暮らしの寂しさを紛らわせる相手にした。これで友達が15人。15人とシェアハウスしてる人間なんてかなり珍しいだろう。
「むなし......」
ということを行ってみたがやはり虚しかった。凄く空虚である。
気が付けば、窓の外は夕焼けの赤に染まっていた。
私がこの一日で得たものと言えば、今から推し変して痛バを作っても、どうにかなるダブり具合の不燃ごみと、えもいえぬ心の孤独のみである。
いたずらに手で皿を作り、その上に推しのピンバッジの姿を空想する。
今の私を親が見たらどう思うだろうか?
信じて送り出した自慢の子供は、ランダム商法をする悪い大人たちによって揉まれ、なんと目も当てられない姿になってしまいました。
ごめんなさい。でも、これも全て、ランダム商法が悪いのです。
いや、むしろ、なんか、開き直ってきたな。
15×税込み460円(正確な値段を認識するのは怖い)の缶バッジたちを、コルクボードからひっぺがし、ひっぺがし...う~ん、取れない!
ええい、ままよ!
ーーーと、気に障る夕焼けをぶち壊すように、窓からコルクボードを投げた!
もはや思いつきですらない、野生動物のような勢い任せの行動。
でもね、これだって、全部、ランダム商法が悪いんだよ。
あああ~~なんか楽しくなってきたなあ!!
と、このように、ランダム商法の悪性は、被爆者に感染することがあり、とても危険です。