東京と化石(仮)プロット見てね!

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1000文字以下 20人リレー
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1人目

Tiktok、Youtube、Twitterで「ぼく鹿」という名前で活動しています。
イメージボードはお話が進むごとに、以下のURLにて更新されます。

https://twitter.com/vivo0219/status/1675739272199163904?t=rJc8yI6RU-FWt3YtwlyHeg&s=19

リレーを完走すると、イラストを付けて動画化します。
その際に、執筆してくださった方のネームをクレジットに表記させていただきます。
以上のことをご理解の上、執筆おねがいします。

本編

真里はベッドから抜け出し、燦々と輝く町を見下ろす。
「キョウリュウが出現してから10年か…。」
「真里さんどうしたんですか?」
うだつの上がらない男が、ベッドから起き上がろうとする
「なんでもないわ。それより、さっき言った会社の事、本当なんでしょうね」
「部署内でのいじめの事ですか?まぁ本当ですけど、そんな騒ぎ立てることのようなものじゃ、」
「何言ってんの?この高度な監視社会でそんな、いじめなんて成立するはずないでしょ
。あんた達がのさばっていた時とは違って、今の世の中じゃ、不穏な動きがあれば、すぐに通報されるんだから。会社側がなんか小細工でもしてるんでしょ」
「でも、キョウリュウ騒ぎも今のところないですし」
真里は、キリっと中年の男の顔を睨む。
男は眼鏡をかけていないからか、ぼんやりとした顔のまま視線をあわせる。
「わたしが、こうしてあなたと肌を合わせるのも、そのキョウリュウが発生することを、未然に防ぐためよ。」
「えっ、じゃあ真里さんって、メンタルヘルス嬢だったんですか、僕をだましたんですか?」
男は、掛けようとした眼鏡を落としてあたふたしている。
「平和ボケもいいところよね。キョウリュウが人間の負の感情の蓄積から生まれることが分かって6年、抜本的な解決は未だになされないで、こんな対処療法みたいなことしか行われてないんだから」
「だますなんて、ひどいですよ。それに、会社だって好待遇ですし、みんなアットホームな感じですから、いじめられる人に何か問題があるんじゃ…。」
「つまりはこう言いたいのね?環境には問題は無くて、いじめれている人間に問題があるのだと、」
「いや、そこまでは…」
「まぁいいわ、このことは報告させてもらうから。これを機に反省なさい」

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男は床に落ちた眼鏡を拾うのも忘れ、呆然と真里を見つめている。真里はそんな男を横目に、手早く服を着ていく。
「もう少し世の中のことに興味を持つべきだわ。平和なのはいいことだけど、その平和が誰の犠牲の上に成り立っているのか、考えたことはある?」
真里の鋭い眼差しに、男は言葉を詰まらせた。彼の表情は、いかにも悪意のない、世間知らずなものだった。それが真里を苛立たせた。
その表情に、真里は祖母の最期を思い出す。あの時も、キョウリュウに襲われた街を見て、多くの人々が現実から目を背けていた。あの無関心こそが、悲劇を生んだ元凶だと真里は信じている。

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真里は男を部屋に残し、エレベーターに乗り込んだ。鏡に映る自分の顔は、ひどく疲れて見えた。
スマホに通知が届く。メンタルヘルス嬢を管理する「機構」からのボーナス査定だ。
『重要情報の提供により、社会貢献ポイントを付与します。あなたの清掃により、本日も地層は平穏に保たれました』
「清掃、ね…」
真里は自嘲気味に呟く。
先ほどの男が勤める会社は、政府の「監視システム」の主要スポンサーであるロスタイ社だ。いじめが成立しないはずのこのロスタイ社で、なぜこれほどの負の感情が溜まるのか。
それは、監視そのものが新たなストレスを生み、社員が「完璧な善人」を演じ続けることで、心の深淵に巨大な『キョウリュウ』を飼い慣らしているからに他ならない。

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ホテルを出た直後、真里は足裏に微かな振動を感じた。スマホの「地層安定アラート」は青色のままだが、彼女の長年の勘が警鐘を鳴らす。
「…嘘でしょ。あの男の情報提供だけじゃ足りなかったっていうの?それにアラートも青色のままだ…」
次の瞬間、広場の街路樹が突如として根元から跳ね上がった。アスファルトが紙細工のように裂け、中から現れたのはアロサウルス型のキョウリュウだった。
周囲の人間は一瞬、何が起きたか理解できず立ち尽くす。だが、その化石が「負の感情」を吸い込み、赤黒い脈動を始めたのを見て、悲鳴が上がった。
監視の目が届かない、心の深淵で煮詰まった「無自覚な悪意」が、想定を上回る速度で実体化したのだ。