静謐に満ちた小部屋にて。

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  • 登場人物が死ぬの有り
  • 自由に続きを書いて
  • 残酷描写有り
  • 性的描写有り
  • 暴力描写有り
1人目

ギィ…と軋んだ音を立て開いた扉の先は照明も付けられていなく、
少し開いたカーテンの隙間から溢れる夜の街明かりが
部屋の中央に鎮座する彼女をぼんやりと照らしていた。
椅子に縛り付けられた彼女は、僕に気づいた様子もなく
…ただじっと抵抗もせずにいる。

なるべく音を立てないように彼女の近づき、そっと眺める。
華奢な体つき、手入れの行き届いた綺麗な直毛の白髪、
その髪の流れを阻むみたいに彼女の目元を覆う目隠し、
そこから覗く色白で透き通った頬は理想的な曲線を描き、
ほんのりと赤く色づいた唇は簡易的な猿轡をされ、応答もできない状況にあった。
現実離れした相貌は作り物のようにも感じるほど美しく、
微動だにしない彼女が等身大の人形のようにも感じた。

この後、彼女はどんな行動を取る? 僕の行動にどう応える?
今、僕が彼女を殴ったり、手荒く抱いたら…
その目隠しの下は一体、どんな感情に包まれるんだ?
恥辱と怒り? 諦めや僕に対する殺意か?
それとも、この先の僕の行動に対する恐怖心?
様々な感情に侵された彼女を想像すれば堪らない興奮が襲ってきた。
場を完全に支配している万能感、場の空気に呑まれてより助長される興奮。
この先の展開を想像し、高揚感と焦りが湧いてきた。

僕はずっと、これを求めていたのかもしれない。
場を完全に支配し、常識にも囚われることのない…道徳も倫理も説法も何もない。
拗れすぎた欲や快楽への渇望が、
弱肉強食を絵に描いたような…暴力的な空間での強者への憧れが僕を興奮させた。

これから僕が求めるのは、加害者としての最上の快楽だ。
責任も、人命を尊ぶことも…全て、一時の悦楽のために投げ捨てる。
僕は嗜虐的だったり、淫靡な悪徳に耽溺し、破滅したいという自己破壊的な欲求がある。
でもサディストではないし、犯罪を犯すことも恐れる、
所詮僕は他者の心を軽んじることも躊躇するような、一般的な人間でしかない。

こんなことをしているのだって、僕が彼女に特別執着してるわけじゃない。
彼女はその理想を叶えるための道具でしかないわけだ。

2人目

「さあ!!早く!!君は三歳児、僕お母さんだ!!」

彼女は目覚めて困惑しているらしかったが、僕は有無を言わせない態度で迫った。

「幼児退行プレイに協力してくれるって言ったろ!?」
「なに!?言ってないよそんなこと!?」
「いいや言った!僕が言うんだから言った!」

僕は無理矢理彼女によだれかけをかけた。

「まったくもう、だらしなわねあんた!三歳にもなってよだれかけが必要なの!?よその子はもうとっくに卒業してるわよ!!」
「ひっ」
「こらっ何笑ってるの!!そんなんだからおしめだっていまだにとれないのよ!!」
「う、ぁあ......」

当たり前だろうがわけがわからず混乱している様子だった、僕はかまわず責め立てた。嫌がる彼女の衣服の上から老人用のオムツをはかせる。

「ほら!!おしめ代えてあげたわよ!!ありがとうっていいなさい、ありがとうって!!」
「あ、ありが.....」
「はあ、どうしてうちのこはこんなに発達が遅いのかしら......この前、近藤さんちの子に『こんにちは』って挨拶されて驚いちゃったわよ。ほんっとに、出来が違うわね......」

ねちねちと姑のようないびりをかまし、ひたすら涙目になってふるえる彼女を見つめる。そう、これがしたかった。流石にこのためだけに子供を作るのは面倒だったのだ。仕方なしに大人で妥協する。
五徳の上にかけてあった鍋からカレーうどんをよそい、丼で彼女の前に出した。

「食べなさい」
「え、」
「なに!?私の作ったご飯が食べられないっていうの!!?」
「あ、あ.....」

きつくなじると、無事カレーうどんを食べ始めたようだった。
もちろん箸なんて与えていない。そのうえ、カレー色の汁はさらっさらで服に飛び散りまくる厄介な食べ物だった。
彼女の素手が汚れる。カレーまみれだった。

「あんた、素手でカレーうどん食べてるの!?きったないわね、下品よ、下品!スプーン使いなさいよ!!!」
「ごめ、んなさい」

僕は手早くピンクのシンプルなエプロンを身に着けた。幼児用の丸っこいデザインのスプーンを投げてよこすと、左手でそれを掴んだ。

「左利きも矯正しなきゃいけないし、もう、どうしてこんな子.....」

眉をひそめて溜息をついた。