プライベート CROSS HEROES reUNION 第2部 Episode:9

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1人目

「Prologue」

【VS壊轟の絶魔獣編】原文:ノヴァ野郎さん

 怪獣型悪霊改めて壊轟の絶魔獣を2体相手に戦う
ウルトラマントリガーとウルトラマンZ。
硬い皮膚を持つ壊轟の絶魔獣に対して二人のウルトラマンは力に特化した形態に
姿を変えることによって対抗するが、忌油による苦しみと頑張ってダメージを与えても
すぐに元通りになってしまう脅威の再生力により苦戦を強いられてしまう。
一度は絶体絶命になってしまうものの月美のサポートもあり、
なんとか2体の壊轟の絶魔獣の撃破に成功する。
だがしかし、壊轟の絶魔獣は他の悪霊と共に増殖を続けており、
既に戦い始めた時の倍以上の数になっていた。
エネルギーや体力も大きく消耗しておりいつ変身が解除されてもおかしくはないこの状況、果たして彼らは乗り越えることができるのか?

【廃棄孔攻略 偽・トラオム編】原文:霧雨さん

 廃棄孔の結界の一つ、偽・トラオムを攻略する突入組の4人。
元が広大だったトラオム故に、複製されたこの世界も大きく悪霊の数も偽・港区よりも多かった。
かつて本物のトラオムで戦った強敵を複製再現した悪霊2体を下すも、未だ悪霊は消えないでいた。

 そのころ、更なる援軍として廃棄孔にやってきたウーロンが悪霊として再現された、
教団大司教番外位「クレイヴ」が悪霊と化した存在と交戦していた。
悪霊の学習能力、そしてクレイヴが生来持つ能力「機巧憑依」が
組み合わさったことによりその力は倍増。
更にウーロンが持ち込んだ秘密兵器「トランスボール」を取り込んだことにより
傲の悪剣士「クレイクス」と化し、窮地に追い込まれてしまった。

 クレイクスに追い詰められるウーロンだったが、そこへ駆け付けた4人が加勢に入った事で窮地を脱する。
その後激戦を繰り広げ、何とかクレイクスからトランスボールを取り戻し
赤核に罅を生やすことに成功した。
さらに、偽・トラオムに同じく入ってきた悟空たちの活躍により偽・トラオムの結界が遂に消滅。これで一件落着……かに思われた。


しかしそこへやってきたのは、大司教焔坂百姫。
半ば暴走しつつあるクレイヴの粛清がてら彼らを殲滅せんとその焔の槍を振るう。
焔の槍の一撃を受け、今度こそ絶命したかに思われたクレイヴだったが、
胸の内に在宿った復讐心と闘志が彼の異能と呼応。
業炎と轟雷を身にまとった存在「灼熱霊クレイヴ」と化した。
彼の力は5人をその電流だけでも圧倒し焔坂を苦戦させ、遂には奈落の底、深淵溶鉱炉へと突き落とした。

 猛嵐が如き展開が繰り広げられるも、
先行して廃棄孔の奥へと進んだ天宮兄妹とリクの3人は
遂に廃棄孔の怪物を制御する「情報室ゼクシオン」に到達する。
しかしもう、全てが遅すぎた。
そこにゼクシオンはいないばかりか、廃棄孔の怪物はもうすでに目覚めてしまったのだった……。
果たして彼らは、廃棄孔の怪物を倒すことができるのだろうか―――――?

【phantasm ataraxia 中編】原文:霧雨さん

 悪霊の進軍と、幻想郷の者たちと外からの使者たちによる総力戦は、その熾烈さを増していた。
一進一退の攻防が続くも、戦況は悪霊軍団の優勢。
さらには、5体の超抜級悪霊の登場によりさらに苦境に追いやられる。

果たしてCROSS HEROESは、幻想郷の民たちは、悪霊から幻想郷を守り抜くことができるのだろうか―――――?

【前回のあらすじ】原文:渡蝶幻夜さん

 謎の光によって楽園を追い出された能力者2人と異端者3人は何故か原っぱにいた
(どうして)
その一方、大天使は行方不明と来たので全員通常運転のようです
はてさて、どうなりますことやら☆彡

【7人の悪魔超人編】原文:AMIDANTさん

悪霊の脅威に晒された幻想郷の成り行きを見た悪魔将軍。
彼は言う、これを捨て置けば『アイツ』が煩いと。
そこで、かつて地球を震撼させた7人の悪魔超人が悪霊退治に派遣された。
今までよりも進化した、悪魔超人の真価や如何に?

2人目

「幻想郷事変 六の二:奮闘!七人の悪魔超人」

無数。
数えるには余りにも億劫な程の量を誇る、悪霊の数々。
その切っ先が、悪魔超人達へと向けられる。
悪意と敵意、そして殺意の入り混じった視線が、ステカセキング達を貫く。
だがその威圧をものともせず、逆に鼻で笑って見せるステカセキング。

「ケーケッケ!あいつら、相当俺達が憎いと見えるぜ?」

無数の悪霊の大半を消し飛ばした張本人であり、事実その認識は間違っていない。
実力も未だ未知数の悪魔超人だが、悪霊の目には間違いなく脅威だと映っていた。

「こいつぁ思いっきりおもてなししねぇとなぁ?」

ステカセキングの背中に付けられた『ミラクルランドセル』が、その蓋を開く。

「超人大全集!」

中にあるのは、無数に並べられた巨大なカセットテープだ。
その内の一つを、ステカセキングは自らの腹部にあるテープレコーダーへと差し込む。
その奇怪な行動を前に、一瞬様子見をする悪霊達。
果たして、変化は訪れた。

「グググ…!」

無機質だった四角い頭に、茶色い毛皮が浮き彫りになる。
やがてそれは、マンモスの様な被り物となって顔全体を覆う。
長い鼻、1対の鋭い牙。

「パオォーーーン!!!」

ステカセキングが、マンモスめいて変貌を遂げた。
それは、今しがた入れたマンモスマンのカセットテープによるモノだった。
マンモスマンの持つ迫力と気迫が、ステカセキングから放たれる。

_ア”ァ!?

それに一瞬たじろいだのが、悪霊の最後だった。

「『ノーズフェンシング』ッ!」

特徴的なマンモスの鼻が異常な伸びを見せ、空を切って悪霊の元へと突き進む。
それに気づいた時には、既に鼻は悪霊の赤核を貫いていた。

「お次はコイツだ!」

幾つもの悪霊を串刺しにして、伸び切った鼻。
それが今度は、鞭めいてしなやかに伸縮を繰り返す。
周囲にいた悪霊をも巻き込んで、弧を描いて鮮やかな線を描き出す。
かと思うのも束の間、鼻の切っ先が眼で追えない程の加速をする。

「『アイスロックジャイロ』ーーー!」

マンモスの鼻が、貫いた悪霊を巻き散らして縦横無尽に駆け回る。
更に何たる奇術か、鼻が振るわれた周囲の温度が一気に氷点下を下回る。
辺りの悪霊は瞬く間に凍り付き、鼻先で弄ばれた挙句砕け散った。
嘗てのマンモスマンと遜色ない脅威が、そこにあった。

_ア”ア”ア”ァァ!!!

無論、悪霊もただ手をこまねいている訳では無い。
正面が駄目ならと、回り込む様に二手に分かれる悪霊達。
だが、その先にも悪魔の手が待ち構えていた。

「今度は俺様の番だぜ」

そう言うや否や、その鋭いチョップで以て斬り裂きに掛かるのはアトランティスだ。
ブロッケンjrにも劣らぬ腕裁きが、悪霊達を襲う。

「ケケケーーーッ!!!」

悪霊達の額に切り口を作るアトランティス。
だが、これだけではかすり傷一つに過ぎない。
悪魔の真の本領は、ここからだ。

「お前達に本当の地獄を見せてやるってんだよぉ!」

そう言って傷を付けた悪霊の首元を締め上げる。
すると、傷口から忌油が溢れんばかりに吹き出した。

「『水芸セントヘレンズ大噴火』---!」

忌油が、噴水めいて噴き上がる。
これぞアトランティス傑作『水芸セントヘレンズ大噴火』である。
これを喰らえば、超人と言えども失血死する恐ろしい技である。
無論、悪霊も例外ではない。
次第に乾いた骨身がむき出しになった悪霊が、砂漠で水分不足になった旅人の如く倒れ伏す。
呪いで形作られている存在が呪いを抜かれればどうなるか、その証明だった。

「オリャーーー!!!」

干乾びて倒れた悪霊の赤核を足で踏み抜きながら、高笑いを浮かべるアトランティス。

「こいつぁおまけだぁ!『ウォーターマグナム』ッ!」

一頻り笑った後、水の中へと飛び込むアトランティス。
そして水中から薙ぎ払う様に撃ち出されたウォーターマグナムが、水圧カッターめいて悪霊を両断。
斬り裂かれた悪霊達が、ぼとぼとと音を立てて失墜していく。
その威力には幽香達も下を巻く程だった。

「『マウンテンドロップ』---ッ!」

一方、魔雲天は空中を縦横無尽に飛び回っては急降下を繰り返す実質隕石と化していた。コワイ!



此方は魔法の森。
殲滅の錆鎗兵の前に現れた3人の悪魔超人が、舌なめずりをする様に得物を見定めていた。

「オイ、アイツは俺様にやらせろ。あの細見、『デビルトムボーイ』で折ったら良い音が鳴りそうだ!」
「いいや、俺の『ミイラパッケージ』で飾るのが吉と見た!」

誰の得物か言い争いをする悪魔達。

「では先に行かせてもらおう!」
「あっ、ブラックホールテメェ!?」

そこを、抜け駆けする様にブラックホールが先行する。
二人の静止も聞かず、殲滅の錆鎗兵の前へと躍り出た。

「ククク…!」

穴の開いた無豹の顔で、静かに笑いを上げるブラックホール。
錆槍兵も、槍を構えてケタケタと薄ら寒い笑いを浮かべた。
ゆっくりと錆剣兵に歩み寄るブラックホール。
そして大仰に手を翳したかと思うと、マントを翻して身を隠す。

_ア”ァァ!

そこをすかさず槍で突いた錆槍兵だが、そこにブラックホールの姿は無い。
まるでトリックの様に、マントを残して影も形も無い_

_ッ!

いや、違う。
直感的に、後ろへと槍を振るった錆槍兵。
そこにドンという重い感触が突き抜ける様に加わる。
見れば、ブラックホールのドロップキックが槍を間一髪で受け止めていた。

「ほう…?他の悪霊とは一味違うな。」

_ア”ァァ!

錆槍兵が、埃を払う様にブラックホールを蹴りつける。
蹴りつけられた先の木々が次々に薙ぎ倒されるも、既にそこにはブラックホールの姿は無い。
驚いた錆槍兵が見渡せば、すぐ隣から右腕を此方に向ける姿がある。
気付いた時には鈍い音が鳴り、錆槍兵は宙を舞っていた。

3人目

「幕間・SAMURAI REMNANT THE BEGINNING - 宮本武蔵対ロロノア・ゾロ -」

 ――時はやや遡り。

「そっかぁ……ゾロくんはCROSS HEROESのみんなと一緒に行っちゃうんだね」

 所は特異点、リビルド・ベース。
丸喜パレスでの一戦が終わり、CROSS HEROESの面々がリ・ユニオン・スクエアへ
帰還すると言う話が持ち上がった時の事。

「ああ……ルフィとも会えたしな。短い間だったが、世話になった。
お前らとこの特異点とか言う所を旅して回ったのは、悪くなかったぜ」

 ロロノア・ゾロ。そして宮本武蔵。
共に別世界からこの特異点へと迷い込んできた二人は、
己の剣の腕がどこまで通用するのか、その腕試しをすべくこの特異点を流離っていた。
歴史の管理者・クォーツァーを追って特異点へとやって来た
タイムパトローラー・トランクスも加わり、
抑止力よりの使者・ニュートラル・ガーディアンとの出会い。
メサイア教団に代表される複数の敵組織の暗躍……

 そしてCROSS HEROES入りしていた麦わら海賊団船長、モンキー・D・ルフィとゾロ。
亜種特異点・下総国を共に駆け抜けたカルデアと武蔵。
トランクスがタイムパトローラーに従事するきっかけともなった孫悟空や勇者アレクとの
再会など……実に様々な出来事が起こった特異点の旅であった。

 トランクスはクォーツァーを拘束して時の界王神の元へ帰還。
武蔵は藤丸立香との契約を結び、カルデアと行動を共にする事となり、
ゾロは船長であるルフィと共にCROSS HEROESの協力者として
リ・ユニオン・スクエアへと向かう……気づけば、この特異点で出会った3人は皆、
別々の道を歩む事になっていた。

「それじゃあさ……」

 武蔵が腰元の刀の鯉口を切る。

「へっ……剣士ってのは因果な生き物だな。別れの挨拶すら『こいつ』でなきゃ
いけねェんだからな」
「でも、それが私達らしくていいんじゃない? 湿っぽいよりはさ」
「はッ。違いねェ」

 ゾロもまた、腰元の刀に手をかける。

「あ……先輩! ゾロさんと武蔵さんが……!」
「あちゃー、やっぱりこうなったかー」
 
 突然始まった決闘に慌てた様子を見せるマシュに対し、
この事態を予測していたかのような反応を見せる立香。

「2人とも、やり過ぎないでね? これからも色々とやらなきゃなんないことが
いっぱいあるんだから!」

「分かってる、分かってる!」
「だが、やるからには半端じゃつまらねェ。何せ、この世に2人といねェ剣豪なんだ。
それに、またこうやって仕合う機会が巡ってくるとも限らねェからな」

 そう言って、ゾロが構えを取る。武蔵もまた、同じように剣を構えた。

「ゾロくんを見てるとさ……思い出すんだよね。弟子の伊織くんの事をさ。
ひたすら剣の腕を磨く事に真っ直ぐで、剣の事しか眼中になかった」


――天元の花 二天一流・宮本武蔵――


「宮本伊織……史実においては、剣豪・宮本武蔵の養子にして弟子であったと
記録されています。所々、文献等では詳細が明らかにされていない部分もあるのだとか」
「こっちの武蔵ちゃんにも、同じくそう言う存在がいたんだね……」

 マシュや立香も知らなかった事実。宮本伊織と言う男。その素性は、果たして……

「へえ、初耳だな。お前に弟子がいたとはな」


――三刀流・海賊狩りのゾロ――


「だからかな。ゾロくんと肩を並べて剣を振るうのは、楽しかった。
あのまま伊織くんが剣の道を極め続けていれば……ゾロくんのような逞しい青年に
成長していたんでしょううね」
「お前にそこまで言わせる男か……そいつァ、是非とも手合わせ願いたいモンだ。
だが……」

 ゾロがニヤリと笑う。

「ええ。ここよりはこの新免武蔵、海賊狩りのゾロ殿との打ち合いを存分に
楽しませていただきます!」

 武蔵もまた、その笑みに応える。

「――いざ!」
「――尋常に!!」

「「勝負!!!」」

 刹那、ゾロと武蔵の打ち合いが幕を開けた。
まるでその場に竜巻が発生したかのような激しい剣戟。
一瞬にして何合の打ち合いが行われたかは定かではない。
2人とも、一秒たりともその剣に迷いはなかった。
これまで、同じ戦場を生き抜いた剣士同士故の共鳴とでも言うべきか……
いつしか2人は、笑みを浮かべていた。

(フッ……悪くねェ!)
(ええ! 悪くない!)

 そして、更に剣戟の速度が上がる。

「す、凄い……あの2人、全く互角に斬り合ってる!」

 互いが互いの動きを読み合い、斬り合いを行っている。
それはまさに達人同士の決闘と呼ぶに相応しいものだった。
ゾロと武蔵の打ち合いは、まさに苛烈を極めると言う表現が相応しいものだったが、
2人は互いに笑みすら浮かべていた。剣士としての戦いに酔いしれていたのだ。

(なんて剣捌き! でも……私だって負けてられない!!)
(ああ、こいつァいい! 滾ってくるじゃねェか!!)

 2人の表情はどこか楽しげだ。

「こりゃ勝負は、つかないね」
「互いに満足するまで打ち合うつもりなんでしょうか……?」

 その様子を見守るカルデアの面々。

「鬼気九刀流――!!」

 ゾロの剣気が像を伴い、まるで3人に分身したかのようであった。
三刀流が3人合わさって九刀流……その威容は阿修羅を彷彿とさせた。

「阿修羅様と切り結ぶ……ふふ、望む所!!」

 武蔵が不敵に笑う。
ゾロが阿修羅であるならば、武蔵の剣気はさながら仁王を思わせるものであった。

「み、見える……! 2人の背中にとんでもないのが……」

 両者の剣気のぶつかり合いが、カルデアの側にも伝わってくる。
そして――

 決着の時は、唐突に訪れた。
互いの刃が打ち合い、特異点全土に響くような大きな金属音が響いた。

「……ふっ」
「……ははっ」

 ゾロと武蔵が、同時に笑みを浮かべる。
そして2人は、刀を下ろした。それを見た立香が、武蔵に呼びかける。

「武蔵ちゃん!」

 その声に応え、武蔵は二刀を鞘に収めた。そしてゾロもまた、納刀する。
2人の周囲に渦巻いていた剣気が静まっていった。

「お互い、一太刀も打ち込めず……か。いい勝負だったぜ」
「いやぁ~、勝つ気満々だったんだけどなぁ。やっぱり強いねぇ、ゾロくん」

 勝敗はつかないまま終わった。互いに全力で戦った結果である。

「未だ、道半ばか」
「そう言う事。おかげでまたひとつ、目標ができました。
また機会があれば、手合わせを願いたいわね」
「お互い、次があればな……」

『はぁ、やっと満足してくれたか。まったく肝が冷えるね』

 万が一の事が起こるのではないか、とダ・ヴィンチは深い溜め息を付いた。

「大丈夫ですよ、ダ・ヴィンチちゃん。お二人がそのような……」

「ん? 私は本気で行ってたけど」
「ああ、ここで死ねばそれまでの事だった、ってだけだ」

「え……」

 武蔵とゾロは、意外そうな顔でマシュに応えた。

「じょ、冗談……です、よね?」
「聞かなかったことにしよう、マシュ……」

4人目

「Vengeance Bullet Order:Remnant of ■■■■■■■」

 数時間前、ジャバウォック島では。

「撃て!撃て!」
「逃がすな!あの”密漁船”を沈めろ!!」

 およそリゾート地と呼ばれていたジャバウォック島には似つかわぬ銃撃の雨霰と「密漁船」という穏やかじゃない言葉。
 島に我が物顔で定住し、まるで「ここは俺達の領地だ、部外者は出ていけ」とでも言わんばかりに抵抗する兵士たち。
 その全てがメサイア教団の兵士たち。ある者は対物狙撃銃による船員の暗殺を狙い、ある者は機関砲による威嚇と密漁船の乗組員全員の掃討を行う。

 これだけ聞くと「密漁とはいえ、たかが漁船如きにここまでむきになることもない。」という人もいるだろう。ならば、彼らがそうまでして叩き潰さんとする「密漁船」の乗組員たちにこそ理由はある。

「応戦せよ!」
「焦るな!一人ずつ鎮圧しろ!」

 密漁船、には似つかわしくないどころかあまりにも過剰な武装。
 対物狙撃銃、ロケット砲、果ては小型とはいえ副砲や魚雷まがいの代物まで飛び出す。
 まるで「これから、強敵と戦うことになる」事を分かっていたかのような過剰ぶり。

「N」なる人物の下、メサイア教団鎮圧のための手がかりを探すためにこのジャバウォック島に来た「SPM」の者たち。
 その在り様は、まさに地上対海上の戦争。
 繰り広げられる夜戦は、爆焔を逆巻かせながら激しさを増していく。

 だが、この戦いはあくまでのSPMが仕掛けたブラフ。
 本当の目的は別にあった。

「……何とか着いたようね。」
「ええ、とりあえず戦火に巻き込まれない場所に移動しましょう。」

 戦場と化したエリアから少し離れた、見回りの兵士が比較的少ない海岸にゴムボートが上陸する。
 そこで誰にも気づかれないように、武装を整える男女2名。
 逢瀬が目的ではない。彼らの目的はただ一つ。

「『N』、こちら霧切です。ジャバウォック島に到着しました。そちらは?」
『ええ、聞こえてます。こちらは獅子劫、セイバー組が聖杯の回収に失敗したことを確認しました。』
「ああ、そうですか……何か妨害でも?」
『完璧超人の軍団と丸喜なる者、そして彼の部下によって妨害を受けたそうです。が、その完璧超人のうちの1体は撃破したそうですよ。』

 特異点、メサイア教団に回収される前に聖杯を回収すべく動いたSPMの刺客、獅子劫界離と赤のセイバー:モードレッド。
 だがそれは、救済を願う者「丸喜拓人」とその仲間たちの妨害、そして悪魔将軍の停戦協定によって失敗に終わった。

 聖杯も回収できず、実力と戦力差を見せつけられ、SPMにとっては不本意な結果になってしまったが、そも停戦協定がなかったらその場にいたCROSS HEROESの戦士たちともども袋たたきにされていた可能性もあった。そうなれば聖杯回収も何もない。

「……それじゃあ、こっちは『データ』の回収を開始します。」
『わかりました。ではまた。』

 通信を切り、ファルデウスの方へと向き直る。
 そのファルデウスもNとの通信を聞いていたのか、ため息交じりに話す。

「獅子劫たちは失敗、ですか。元々成功確率が低かったとはいえ少し残念です。相当強いのでしょうね……丸喜とやらは。」
「そうみたい。でも妨害していた……丸喜某の仲間の1人を殺したのは上出来ね。」

 そう呟いた、霧切の顔は兇気に満ちていた。
 絶対零度の冷笑を浮かべ、「■■■■■」と嘲笑うかのように口元を歪ませる。

 事実、モードレッドは完璧超人が一人マーリンマンを激戦の果て、その苛烈なまでの「掟」による自害にまで追い込んだ。
 自害という結果とはいえ、その過程を見るに「事実上、モードレッドの手で倒した」と解釈してもいい。

「……霧切?」

 ファルデウスが、不安げな目で彼女を見る。
 霧切の目は、まるで氷のような冷たさを持ちながら、されど燃え盛るようなドス黒い炎が逆巻いていた。
 この世全てを呪わんとする漆黒の意思。
「目的のためなら、全人類殺害も厭わない」とでも言わんばかりの兇気。

 そんな彼女を見て、ファルデウスはただその眼を濁らせて思案する。

(あなたは何を考えているのだ?今あなたの脳内を覆う感情は何だ……?――――私は、今のあなたの在り方が、何よりも怖ろしい。)

5人目

「仮面の下に悲劇を隠して」

 ロビンマスク、ウォーズマン、ヴァイオレット、クロウ……
閉ざされた悪霊のリング思うように連携が取れず、次第に焦りが募る4人。
特にヴァイオレットは、己の迷いが戦闘の足枷と化しつつある事に苛立ちと焦燥を
感じていた。

(このままでは……)
「グハハハハハーッ!!」

 その時、冥鎧士が、突然ヴァイオレットたち目掛けて突進してきた。

「ヴァイオレット……悪霊は人の心の弱みに付け込んでくる。迷っていては駄目だ!
全力で戦うんだ!!」

 突進を躱しながらロビンマスクがヴァイオレットに激を飛ばす。

「ロビンマスクさん……だけど、私は……」

 ヴァイオレットの心の内に巣食うのは、丸喜拓人が実現しようとしている世界。
スカルを始めとした心の怪盗団メンバーが陥っていた、IFの世界がそれだ。
心の認知を歪ませる事によって、大切な人を亡くした記憶、挫折の記憶、
やり直したい過去の記憶など……すべての悲しみ苦しみが忘れ去られた、幸福なる世界。
つまり、丸喜の望みを阻止する事はヴァイオレットの大切なものを
再び手放さねばならない。それが彼女の心を迷わせていた。

(ヴァイオレット……所詮は、そこまでの女だったと言う事か)

 クロウはそんなヴァイオレットに失望しかけていた。
仮面の底から冷ややかな視線を送るも、やがてそれさえも打ち捨て、冥鎧士と対峙する。
このままではいずれ彼女は丸喜の元に戻り、偽りの幸福に縋るだろう……
そう考えていた。

「……丸喜先生は、私の恩人なんです……生きる気力さえ失くした私に
生きる意味を……希望を与えてくれたんです……」
(丸喜……丸喜拓人。キン肉マン達が特異点で遭遇したと言う男か……
完璧・無量大数軍と行動を共にしていると言う……)

 恩人。ヴァイオレットの口から発せられるその言葉が、
ウォーズマンの胸にチクリと刺さる。

「……俺にとっては誰あろう、ロビンマスクこそがまさにその恩人だった」
「え……」

「俺は幼い頃、厳しいシベリアの大地で周りの人間にいじめられて育った。
醜いロボ超人と石を投げられて……そんな俺を拾ってくれたのが、あの人だった。
キン肉マンたちに出会うまで……いや、それからもずっと、あの人は俺を見捨てなかった」

「……」
「だから俺は戦い続ける。今の俺を形作ったのはあの人なのだからな」

 淡々と語るウォーズマンの言葉はまるで自分に言い聞かせているかのようだった。
皆が憧れる無敵のヒーローだと思っていた正義超人にもまた、
語られざる悲劇があった事をヴァイオレットは知った。

「……出来る事なら、ウォーズマンさんやロビンマスクさんの力になりたいです……
でも駄目なんです! 私にはまだ……怖いんです……」
「怖い?」

「辛い事、悲しい事……それをみんな忘れられたなら、どんなに楽だろうって……」

 ヴァイオレットは己の心の弱さを恥じた。だが、それも無理からぬ話である。

「人の心は酷く移ろいやすくて、壊れやすい。
だが、コンピュータのデータのように容易く『初期化』する事は出来ない」
「……」

「俺は今まで多くの過ちを犯してきた。ロビンマスクの厳しい指導の元、
対戦相手を血の海に沈めた事もあった」

 冷酷・冷徹・冷血……一切の甘い感情を捨て去り、機械作業のように
対戦相手を完膚なきまでに倒す事を常としてきたウォーズマン。
しかし、それは彼にとって決して楽しい事ではなかった。
特にラーメンマンを半死半生までに追い込んでしまった時などは、
その心の痛みは尋常ならざるものだった。

「あの時の戦いは今でも鮮明に覚えている。辛くて……苦しくて……
だが、それでも忘れてはならない事もまた事実だ。
無かった事にも出来ない。生涯をかけて背負っていくしかないんだ」

 ウォーズマンの言葉はヴァイオレットの胸に重く響いた。

 彼もまた、己の弱さを常に戒めながら戦ってきた。
そして今、人類の希望として戦い続けている。

「ヌオオオオオーッ!!」
「いかん! そっちに行ったぞ、ウォーズマン!!」

 冥鎧士が、ヴァイオレットたちの会話に気を取られているウォーズマンに
襲いかかった。

「ヴァイオレットはやらせん! 守ってみせる!!」
「……!!」

 仁王立ちするウォーズマン。冥鎧士からの攻撃を正面から受け止めんとする。
か弱き者を守る……それこそが、誰かからの命令にただ従うばかりなのではなく、
今のウォーズマン自身が選び取った生き様であった。
冥鎧士の剛腕が、ウォーズマンの体を打ち砕く……その寸前。

「――サンドリヨンッ!!」

 ヴァイオレットのペルソナ、サンドリヨンが祝福属性の光魔法
「マハコウガオン」を発動。冥鎧士を包み込むようにして、
闇を昇華させる光の柱が立ち上がる。

「オオッ……オアアアアアアーッ!!」

 闇の世界の住人である悪霊にとっては、その光属性の魔力はまさに致命的……
冥鎧士は断末魔の叫び声を上げながら苦しむ。

「ヴァイオレット……!」

 ウォーズマンの危機を救ったのは、他ならぬヴァイオレットであった。

「フン、ようやく迷いを捨てられたのかな?」

 クロウが鼻を鳴らしながら、ヴァイオレットを見やる。

「ウォーズマンさん……ありがとうございます」

 感謝の言葉と共に、ヴァイオレットが手を差し出す。

「いけるか?」

 ウォーズマンが尋ねると、ヴァイオレットは力強く頷いてみせる。

「今、やらなければならない事……それが見えてきましたから」

 リングの中央で、4人の視線が冥鎧士に注がれる。マハコウガオンによって、
著しく弱体化した冥鎧士……今こそ、反撃の好機である。

「行くぞ、ウォーズマン!!」
「おう!!」

 ロビンマスクが叫ぶと、ウォーズマンがすぐさまそれに応える。
そして二人は頷き合うと、同時に飛び上がった。

「そぉぉぅりゃああーッ!! タワー・ブリッジーーーーッ!!」

 ロビンマスクが冥鎧士を担ぎ上げて、大橋が真っ二つに開くかの如く、
メキメキと折り曲げる。
数ある技の中でも高いK.O.率を誇るロビンの代表的な必殺技だ。

「ギギエエエエーッ」
「まだだ! ぬうううううんッ……!!」

 その場で冥鎧士の体を持ち上げたまま高速回転し、天高く放り投げる。

「今度は日和るなよ?」
「分かってます」

 クロウの皮肉に、ヴァイオレットも負けじと言い返す。
そして、放り投げられた冥鎧士に向かって跳躍した。

「切り刻んで、サンドリオンッ!!」
「射殺せッ、ロキ!!」

 宙を舞う冥鎧士に向かって、ヴァイオレットとクロウが華麗な剣技と銃撃のメドレーを
繰り出す。

(そう……私は)

 心で自分に言い聞かせる。

(ウォーズマンさんが教えてくれた……今はただ、己の心の思うままに!)

「行け、ウォーズマン!!」
「うおおーッ!! Wスクリュードライバァァァァァァッ!!」

 そして両手にベアークローを装着し、錐揉み回転を伴って突撃するウォーズマンが
冥鎧士の胴体を貫通し、コアである赤核を粉砕するのであった。
少女の心の闇までも拭い去るかのように……

「ギャアアアアアアアッ……」

6人目

「廃棄孔決戦_1:亡我幻怪決戦 その1」

 紅魔館

「ーーーーーーアアアアアア!!」

 大鉈を引きずりながら、紅魔館の赤い花々を散らし暴れる。
 悪剣使の一撃一撃が、黒い風となって破壊を巻き起こす。

「しつこいわね!大きい割にかなり素早い!!」

 いらだちながら、咲夜は悪剣使の攻撃を回避する。
 相手が幾ら素早くでも、スピードではこちらの方に分がある。

「でも、もうこっちの勝ちは決まってるのよ! 時符『プライベートスクウェア』!」

 勝利宣言と共に放たれる四角の空域。
 それは大鉈を振り下ろさんとする悪剣使の身を覆い、その動きを固定してしまった。
 否、固定したというのは少し語弊がある。
 固定した、というよりかは悪剣使の周辺の、時間を停止したというのが正しいか。
 とにもかくにも、この空間内部では悪剣使がいくらもがこうとも咲夜が倒れるまでその身は決して動かない。

「今です!」
「「わかった(わ)!」」

 そして、次の二撃で悪剣使の敗北は確定した。
 雲に隠れ、月が耀かない夜なのに、まるでそこに赤い月があるかのような。

 紅魔館の頂点に立つ、2人の吸血鬼姉妹。
 そのうちの一人が先陣を切った。

「禁忌『レーヴァティン』!!」

 およそ大陸切断も容易なのかと思わせる、光焔の剣。
 是なるは破壊の吸血鬼、フランドール・スカーレットの最高兵装。
 終焉の巨人王が振るったとされる剣を逸話とする一撃の前には、悪剣使の呪いの鉈なぞ紙屑以下。

 鉈を砕かれれば、悪剣使なぞただの巨大な悪霊に変わらない。
 超抜悪霊の最大の弱点。
 それは、数多もの武装を学習し得た結果、その体の持つ元来の性能を失ってしまったということ。

 皮肉なことに、数多もの文明を享受した結果、その文明の力さえなければ己の身すら守れなくなった人間の在り様と何ら変わらない。

 最も人間ならば、己の身や尊厳、在り方を守る為にその文明をよい方向に利用するという「善」がある。だが、メサイア教団という邪悪によって生み出された悪霊共にそんな概念はない。

「神槍『スピア・ザ・グングニル』!!」

 高密度の魔力のみで構成された、赫灼の一本槍。
 是こそが運命を司る吸血鬼、レミリア・スカーレットの持ちうる最強の兵装。
 高密度に圧縮された弾幕の槍が繰り出す一撃は、悪剣使の身体を撃ち砕き赤核すらも貫徹した。

「――――――。」

 声上げる事なく、否、声もあげれずに消失する悪剣使。
 ここに超抜悪霊の1体は消失したものの、レミリアの顔は浮かない。
 それどころか、怒りと覚悟をにじませた表情を浮かべ、改めて武器を構える。

「まだ、終わりそうにないわね……!!」



 幻想郷の夜明けが近い。
 しかしてここは明星すらも届かぬ廃棄孔の最奥。 深淵溶鉱炉。

 深淵溶鉱炉の壁をじりじりと、されど大いなる一撃を以てよじ登る、あまりにも巨大な手。
 尋常じゃない濃度と粘度の忌油を纏い、ドス黒く膨れ上がった手を廃棄孔の壁に爪を立てよじ登り始める。
 その一挙手一投足が衝撃を放ち、周囲を破砕しながら登ってゆく。
 まるで地獄の釜の底に封じられた亡者の群れが群を成し、巨大な人山と化して天上へと昇ってゆくかの如く。
 しかしそれすらも、まだ怪物の身体の一部が引き起こした事象に過ぎない。

 廃棄孔 第4層跡地

 硝子の階段を登る。
 登りゆく怪物よりも先んじて上へ上へ。
 巨大な呪いに鬼ごっこを挑む、3人の戦士。

「動きこそはのろいようだが……!」
「油断するなよ、曲がりなりにも怪物だ。悪霊の性質を持っている以上むやみな戦いは危険すぎる。」
「まずはペルたちと合流しよう。この上で待っているはず!」

 悪霊をなぎ倒しながら上の階層へと昇る。
 その下では、ゆっくりと怪物の身体が構成されながら同じように上へとせりあがっていく。

「おい!こっちだ!」

 第3層にて、ペルフェクタリアが待機している。
 しかし、先のクレイヴの暴走により、第3層と第4層の中間の足場は完全に崩落している。

「上か。」

 上方向に6~8mの穴が開いている。落ちれば即死。
 跳躍能力と滑空能力を使えるリク、アマツミカボシの力で身体能力を上げて跳び上がれる彩香はまだしも、月夜にはそんな能力はない。
 ロッククライミングの経験もない以上、彼は

「くそ、どうする……!?」
「掴まれ!」

 頭を抱える月夜の前に、超大型のドローンに変身したウーロンが駆け付けた。

「いいのか?俺66キロあるぞ?」
「1人くらいなら行ける!」

 ウーロンが変身したドローンの持ち手に掴まり、上へと浮遊する月夜。
 多少ふらつきながらも、上へと登って3層の足場に到達した。

「よし、俺達も行こう。」
「分かった。」

 兄/仲間が第3層に到達したのを見届けた2人も自力で跳び上がり、何とか第3層に到達した。
 第3層の足場から、廃棄孔の怪物を見る。

「もう遅かった。御覧の通り怪物は目覚めてしまった。こうなればもう、倒すしかない……!」
「くっ……!」

 最悪の事態に顔をしかめるペルフェクタリア。
 と、その瞬間だった。

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 悪魔が如き蛇が咆哮する。
 それと同時に廃棄孔の結界が、まるで怪物の誕生を祝福するかのように破開した。

 夜明けの光に照らされ、怪物の姿が見え始める。
 超巨大な3本の腕。
 黒よりも黎い、忌油に塗れたその躰。
 頭部は超巨大なドス黒い蛇の形を、更に刺々しく変容させ、その皮膚の細胞一つ一つを鋼鉄が如く変質させたような。
 その頭蓋の中心部には、赤く輝く赤核の一つが燃える溶岩が如く光っている。

 地獄の王サタンが如き威容と異形。
 『廃棄孔の怪物』が、遂にその姿を現した。

7人目

「カルマ教会からの刺客」

 ――調整屋。

「はい、補充分のグリーフシードよぉ」

 やちよは八雲みたまの調整屋に出向き、グリーフシードを補充していた。

「助かるわ、みたま」
「それにしても、特異点に幻想郷に暗黒魔界……? 
しばらく見かけない内に話が大きくなりすぎよぉ」
「自分でも驚いてるわよ……」

 苦笑いするやちよ。
こうしている間にも、幻想郷ではCROSS HEROESの面々が戦っている事だろう。

「ソウルジェムも調整した方が良いんじゃなぁい?」

 やちよのソウルジェムを見てみたまが心配そうに言う。復帰してからと言うもの、
やちよも前線で戦い続けてきた。
グリーフシードで浄化を施しているとは言え、ソウルジェム本体にも
かなりの負荷がかかっている。

「確かにね……これからの戦いも、激しさを増していくだろうし」
「でしょう? 今ならお値段もサービスしちゃうわぁ」
「しっかりしてること……まぁ、お願いするわね」

「……」

 黒江はみかづき荘を出て、周辺を散歩していた。

「私って……環さん達の役に立ってるのかな……」

 ふと、そんな事を考えてしまう。
これまで、いろはの力になりたいとCROSS HEROESに参加し、
様々な出来事や戦いを経てきた。
しかし、襲い来る敵はどれも強敵ばかりで、その戦いに自分は全くと言っていいほど
役に立てていない。いろははそんな事は無いと言ってくれるが……
やはりどうしても考えてしまう。
――もっと強くならなきゃな……黒江はそんな事を思いながら歩いていた。

「ん……?」

 ふと、交差点に差し掛かった時……妙な感覚が彼女を襲った。
平和な街には似つかわしくない、邪悪な気配を感じたのだ。

「何で……? 魔女空間でも結界でもないよね……?」


しかし、その気配はどんどん強くなっていく。
黒江は周囲を見渡すと、路地裏へ入っていった。
すると……

「ああっ……!?」
「た、助けて……っ!」

 黒江が見たのは、路地裏でOLの女性を襲っている悪魔の様な異形の姿だった。

(魔女でも、使い魔でもない……あれは……)

 そう、それはジェナ・エンジェルがバードス島で従えていた、 異形の類に近かった。
何処となく、心の怪盗団が戦っていたシャドウにも似たものを感じる。

「何であんなのが……」

 いろはたちに連絡するか? いや、そんな事をしている暇は無い。
まずはあの悪魔から女性を救出しなければ。
黒江は両者の間に割り込むと、女性を庇うようにして立った。

「早く! 逃げて!」

 女性は頷くと、なんとか立ち上がり、その場から逃げ出す。

「よし……!」

 これで正体を現す事が出来る。黒江は魔法少女に変身すると、目の前の悪魔に挑む。

「どうして神浜にこんな奴が居るの!?」
『貴様……我がカルマ教会に楯突くつもりか……!?』

 カルマ教会……? 聞き覚えの無い名前に一瞬戸惑う黒江。
だが、今目の前にいるのは明確な敵だ。考えるのは後回しだ。
まずは目の前の敵を何とかしなければ。

(相手がどんな能力を持っているか分からない以上、下手に時間をかけるわけには……)

 二振りのクラブを出現させ、魔力を込めて振るう。
だが、相手はその攻撃を難なく回避し、黒江に襲い掛かる。
そう……見た目からは想像出来ない俊敏さで。

(素早いっ!)

 なんとか振り降ろされた爪を受け止めるが、予想以上に力が強く吹き飛ばされてしまう。

(何なのこの強さっ!?)

 飛天族・アンドラス。それがこの異形の悪魔の名である。
その能力は極めて高い攻撃性と防御力に加え、俊敏性に優れた恐ろしいものだ。
一方の黒江も、魔法少女としての実力は確かだ。
彼女は二振りのクラブを手に、果敢にアンドラスに挑んでいく。

(強い……けどっ!)

 巧みに二振りのクラブを操り、アンドラスの攻撃を受け止めつつ反撃を加える。
だが、アンドラスも中々倒れない。

「なるほど、このような者がいるのか……ジェナ様が教会に支援を求められたのも
頷けるな……」

 そんな事を呟きながら、アンドラスは黒江を鋭い爪で斬り裂こうと何度も襲い掛かる。

「ジェナ……!? やっぱり、あの女の関係者なの!?」
「くくく、よもやジェナ様の敵だったとはな……面白いものよ!」

 アンドラスは笑いながら黒江を追い詰めていく。
しかし、今度は二振りのクラブでその攻撃を受け止め、弾き返す。
そして一瞬の隙を突いて相手の顔面に蹴りを叩き込んだ。
思わぬ一撃に怯むアンドラス。

(よしっ!)

 黒江は高く飛び上がりつつ空中を蹴ると、トドメの一撃をお見舞いすべく
アンドラスに向かっていく。だが……その時。

「うっ……!?」
「オオオオオオオオオ……」

 伏兵たる鬼族・グールが「体力泥棒」のスキルで、 黒江から体力を奪い取ってしまう。

(しまっ……!?)

 突然の事に反応が遅れた黒江は、アンドラスの攻撃をまともに食らってしまった。

「シャアアアアッ!!」

 そしてそのまま地面に叩き付けられてしまう。

(ぐっ……!!)

 凄まじい衝撃が彼女を襲う。

「ここまでだな」

 アンドラスはそう呟くと、トドメを刺そうと黒江に近付いていく。

 しかし……

「それはこちらの台詞だ」
「!?」

 グール達の首が一瞬にして刎ね飛ばされる。
そして、首を刎ねた張本人であるゲイルが黒江の前に立った。
アンドラスは忌々しそうに、目の前の敵を睨みつける。
しかし、ゲイルはそんな視線を気にも留めない。

(ゲイルさん……!)
「おのれ、ジャンクヤードのAI風情が……! ここでも我がジェナ様の邪魔をするか!!」

 忌々しそうに叫ぶアンドラス。しかし、ゲイルはいつも通りの無表情で返す。
だが、その眼光は鋭く光っていた。

「ジャンクヤードだけでは飽き足らず……この世界にまで手を出そうとするのか」

 ゲイルの言葉に対して、アンドラスは高笑いをする。

「その通りよ! 間もなくジェナ様は大規模な軍団を組織し、
この世界を我等がカルマ教会のものとするのだ!」

 アンドラスの宣言に、黒江は愕然とした。
このままでは神浜の街も、いろは達CROSS HEROESの面々も危ない。

「う、うう……!」

 黒江はグリーフシードで失った体力を回復し、立ち上がる。
そして、ゲイルと並んだ。ゲイルがチラリと黒江を見る。黒江は力強く頷き返した。

(大丈夫……行ける!)

 その返答代わりに、ゲイルは悪魔化ウィルスを活性化させヴァーユへと変身する。
そして、目の前の敵を睨みつける。
対するアンドラスも臨戦態勢に入っていた。

「ジェナが何を企んでいるのか知らんが……貴様をここから逃がすわけにはいかん」
『誰が逃げるものかよ! 死ぬが良い、反乱分子のAIめが!!』

(AI……って……?)

 謎多き男、ゲイル。CROSS HEROES結成当初からの協力者ではあったが、
思い返せば黒江は彼のことを何一つ知らない。
そしてジェナ・エンジェルの関係者を名乗るカルマ教会……事態は新たなる局面へと……

8人目

【本当に何も無い草原だったよ(事後報告)】

夢美「そういえば、あのエーテルってさ」

雪「いたっけ?」

GV「初っ端から酷いね?」

太陽「初っ端フルスロットル」

どっかで出てきてラスト辺りで争った大天使 エーテル・クラウディア
なんだか知り合いの雰囲気を纏っていたが肝心の本人 月影夢美がド忘れしていた。

そんなハプニングで微妙になったのに何故か今になってド忘れした本人がエーテルの名前を呼ぶと、いう変な事態になっていたのだ


太陽「ああ・・・頼りない天使(?)だったな」

夢美「アイツ、今何してるんだろう?」

太陽「そんなテレビのようなノリなわけないって」


一方その頃、謎の光にやっぱり巻き込まれていた噂の大天使さんも草原にいた

エーテル「ううっ………ここは………どこですか?」

彼女は丸まって泣いていた、それはもうアンモナイトの黄金比のようなそんな感じの泣き方

エーテル「もういいですよ、扱い酷いのは分かっているので・・・」

すみません、別に君のこと嫌いってわけじゃない・・・ナレーターと喋っちゃダメなんですよ!?

エーテル「え?」

え?

そ、そんなことより豆腐建築とは真逆の場所にいるせいなのか絶賛遭難中だった。
あ、でも、案外近くにいるかもしれない。

彼女、飛べます。

エーテル「いえ、今は飛ぶ力がないだけです」

それは失礼しました・・・

そんな遭難者のことも露知らず草原ライフを楽しんでいた者達が存在していた

夢美「え!今日だけ遠距離攻撃を気にせず草原を駆け抜けていいんですか!?ヤッター!」

太陽「(そもそも草原で銃撃線なんてやるわけが・・・ありえそうだから怖い)」

GV「何これ、孔雀の・・・ホウキ?」

夢美「むふーいいでしょー?後はみたらし団子のホウキと掃除機のホウキついでに流れ星のホウキもあるよ」

モルフォ『みたらし団子もホウキにしちゃうのね・・・』

ゴージャスなホウキが目の前に落ちていた光景を目の当たりにして困惑気味のGVとその横でその光景を眺めていたモルフォ

雪「なんでそんな変なホウキばっかりあるのかは知らないけどこの流れ星のホウキのセンスは最高だ」

太陽「そんなことよりも、お前はどこ行こうとしてるだ?」

夢美「どう考えても、草原探索だよ?」

太陽「ほんっとうに何もなさそうだな」

夢美「大丈夫、いざとなったら没になったアイテム出すから」

雪「おっ、メタい話かな?」

モルフォ『元の世界に戻らないの?』

夢美「何も無かったら、それもいいかもね」

雪「いざとなったら元の世界に帰れる、SOS書くの意味なかったぁぁぁぁ!」

GV「確かにそうだね」


そんなこんなで草原探索は夢美からホウキを借りて移動することにその光景を少しだけ見てみることにしましょう。

夢美「なんで雪と一緒に!?」

雪「えへっえへっえへっ」

夢美「どーゆーテンションだよそれ!?」

特に理由もない付きまといのせいなのか2人の間に絶妙な空間になっていくのを感じる。

雪「と、いうかなんで逆さまでホウキ乗ってるのさ?」

夢美「でへへ、ちょっとやってみたかった」

雪「そうだ、こういう機会だし少し話さない?」

夢美「お前とは少し話しておきたかったのよ」


特に中身のない話が続くそんな中、1人だけ歩いている人がいた。
でも、ホウキってよりは自力で飛べるので必要はなかったかもしれない

モルフォ「ねぇ、GVはあのホウキ・・・借りなくてよかったの?」

GV「少し興味はあったんだけど、僕は一応飛べるからね」

モルフォ『・・・そう(一緒に翔びたかった…ダメダメそんなわがまま!)』

GV「それに、こっちの方がいいかなって」

モルフォ『もしかして、歩き派なの?』

GV「そういうわけじゃないんだけど、ミッション中ってずっと走ってるからね」

モルフォ『たまに空中を駆け抜けてたりもしてるし・・・』

そんなこんなで、適当に辺りを飛んでいたのは

太陽「魔法使いや魔女が飛んでいる光景は秋雨の街に来る度によく見ていたがまさか俺も飛ぶ日が来るなんて・・・あれはなんだ」

秋雨の街は魔法都市と呼ばれるほどであり日夜
、空をホウキで飛んでいる魔法使いや魔女達がたくさんいるのだ。
気がついた、全部緑の中に真っ白な場所があったと言うよりはいたのだ

太陽「あ。」
エーテル「貴方は……」

太陽「アンタも運がないな、ここで俺に出くわすなんて」

エーテル「そんな、真顔で武器を出すなんて・・・これも運命・・・そして、私もここまでなんだ」

もはや、彼女に戦う気力などないとその諦めた顔を見た途端に大きく溜息をする。

太陽「はぁー・・・やめた。アンタも一緒に来るか?」

エーテル「え」

太陽「来ないなら、来ないでいいが」

エーテル「い、いえ!行きます!」

大空太陽は甘々の甘ちゃんだったのだ。

そんなこんなで草原探索が終わった。
収穫としてはエーテルが仲間に加わった(?)


夢美「あ」
エーテル「・・・」

夢美「まあいいや、ここに居たいならいればいい」

エーテル「別に貴方の許可は求めてませんよ」

雪「ほほう、光と闇が再び・・・混沌の封印が今1度解かれなければいいが」

太陽「お前は何を言っているんだ?それに、闇?夢美のどこに闇があるんだ」

雪「あれ?そうなの?」

エーテル「あの、皆さんもあの楽園(リドゥ)みたいなところから追い出されたのですか?」

GV「あの場所がとてもじゃないけど楽園とは思えないかな」

太陽「GVの意見、それには賛成だな。特に追放されても何も文句はない」

夢美「むしろ、出禁レベルかもしれない。はっはっはっ!これぞ、楽園追放(ロスト・パラダイス)ってね!」

特に神話でもなんでもなかったという。

雪「おっ嬢ちゃん、なぜだか知らないが瀕死級のダメージ受けているな」

夢美「な、なんでだろうねぇ・・・」

エーテル「え、では・・・なぜあの場所に?」

夢美「Switchが人質にされてるんだよ!」

※Switch、別に人質にされてません

GV「うーん、何か違うような?」

太陽「もしかしたら、俺達は思った以上に現状を知らなすぎる可能性、出てきたな」

エーテル「もしかしていつも通りだったりしませんか?」

夢美「まーた、行き当たりばったりかーい!」

雪「いつもそんなもんさー」

太陽「フルスロットルだな」

GV「なんだか、そういうのも懐かしいよ」

9人目

「衝撃の再会(前編)」

幻想郷で激闘が繰り広げられてる一方その頃、
リ・ユニオン・スクエアは神浜市やクジゴジ堂などに行ってるメンバーとその間トゥアハー・デ・ダナンで待機してるメンバーに分かれていた。
「甲児、お前達は行かなくて良かったのか?」
「俺達はいいよ。熱海や光子力研究所はここから行くには少し遠いからさ」
「そうか」
「そういう宗介は学校の皆に会いに行かなくていいのか?確か神浜市から近いんだろ?」
「そうね、皆心配してるだろうし、一度顔を見せに行った方がいいんじゃない?」
「……千鳥がまだ捕まってる以上、俺一人で彼らに会うわけには行かない」
「あ……ごめん……」
「気にするな、お前達なりに気を使ってるのはわかってる」
「けどかなめさん大丈夫かしら?」
「わからない……だが、拐われてから既にかなりの時間が経ってる以上、何かしらのことはされててもおかしくはない……」
そんなことを話していると……
『ウィーン!ウィーン!』
「っ!」
突如としてサイレンが艦内中に響き渡る。
「なんだ!?」
『緊急事態発生!緊急事態発生!艦内に侵入者多数!直ちに迎撃せよ!』
「侵入者だって!?」
「まさか…アマルガムか!?」
「どうすんだよ!?結構な人数外に行っちまったぞ!?」
「……やむを得ん、我々だけで対処するぞ…!」
「ソースケ!あんたはテッサのところに!」
「了解した!」
宗介はテッサの護衛に向かい、残りのメンバーもそれぞれ侵入者の対処に向かった。



「いたぞ!撃て!」
「チッ…!」
「ごはっ!?」
道中襲いかかってきたアマルガムの兵士達を各個撃破しながらテッサの居る艦長室へ向かう宗介。
「大佐殿!」
艦長室の前に着くとすぐさま扉を開けて中に入る宗介。
「っ!?」
「サガラさん!」
「来たか、サガラソウスケ…」
そこにいたのはテッサとレナード、そして……
「…」
「千鳥…!?」
「久しぶりね、宗介」
千鳥かなめであった。

10人目

「曰く、不運は群列を為して来るという」

 リ・ユニオン・スクエア 港区某ホテルにて

「少しいいかね?十神白夜よ。」
「なんだ、ルクソードか。貴様はいつも唐突に現れるな。」

 ホテルの一室。
 作業中の十神白夜の横にルクソードが出現した。
 彼は調べ物をしていた十神のパソコンを、横から見ている。

「江ノ島盾子は、ジャバウォック島に行く覚悟が出来たようだ。」
「そうか、まぁ精々己の宿業に向き合ってくれとしか言えないな。それでもなお立ち上がるというならば……なおよしだ。」
「何か知っているのか?」
「色々調べてたんだよあの島について。結論から言って江ノ島盾子は間違いなくあそこで絶望するだろうよ。己の在り方に。」

 次のCROSS HEROES、特にシャルル遊撃隊が向かう地であるジャバウォック島。
 既に戦いの発端が切られているとはいえ、未だ謎が多い。
 十神も、この後のために島についての情報を調べているところである。

「ところで、ヴリトラはどうした?トラオム以降眠っていたと聞くが。退去したのか?」
「彼女は既に覚醒している。幻想郷にいるシャルル遊撃隊が到着次第、彼らと共にジャバウォック島に派遣させるつもりだ。」
「元気なのはいいことだが派遣って、トゥアハー・デ・ダナンや例のアビダインはどうした。あの2機にも移動用の手段はいくつかありそうなものだが。」
「あの地に派遣されたメサイア教団の勢力も少ない以上、ジャバウォック島にあそこまでの力を注ぎ込むわけにはいくまい。何しろ決戦の時はまだ遠いとカードに出ている。」
「貴様、カード占いの趣味あるんだな。」
「ちょっとした嗜みだよ。」

 トラオムの侵食を防いでいた邪竜ヴリトラ。
 覚醒したかの竜もまた、ジャバウォック島に向かうことになっている。

「こちらも聞きたいことがあった。ギリシャに派遣したフィオレ・フォルヴェッジと燕青、アレクサンドル・デュマの3名はどうするつもりだ?」
「4名だ。デュマ曰くアルケイデスってやつもそちらにいる。ならば一旦、彼含めて全員港区に帰還させよう。特にアルケイデスには聞きたいことがある。」
「その様子だとデュマ氏から色々と聞いているようだな。」
「メサイア教団のAW……もしかしたらこの辺りから大司教とやらの手がかりが探れるかもだしな。特にビショップあたりな。」

 などと、2人はホテルの一室で今後の話をしていた。
 東京の空は曇り。
 鉛色の空が重く垂れこんでいる。
 まだ一波乱、ありそうな天気だ。

「それにしても曇天、か。」
「それも風が強い、な。」

 窓の外を見る2人の顔はどこか浮いていなかった。



 魔法の森にて

「ちっ!この!しつけぇな!!」

 悪魔超人もろとも串刺しにせんとする錆鎗兵の、伸縮変幻自在の鎗の一撃一撃を躱しながら周囲の悪霊をなぎ倒してゆく。

「あいつらに本体は任せるとはいえ、それでも数が多いな!?」
「放っておきましょ……って、何この魔力の流れ!?」
「どうし……ちっ、月夜たちは間に合わなかったってのか!?」

 アリスが、肌に刺さった魔力の禍々しさに膝をつく。
 思想・戦術は違えど、優秀な魔法使いの2名には、肌で分かってしまった。
 この瞬間、廃棄孔で何が起こってしまったのかを。



 幻想郷 廃棄孔/神の湖にて

 姿形を成しながら、その威容を強め広げ巨大化させてゆく廃棄孔の怪物。
 その異形は遂に廃棄孔そのものの魔術的結界を突き破り、神の湖にその半身を乗りだし顕現してしまった。
 木々を揺らし、湖に突き刺さっていた御柱の2倍の大きさを誇る怪物に圧倒される戦士たち。

「嘘だろ……!?」
「なんてデカさだ!」
「間に合わなかったか……というより、どう倒す!?」

 絶望的体躯。
 見るものすべてを戦慄させるその在り様はまさに怪物。

「こいつをどう倒せばいいんだ?」
「待てよ、もしや……!」

 おもむろに通信機を取り出し、通信を開始する。

「つながってくれ……!」

 廃棄孔そのものを覆っていた結界が、怪物によって破られてしまった。
 その影響で今、外には廃棄孔と外を繋ぐポータルのようなものが開いている。
 もしそのポータルによって一時的にでも外と通信ができる状態になるのならば……そう思った月夜は通信機で連絡を開始した。

『…………き……るか、聞こえるか!』
「神奈子か!?すまない、覚醒は間に合わなかった!奴を倒す方向に切り替える!」
『そんなものは見ればわかるが、どうすればいい!?』

 何とか通信がつながった。
 月夜は今まで起きたことを手短に話す。

「あいつも恐らくは悪霊の一種だ。弱点は赤核、その点は変わらない。弱点を露出させれば、ナポレオンの宝具で核を破壊できる。つまり……。」
『あの油をぶっ飛ばせばいいんだな!分かった!』
「もう時間がない、こちらは両腕をやる!頭と第3の腕は任せた!」
『いいだろう、死ぬなよ!』

11人目

「幻想郷事変 六の三:デビルコンビネーション」

周囲を悪霊に囲まれ、動けない魔理沙達。
八方塞がりを体現したこの状況下で、魔理沙は必死に思考を巡らせていた。

(どうする? 考えるんだ、何か良い手を…)

魔理沙の頭脳で思い出せる方法などたかが知れていて、幾つか浮かんだやり方は既に学習され潰されている。
となれば、やはり頼れるのは新手しか無い、と悪魔超人の方へ飛び。

「ふん、攻めあぐねてる様だな?」
「っ!」

そんな意思を汲み取る様に、ブラックホールが淡々と問う。
穴の開いた無豹の顔に一瞬驚愕しながらも、魔理沙は頷いた。

「あぁ。あんたらは味方で良いんだよな?」
「そうだな、少なくともコイツ等の敵だ。主の命でな。」
「結構。ならアイツは任せていいな?」
「良いだろう。」

次いで横目で行われた、問答の数々。
否、問答の体を成してはいるが、そこで繰り広げられたのは唯の事実確認。
錆槍兵の撃破という目的の共有。
お互い、意思の疎通はそれで充分だった。

「よし、決まりだ。周りは私達に任せろ!」

瞬間、弾かれる様に動いた魔理沙とアリスが、周囲の悪霊を殲滅しに掛かる。
そうなる事は予測済みだったのだろう。
ブラックホールはそれ以上何か言う事もなく、ただ錆槍兵へと向き直った。
無豹でありながら、険しい顔付きを錯覚させる雰囲気を放ったブラックホール。

_ア"ア"ア"ァァ。
「悍ましいな声だな、黙らせてやろう。」

その言葉を告げるや否や、腕を振り上げ弾丸の如き速度で接近する。
彼は嘗てペンタゴンと四次元殺法コンビを組んでいた。
そのペンタゴンがマッハ1で動ける以上、それに追従するブラックホールの動きもまた俊敏だ。
甲高い風切り音と共に、右ストレートが繰り出される。

_ガキィン!!
「ちぃっ!」

だが、通らない。
音速の拳を、槍の腹で受け流す錆槍兵。
流れる様に、槍の柄でブラックホールの鳩尾を殴る。

「グッ…!?」

気付けばあっと言う間に、ブラックホールが返り討ちに合う結果となる。
この間、瞬き程度の時間しかない。
その一瞬に行われた一瞬の手練は、錆槍兵最大の特徴と言えた。

「厄介だな…」

即座にバク転で距離を取る。
薄っすらと冷や汗を浮かべ、己の手を見下ろすブラックホール。
身体の黒さに紛れて見えにくいが、槍の腹を滑った手の甲が僅かだがジュクジュクと音を立てて腐敗している。

「成程、これが呪いか。」

悪意の塊、負の感情の物質化、その名も忌油。
悪霊の体表に溢れ出る忌油が、ブラックホールを腐らせている正体だった。
悪意で出来たソレは、精神をも蝕もうとする…

「_下等な技だ。」

否、と。
そう断言すると共に、呪いが振り払われる。
呪いは忌油の跡を僅かに残すだけで、跡形も無く消えてしまった。

「呪いは悪魔超人の十八番でな、扱いは慣れてる。」

そう、悪魔は呪いを使う側だ。
嘗て血を触媒に呪いの幽霊として蘇った様に。
悪魔にとって悪意や呪いなどは、寧ろ心地よく扱える物なのだ。
故に何の苦も無く、祓ってみせた。

「貴様の小手先も大体読めた、疾く終わらせよう。」

お遊びはここまでだと言わんばかりのブラックホール。
改めて構えられる腕。
錆槍兵もまた、槍で迎撃の構えを取る。
先程の焼き直しの様な光景だ。

「行くぞ!」

再び突撃するブラックホールに、神経を尖らせる錆槍兵。
その一挙一動全てに対応しようと意識を集中する。
それが、致命打だった。

「マキマキィ!『ミイラパッケージ』!」
_ア"ア"ア"ァァ!?

掛け声と共に突如として遮られる視界。
動かなくなる四肢。
動きを阻害するソレが布だと気付いた時には、錆槍兵は全身を包まれていた。

「フフフ、俺達を忘れて貰っちゃ困るぜ?」

そして錆槍兵を布で巻いた張本人、ミスターカーメンが嘲笑しながら言う。
余りに集中させ過ぎた意識は死角を生み、そこを悪魔に突かれた形となったのだ。
迂闊だったと悔やむも後の祭り、最早錆槍兵は身動ぎ一つ出来ない…

_ア"ア"ア"ァァ!!!
「っちぃ、これでもまだ動くか!」

いや、僅かにだが動く余地が出来ている。
最後の抵抗と言わんばかりに、錆槍兵は布を内側から破こうとする。
ミシリ、と鳴る布が、拘束が長くは持たない事を暗示していた。

「『デビルトムボーイ』---!!!」

だが悪魔は、更に上を行った。
布に巻かれた錆槍兵を、スプリングマンが巻き付いて締め上げる。
ギシリと音を立てて締め上げられる錆槍兵は、今度こそ身動ぎする事すら叶わなくなった。

「では、死刑執行と行こうか!」

せめてもの慈悲と言わんばかりに、鋭利なマントを片手で持って構えるブラックホール。

「てやぁー!」

そして横薙ぎ一閃。
一瞬の間を置いて、錆槍兵の首だけがポロリと落ちる。

「終わりだ!」

そして断面から顔を覗かせる赤核へ向けて、ミスターカーメンが巨大な鉄の針を突き立てた。

_▬▬▬!!?

貫かれる赤核。
言葉にならぬ痛々しい悲鳴を上げる錆槍兵。
軋む身体。

「『デビルトムボーイ』と『ミイラパッケージ』の総仕上げだぁーーー!」

最後に圧搾する様に締め上げられた錆槍兵の身体から、砕けた赤核が針の穴から鮮血めいて噴き出した。
これが錆槍兵の最後であった。

12人目

「衝撃の再会(後編)」

テッサのところに駆けつけた宗介、そこにいたのはレナードとまさかのかなめであった。
「千鳥……本当に千鳥なのか…?」
「そうよ」
「彼女は君に言いたい事があるみたいでね、今回の襲撃に同行することになったんだ」
「なに…!?」
宗介は困惑した。例えどんな理由であれ、本来なら捕まってるはずのかなめが同行してるのは普通ならありえないことだった。
だがしかし次の瞬間、それすらも吹き飛ばすほどの衝撃の一言が彼女から言い渡された。
「宗介……悪いんだけど、もう私のことを助けに来ないでほしい」
「なっ…!?」
なんとかなめは宗介に対して、
「どういうことだ千鳥…!?」
「私、彼の計画に協力することにしたのよ」
「レナードの計画に…!?」
「そうよ」
「何故なんですかかなめさん!?」
「決まってるでしょ?私も今のこの世界は間違ってると思ってるの」
「っ…!」
「考えてみてよ、メサイア教団みたいな奴らが好き放題して多くの人を苦しめたり殺したりしてる……そんな世界が正しいわけないじゃん」
「かなめさん……」
「だから私は彼の計画に協力する、こんな歪んで間違った作り直すために、もしもそれを邪魔するのなら…」
カチャ…
「っ!?」
なんとかなめは拳銃を取り出し宗介に向けたのだ。
「宗介、テッサ、あんた達が相手でも撃つから……」
「千鳥……」
するとレナードの通信機に通信が入る。
「なんだ?」
『レナード、予想よりも早く分散したメンバーが戻ってきつつある。やむを得んが一度退却したほうがいい』
「そうか……わかった。いくぞ」
「うん」
レナードとかなめはその場を去ろうとする。
「っ!待て!」
宗介は二人を追いかけようとするが、
「・・・」
「ダックダック!」
「っ!?」
なんと宗介の道を阻むようにカッシーンとクダックが現れたのだ。
「こいつは……クォーツァーの!?」
「それに見たことのない機械兵まで…!?」
「そいつの名前はクダック、トジテンドの兵士だ。
……といっても機械生命体であるキカイノイドであったオリジナルとは違って、そいつは人工的に再現しただけの人形だけどな」
「トジテンドにキカイノイドって……まさかゼンカイジャーの皆さんの世界の…!?」
「あぁそうだ。計画のために前々からクォーツァーと一緒にトジルギアの技術を復元しようとしててね、これはそのついでにできたものだ」
「トジルギアって……確かゼンカイジャーの皆さんが言ってた」
「世界を封印する最悪の兵器…!」
「その通りだ」
「利用できるものは全て利用するだけだ。そのためにジェナ・エンジェルとも手を組んだ」
「なんだと!?」
「レナード、ちょっと話しすぎよ。このままじゃ」
「おっとすまない。では行くとしよう」
「うん」
「待て千鳥!」
「ダックダー!!」
宗介は二人を止めようとするもカッシーンとクダックが邪魔をして近づくことすらできない
「じゃあね宗介、テッサ、今のこの世界じゃもう会うことはないと思うけど」
「千鳥!千鳥ぃいいい!!」
宗介の必死の叫びも届かず、レナードとかなめはその場を去ってしまったのだった。

13人目

「遍く全てを切り裂き、輝け/邪竜、覚醒す」

 一方、幻想郷
 妖怪の山では、超抜悪霊の最後の1体、斬烈の獄詩人が

「AAaaaaaa!!」

 円卓の騎士トリスタンが持つ弓「フェイルノート」が如き弦を携えて周囲を切断してゆく。
 呪いの斬撃波を発射しながら、

「ちっ!すばしっこいわねあいつ!」
「斬撃の速度が、私の速度に追いつき始めている!?」

 文の動きを覚え、その速度すらも計算に入れながら斬撃の矢を放つ獄詩人。
 速度を上げれば上げるほど、その矢のキレも増してゆく。

 それだけじゃない。
 大量の悪霊が遺していった、数多もの戦闘データがどんどん生まれてくる悪霊に共有され、ステータスとして顕れている。
 特にこの獄詩人に関しては、戦闘データの結果として「いかに攻撃が当たらなければ意味はない、やられる前に倒す」と言わんばかりに防御性能すら捨て、攻撃性能に特化した個体となっている。
 攻撃速度に関しては幻想郷最速である文に少しずつだが追いつきつつあるというのだから恐ろしい。
 このままでは速度で劣りつつある文も幽香もシャルルマーニュも両断されてしまうのは時間の問題だ。

「……ねぇ、そこの騎士さん?」
「なんだ?」
「今ね、あそこの天狗があいつのことを攪乱しているのよ。つまりあいつが今あの悪霊を引き付けているってわけ。」
「おう。」
「あんたさ、私らがあいつを一瞬でも足止めできたら、あいつの事叩っ斬れる?」
「ああ、できるぜ。あの魔力が渦巻いている赤い核を斬ればいいんだろ?それならできる。」

 しかし、黙ってやられる訳にはいかない。
 幽香は打倒獄詩人の策を思いついたのか、シャルルマーニュに話す。

「ふっ、それくらいはやってもらわないと。かっこよくないもの。」
「おう!」
「文!こっちに来なさい!!」
「は、はい!!」

 幽香の一声と共に、文は機動を変える。
 無軌道な方向転換から突然の行動方針の変化。

 しかし、悪霊にとっては何の意味もない。
 むしろ好都合だ、3人まとめて音の矢の餌食にしてくれる。
 そう悪辣に考えつつ、無数の音の矢を放ちながら迫ってゆく。

 しかし、その全てが……今となっては。

「今よ!上に跳べ!!」
「はい!!」

 突如上空に跳び上がる文。
 その唐突の動きに獄詩人も追跡をする。

「かかったわねバカ!喰らいなさい!『マスタースパーク』!!」
「『リュミエール・デュ・ソレイユ』ッ!!」

 繰り出されたのは、五大元素と純粋な魔力の圧縮体を纏わせた剣戟。
 幾ら速度を高めようとも、一度止まってしまった以上は重すぎる威力の前には防御が間に合わない。
 ただでさえ防御武装が通常の悪霊よりも少なくなっている個体に、この一撃は致命傷。

「Gaaaaa……。」

 何とか最後の超抜悪霊の討伐に成功する。

「はぁ……はぁ……!」
「……何ですか!?この魔力!」

 しかし、地響きは既に怪物の覚醒を告げていた。
 妖怪の山、その頂上部から感じる禍々しい魔力は、3人を身震いさせるほどだった。

「遅かったか……!?」



 リ・ユニオン・スクエア 東京某ビル

「むにゃむにゃ……。」
「お目覚めかヴリトラよ。」

 邪竜ヴリトラ。
 数多もの人間に試練を与え、足掻く様を見届け、そして打倒することを善しとする必要悪。
 此度はルクソード、若かりし日のモリアーティと共に抑止の守護者として現界。CROSS HEROESの旅路を見届け手助けする。

「早速だが、私と共に港に泊めてあるトゥアハー・デ・ダナンに向かうぞ。何かがあったようだ。」
「むぅ……もう少し寝ておりたかったんじゃが、仕方あるまい。」

 眠そうな目をこすりながら、立ち上がる。

「ところで、あの若森はどうした?」
「彼には、少しやってもらっていることがある。何、謀反の気はないさ。」
「そうか。――――――仕方あるまい。」
(今「つまらんが、」と言ったか?まぁいい。)

 邪竜は、ルクソードと共に黒い靄へと消えていった。

 そして、トゥアハー・デ・ダナンでは。

「おぉう。」
「これは……、何とも言えぬのう。」

「千鳥……ああ、あ、ああああああああああああああああァーーーーーッッ!!」

 仲間に裏切られ絶望し号泣している彼、相良宗介を見下ろす2人。
 いかな事情があったにせよ、そんな彼の様子を黙って見届ける訳にもいかず、抑止の守護者たる2人が話しかける。

「どうかしたかね君。まるでこの世全てに絶望したような、最悪の面構えだな。」
「何はともあれ事情を話せ。いつまでも泣かれてはわえがつまらん。」

14人目

カミングスーン

15人目

「phantasm ataraxia_7 最終決戦、廃棄孔の怪物」

 時は寅の刻(4時)。
 もはや夜明けを待つばかりの幻想郷に、厭な炸裂音が鳴った。
 鉄の風船が割れたような音、或いは

「!?」
「なん、だ?」
「……おい、山の方見てみろ……!」

 その直後、幻想郷にいるすべての人間と妖怪が気付いた。気づいてしまった。
 まるで黒板を爪でひっかいたような不快音、その正体が「廃棄孔の結界を突き破った」物であること。
 そして突き破ったのが――――。

「OOooaaaaaAAAAAAA!!!」

 妖怪の山、天を衝く闇の巨人。
 この世全てに災厄と絶望、死を与える黙示録の騎士。
 無数の悪霊どもを引き連れて、人間種に死と破滅を与えにやってきた。

「間に合わなかったのか……!?」
「ば、バカ言うな……!」

 その威容だけでも「もはや絶望するしかない」と思わしめる。
 その威圧、魔力の流れだけでも身震いさせる程の悪意。
 そして何よりも――――。

「つ、月夜たちは死んじまったのか!?」
「そんなこと言わないでくれよ!?縁起でもな……!」
「す、スネークさん……もう俺達に手はないのか?」

 先行隊として突入した天宮月夜たちの「死」を、誰もかれもが想起してしまった。
 真実、そんなことはなくとも、彼らは廃棄孔の冒険を見ていない。
 故にこそ死んでしまったのではないかと思ってしまったのだ。

 悪霊と戦いながら指揮を執っていたスネークも、この事実を想起してしまいそうだった。
 その時。

「!?―――ちょっと待ってろ。」

 スネークの持っていた無線機がコール音を鳴らす。
 恐る恐る連絡を取ってみると。

「こちらスネーク!聞こえるか!?応答しろ!」
「聞こえている!こちら天宮月夜!すまない間に合わなかった!これより廃棄孔の怪物討伐作戦に入る!」

 天宮月夜が通信に出た。
 彼は廃棄孔で何があったのかを簡潔に話す。

「……そうか、まずは生きててよかった。こっちにできることはあるか?」
「そうだな、人間の里で調整していた『アレ』を直ちに送ってくれ。たぶんこのままじゃ手が足りない。里の住民たちは迎撃を続けろと言っておいてくれ!」
「『アレ』だな?いいだろう!すぐに送る!」
「それとだ……ちっ!この怪物は通話させる時間も与えてくれねぇみたいだ!とにかく頼んだ!」

 通話を切り、怪物との戦闘に挑む。
 その後、スネークは一通りの状況を話した。

「まず、月夜たちは無事だ!そして―――――にとりに伝えろ!調整していた『あのロボット』を神の湖まで運んでくれと!」

16人目

「遥か遠くの地平線から」

 廃棄孔の怪物が結界を突き破って地上に出現したことにより、
入口であった神の湖は見る影もなく瓦礫の山と化している。
その隙間から飛び出す何人かの人影……

「た、助かったぜ、悟空ーーーーーッ!!」

 ウーロンが、孫悟空に抱えられて脱出してきた。偽・復讐界域にて
ハッチヒャックを撃破した悟空達は、最深部まで進んでいたウーロン達と合流……
廃棄孔の怪物の出現によって崩れ行く神の湖から脱出したのだ。

「ふっ、つくづく悪運の強い奴め」
「はっ、今に始まったことじゃねぇし」
「違いない」

 ピッコロとウーロンが軽く言葉を交わす。その腕に抱えられているのは
ペルフェクタリアだ。

「すまない。あなたにはまた助けられた……」
「よく頑張ったな。日向月美と一緒だったと思っていたが……」

「日向月美は人里の防衛に回ってくれている。私には慢心があった。
よもや、トラオムで倒したと思っていたメサイア教団の男が化けて出てくるとは
思わなかった」
「やはり、こいつもメサイア教団の仕業だったか。これだけの悪霊がそこかしこに
湧いて出てきているんだ。奴らの怨念が現れたとて不思議は無かろう」

「ベジータは?」
「おそらく、天宮兄妹達の方に向かったのだろう。奴なら心配あるまい。
とにかく、CROSS HEROESの連中と合流するぞ!
あのデカブツを倒すには奴らの手も借りねばならんだろうからな……」
「おう!!」

 舞空術を最大出力で展開して空を飛ぶ悟空とピッコロ。
偽・復讐界域でのダメージは癒えていないが、その飛行能力はどうにか保てている。

「んっ?!」

 廃棄孔の怪物が、地響きを立てて悟空たちを追う。
山の如き巨体ゆえに動きこそ鈍重であるが、一歩歩くごとに地震が起こる。
その振動は妖怪の山にも伝わっていた。

「追ってきやがる!!」
「キキェェェェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

 廃棄孔の怪物の身体から、悪霊達が湧き出てくる。
本体の鈍重さをカバーするように、物量とすばしっこさを前面に押し出して
追跡してくるのだ。

「ピッコロ! ウーロン頼む!!」

 悟空は咄嗟に空中でウーロンをピッコロに投げ渡した。

「おわぁっ!? お、お前ぇ!! 急に人を放り投げんな!! 
上空何メートルだと思ってんだァ!?」
「孫! どうする気だ!?」

「オラ、ここであいつらを食い止める!! おめぇらはCROSS HEROESン所に
行ってくれ!!」

 旋回し、向かってくる悪霊たちの方に向き直る。そして気を溜めた。

「波ああああああああああああああああぁぁぁっ!!」

 エネルギー波を連続で放ち、群がる悪霊共を吹き飛ばしていく。

「頼んだぞ、ピッコロ!!」
「チッ、格好つけやがって……待っていやがれ、すぐに増援を連れてきてやる!!」

 ピッコロはウーロンとペルフェクタリアを抱え、
舞空術の出力を上げて一直線にCROSS HEROESの元へと向かった。

旋回し、向かってくる悪霊たちの方に向き直る。そして気を溜めた。

「だだだだだだだだだだだだだだだだだだっ!!」

 エネルギー波を連続で放ち、群がる悪霊共を吹き飛ばしていく。

「ようし、何とか踏ん張って時間稼ぎしなくっちゃあな……」

 ハッチヒャックとの激闘で、悟空の体に蓄積されたダメージは相当なものだ。
だが、彼はまだ諦めることを知らない。

「やるっきゃねぇ……!!」

 自らの身を傷つけてでも、今の悟空を突き動かすのは仲間を助けるという使命感だ。
その信念に呼応するかの如く、彼の身体から気が湧き上がってくる……


「グキキェェェーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」


 そんな悟空の決意を嘲笑うかのように、再び大量の悪霊が押し寄せてくる。

「へへ、おいおい……ちっとは手加減しろよなァ……!!
ちっきしょうめえええええええええええええええええええッ!!」

 半ばヤケクソ気味になりながら、悟空は気を全開にして悪霊の群れに突撃していった。

「――鬼棒術・烈火弾ッ!! はあああああああああああああああああッ!!」
「うおっ!?」

 悟空と悪霊の狭間を遮るかのように、爛々と燃える炎弾が飛んでくる。

「ギャギャアアアアアアアアアアアアアアアアッ……」

 悪霊たちが次々と灰となってゆく。

「誰だ……!?」

 高台に立つ人影が悟空の目に入った。二振りの音撃棒を両手に構えた、鬼。
仮面ライダー響鬼だ!

「おうおう、デカい魔化魍もそれなりに相手してきたが、
こいつは今までとは桁が違うなぁ……!」

 見晴らすように額に指を当てて、響鬼は廃棄孔の怪物を見上げる

「オオオオオオオオオオオ……!!」

「俺も手を貸すよ。この幻想郷って場所、割と住み心地が良くて気に入ってるもんでね。
悪霊共にこれ以上荒らさせるわけにはいかないのさ」
「そっかぁ。サンキュー! おめえもここで暮らしてんか!」
「まあね」

「オラ、孫悟空。おめぇ、名前は?」
「ヒビキだ。ヒビキでいい」

 響鬼は音撃棒・烈火を構え、悟空が右手を突き出して構える。
二人の気が高まっていく……!

「「ハアァッ!!」」

 同時に放った気弾が悪霊達の群れへと貫通する。

「ギャガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ……」

「さあて、一丁やってみっかァ!!」
「見渡す限りの黒、黒、黒。ところにより真っ赤な光。どうにも辛気臭い状況だが、
止まない雨はない。俺は晴男だしなぁ!」

17人目

「幻想郷事変 七の一:最終局面」

悪霊との戦争は、CROSS HEROESと廃棄孔の怪物が出現した事を皮切りに一変した。
アビダインから現れたCROSS HEROESの精鋭と、廃棄孔の怪物が引き連れた悪霊の群れの激突。
激戦という言葉すら生温い、死力を尽くした争い。
戦いは佳境を超え、総力戦へと移行していた。

「成程、これが噂の悪霊って奴か。スネーク達が圧されるのも納得だね。」

そんな戦況を見下ろしているアビィは、肩を竦め溜息を一つ零す。
ダイヤモンド・ドッグズが苦境に陥ったとは通信越しに聞いていたが、あの歴戦の猛者たちが押し退けられるとは、アビィとしてはあまり信じられなかった。
いや、信じたくなかったと言うべきだろうか。
だが、いずれにせよこうして目にした以上はその事実を飲み込む他無い。
確かな現実を前にして駄々をこねる程、アビィは子どもでは無いのだ。

「これはちょっと、僕も顔出ししないとね」
『マスター、お出かけですか?』
「あぁ。うちのお得意先が世話になったんだ、ちょっとお礼参りにね。」

同時に、仲間を手に掛けられて内心穏やかでいられる程、人が出来てもいないが。

『では、私もお供致します。』
「そりゃ頼もしい。エスコートを頼むよ、J.A.S.T.I.S(ジャステーズ)。」

言葉とは裏腹に淡々とした口調で語るアビィ。
J.A.S.T.I.S(ジャステーズ)を頭に伴い、ブリッジを後にした。



「弾が無くなる!?た、助けてくれぇ!」

激戦区と化した人里では、武装した一般市民の悲鳴が飛び交っていた。
彼等の持つDD製の銃は、悪霊の固い骨格を削ぎ赤核を穿てる代物だ。
そんな銃火器も、弾が無ければただの棒切れでしかない。
弾薬の制限を超えて押し寄せる悪霊の群れを前に成す術無く、断末魔を上げる事しか出来ない。
そしてここにもまた一人、弾薬の尽きた市民が一人。

_▬▬▬▬▬--ッ!!
「ひぃぃ!?」

無力な市民の命運は、風前の灯火か。

「失礼。」

不意に聞こえた声、頭上から差す影。
次の瞬間、蒼白い業火が悪霊に舞い降りる。

_▬▬▬▬▬!?

瞬く間に全身が燃え上がる悪霊。
全身の忌油が蒸発し、か細い骨身が剥き出しになる。
その骨身すらも、炎は焼き焦がしていき…

_▬▬!!!
「お静かに。」

一閃。
突如として現れた少年…アビィの回し蹴りによって、赤核は骨諸共砕かれた。

「た、助かった…ぁ、あんたは…?」
「アビィだ。」

端的に名乗るアビィ、その声色は冷淡だ。

「(声が渋い…)あ、アビィさん、助かっただ!」
「どうも。」

深々と頭を下げる住民に、アビィはぶっきらぼうに応える。
別に名乗る気は無かったが、一々説明するのも面倒臭いのでそう答えた。
そして視線はさっさと別の物へ向けられる。
新たな悪霊だ。

「まだまだおかわりがあるね…弾切れなら、ベースキャンプに行きたまえ。その為の道は切り開くよ。」
「あ、あぁ!」

言うが否や、アビィの身体から再び燃え上がる業火。
悪霊の群れはまたしても骨身を焼き尽くされ、抗う事も出来ぬまま崩れていく。

「にしても、燃えちまってるだ…」

ところで忌油は呪いの塊であり、科学上の可燃物では無い。
油と名が付くが、油では無いのだ。
にも拘らず、まるでガソリンめいて燃焼したのは如何な作用か?

「魂の悪意面で模られた存在…好都合だね。」

市民の疑問を余所に、燃え盛り這いずる悪霊をアビィは踏みつける。
生半可な攻撃では傷一つ付かない骨身を、容易く焼き尽くす業火。
これ即ち、浄化の焔。
メメントスやパレスという罪悪で構成された環境で身に付いた、感情を燃やす炎だ。
それを操るアビィに、悪霊が敵う道理は無かった。

『軌道演算、完了。』
「さぁ、とっとと片付けようか。」

アビィの網膜に映し出される、悪霊との接敵ルート。
それを確認すると、瞬き一つしてからアビィは駆け出した。

『右、左、次を上。』
「あいよ!」

息を付かせる間もなく、次々と殴り砕かれ、蹴り砕かれ、穿たれる悪霊。
映し出されたルートをなぞる毎に、効率的な『駆除』が成されていく。
それだけでは無い。

『変換法則確率、エネルギー吸収効率80%です。』
「よし、フルスロットルだ。」

悪霊を倒す度に何かを取り込む様な光景が見えたかと思うと、次の瞬間には一秒前よりも加速を果たしている。
そう、何を隠そう倒した悪霊からエネルギーを吸収しているのだ。
それを糧に、更にアビィは加速…悪霊に覆われた空は蒼い豪華に包まれ、無数の悪霊が一瞬にして塵芥へと帰っていく。
その焔の輝きは、遠い地からでも見える程であった。
だが。

「_ここらで頭打ち、かな?」
『申し訳ございません。悪意の除去効率、限界に到達しました。』

脅威の快進撃に、陰りが見える。

『現在の演算能力による悪意の除去効率では、秒間5000体前後が限界です。』
「みたいだね、分かった。」

吸収する度にアビィの身体を蝕もうとする悪意。
その除去に、演算が追いつかなくなってきているのだ。
エネルギー収支はプラス、にも拘らず秒間5000体が限界だった。



_そも、何故悪意という物を演算で処理出来ているか?血清も無しに?
その答えは、仮想生命であるアビィの魂を犯そうと、悪意がデータへと変化しているのだ。
故にアビィの身体でのみ、悪意の演算処理という芸当が出来る。
そうして悪霊の魂をろ過する形で吸収し、自らを強化しつつここまで戦ってきた訳だ。



「悪霊の親玉は…向こうに任せるしかないね。」

アビィは新たに迫る悪霊を、淡々と焼きながら呟く。
そこに焦燥や憤怒は無く、まるで今日の夕食の献立を考える様な気軽さだ。
その視線の先には、悠然と闊歩する廃棄孔の怪物の姿。
人里上空で悪霊を蹴散らし続ける彼の奮闘が報われるのは、あの怪物が朽ちる時。

18人目

「されど火は消えることなく」

 そのころ、神の湖

「AAaaaaaAAAAAAHHHHHHH――――!!」

 廃棄孔の怪物の咆哮が響く。
 ゆっくりと、万力が如き力を込めながら握りしめた拳を叩き落す。
 その目標は、この世全ての生命へと向く。
 その一撃は、この世全てへの宣戦布告か。

「こっちだ化け物!」
「切り裂く!!」

 振り下ろされようとした右拳を、ナポレオンの砲撃とディルムッドの剣閃が妨害する。
 しかし、その一撃は全くもって聞いてすらいない。
 常人やその辺の獣であれば、致命的な一撃になりえる英霊の攻撃。
 それすらが全くもって効いていない。きっとこの怪物にとって、この程度の攻撃は蚊に刺されたようなものなのだろう。

「効いてないのか……!?」
「防御力も……うっ!」

 突如膝をつくディルムッド。
 先の攻撃、ディルムッドは右手を剣で攻撃した。当然その右腕には悪意に塗れし油が滴り落ちている。それも、悪霊とは比べ物にならないほどの量と濃度を持って。
 であれば無理もない。
 高い対魔力スキルを持つディルムッドがそれを凌駕する悪意にさらされ、呪いで膝をつかせるのも。

「……あぁ、あが……なんて呪いだ……俺に膝をつかせるとは!!」
「無理をするな!」

 ナポレオンが駆け寄ろうとした、その時であった。

「―――――!」

 声にならぬ咆哮。
 先の攻撃、本来妖怪の山に叩きつけようとした一撃を2人の英霊に振り下ろさんとする。
 喰らえば英霊とて即死。
 まるで人間が、五月蠅い蚊でも潰さんとするかのような一撃。

「潰される……!?」
「させるか――――!!」

 ナポレオンは咄嗟に構える。
 真名解放とまでは行かずとも、それでも強烈な一撃を撃って砲撃の照準をずらそうと、一発の光芒を放った。
 輝きを纏いながら放たれる、魔力の砲流は怪物の右手を破砕するとまでは行かずとも振り下ろされた一撃の照準をずらし――――。

「―――――GGaaaa……!」

 右腕の、巨大な赤核の露出に成功させた。

「ディルムッド……あれは……!」
「赤核……やるしかない……!俺の宝具とお前が持っているソロモンの指輪、その魔力による強化(ブースト)があれば、あの赤核を一撃で破砕できようが……。」
「だ、だが……!!」
「ああ、それでも相当の魔力は食うだろう。あの油の影響もある程度は受けようが、もう時間がない、どうか任せてくれ。」
「……分かった、だが途中で消滅だなんてオチは勘弁してくれよ!」

「分かってる。必ずあの赤核を―――貫く!行くぞ!!」

 ナポレオンから一つ託された、ソロモンの指輪。
 一点、ただ一点。目標はあの右腕。
 忌々しく輝くあの赤い核を貫徹破砕する為に今———勇者は跳んだ。

「生死を分かつ境界線―――見定めよ!『憤怒の波濤(モラ・ルタ)』!!」

 赤と黄色の光が飛ぶ。
 まっすぐに、ただまっすぐに。怪物も咄嗟に開いた拳を握ろうとするももう遅い。
 光は正しく、忌油が完全に手の赤核を覆いきる前に――――貫き、破砕した。

『AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!』
「やったか!ディルムッド!」
「まずは一つ!」



 崩れゆく廃棄孔から出現した、3人の影。

「貴様ら掴まれ!堕ちても知らんぞ!」
「あ、ありがとう!」
「助かった!」

 救助に来たベジータの手につかまり、廃棄孔から脱出する。
 何とか神の湖の地に降りたったが、改めて目の前の現実に圧倒される。

「……改めてみると、相当にでかいな。」
「言ってる場合か。倒すしかないだろう。」
『最大の試練、とはこういうことか。行けるか?彩香。』
「行ける……って言うしかないでしょ。無理してでも……。」

 黒い巨大な怪物。
 幻想郷を我が物顔で闊歩する、悍ましくも美しき威容。
 もしこれが神であれば、誰も彼もがこれを崇め畏れたであろう。
 しかしこの怪物は人類に牙をむき人理に仇為す、真性の怪物。信仰の対象にも畏怖の対象にもなりえない。そんなことは分かっているのに。

(でもなんだろう、この心臓のもやもやは……怪物のせいではない。というか、不安というよりも……。)

 ―――彩香の不安は怪物のせいではない。
 それは『何かを忘れてしまっている』という懸念。そして。

「どうした、彩香?」
「……来る。」
「来るって……あれは!」

「見つけたぞ……貴様らだけは、この焔坂が焼き尽くす!!」

 瓦礫まみれの神の湖に逆巻く、烈炎。
 廃棄孔の穴を突き破り、炎逆巻く槍を携えて鬼が舞い戻ってしまった。
 灼熱霊の怨焔と雷撃に焼かれ、遂に死んだかと思われたが――――。

「やはり生きてたか、焔坂百姫……!」
「童があの程度で死ぬとでも思うたか?クレイヴの執念とあの電流には驚かされたが、焔の扱いならばこちらの方が上よ。」

 得意げに、焔坂は3人に槍を向ける。
 そんな中、彩香は一人歩み寄り焔坂の前に立った。

「……彩香?」
「2人とも、先行ってて。焔坂はボクがやる。」

19人目

「破滅の光」

 ウーロンとペルフェクタリアを抱えたピッコロが、CROSS HEROES本隊と合流した。

「ピッコロさん、ペルちゃん、ウーロンさん、よくご無事で……」

 月美が駆け寄ろうとすると、ピッコロが手を広げて制止する。

「挨拶は良い。それより、奴だ……」

 突如出現した廃棄孔の怪物。かなりの距離があるはずだが、
その巨体は幻想郷の何処からでも確認できる。
今こうしている間にも足止め役を買って出た悟空、助っ人である響鬼、
逸れサーヴァントのナポレオンやディルムッドらが怪物と戦っている。

「孫があの化け物と戦っている。それに、あのデカブツは体から悪霊を
撒き散らし続けている。奴を仕留めねば、幻想郷が滅びるぞ」
「急ごう……!」

 CROSS HEROESの面々も動き出す。

「BRURURUAAAAAAAAAAAAAAAAAッ!!」

 怪物が吠える。その咆哮は、幻想郷にいる全てのものに届き、影響を与える。
その怒りの矛先は、目の前に映る全ての生命を根絶やしにせんが為。

「くっ……! 馬鹿でけえ叫び声だなぁ!」
「デカいだけじゃない、力が桁違いだ」

 響鬼は群がる悪霊の攻撃をいなしながら、怪物の破壊力を測る。

「GYAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAッ!!」

 左腕と背中から映える第三の腕を振り乱し、大地を蹂躙していく。

「危ないッ!!」

 その一撃は、響鬼の体を掠めた。直撃こそしなかったものの、
衝撃波と飛び散る瓦礫が響鬼を襲う。

「ちいっ!」

 さらにナポレオンやディルムッドにも悪霊が殺到し、彼らの行く手を阻む。
一行は悪霊の猛攻を避けつつ怪物へと近づいていく。
しかしそれでもなお悪霊の数は減らず、それどころか
どんどん数を増していっている様に感じる。
いや違う、減っているにはいるのだが、それ以上の速さで補充が行われているのである!

「おめえら!!」

 唯一舞空術で空を飛べる悟空であったが、
それが陸上戦を主とする響鬼たちとの分散を招いてしまったのだ。

「ちっきしょう……!!」
「GURURURUAAAAAAA……!!」

 眼の前に迫るは、本体である廃棄孔の怪物。

「ッ……!! 奴から凄まじいエネルギーを感知……! 何かするつもりだ!」
「何だ……!?」

 怪物の体内に内蔵される残り4つの赤核が共鳴し合って
膨大な熱によって生成される莫大な炎を魔力として蓄積させていく。

「ヤバそうだな、一旦退いた方が……」
「駄目だ……間に合うかどうか……!」
「ちいッ!!」

 響鬼は音撃棒を振るい、眼前の悪霊を撃退する。しかしそれでも減る気配は全くない。
ディルムッドの剣、ナポレオンの大砲、そして響鬼の棒術を以てしても、
眼前の怪物に辿り着く事が出来ない。

「GYAA……GAAAAAッ!!」 

 怪物の咆哮と、エネルギーが充填されていく音。
それを聴いた響鬼たちは焦る。

「ダメだ、間に合わんッ!! 回避ッ……」
「ERRAAAAAAAAAAAAッ……!!」

 そしてついに、4つの赤核から一斉に放出された熱線が無軌道に様々なものを
破壊していく。

「ッ……!! うおおおおおおおおっ!!」

 何もかもが爆発と土煙の渦に巻き込まれ、視界が全く効かない。
響鬼はその中を必死にかき分けながら、どうにか怪物と距離を取ろうとしていた。

(まずった……皆は!?)

「――ヒュウ、危ない、危ない。まさかこんな離れた場所まで攻撃が届くとは。
僕の超一流三つ星操舵テクが無かったら直撃だったねぇ。
アビダインのお肌が火傷でもしちゃったら何としますか」

 怪物の熱線は現場に向かっている途中だったアビダインにまで届いていた。
怪物の死角である高高度を飛行していた為熱線にも焼かれず、
アビィの緊急回避によって事なきを得たらしい。

「おいおい、どうするよジョーカー。これじゃ近付けねえぜ?」

 スカルが問う。

「今の攻撃は怪物の赤核が同時に放出した熱線みたいだねー。
場所から言って身体の各部の4箇所。
本来なら右腕からも出しそうなものだったけど、破壊されてたおかげで
それが出来なかったっぽい」

 ナビ――佐倉双葉――がペルソナ「ネクロノミコン」の情報収集で得られた情報を
もとに分析する。

「さあ、どうする? 怪物の赤核、残り4個だぜ」
「そうだねー、正直これだけの火力を誇る攻撃をあの距離で撃ってくるとなると厄介だ。
同一規模の連射は出来るのか、そしてそれが可能だった場合、僕らも危ない」
「何とかして近づかなきゃいけねえわけだが……」
「うーん、どうしたものかねー?」

 CROSS HEROESは全員無事なようだが、怪物がこのまま火力をもっと上げれば
非常にマズいことになることは目に見えている。
そもそもまともにダメージを与えられていない現状からすれば、回避を繰り返す他無い。

「離れれば熱線、近づけば悪霊共に袋叩き。さて、どうしたもんか」
「このままではいずれはジリ貧になる。何か打開策を考えなければ……」

 その頃、爆心地近くにいた悟空たちは……

「悟空は……どうなった……!?」

 何とか難を逃れた響鬼は、爆心地にて立ちこめる煙を見つめる。

「……ひとまずは無事の様だな。だが、こいつは……」

 ナポレオンが周囲を見渡すと、まるで核戦争でも起こったかのように
荒れ果てた幻想郷の姿があった。

「……まだ奴の力の底は見えないな……」
「あ……!!」

 悟空もまた、無事だった。熱線が届く瞬間、響鬼達の気を辿って瞬間移動していたのだ。

「あっぶねぇ、あっぶねぇ、とんでもねぇことになったな」
「悟空! 生きてたか!!」
「ああ、何とかな。それにしても……」

 悟空は周囲を見渡す。最早原型をとどめているものが無い程荒れ果てた幻想郷の姿。
湖は完全に干上がり、森はその殆どが消し炭と化している。
生物の気配もない、まさに『地獄』の様な有様であった。

「……ひでえ事しやがる……」

 キッ、と怪物を睨みつける悟空。

「GURURURU……」
「あいつをこのままにしとくわけにゃいかねえ。ここで仕留めるぞ」
「ああ、そうだな。だがどうする?」
「……オラのすべてをこの拳に懸ける……!!」

 悟空が構えを取り、その体に金色のオーラが漲っていく。

「皆、ちょっと離れててくれ!」
「な……何をする気だ!?」

 全員が警戒しつつ距離を取ると、悟空はその場から姿を消した。
そして次に現れたのは。怪物の遥か上空だった。
悟空は全身を稲妻を孕んだエネルギーを纏い、超サイヤ人3へと変身したのだ。

「おめえだけは許せねえ……!!」
「クキキケェーーーーーーーーーーッ!!」

 悪霊達が一斉に向かってくる。見ると、ディルムッドとナポレオンに赤核を破壊された
右腕を、悪霊達を集中させて復元させようとしている。
かの冥鎧士が使った手段を同様の手口だ。

「チッ……!!」

 悟空が身構えると、側面から大量のエネルギー弾が投げ込まれ、
悪霊達を次々に撃墜していく。

「ベジータ!!」
「カカロットを倒すのはこの俺だ。貴様らのような連中に横取りさせるか!」

20人目

「NEXUS」

『ぜぇ……ぜぇ……』
廃棄孔の怪物が地上に出現し暴れる中、二人のウルトラマンとGUTSセレクトは月美を他のメンバーとの合流に向かわせ、自分達は無限に現れる壊轟の絶魔獣と戦い続けていた。
「ギャオオオン!!」
「こいつら、まだ湧いてくるか…!」
『流石にこっちも限界が近いですよ……』
既に戦闘開始からかなりの時間が経っており、何体もの壊轟の絶魔獣と戦い続けてたのもあり、二人のウルトラマンのカラータイマーは赤く点滅しておりもはやいつエネルギー切れによる変身解除が起こってもおかしくはなかった、一方壊轟の絶魔獣の方は一体生み出すために万単位の悪霊が合体する必要はあるものの、その悪霊が現在進行形でもの凄い勢いで増殖しているため、いくら倒しても無限に増えるのである。
『ケンゴ!一旦変身解除してナースデッセイ号に戻れ!』
『ハルキさんも早く!』
二人を心配して一度変身解除して戻ることを勧めるGUTSセレクトの面々
『いや、まだいける…!』
しかしケンゴもハルキも限界が近い状態でありながらまだまだ戦うとした。
(ここで引いたら、皆が危ない…!)
そう、ケンゴ達の後ろにはスネーク達が必死で守ってる人里があり、今ここで彼らが引いてしまえば壊轟の絶魔獣の軍団は間違いなくナースデッセイ号やガッツファルコンの攻撃をも退け人里になだれ込む。
そうなってしまえば人里は確実に壊滅してしまうだろう。
それだけじゃない、人里が壊滅すれば悪霊共は間違いなく地上に出現した廃棄孔の怪物と戦ってる者たちのところへ向かうだろう。
そうなれば最後、数百万もの悪霊、数十体の壊轟の絶魔獣、そして廃棄孔の怪物、その全てを同時に相手しないといけなくなる。
いくら歴戦の戦士達が多く集まってるとはいえ、こうなってしまえば敗北は確実、幻想郷は滅んでしまうだろう。
つまりは今ここで彼ら引いてしまえばこの幻想郷に未来はもうないのだ。
『無茶だ!このままだと死ぬぞ!』
『それでもまだ諦めるわけにはいかない…!そうですよねZさん!』
「あぁ!もちろんでございますよハルキ!例えこの命尽きようとも、絶対に負けるわけにはいかないであります!」
『どんなに強大な存在が相手でも、僕たちは必ずこの世界の人達の未来を…笑顔を守ってみせる!』
命の危機が迫る中でも、彼らは決して引かず、そして諦めなかった。
彼らだけではない、DDも、心の怪盗団も、正義超人達も、Z戦士達も、シャルル遊撃隊も、アビィも、月美も、ペルも、幻想郷の人達も、妖怪達も、妖精や神々も、そして天宮兄妹も、皆誰一人として諦めずに必死に戦っていた。
そんな彼らの諦めない心が博麗大結界も並行宇宙の壁も超えて伝わったのか…



奇跡が起きた
「っ!?」
『っ!あれは……光…!?』
突如として幻想郷の上空に光が出現し、ゆっくりと地上へ舞い降りる。
その光は徐々に人型へと変形していく。
そして…
『あれは……ウルトラマン…!?』
光は銀色の巨人の姿に…ウルトラマンと思わしき姿になった。
『っ!Zさん!あれってもしかして…』
「あぁ、間違いない!かつてゼロ師匠にウルティメイトイージスを授けた伝説の超人ノアが並行宇宙の人類と共に戦った時の姿、受け継がれし絆の戦士…ウルトラマンネクサス…!」
「……」

21人目

「愛を護る強さを/龍拳爆発!! 悟空がやらねば誰がやる」

「でぇあらららららららららららッ……!!」

 怒涛の連続エネルギー弾を撃ち放ち、眼前の悪霊たちを一掃していくベジータ。

「はぁっ、はぁっ、くそったれが……目眩がしてきやがるぜ……」

 これまでの激闘のダメージが確実にベジータの体を蝕んでいる。

(……ベジータも相当無茶してるみてえだな。早くケリをつけねえと……!!)

「俺たちも行くぞ!!」
「おう!!」

 地上の響鬼、ナポレオン、ディルムッドらも攻撃に加わる。

「とっておきを出すか……! 響鬼、装甲――」

 響鬼が天にかざした装甲声刃から炎の帯が伸び、響鬼の体を包み込む。
そしてその炎を振り払い、新たな姿となった響鬼が現れる。

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアッ……」

 群がる悪霊たちは浄罪の炎によって焼き払われ、灰となって消えていく。

「オーララ……東洋の神秘って奴かい。まだ奥の手を隠していたようだな」
「ああ、切り札は取っておくもんだからな! これぞ……装甲響鬼!!」

 仮面ライダー響鬼、その極みなる姿。それこそが『装甲響鬼』である。
紅蓮の炎を思わせる真紅の装甲は、過酷なる戦いを生き抜いてきた証。

「破ああああああああああああああああああああああああああああッ!!」

 覇気を伴う響鬼の声を増幅し、周囲に取り巻く悪霊を一瞬にして消滅させる。

「音撃刃、鬼神覚声――」

 装甲響鬼がアームドセイバーを両手で構え、全身から闘気の火柱を燃えたたせる。

「GIOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOッ!!」

 本能で危機を察知した廃棄孔の怪物が、悪霊を吸収して復元途中だった右腕を
響鬼に向かって伸ばす。

「――はあああああああああああああああああああああああああああああッ!!」

 瞬間、アームドセイバーから発した炎の刃が天高く伸びていく。
そして廃棄孔の怪物の腕は、瞬く間に炎に包まれた。

「GIッ……GYAAッ!!」

 燃え盛る腕を見て狼狽する怪物。それはただの火ではない。
悪霊を束ねて構成された右腕は、清めの炎に焼かれ、消滅していく。
もう二度と、修復される事は無くなるだろう。

「たああああっ!!」

 そして怪物の頭上には、大きく跳躍した装甲響鬼の姿があった。
空中でアームドセイバーを大きく振りかぶる。すると、剣身に纏う炎がより一層強く
燃え盛る!

「破ああああああああああああああああああああああああああああッ!!」

 落下の勢いも乗せた炎熱の剣撃が、怪物の右腕の根元に叩き込まれた!

「GIAAAAAッ!!」

 断末魔を上げる廃棄孔の怪物。右腕を完全に焼き切られた怪物は、
その自重を維持できなくなったのか、ぐらりと体勢を崩す。

「やったか!?」
「いや、待て!」

「GYAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAッ……!!」

 なんと、怪物の背中から第3の腕が生え、自由落下している最中の装甲響鬼に
向かって飛んでくる!

(まずい!!)
「させっかあああああああああああああああッ!!」

 悟空が装甲響鬼の前に立ちはだかり、怪物の拳を正面から受け止めた。

「うおおおおおおッ……!!」

 しかし、拳の勢いは殺せても、悟空の身体はそのまま押し戻され、
近くの岩場に叩き付けられてしまった。

「ぐはぁッ!」
「悟空さん!!」
「マズいな……今のはかなり効いているはずだ」

 超サイヤ人3の気を全身に纏っていようとも、並大抵の生物ならば
この時点で絶命している。それほどまでに重い一撃であったのだ。

(かぁー、強烈だぜ……!)
「無茶しやがって……!!」

「無事だな、響鬼……!!」
「ああ、おかげでな……!」

「あの腕にも、赤核がある……! それをぶっ壊してやりゃ、
あいつはパワーダウンするはずだ」
「ようし……! 奴への道は俺たちが切り開く! 一気に畳み掛けるぜ!!」
「了解!」

「よし、俺も続くぞ!!」

 響鬼や悟空の攻勢に負けじと、ナポレオンも自らの大砲を怪物に向ける。

「喰らいなあッ!!」

 ナポレオンが放った虹色の光芒は一直線に怪物へと延びていき、
着弾点に光を放つ爆発を起こす。

「フィオナ騎士団の誇りにかけて……いざ!!」

 ジグザグに稲妻の如き軌道を描き、ディルムッドが悪霊たちを斬り裂いていく。

「フッ、止まって見えるな……このディルムッドの剣閃、貴様らに見切れるか!?」

「あの怪物がもう一度攻撃してくる……その時が勝負!!」
「むんッ! はあッ!! でぇやあああああああああああああああああああああッ!!」

 三日月型の巨大な刃を連続して発射する装甲響鬼。

「今だ! でええやあああッ!!」
「やああああっ!!」

 悟空と響鬼は同時に飛び上がり、一気に怪物に肉迫する。

「はあああああああッ!!!」
「でぇやあああああああッ!!!!」

 2人の強烈な同時攻撃が、怪物を大きく揺るがせる。

(……!! GAAAAA……)

(怯んだぞ!)
(とどめだ!!)

 ベジータ、ナポレオン、ディルムッド、装甲響鬼……仲間たちに後押しされ、
悟空が単身怪物の眼前に躍り出る。

「俺がやらなきゃ……!!」
「GYAOOOOOッ!!」

 怪物は忌油の雨を悟空の頭上に降らせ、その肉体を蝕まんとする。

「ぐぅおあああああああッ……お、俺がやらなきゃあああああああああああッ……!!」

 常人であれば即座に肉体が腐り落ちるほどの呪いの雨。だが悟空は止まらない。

「GURURURURURUAAAAAAAAAAAAAッ!!」

 忌油の雨に悶絶している悟空を左手で鷲掴みにしようとする怪物。その瞬間。

「――誰がやるッッッ!!」

 悟空の気迫が忌油を跳ね除け、残像を伴う超高速移動で怪物の攻撃を回避し、
渾身の拳を突き出した。

「龍拳だあああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」

 練り上げた気を右拳に集中させ、巨大な龍を象る。
その龍の顎が怪物の左手を撃ち貫き、その奥底に埋め込まれた
赤核を砕き割った。

「GYAOOOOOッ!!」

 断末魔の叫びと共に、怪物は両腕を失った。

(や、やったか……?)

 忌油の雨に曝され、残るすべてのエネルギーを龍拳に注ぎ込んだ悟空。
超サイヤ人3の変身も強制解除され、地上に向かって落下していく。

「悟空!!」
「まずいぜ、落ちる!」

 地上で見守る仲間たちの悲痛な叫びが聞こえる。
だが、その刹那、落下していく悟空の体を受け止める者がいた。

(ん?)
「ふん、勘違いするんじゃないぞ。言ったはずだ、貴様を倒すのはこの俺だとな……」

 ベジータであった。全身は傷だらけでボロボロになっていたが、
自らの気を振り絞って悟空の身体を受け止めたのだ。

「へへっ、サンキューな……」
「これで残る赤核は3つか……」

22人目

「第3のマジンガー!?」

壊轟の絶魔獣の軍団と戦っていたトリガーとZ、GUTSセレクトの前に現れた銀色の光の巨人、それはウルトラマンネクサスであった。
『新しい……ウルトラマン……!?』
『けど、なんで急に…?』
「……ゼロ師匠から聞いたことがあります、ネクサス…もといノアは絆と諦めない心を大事にしていて、かつてゼロ師匠がウルティメイトフォースゼロの皆さんやアナザースペースの人達と共にベリアルが率いる銀河帝国と戦ってた時、例え絶体絶命になっても諦めなかったゼロ師匠達の前にノアが現れてウルティメイトイージスを授けてくれたと。
きっと、俺達や幻想郷の各地で戦っている他の皆さんの諦めない心がノア…ネクサスをこの幻想郷に呼び寄せたんでありますよ…!」
『僕たちの…諦めない心が…!』
「シェアッ!」
ネクサスはアンファンスと呼ばれる形態から身体の一部が赤くなったジュネッスへと姿を変えると、両腕を下方で交差させその後ゆっくりと広げると…
「デュワッ!」
両腕をL字に組み、必殺光線の『オーバーレイ・シュトローム』を放ち、無数の壊轟の絶魔獣の軍団を内側から中の核ごと分子分解させ撃破する。
『す…すげえ…!』
『あれだけいた悪霊怪獣が一撃で…!』
「……シャッ!」
壊轟の絶魔獣軍団を撃破したあと、ネクサスはエネルギーが尽きかけてたトリガーとZにエネルギーを与え回復させる。
『っ!エネルギーが…戻った…!』
「……」
『ありがとうございます!おかげで助かりました!』
ケンゴ達が彼にお礼を言ってると
「GIOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOッ!!」
「っ!?」
神の湖から幻想郷中に大きな叫び声が……廃棄孔の怪物の叫び声が響きわたった。
「……デュワッ!」
それを聞いたネクサスはすぐさま神の湖へ向けて飛びたった、恐らくは廃棄孔の怪物を倒しに向かったのだろう。
『あっ、ちょっと!』
『どうします隊長?』
『……悪霊怪獣は全て駆除することに成功した、また新しく出てくる様子もない、この戦いを少しでも早く終わらせるためにも、我々は彼と共に廃棄孔の怪物との戦いに合流するぞ』
『ラジャー!!』
こうしてトリガーとZ、そしてGUTSセレクトも廃棄孔の怪物を倒しに神の湖へと向かった。




一方その頃
「わっせ!わっせ!」
神の湖、廃棄孔の怪物が出現し、CROSS HEROESを始め多くの戦士が激闘を繰り広げているこの場所に、河城にとりは仲間の河童達と共にあるものを運んでいた。
「よし、ここまで運べば大丈夫だろ。早速起動準備するぞ!」
「「「了解!」」」
にとりの指示のもと作業を始める河童達、
「……しかし、本当に動くんですか?確かこれ元々は泉に沈んでた…」
「何を言ってるんだ、私達河童と外の世界技術者達が共同で作ったんだぞ?動くに決まってるでしょ」
「けど動いたところであの化け物に勝てるんですか?なんかどう見てもヤバそうですけど」
「なに、こいつにはスネークに教えてもらった外の世界のスーパーロボットの武装を可能な限り再現して搭載したからな、どの武装もかなりの火力があるから確実にダメージを与えられるはずだ」
そんなこんな話をしていると
「にとり先輩!起動準備整いました!」
「よし、早速発進するぞ!」
「「「了解!!」」」
(頼むぞ、幻想郷初のスーパーロボットにして私達の希望…ヒソウテンソク!)



一方その頃、
「GIOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOッ!!」
CROSS HEROESは廃棄孔の怪物の核を2つ破壊することに成功、しかし核はまだ3つ残っており、ここまでにCROSS HEROESも幻想郷の者たちもかなりのダメージを受けているため、今だにいつ負けてもおかしくはない状況であった。
「チッ……」
「まずいぞ……皆さっきからずっと戦いぱなしで疲弊しきっている……この状態が続けば負けるぞ…!」
「GIOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOッ!!」
廃棄孔の怪物が残ってる第三の腕でCROSS HEROESを攻撃しようとしたその時
「っ!?」
突如として、どこからか巨大な鉄の拳が飛んできて廃棄孔の怪物の顔面に直撃し、廃棄孔の怪物は横転したのだ
「あれって……ロケットパンチ…!?」
「馬鹿な!?なんであれがこの幻想郷に…!?」
一同は驚いた、今現在この幻想郷に来てないはず兜甲児が乗るマジンガーZの武装であるロケットパンチが
「っ!ピ…ピッコロさん、あれ!」
「っ!?あれは……」
一同の目に写ったもの、それはマジンガーZに似た謎の巨大ロボットだった
「マジンガーZ…!?」
「けどなんか頭部とかが微妙に違うような……」

「どうやら間に合ったようだな」
「月夜さん、もしかしてあのマジンガーそっくりのロボットを知ってるんですか?」
「あぁ……と言ってもあそこまで似た見た目になるとは思ってもみなかったがな……」
「教えてくれ、あれはいったいなんなんだ!?」
「詳しいことは省くが、あれは廃棄孔の怪物に対抗するためにDDやにとり達に頼んで作って貰ったものだ。名前は確か……『非想天則(ヒソウテンソク)』といったか……」
「ヒソウ…テンソク…!」

「さぁいくぞヒソウテンソク!あんな化け物ぶっ飛ばせ!」
「!」
DDとにとりが開発した幻想郷初のスーパーロボットヒソウテンソク、果たしてこの幻想郷を絶望で染め上げようとする邪悪なる化け物に…廃棄孔の怪物に勝つことができるのか!?

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