働いたら負けな日本でニート生活真っ最中の私が異世界で勇者と出会ったら

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  • 自由に続きを書いて
  • 暴力描写有り
  • ファンタジー
  • 誰でも参加おけです
  • キャラクター増やすの有り
  • どんなシナリオでもおけ
1人目

私の名前はしまい。
私はニートをしている。
このTシャツに書いてある『働いたら負け』という文字が見えぬか?

生きているだけでも罰を与えられる日本という国で引きこもり生活をしている。
子供の頃は大人が輝かしく見えた。
将来は明るくて、お給料が増えて、豊かな生活ができると思っていた。
しかし、いざ大人になってみると、お給料は横ばい。
日本は高齢者まみれでお先は真っ暗。
日本政府は子育てといいつつも、国民には子育て増税。
当の政治家たちは裏金を受け取り、裕福な生活をしている。
このことが毎日ネットニュースにあがり、この私でもわかった。
この日本から出たほうがいいと。
そして誰かがこの監獄に近いこの日本を壊してくれればいいと。
大塩平八郎とか、大政復古の大号令とか、フランス革命とか。
私は冗談交じりで「レジスタンスがいたら参加したいなー」と星を見ながらつぶやいていた。

そしてネットの海で見つけたとある呪文。
異世界に行くための呪文だ。
『アロー・ネウコール・ピュリータ』と月の出ている日に三回唱える。
「アロー・ネウコール・ピュリータ」
私は三回唱えた。
私は一週間も唱えていた。
周辺から玉のようなものが出てきた。
「あぁ、ようやく異世界に行けるんだ」
私は目をつぶった。
「こんな日本誰かが潰してくれればいい」
私は吐き捨てるようにつぶやいた。

「ここで何をしているんだ?」
私は目を開けると、そこにはいかにも異世界といえるような服装をした人たちがいた。
いかにも勇者パーティと言えそうな面子だ。
「賊なら、ここで成敗するわ」
 髪を短く切った少女は剣を私に向けてきた。
「わ、わたしは……」
ええっっと、なんて答えよう。
ここで召喚されましたって言っても、何も信用されない。
それにこのTシャツ一枚でどう説得しろと。
私はしどろもどろになっていた。

2人目

「まぁ、落ち着けフィル」
最初に話しかけた金髪の男性が剣を突き付ける少女を制止する。
「でも、クルト」
少女は不満げに金髪の男性を数秒見つめると、ため息を一つ吐いた。
「分かったわよ、とりあえず剣は下ろすは」
その言葉通り、私に向けられた脅威は取り除かれ、私は一安心した。

その後、金髪の男性が「悪かったな」と謝り私に水を手渡される。
私はその行為に甘え、水をゴクゴクと飲み干した。
「落ち着いたか?」
金髪の男性がそう話かけると、私は首を縦に振った。
「ならよかった」そう言い男性は私に笑顔を向ける。だが少女の方は私を警戒しているのか少し離れた距離で私を睨みつけている。

「そういえば、自己紹介がまだだったな、俺はクルトそしてあっちにいるのが仲間のフィルだ」そう言い、少し離れた所にいる、短髪の少女を指さす。
「ほら、フィルも自己紹介しろよ」
クルトの呼びかけにフィルはそっぽを向きこう答えた。
「いいわよ、あたしは、それにあたしの名前はクルトが言ったでしょ?」
「そうだったな……」クルトは頭をポリポリとかく。
「それで、君はなんて言う名前なんだ?」
「えっと、私はしまい、さっきはありがとう」
「いや気にする事じゃないよ、それにこんな草原に眠っている人を無視なんてできないさ」
そう言い豪快に笑うクルトの後ろからゆっくりとフィルが歩み寄ってきた。

「それで貴方、家はこの近くなの?」
私はその質問に答えることが出来ず黙り込んでしまった。
「無視するの?」
フィルは黙る私に対し威圧的にそう問いかけた。
「いえ、無視というわけじゃなくってその……わたし、家が無くって」
「じゃあ、お金はある?」
「それも無くって……」
私はボソボソと力のない声で返答をする。

「クルト、ちょっとこっちに来て」
フィルはクルトの腕を引っ張り私から少し離れた所で話しはじめた。
「おい、フィルそんなに詰め寄ることはないだろ?」
「そんな事より、あの子怪しいわよ」
「でも、俺たち勇者だし困ってる人を助けないと」
「家もお金もないうえにこんな町はずれの草原で倒れてるなんておかしい」
「でも、助けないという理由にはならないだろ?」
私には聞こえていないつもりなのか私をこれからどうするかという会議が草原で行われ始めた。

(わたしはどうするべきなんだろ?)
私も自身の今後をボーっと雲一つない空を見上げて考えていると、妙な匂いがしている事に違和感を覚える。
その違和感の正体を確かめるべく周りを見渡すと数メートル先から四足歩行の狼のような物が五体程、詰め寄ってくるのが見えた。
「あの~、フィルさん? クルトさん?」
絶賛会議中の二人に私は話しかけるが、会議に夢中の様で私の声は小さいからか届いていない様子。
「フィルさん! フィルさん!」
「ん、もう! 何よ!」
私のしつこい呼びかけにイライラしたのか強めの口調で私に言葉を返す。
「あの~この狼って、温厚だったりはしないですよね?」
「あいつは、ローウルフ! おい! フィル」
「分かってるわ、この子が誰かより今は目の前の敵をよね?」

3人目

どうやら、二人は私を邪魔者としか見ていない、まるで自分を見捨てて裏切った両親のように...
でも、嫌な思い出を思い出すより、私は内心腹を立てつつも目の前にいるローウルフを倒さなければならない。
威嚇するローウルフを見ると、倒す勇気が持てず躊躇し始めた。