プライベート CROSS HEROES reUNION 第2部 Episode:11

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1人目

「Prologue」

【アマルガム決戦編】原文:ノヴァ野郎さん

 幻想郷での戦いがついに終わりを迎えた頃、リ・ユニオン・スクエアでは
リ・ユニオン・スクエアに残ってた各メンバーがトゥアハー・デ・ダナンに合流、
テッサからジェナ・エンジェル一味とアマルガムが手を組んだこと、
そしてアマルガムの計画がもうすぐで実行されてしまうことを知る。
それを知った一同は捕虜として捕らえたアマルガムの兵士から計画の実行場所を聞き出し、計画を止めに向かった。
そしてかなめ(の身体を乗っ取ったソフィア)がアマルガムについたことを知り
心に大きなダメージを負ってしまった宗介も
『例えありがた迷惑だったとしてもかなめを連れて帰る』と覚悟を決めるのであった。

 そしてついに始まったアマルガムとの最終決戦、名もなき孤島の各地で
アマルガムの戦力と戦うCROSS HEROES達、
しかしそこにジェナ・エンジェル一味が現れる。そしてかなめを助けに向かってた
宗介の乗るレーバテインの前に、レナード・テスタロッサの乗るAS、
ベリアルが姿を現したのであった。

2人目

「天津飯・無念のリタイア! 孫悟飯到着!!」

 強敵、アスラ・ザ・デッドエンドと対峙する天津飯であったが、
有効なダメージを与えられないまま、徐々に劣勢を強いられていた。

(どうする……? このままでは体力的にこちらが不利になるだけだ……)

 アスラ・ザ・デッドエンドの謎を解く為に攻勢に転じるか、
それともこのまま守って時間を稼ぐべきか……
ふたつにひとつ……その判断を下すべく天津飯は思考を巡らせる。

(やむを得ん……! ならば、この技を使うまで……!!)
「!?」

「おおおおおおおおおおおお……!!」

 天津飯が両腕を組み始めたのを見たクリリンたち三人は驚きの表情を見せる。

「あの動きはまさか……!」
「あれをやるつもりか、天津飯……!?」

 クリリン、ヤムチャ、餃子……三人が見守る中、組んだ両手を振りほどくと、
天津飯が1人、また2人と分裂していく……
それは残像などではなく実体を持った分身である。

「クハハハッ、お次はどんな手品を見せてくれるんだい……?」

 そんな光景を見て楽しそうに笑うアスラ。

「見せてやるさ……この俺の全身全霊……! 四身の拳……!!」

 第二十三回天下一武道会において孫悟空を苦しめた天津飯の奥義のひとつだ。
1人の人間が4人に増えれば単純に考えて戦力アップとなるだろう。
だがこれは諸刃の剣でもある。実体を持って4人に増えた分
神経の負担が増えてしまい、スタミナを大きく消耗してしまうからだ。

(これで勝てなければ……もはや俺に残された手は無い……)

 4対1と言う数的優位を得たものの、相手は得体の知れない能力者なのだ。
油断はできない。そして、出し惜しみをしていられる相手でも無い事も明らかである。

「今の俺が持てる全ての力をぶつけてやる!」

 目の前に立つアスラ・ザ・デッドエンドと言う男は、
それだけの相手だと認めざるを得ない。4人の天津飯はアスラを取り囲むように分散すると一斉に攻撃を仕掛けるのだった―――

「むんっ……!!」

 両手で三角形の形を造り、気を溜め始める天津飯。

「この四方からの同時攻撃は躱しきれまい……!!」
「つまり、俺を本気で殺す気になったってわけだな。嬉しいじゃねえかよ……
さっきまでのアンタは何処か遠慮しているように見えたからなァ」
(お見通しだったか……!)

 いやらしく笑いながらそう言うアスラに対して心の中で舌打ちをする天津飯であったが
今はそれどころではない。最大の奥義を放つための準備に集中する事にしたようだ。

「悪く思うな……! お前がそうさせてしまったのだ。恨んでくれるなよ……
はああぁーーッ!!!」

 4人が同時に撃ち放つ!!!!

「四身の拳!! 気功砲おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」

 鶴仙流最大の禁忌とされる必殺技「気功砲」。
地形を削り取るほどの威力を持つ恐るべき破壊エネルギーの塊を撃ち放ったのである。
さらに、それを四身の拳による分身が上下左右、
死角の無い四次元方向から一斉砲撃するのだ。まさに絶対包囲の最終奥義……

「うおおおおっ……!?」

 激しい衝撃風の余波を受けつつも、なんとか踏みとどまる事に成功した
クリリンたちは驚愕していた。四身の拳・気功砲による同時斉射……
戦場の地形が変形する程の破壊力……アスラの姿は土煙によって確認できないが……

「あれじゃあ逃げ場は無かったはずだ……天津飯の奴、
とんでもねえ技を使いやがった……」
「や、やったか……!?」

「はあっ、はあっ、はあっ……」

 気功砲は撃った人間の寿命をも縮める禁断の秘儀であり威力こそ絶大だが
使用者への負担が大きいという欠点がある。
それだけの覚悟を持って天津飯が放ちうる最大最強の一撃だったのだ。
もはや勝負はあったも同然と思われたその時――!!

「はっはァッ!!」
「!? そ、そんな……!!」

 土煙の中から、無傷で姿を現したアスラ・ザ・デッドエンドが飛び出してきた。
なんと彼はあれだけの攻撃を受けていながら尚健在だったのである。

「しゃああああああああああッ!!」
「――!!」

 力を使い切った天津飯の分身のひとりが、反応できずにそのまま
人体の急所のひとつ・水月に強烈な突きを叩き込まれてしまった。

「あ、ああ……!!」
「て、天さん……!!」

 静寂に包まれる戦場……誰もが予想しなかったであろう展開になってしまった……

「――ぐはぁぁぁぁッ……!!」

 大量の血を吐き散らしつつうずくまる天津飯。
同時に、残りの分身たちも消滅していった……

「へへっ、俺の突きをまともに受けて爆散しないなんて大したもんだなぁアンタ。
やっぱ面白ェわ」

 四身の拳による分身によって、受けたダメージもある程度緩和されていたのだろう。
アスラの攻撃を受けた分身のダメージは本体にフィードバックされる仕組みになっていた。もしも攻撃を受けていたのが本体であったなら今頃天津飯は即死していても
おかしくはなかったのかもしれない……

「……ごふっ……」

「ま、まずいぞ……! 天津飯が死んじまう!」
「楽しかったぜぇ……兄ちゃんよォー……!」

「む、無念……! ここまでか……!!」

 もう立ち上がる気力すらも残っていないのか地面に突っ伏したまま動かない
天津飯に対し、とどめとばかりに歩み寄るアスラだったが―――次の瞬間!!

「やめろォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

 アスラの顔面に浴びせられる蹴り上げの一閃―――それが見事に命中したのだ!
吹っ飛ぶと同時に地面を転がるアスラ。息も絶え絶えの天津飯が振り返ってみると
そこには一人の若者が立っていた。

「――悟飯!!」

 天津飯たちの危機を案じ、魔法少女たちに戦線を預けて救援に駆けつけてきた
孫悟飯が到着したのだ。

「大丈夫ですか、天津飯さん……! すみません、遅くなってしまって……」
「ご、悟飯か…助かったぜ……すまない……」
「天津飯さんがこれほどまでに追い詰められるなんて……一体奴は何者なんです?」

「はっはっはっは……いいねェ。見事な不意打ちだったじゃねェかよ!」

 立ち上がったアスラは不敵な笑みを浮かべていた。
やはりダメージを受けている様子はないようである。

「き、気をつけろ悟飯! あいつは天津飯の攻撃をいくら食らっても
平然としてやがるんだ!」
「何ですって……!?」

「そ、それにたった一撃良いのを喰らっただけで
天津飯は動けなくなっちまっているんだ……! お、恐ろしい奴だぞアイツは!」

 クリリンやヤムチャの話を聞かされた悟飯はアスラへの警戒をより一層強めていく事を
余儀なくされたようだった……

「天さん、しっかり!」

 餃子が倒れたままの天津飯を抱き起こそうと駆け寄る。

「餃子さん、天津飯さんを頼みます……」

 すっくと立ちあがりながらそう言うと、改めて身構えなおす悟飯。

「選手交代ってか? いいぜ、アンタも結構出来るみたいだからな。
いくらでも来いや。まだまだ俺は満足しちゃいねえ!」
(天津飯さんをこれだけ追い詰める相手……油断はできないぞ……!)

3人目

「幻惑の乱舞、そして断罪の光芒」

 悟飯が天津飯の窮地に間一髪の所で間に合っていた頃……

「ははははは……成す術もないか? 有象無象共!!」

 ウラヌスNo.ζの絶対氷結。無限に精製される氷柱が次々と魔法少女たちに
襲い掛かり続けていた――氷を自在に操る能力により、無数の氷柱を
まるでブーメランのように操って戦うウラヌス。
圧倒的な数の優位を以って、敵を殲滅せんとする姿は正に悪魔と呼ぶに相応しいだろう。

「くうっ……! このっ!」
「うあああっ!?」
「ああっ……!」

 魔法少女たちは、ある者は武器で防ぎ、またある者は咄嗟に張った障壁魔法で
攻撃を凌ぐ。しかし、それすらも易々と貫き通す氷の杭の前に、
魔法少女たちは次第に追い詰められてゆく。

「……強い……!!」

 環いろはも、その強さを痛感していた。以前の神浜の時とは比較にならないほどの強さを見せているのだ。あの時はまるで本気ではなかったと言う言葉は嘘偽りのハッタリでは
無かった……

「今更理解しても遅い。さあ、我が足元に跪け! 命乞いをするがいい!
まあ……聞き届ける気は無いがな? ふふふふふふふ……」

 高らかに笑うウラヌスの声が響き渡る。最早、勝ち目は無いのだろうか?

「まだです!! わたしたちは諦めません!!」

「その通りだ」
「むう……!?」

 馬上鞭に魔力を宿した十七夜が、横薙ぎに振るい周囲の氷柱をまとめて打ち砕く。

「この程度で絶望などしない。自分たちは魔法少女なのだからな」

 十七夜の反撃により、ウラヌスの攻撃が一時中断され間隙が生まれる。
その間に態勢を立て直す一同。

「やっちゃん!!」

 みふゆが呼び掛けると、既にやちよは覚悟を決めていたようだ。

「みふゆ……!!」

 その瞳には決意の光が灯っている。
2人の手と手が触れ合い、魔力を共有する事で互いの力を増幅させていく。

「あれは……!」
「やちよさんとみふゆさんの……」


「「コネクト!!」」


 みふゆの固有魔法である「幻惑」の力が、やちよへと流れ込む。
そしてそれは彼女の力となる……!

「チッ……! 何をする気かは知らないが――」

 再び氷柱を撃ち出すべく構えを取るウラヌスだったが……やちよの姿が増える。
それも無数に。

「なっ!? これは一体……!?」

 みふゆの「幻惑」の力によって何体ものやちよが出現しているのだ。

「――どれが本物なのか、分かるかしらね?」

 目にも留まらぬ速さで、縦横無尽に飛び回りながら攻撃を繰り返すやちよたち。

「ぐっ……!」
「さっきのお返しをさせてもらうわ!」

 四方八方から放たれる連続攻撃に圧倒される。
ウラヌスの氷柱を上回る数のトライデントを大量生成し、放つ!
全方位からの同時攻撃を仕掛けてくる為、さすがの彼女も防御に専念せざるを得ない状況に追い込めたようだった。

「くっ……!! 調子に乗るなよ!! 
手数が増えたように見せかけても、その大半は幻!」

 ここで初めて焦りを見せるウラヌスであったが、また形成が逆転されたわけではない。
次々と生み出されては襲ってくる矢継ぎ早な攻撃を受け止めつつ、
更に氷の杭を打ち出し応戦する。だが、それはやちよたちの次なる一手への布石だった。

「上出来だ、七海。おかげでマギアをチャージする時間が稼げたよ」
「何ッ……!?」

 やちよの幻惑による分身攻撃に気を逸らされている隙を突き、
十七夜は既に次の行動に移っていたのだった。馬上鞭を頭上で振る度に、
巨大なプラズマの渦を放出する程の膨大な魔力を集めているのが分かる。

「受けるが良い、断罪の光芒――!!」

 極限までチャージされた魔力光が、凄まじい威力で迸った……!!!
無数の閃光が乱舞して、ウラヌスの足元に広がる氷華の舞台もろとも
全てを焼き払う――!!

「う、うおおおおおおおおおおおおおおッ……!!」

「やった……!」

 十七夜のマギアが炸裂し、爆発の炎に煽られた霜がキラキラと煌めき、
舞い散っていく光景を見ていろはは思わず歓声を上げた。

「あ、あいつは……!?」

 徐々に収まっていく煙に目を凝らす黒江……
果たしてウラヌスNo.ζを討ち果たせたのか……!?

4人目

「レーバテインVSベリアル」

「ハァ!」

「っ!なるほど、確かにその性能ならこのベリアルにも対抗できるか…!」

宗介の乗るレーバテインとレナードの乗るベリアルによる目にも止まらぬ銃撃戦が繰り広げられる

「だが、その程度じゃこのベリアルは倒せない」

レナードがそう言うとクロスボウのような武装を取り出した。

「クロスボウだと?」

「ただのクロスボウではないさ」

そう言うとレナードはそのクロスボウを引く…次の瞬間…!

「っ!?」

なんとレナードが矢を射出したのとほぼ同タイミングで矢が宗介の乗るレーバテインに着弾したのだ…!

「なんだ…!?矢が見えなかったぞ!?」

『どうやらあのクロスボウから射出されてすぐに本機体に着弾したようです』

「なに!?」

「これが『アイザイアン・ボーン・ボウ』、君を…いや、君たちCROSSHEROESを倒すために作った新武装さ…!」

レナードは再びレーバテインを攻撃しようとアイザイアン・ボーン・ボウを引く

「チィッ…!」

(あのクロスボウから放たれた見えない矢……今ので受けたダメージを考えると、恐らくラムダ・ドライバの力で本来よりも威力と弾速を上げたのだろう……ならば…!)

宗介はレーバテインのラムダ・ドライバで力場を発生させて攻撃を防ごうとするが……

「無駄だ」

なんとアイザイアン・ボーン・ボウから放たれた見えない矢はラムダ・ドライバで発生させた力場を貫通し、宗介が乗るレーバテインは再び直撃を食らってしまう

「うぐっ!?力場で防ぐことができない…!?」

「当然だ、こいつはこれまでの武装のように矢の威力や弾速をラムダ・ドライバの力で底上げしてるのでなく、ラムダ・ドライバの力をそのまま攻撃のエネルギーに転用して矢として発射している。そしてそのラムダ・ドライバは僕がこのベリアルに乗ることによって最大限発揮することができる……あの時よりも性能の高い機体に乗ったところで頭が硬くラムダ・ドライバの力を最大限発揮することのできない君にはこの攻撃は避けることも防ぐこともできないさ」

「クッ……」

「さて……先程貰った報告によればジェナ・エンジェルからの差し金と思わしき謎の化け物やジェナ・エンジェルと手を結んでる者たちがこの島の各地に現れたみたいだ……肝心のジェナ・エンジェル本人が来たという報告はまだないが、さっさと終わらせてリグレットを受け取るとしよう……」

そう言いながらレナードは二度も直撃を食らって大きなダメージを受けたレーバテインに向けて再度アイザイアン・ボーン・ボウを引く…

(ここまでか…?)

アイザイアン・ボーン・ボウを発射されようとしたその時…!

《18バーン!》

「っ!?」

《カクレンジャー!》

何処から響いた謎の音声と共にレーバテインが煙に包まれて姿が消えたのだ

「ECS…いや違う…!?これはいったい……」

レナードが困惑していると…

《6バーン!ゴーグルファイブ!》

今度は煙の中から4本のリボンが飛び出し、ベリアルの両手両足を縛られ動きを封じられてしまう

「っ!?なんだこれは…!?」

「なんとか間に合ったね…!」

煙が晴れるとベリアルの両隣にはゴーグルリボンでベリアルの手足を封じるジュラン、ガオーン、マジーヌ、ブルーンの4人がおり、また先程まですぐ目の間にいたはずのレーバテインはゼンカイザーと共にベリアルの後ろにいた。

「宗介、大丈夫?」

「ゼンカイジャーか……助かった。だが何故お前達がここに…?」

「話はあと!それよりも…はっ!」

《28バーン!デカレンジャー!》

ゼンカイザーはデカレンジャーの戦隊ギアを使用、デカスワンの力(というよりかは変身者である白鳥スワンの力)でレーバテインをすぐさま修理する。

「これでよし!ここは俺達がするから、その間に宗介は先に行って!」

「しかし…」

「宗介にはやりたいことあるんでしょ?だったら俺達CROSSHEROES皆でそれをサポートするから、宗介はそれを全力全開でやってよ!」

「……すまない、感謝する!」

宗介は修理されたレーバテインでかなめのところへ向かった。

「そうは」

レナードの乗るベリアルは両手両足を縛るゴーグルリボンを無理やり引きちぎると、レーバテインに攻撃しようとするが…

「宗介の邪魔はさせない!」

《25バーン!ガオレンジャー!》

「ガオ!」

ゼンカイザーはガオレンジャーギアを使いガオメインバスターを召喚、ファイナルモードにして強力な熱光線をベリアルに向けて発射。

「っ!チィ…!」

レナードの乗るベリアルはラムダ・ドライバの力で力場を発生させて熱光線を防ごうとするが完全に防ぎきれずに反動で後ろに後退してしまった。

「クッ、おのれ…!」

「あんたの相手は、俺たちゼンカイジャーだ!」

5人目

「叛逆のFIREBALL」

 魔法少女たちの連携によって、ウラヌスNo.ζの絶対氷結に
起死回生の一撃を叩き込んでいた頃……

「ゲイル……俺は……俺は……」

 ヒートの心は揺れ動き、ゲイルの言葉が彼の心に突き刺さる。その心の中には、
セラへの想いが強く燃えていた。

「お前の目的がセラを見つけ出す事ならば、俺達も協力を惜しまない。
このままジェナ・エンジェルに手を貸したとて、奴がお前にセラの情報を提供する保証は
何処にも無いぞ。だから――」

 その時、突如として吉良吉影の攻撃が始まった。遠くから爆発音が鳴り響き、
戦場は一瞬にして混乱に陥った。

「くそっ、吉良吉影め!」

 承太郎は吉良吉影の存在を感じ取り、スタンド「スター・プラチナ」を召喚した。
しかし、吉良吉影は巧妙に身を隠し、遠隔操作で攻撃を続けていた。

(ヒート……裏切るつもりか……ならば奴もここで『始末』しておかねばなッ!)

「ルフィ、ゾロ! 吉良吉影を見つけ出せ!」

「分かったァ!!」
「なるほど、あのデカブツを爆弾に変えた事と言い、今の火力と言い、
放置しておくには厄介過ぎるな!」
 
 ルフィとゾロは承太郎の言葉を聞き、すぐに行動を開始した。

「オオオオオオオオオオ……!!」

 カルマ教団の構成員たちが次々と悪魔に変貌し、ルフィとゾロの行く手を阻む。

「全員ぶっ飛ばす! ギア! ”2”っ!!」

 ルフィの身体能力が更に向上すると同時に、目にも止まらぬ速度で敵を薙ぎ払いながら
突き進む。

「ゴムゴムのォォォォォォォォッ!! 
JET銃(ピストル)ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 拳から発射された無数のパンチにより、周囲の敵は吹き飛んだ。
だが、それだけでは終わらない。

「かーらーのォー……JET鞭(ウィップ)ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 更にその勢いを乗せつつの回し蹴りによる強烈な一撃が叩き込まれ、
敵の軍勢は一気に壊滅した。

「グガアアアアアアアアアアアアッ……」

「よし、俺もいくぜ!」

 三刀流を携えて、ゾロもまた走り出した。

「邪魔だァァァァーーッ!!!」

 一振りごとに数多の敵が薙ぎ払われる。

「グギャィィイイイイイイッ……」
「ふふふ、ご苦労な事だ……わざわざ『爆弾』の材料を自ら作り出すとはね……」

 ルフィとゾロが倒した悪魔たち……それをキラー・クイーンの能力で爆弾に変え、
吉良吉影が遠隔爆破する事により、更なる脅威となって彼らを苦しめるのだ。

「ルフィ! ゾロ! 化け物共から離れろ! 吉良がまた――」

 だが、時すでに遅し。二人は既に敵の懐深くまで潜り込んでしまっていた。

「しまった……! こいつは吉良の罠だッッ!!」

 二人の周囲には、大量の悪魔が群れを成している。
そして、一斉に二人に向けて襲い掛かった。
悪魔に倒されるか、吉良の爆弾攻撃にやられるか――最早、彼らに選択肢は無かった。

「スター・プラチナ・ザ・ワールドは短期間にそう何度も使えないッ……
まッ、まずいッ!! こいつはまずいぞッ……!!!」
「ふふふ、悪魔共々爆発しろぉぉ~~っっ!! 『点火』ッ!!」

 吉良吉影がそう叫んだ瞬間だった。

「――!?」

 爆弾に変えられた複数の悪魔たちの連鎖爆発の炎に包まれた筈の二人が姿を現したのだ。しかも無傷である。

「い、一体何が……!?」

 予想外の事態に困惑するルフィとゾロだったが、吉良はすぐさま状況を把握したようだ。

「……おのれ、ヒート……!!」
「フッ、俺に炎は効かないんでね」

 翻すマントが火の粉を振り払う。
火の化身・アグニの力を司る能力者であり、火炎を操る事が出来る彼にとって、
炎のダメージは寧ろ回復手段なのである。

「お、お前……! 敵じゃ無かったのかよォ?」

 先程まで敵対していたはずの男が味方になった事で戸惑うルフィに対し、彼は言った。

「……勘違いするなよ? 俺はあくまでもセラを助ける為に動いているだけだ……!」
「セラ……って誰だ????」

 どうやら彼なりに葛藤があったらしいのだが、結果的に共闘することになった様だ。

「ヒート、よく言ってくれた……」

 ゲイルも安堵の表情を浮かべた。

「さて、それじゃあ反撃開始だな」

 そう言って、再び戦闘態勢に入る一同であった。

「よく分からねェが……味方、って事でいいのか?」
「ああ、俺が保証する」

 ゾロの問いに静かに答えるゲイル。共通の目的のため、「炎」と「風」がひとつとなる!

(ヒート……! 私のキラー・クイーンによる爆発の炎をッ……! 
きゅ、『吸収』しただとォォォォ~~~ッ!?
ま、不味いッ……!! 奴の能力と私の能力は絶望的に相性が悪いッ……!!)

 吉良吉影は焦りを感じていた。
彼の能力「キラー・クイーン」の最大の特徴にして武器である『爆弾』。
その爆発の炎をヒートが吸い込んでしまった以上、
迂闊に起爆させる事が出来なくなってしまったのである。

 つまり、ヒートが戦列にいる以上、悪魔たちを爆弾に変えて起爆させる事は
自分の代わりに戦う駒を自ら無くす行為に等しいからだ。
かと言って、CROSS HEROESとまともに戦えるような上級の悪魔に変化する
カルマ教団員はこの場にはほぼいないだろう。

「さぁて、爆弾魔さんよ。かくれんぼはそろそろ終わりにしようか!」

 ヒートの離反。キラー・クイーンの天敵と成り得る能力。
手詰まりとなった吉良吉影を取り巻く包囲網はより強固なものとなって迫ってくる。

(つっ……捕まってたまるかァ~~~ッ!! 私は絶対に逃げ果せてみせるぞッ!!)

6人目

「金色の戦士と殺人拳士 - 悟飯対アスラ -」

 ジェナ一味から離反し、CROSS HEROESへの加入を決意したヒート……
一方その頃、アスラ・ザ・デッドエンドの前に倒れた
天津飯に代わり、孫悟飯が単身で立ち向かわんとしていたのだった……!!

「はああああああああッ!!」

 悟飯は超サイヤ人に変身すると、餃子に介抱されている天津飯の前に立ち塞がる。

「ほっほう、金髪。派手だねェ。見掛け倒しじゃないと良いがな。カカッ……」

 アスラは相変わらず余裕綽々と言った様子で構えすら取っていないようだ。

「餃子さん。天津飯さんをトゥアハー・デ・ダナンへ連れて行ってあげてください」

 そう言ってニコリと笑う悟飯であったが、その顔には
どこか鬼気迫るものを感じるようだ……

「ま、待て、悟飯……ごほっ」

 止めようとする天津飯だったが、咳込んでしまう。まだ回復しきっていないのだ。

「天さん、もう喋らないで……!」

「や、奴の攻撃を受けた時に……分かったことがある……それをお前に伝えねば……」
「それは一体……?」

「奴の拳……あれは、人体の急所を穿つ殺人拳……経絡秘孔を突いたのだ……
つまり、肉体の内部に直接ダメージを与える事のできる技だと言うことだ」
「な、なるほど……天津飯さんがこれほどのダメージを受けた理由は
そう言う事だったんですね……」

 悟飯は驚愕するしかなかった。

「……おそらく奴はあの技を自在に使いこなす事ができるだろう……
そして、それ故に強い。俺がやられたように、お前も気をつけるんだ」

「分かりました。餃子さん、頼みます」
「う、うん。悟飯、気を付けて……」

 天津飯の助言を受けた悟飯に促され、餃子は天津飯を連れてトゥアハー・デ・ダナンへと帰投していく。

「アンタら空も飛べるのか。だが流石だねェ。俺が見込んだだけの事はあるよ、
あの兄ちゃん。大した洞察力だ。
ご明察通り、俺の拳はあらゆる生物の弱点たる秘孔を突く事で殺す事のできる技。
この拳を受けて殺せなかった奴は今までついぞいなかった。
それも込みで、未だ生きてられるのはマジで大したもんさ。自慢してくれて良い」

「じゃ、じゃあ、さっきのアマルガムの傭兵たちを手も使わずに殺したのも……!」
「経絡秘孔の応用よ。本来なら、三つ目の兄ちゃんもああなるはずだったんだがな」

 信じがたい話ではあるが、目の前で起こった出来事を否定する事も
できなかったのである。天津飯が四身の拳によって身体を分けていた事によって
ダメージが緩和された事、そして普段からのたゆまぬ鍛錬によって肉体を鍛えていた事が
重なり、最悪の事態を回避出来たのだ。

「さて、お喋りはこのくらいにしてそろそろ続きを始めようぜ?
それとも何かい、このまま逃げるかい?」

 ケラケラと笑うアスラだが、その眼は全く笑っておらず
冷酷そのものといった様子である。どうやら彼もまた、他者の命を奪う事に
何の躊躇いもない人間だったようだ……

「ち、畜生! なんて奴だ!」

 クリリンは悔しげに舌打ちをするが、今の彼にはどうする事も出来ない無力感に
打ちひしがれるばかりであった。
しかしそんな彼に更なる追い打ちをかけるかのようにアスラは語り続ける。

「さぁてっと、おしゃべりはこのくらいにしてそろそろ始めようか。
なぁに心配すんなって。すぐに終わらせてやるからさァ……」

 その言葉と同時にアスラの姿がかき消えた! いや、違う!
目にも止まらぬ速さで移動しているのだ!
そしてその行く先にいるのは――悟飯であった!

「させるかあっ!!」

 咄嗟の反撃による正拳突きが直撃するかと思われた瞬間、アスラの姿は再び掻き消え、
悟飯の背後に現れた!

「そらよっと!」
「ふっ!!」

 しかし、今度は悟飯が瞬時に身を翻し、カウンター気味の裏拳を繰り出す!

「うおっ、と!?」

 咄嗟に防御姿勢をとってガードしたアスラであったが、大きく吹き飛ばされてしまった!
悟飯はその隙を逃さず追撃を仕掛けんと接近するのだが――

「むんッ!!」
(んっ……?)

 衝撃の勢いを無理矢理に相殺し、体勢を復帰させるアスラ。
その時、クリリンは何か違和感を感じたようだがその正体に気づく前に
意識を戦闘へと引き戻されてしまうのだった……

(今の感触……なんだ?)

 違和感の正体を探ろうとするものの、目の前では激しい攻防が繰り広げられており
思考をまとめる余裕などはなかった。

「たぁぁぁぁりゃッ!!」

 悟飯はアスラに肉薄するとそのままラッシュを叩き込む体勢に入る――!!
対するアスラは不敵に笑うと、それに応じる形で両手を眼前で交差させつつ腰を落とし、
迎撃態勢を取るのだった。

「はっはァッ!!」

 両者、嵐のごとき勢いで打撃の応酬を繰り広げる。
両者の攻撃は拮抗しているように見える。

「マ、マジかよ、あいつ……! 超サイヤ人の悟飯と互角に渡り合ってやがるぞッ!?」

 その様子を見ていたヤムチャは驚愕の表情を見せるしかない。

(油断は無いつもりだったが、この男……! やはり只者じゃない……!!)

 当の悟飯もまた内心では驚きを禁じ得ないでいた。
しかも相手はまだ全力を出してはいないようにも見えるのだ。
このままではまずいと判断した悟飯は勝負に出る事にしたようだ。

(一か八か、やってみよう……!)

 そう決意すると一気に攻勢に出た。まずは右の上段蹴りを放つ。

「甘ぇぇッ!!」

当然の如く避けられるがそれは織り込み済みだ。続けざまに左の後ろ回し蹴りを放った後、

「ここだッ!!」

素早く身を屈めて水面蹴りを仕掛ける!  これは流石に避けきれなかったようで
アスラはよろける様子を見せたが、次の瞬間にはバック転を決めながら距離を取っていた。

「……ふうむ、大したもんだな兄ちゃん。アンタ本当に地球人かい?」

 そう言いながらニヤリと笑うアスラだったが、
その表情からは依然として余裕の色が見て取れた。

「……半分ね」

 ぼそりと呟く悟飯だったが、内心は穏やかではなかった。

「呵呵ッ、そうかい……まぁいいさ、続きをやろうぜ……!」

 そんなやり取りの後、二人は互いに距離を詰めると拳打や蹴撃を織り交ぜつつも
熾烈な攻防を繰り広げた……

(考えろ、考えるんだ……確かにあいつは拳法家としてもかなりの腕だ……
けど、それだけじゃ天津飯の攻撃を受けてもまったくダメージを受けていなかった
説明にはならない……きっとまだ何かあるはずだ……
奴はアマルガムの傭兵たちを手で触れる事無く殺した……つまり奴は直接触らなくても
離れた相手に攻撃を伝達する事が出来る。それなら逆に……そ、そうか!)

 クリリンの推察はやがて確信に変わり始める……

7人目

「色即絶空空即絶色、撃滅するは血縁鎖 - Dead end Staryed -」

「ヤ、ヤムチャさん! 実はお願いが……」

 そしてクリリンは何か思いついたのか、ヤムチャにある事を耳打ちし始めた……

「……よし分かった!」

 それを聞くとヤムチャは大きく頷いた。

「はっはァッ!!」
「だりゃりゃりゃりゃりゃりゃッ……!!」

 それを他所に、悟飯とアスラの攻防は未だ続いていた。

(よし、あいつは悟飯との戦いに集中しているみたいだ……これならいけるかも……!?)

 好機到来とばかりにクリリンは作戦のタイミングを計り始める。

(あいつに気取られずに仕掛けられるとしたら
この一撃が最初で最後のチャンスかもしれない……俺の推理が正しければ奴を倒す事が
できるはず……!!)

 そして、遂にその瞬間が訪れた!

「今です! ヤムチャさん!!」
「――繰気弾ッ!!」

 クリリンの合図と共にヤムチャは自在に軌道をコントロールできるエネルギー弾を
地中に撃ち込んだのである。狙いはもちろん――アスラの足許だった。

「はいいいいいッ!!」

 地面から突如として飛び出してきた眩い光球にアスラの反応は一瞬遅れ、
浮き足立っている。

「何ッ……!?」
「今だ、悟飯ーッ!! 攻撃しろぉぉぉッッ!!!」

 その一瞬を見逃さなかった悟飯は既に次の動作に入っていたのである。
右手に力を込め、渾身の力で跳躍しながら身体を捻り、回転を加えていく――

「うおおりゃあああああああああああああああああああッ!!」

 気合一閃、フルスイングの鉄拳を繰り出したのだ!  

「――!!」

 その拳は見事に命中し、鈍い音と共にアスラを吹き飛ばしたのである!!

「やったぜ!!」

 クリリンの作戦は見事に成功した。

「クリリンさん、ヤムチャさん、ありがとうございます!」
「あいつの特殊能力……何となく分かった気がした。あれを見ろ」

 クリリンの指さす先を見ると、そこには穴だらけになった岩壁が広がっていた。

「あれって……天津飯の!」

 悟飯が到着する前、アスラと交戦していた天津飯が繰り出した指突の応酬……
その痕跡が何故かまったく関係の無いはずの場所にくっきりと残っていたのである。

「そう。天津飯は間違いなくあいつに攻撃を当てていたはずなのに無傷だったのは……
攻撃のダメージを受け流していたからだったんだ。
だから、あいつの不意を突いて、悟飯の攻撃を受け流す準備をしていない状態で
喰らわせてやればダメージが通ると思ったのさ」

「いやはや…やってくれたな兄ちゃんよお……!」
「!?」

 見ると、アスラは瓦礫の中から這い出して来ていた。
どうやら無事ではあるようだが、口の中の血反吐を吐き捨てて睨みつけてくる様は
明らかに怒り心頭といった様子だ。

「な、何て奴だ……! 悟飯の攻撃を喰らって……!!」
「2人とも、離れて……!」

 動揺する二人に悟飯が声を掛けると、クリリンとヤムチャは大きく飛び退いて
距離を取った。

「まさか、「衝撃操作」のタネまで暴かれるとは思わなかったぜ……
外野と思って正直、甘く見過ぎてたな……」
(やはりそうか……!)

 クリリンの推理は当たっていた。

「だが、今の一撃で俺を仕留められなかった時点でもう詰んでんだよなあ? 
この期に及んで俺を殺さずに無力化しようなんて甘い考えはもう捨てた方が
良いんじゃないかねえ……?」

 そう言うとアスラは不敵な笑みを浮かべつつ構えを取るのだった。

(あの構えは……?)

 その様子を訝しげに見つめる悟飯だったが、すぐにその疑問は氷解する事となった。

(ま、まずいぞ……!)

 アスラの身体の表面を紫色のオーラのようなものが覆っていたのだ!

「天昇せよ、我が守護星───」

 独特の抑揚をつけた詠唱が始まると同時に、大地が揺れ、空気が震え始めた……!

(も、物凄い気の高まりだ……!!)

「刮目せよ、これぞ予言の成就なり。超新星───色即絶空空即絶色、
撃滅するは血縁鎖【Dead end Staryed】ーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
「――!!」

 眩い光が辺り一帯を覆い尽くす中、最後の言葉を口にするや否や、
凄まじい勢いで岩盤に激突する轟音が響き渡った!

「い、一体何が――!?」

 ようやくクリリンたちの視界が開けた時、目の前には信じられない光景が
繰り広げられていた。腰を深く落として拳を真っ直ぐに突き出している体勢のアスラ。
そして何と、岩壁に発生した巨大なクレーターの真ん中には、
悟飯が埋もれて動けなくなっているではないか! 超サイヤ人状態も解けている。

「ご、悟飯ーーーーーーッ!!」
「――これぞ最強。これぞ究極。天上天下に比する者なし、我が星光の煌めきなり」

 研鑽に研鑽を重ね、ただその拳にて万物を打ち砕き、
立ちはだかる何物をも尽く絶命させる事のみを極め続けた。
魔拳士が誇る拳の神髄、アスラ・ザ・デッドエンドの星辰光(アステリズム)。
それが悟飯に炸裂したのである。それは刹那にも満たない一瞬の出来事であった。

「お、おい、悟飯! そんなところで寝っ転がってる場合じゃないだろ!?
さっさと起きてくれ!!」

 慌てて駆け寄るクリリンであったが、その時既に手遅れであった事を
彼は知る由も無かった……。

「い、息をしていない……脈も……」
「じょ、冗談だろ、クリリン……!? それって、つまり……!?」

 顔面蒼白になるクリリンを見て、ヤムチャもまた最悪の事態を想定し始めていた。
しかしそれは事実として彼らの前に突き付けられる事になる……。

「まったく、つくづく驚かされる事ばかりだ。
こいつを食らって原型を留めてるなんてな……だが、これで今度こそ終わりだぜ?」

「……」

「そ、そんな……悟空やピッコロに……何て言えば良いんだ……畜生ぉ……!!
悟飯ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ……」

 戦場にクリリンの悲痛な慟哭が響き渡る。孫悟飯、凶拳に倒れる――

8人目

「ゼンカイジャーVSベリアル《前編》」

「「「「「ハァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」」」」

《37バーン!16バーン!31バーン!20バーン!30バーン!》

ゼンカイジャーはベリアルに向けて全力全開で突っ走りながら歴代戦隊のセンタイギアを発動。

《キョウリュウジャー!》

「カンフーカーニバル!」

ゼンカイザーはキョウリュウレッドカーニバルの力でアンキドンハンマーとブンパッキーボールを、

《ジュウレンジャー!》

「モスブレイカー!」

ゼンカイジュランはマンモスレンジャーのモスブレイカーを、

《ゲキレンジャー!》

「サイブレード!カッター!」

ゼンカイガオーンはゲキチョッパーのサイブレードを、

《カーレンジャー!》

「サイドナックル!」

ゼンカイマジーヌはイエローレーサーのサイドナックルを、

《ボウケンジャー!》

「ラジアルハンマー!」

ゼンカイブルーンはボウケンブラックのラジアルハンマーを装備。

「「「「「ハァッ!!」」」」」

ベリアルのすぐ近くまで近づいたゼンカイジャーの5人はそれぞれが装備した武装でベリアルに攻撃する。

「無駄だ」

が、しかし…

「っ!?」

ゼンカイジャーの攻撃が当たる直前にベリアルがその場が消えたのだ。

「消えた…!?うわぁ!?」

「介人!?ぐわぁ!?」

「ガハッ!?」

「きゃあ!?」

「ぼはぁ!?」

ベリアルは高速で移動しながらゼンカイジャーを次々と攻撃してくる。

「速い…!」

「これがミスリルの皆さんが言ってたラムダ・ドライバの力ですか…!」

「だったら…!こっちも速く動く!」

《36バーン!》

「はぁ!」

《ゴーバスターズ!》

「レディー…ゴー!」

ゼンカイザーはゴーバスターズのギアを使用、レッドバスターの力で超高速移動をしラムダ・ドライバの力で高速移動中のベリアルに接近する。

「っ!ラムダ・ドライバなしでこれほどのスピードを……」

ゼンカイザーとベリアルによる目にも止まらぬ高速戦闘が繰り広げられる。

「クッ…!」

「どうした?その程度か?」

がしかし、ラムダ・ドライバの力は高速移動だけではなく攻撃や防御にも使える、レナードはベリアルのラムダ・ドライバで力場を発生させることでゼンカイザーの攻撃を防いでいたのだ。
そのためゼンカイザーの攻撃はベリアルには通っておらず

(あの見えないバリアみたいなのが邪魔で攻撃が効かない……だったら、それを打ち破れるだけの威力の攻撃をぶつければ…!)

《11バーン!マスクマン!》

「ゴッドハンド!」

ゼンカイザーはマスクマンのギアを使用し、レッドマスクの必殺技の1つである『ゴッドハンド』でベリアルを攻撃

「エネルギーを一箇所に集めてそれをぶつけるつもりか……無駄なことを……」

レナードもベリアルの右手にラムダ・ドライバのエネルギーを集め、正拳でゼンカイザーのゴッドハンドにぶつける。

「ぐぬぬ…!ぐわぁああああ!?」

正拳同士のぶつかり合い、結果は相打ち!
ゼンカイザーとベリアルはどちらも互いの攻撃の反動により後ろへ大きくノックバックする。

「ガハッ!?」

地面に転がり倒れてしまうゼンカイザー、対するベリアルの方はラムダ・ドライバで力場を発生させることによりノックバックを抑え姿勢を安定させる。

「発想は良かったがその後のリカバリーを考えてなかったようだな」

レナードは地面に倒れて隙だらけのゼンカイザーに向けてベリアルに装備された機関砲を向ける。

が、次の瞬間…

《22バーン!9バーン!12バーン!7バーン!》

「っ!?」

《ギンガマン!》

「雷のおたけび!」

《チェンジマン!》

「ペガサス!イナズマスパーク!」

ゼンカイガオーンがギンガイエローの必殺技『雷のおたけびと』を、ゼンカイブルーンがチェンジペガサスの必殺技『ペガサスイナズマスパーク』をベリアルに向けて放つ。

「なに…!?」

レナードはすぐさまベリアルのラムダ・ドライバの力で防ごうとするが直前までゼンカイザーにターゲットを合わせてたのもあり間に合わずに二人の放った雷を食らってしまう。

《ライブマン!》

「サイカッター!」

《ダイナマン!》

「バラフィナーレ!」

続けてゼンカイジュランがグリーンサイのサイカッターを投げ、ガオーンとブルーンが放った雷により怯んでるベリアルを連続で切り裂き、ゼンカイマジーヌがダイナピンクの力を使いバラの花型高性能爆弾を投げて爆破する。

「クッ…!?」

ベリアルへの攻撃が終わると四人はすぐさまゼンカイザーのところへ駆け寄った。

「介人!大丈夫か?」

「うん、ありがとう皆…!」

「……なるほど、確かに強いな……」

「っ!」

あれだけの連続攻撃を食らってなおベリアルはピンピンとしていた。

「機界戦隊ゼンカイジャー……トジテンドのことを調べてたときに君たちのことも知ったが……トジテンドを打ち倒したという情報は本当のようだ……少し、本気を出すとしよう…!」

レナードがそういうとベリアルは空中へと上昇していく。

「飛んでる!?」

「さぁ、続きを始めるとしよう…!」

9人目

「俺はオレを超えていく!! アルティメット悟飯復活!」

「……」

 アスラ・ザ・デッドエンドの星辰光、
色即絶空空即絶色、撃滅するは血縁鎖【Dead end Staryed】を食らい、地に伏す悟飯。
生命活動を停止してしまった彼の身体には既に死相が浮かび上がっており、
このままでは遠からず訪れるであろう運命は避けられそうになかった……

「――!! ――!!」

 クリリンの必死の呼び掛けにも一切の反応を示さない悟飯。その声ももはや届かない。
深く、暗く、底知れぬ闇の底に沈んでいく感覚の中、

(父さん、母さん……)

 最後に思い浮かべたのは悟空やチチ、両親の顔。

(ピッコロさん……)

 続いて浮かんだのは師匠であるピッコロの姿だった。

(みんな、ごめんなさい……)

 そして悟飯は意識を手放した――かに見えた。

『――ここで終わるのですか?』

 唐突に掛けられた声に驚き、悟飯は目を覚ました。そこにいたのは……

「……僕?」

 それは、悟飯がロンドンに出現したボージャックを迎撃した際に遭遇した、
レッドリボン軍によって生み出されし悟飯のクローン体だった。

「何故、お前が……?」
『僕はレッドリボン軍によって生み出された人造物……魂などは存在しません。
あの世とやらに運ばれる事も無い……』

 そう言いつつ無表情で淡々と答える悟飯そっくりの姿をした何かからは、
ある種の不気味さが漂っていた。人間のようでありながら人間ではない、
機械のような無機質さを感じるのである。

『僕を消したキミが、こんなところで諦めるのですか?』

 その言葉に、ハッとする悟飯。

「ぼ、僕は……」

「――ちきしょう! よくも悟飯をーーーーッ!!」

 ヤムチャが怒りに任せて飛び出す。敵わないまでも、
アスラと言う男をこのままにはしておけない。

「うおおおッッ!! 狼牙ッ!! 風風拳ーーーーーーッ!!」

 怒涛の拳打の乱舞を浴びせかける!

「はあああああああああああああッ……」
「ほう? 威勢だけは褒めてやろうじゃないか!」

「ぐあっ!?」

 だがそれもあっさりと受け流されてしまい、カウンターの肘打ちを叩き込まれて
悶絶するヤムチャ!

「ヤ、ヤムチャさん……!」
「う、ぐ、くそおっ……!!」

「しゃあああああッ!!」

 起き上がる隙すら与えぬと言わんばかりに、ヤムチャを蹴り上げるアスラ。

「ぐわああああああッ!!」

 地面に落下し、激しくバウンドするヤムチャ。
ダメージは大きく、立ち上がる事すらままならないようだ。

「さあ、そろそろ終わりにしようぜ?」

 その言葉と共に、再び構えを取るアスラ。

「こ、ここまでかよ……!!」

 悟飯に続き、ヤムチャまで……残るはクリリン一人となってしまった。

『キミの仲間も直に倒されます』
「……!!」

 瞬間、悟飯は目の前の空間に亀裂が入ったような錯覚を覚えた……
それは自分の心に生まれた綻びであり、絶望的な状況から脱しようとする
僅かな希望の兆しでもあった……

『それなのにキミはここで何もせず、ただ黙って死を待つつもりですか?』
「……だ、黙れ……お前に僕の何が分かるって言うんだ……!!」
『分かりますよ。何故なら僕もまたキミ自身なのですから』

「え……?」

 悟飯は目の前の男の言葉を理解する事が出来なかった。
自分と同じ姿形をしたこの男もまた自分だと……?

『僕はキミ、キミは僕……キミが忘れて去ってしまった、記憶、そして力そのものです』
「な、何だって……!?」

 悟飯は驚愕に目を見開く。

「僕が忘れてしまったもの……それは……」
 
 魔人ブウとの戦いの折、老界王神によって限界まで引き出された潜在能力。
それも平和な生活の中ですっかり失われていたのだ。

『僕はそのデータを基に生み出された。造られた記憶。造られた命。
そのすべてが他者によって意図的に植え付けられた偽物です。だから僕には
自分が何者なのかすら分からない……何のために生きるべきだったのかも……』
「あ……」

 悟飯の中に眠る「獣性」の解放によって消滅したクローン悟飯。
何のために生まれ、何のために生きるべきだったのかも知り得ぬままに、
偽りの命を終えたのだ。

『その僕を消したキミまでもが、こうも容易く命を諦めるのですか? 
ならば僕は何のために造られたのかさえ分からなくなる。それに、今のキミには
守るべきものがあるのではないですか?』

 その言葉にハッとした悟飯は再び仲間達に意識を向ける。
クリリンは最後まで抵抗する意志を捨てず、
ヤムチャもフラフラになりながらも何とか立ち上がろうとしている。

(そうだ、僕はまだ死ねない……! みんなを守る、力を……!!)
『もしもキミがまだ、戦う事を選べるのであれば――僕の力をキミに託しましょう』

 そう言って、悟飯に向かって手を差し伸べるクローン悟飯。
彼は自らのオリジナルである悟飯を救うべく、自らが持つ全てを譲り渡す決意を
固めていた。

『そして、願わくば忘れないで欲しい。僕と言う存在がいた事を……』
「君は……そうか、そう言う事か……」

 2人の手と手が重なり合おうとしたその時、突如としてクローン悟飯の身体が激しい光を放ち始めた!

「うわっ!? 何だ、これは……!?」

 思わず仰け反り、後ずさってしまう悟飯であったが、それでも尚光は強くなり続け、
遂には目も開けていられない程に輝き出す!

「ま、眩しい……!」

 悟飯を取り巻いていた暗闇までもが吹き飛ばされていき、視界が白一色に染まる中――

「ん……!?」
「な、何だ!?!?」

 クリリンの背後で横たわっていた悟飯から、強烈な気が発せられるのを感知した。
死の淵から立ち直る事によって戦闘力を上昇させるサイヤ人の血がそうさせるのか、
それとも……

「ご、悟飯……!? 生きてたのか……」
「おいおい、俺の星辰光を喰らって肉片にならねえどころか、蘇って来やがっただァ? 
今度はどんなトンチキだ、おい!!」

「……」

 悟飯の身体が浮遊し、両足が地に着く。
その表情は先程までとは打って変わって強い覚悟を感じさせるものであり、
まさに別人と言っても差し支えの無い変化を遂げていたのである!

 名付けるならば、究極。あの魔人ブウをも圧倒した程のパワーを手にした頃の
アルティメット悟飯そのものであった。

「お、お前……一体どうしちまったんだ?」

 驚きのあまり、唖然としたまま呟くクリリン。だが、当の悟飯本人はと言うと……

(ありがとう、もう一人の僕。君の魂も、僕が引き継ごう……)
「……違うな。さっきまでとは何もかもが違う。出し惜しみしてたとでも言うのかい、
兄ちゃんよ」

「――!!」

 アスラの問いにも応えず、悟飯は一瞬でアスラの側に倒れていたヤムチャを救い出し、
再びクリリンの元へと移動する。

「速い……!!」

「クリリンさん、あいつとは僕が戦います……」
「あ、ああ……」

 クリリンが見た悟飯のその背中は、何倍にも逞しく見えた。

「第2ラウンドって事でいいのかい?」
「ああ。そして、これで決着を着ける……!」

10人目

「ソラの果て、暗黒の魔界」

 人間の里、寺子屋の一室

「……。」
 シャルルマーニュと江ノ島は、ソロモンの指輪をじっと見つめていた。
 その様子を、彩香は見ていた。
 やがて耐え切れなくなったのか、彩香が質問する。
「どうしたの、ソロモンの指輪とにらめっこなんかして。」
「いや、この指輪も結構集まって来たなって。」
「残るソロモンの指輪、どこにあるんだろうな?って思ってさ。」

 手元にあるのは、ソロモンの指輪三つ。
 トラオムでリクがシグバールから手に入れたので一つ。
 この幻想郷で八雲紫とレミリアから獲得したモノで二つ。
 残る指輪は七つ。果たして、その所在はいかに。

「そのうちの一つはカール大帝が持っていたが、またいつか戦わないといけないのか……。」
 そうシャルルマーニュの顔は、少し深刻そうだった。
 救世を諦めきれぬ、もう一つの己。
 一体どのような事情があって復活し、どのような経緯をもってその結論に至ったかは影たるシャルルマーニュにはついぞわからない。
 だが、それでも今なすべきことは分かる。
「今は粛々と、指輪を回収しよう。教団よりも早く、ね。」
「そうだな。」
 カール大帝よりも、メサイア教団よりも早く指輪を回収する事。
 それが、今自分たちができる最低限の抵抗だと。



 人間の里 外

「妙ね……。」
 その頃、八雲紫は空を見上げつつ、何かを苦虫を磨り潰したような顔をしていた。
 人差し指を外の風に当て、何かを感じている。
「瘴気の流れがおかしいというか、強い?瘴気が結界から漏れ出るほどに強いなんてあったかしら……。」
 指先で、どこからか流れてくる瘴気を感じていたが、どうもおかしい。
 ここまで強いことがあったか?
 あの先にある、結界で封じている『何か』から瘴気があふれることなど今までなかった。
 と、そこに。
「紫さん。」
 リクが駆け付ける。
「ん、あら何か?異界の勇士様?」
 紫が意図しているかどうかは知らずとも、「異界の勇士」というのはリクのこの世界における在り方を言い当てていた。
 リ・ユニオン・スクエアとも特異点とも異なる完全な異界からの来訪者。
 それが、この世界のリクなのだ。
「さっきから空を見上げているようだが、何かあったのか?」
「ええ、妙にあの先の魔力が強くなっているような気がしてね。きっと、何者かが介入しているような気がするのよ。」
 そう言いながら、紫は空めがけて指をさす。
「あの先には一体何があるんだ?」
 リクの問いかけに、紫は少々苦い顔で答えた。
「そうね、あそこは危険すぎるしあまり答えたくないんだけど……まぁ、幻想郷を救ってくれたお礼もあるし、教えておくわ。」
 ため息交じりに、八雲紫は話す。

「あの先には『魔界』っていうこことは少々事情の異なる世界があるの。普段は私すら行かないし、霊夢たちですら手を焼くとても危険な場所よ。」
「そうか……。」
「普段は結界で封じているんだけど、漏れ出ることなんてなくて。」
「どうやったらいけるんだ?」
「あー、悪いこと言わないからやめておきなさい。さっきも言ったと思うけどあそこは霊夢たちすら手を焼くほど危険。これはあなた方の実力を嘗めているからじゃなくて、単に心配だから言っているのよ。外の世界の住人達に、私たちの案件で迷惑をこうむりたくない。」
「でも、放置しておいてもまずいだろ。」
「それもそうね……。」

 しばらくの沈黙。
 あのソラの先にあるという暗黒の魔界。
 果たして、幻想郷の外から来たというCROSS HEROESは行くのか?
 と、その時紫が切り出した。

「で、あなた達は行くつもりなの?あの先の魔界に。」
「それは……まだ決めてない。みんなと相談してこれから決める。」
「なら一応言っておくわ。あそこは瘴気が強すぎて直接スキマでの移動は近くでも無理。もし行くというなら、別の方法が必要ね。」
「別の方法?」

「どうしても行くというのなら、ここからちょっと西にある『命蓮寺』に行ってそこの住職にさっきの事情を伝えなさい。きっと彼女なら場所も知ってるし、連れてってくれると思うわ。」
「そうか、ありがとう。」
 そう、リクは紫に頭を下げてその場を去った。

11人目

「幕間:希望への旅 - 友情の辛味噌ラーメンの巻 -」

 ――幻想郷。

 ペルフェクタリアは交代制で久しぶりの休暇を楽しんでいた。
彼女は魔殺少女としての技術を駆使し、復旧作業に積極的に参加していた。
瓦礫の撤去、避難所の設営、負傷者の救助といった様々な作業に汗を流していた。

 しかし、休み無く働き続けるペルを見かねた月美は、彼女を休息に誘った。

「私は別に休まなくても構わない」
「そう言う訳にもいかないよ」

「ん……」

 幻想郷を歩いていると、どこからか美味しそうなラーメンの香りが漂ってきた。
ペルと月美はその香りに引き寄せられるように歩を進めると、
一軒のラーメン屋台に辿り着いた。看板には「ラーメンマンの店」と書かれている。

「ラーメンマンさん!」
「やあ、君たちか。いらっしゃい。何を注文するかい?」

 ラーメンマンは廃棄孔の怪物との戦いで被害を被った幻想郷の住民たちに
お手製のラーメンを作って配っていたらしい。
本日分の作業の半分を終えたところで休憩をしている所だったようだ。

「では……」 

 ペルはメニューを見ながら答えた。

「辛味噌ラーメンを一つ、お願いする」

 ラーメンマンは微笑み、手際よく調理を始めた。

「辛味噌ラーメンね、これは私の自信作だ。少し待っててくれ」

 ラーメンマンは手早く麺を茹で、特製の辛味噌スープを用意した。
香ばしい匂いが屋台に広がり、ペルの食欲をさらにそそった。

「お待たせ、辛味噌ラーメンだ」

 ペルは出されたラーメンを見て、その美しさに感動した。スープは赤く輝き、
トッピングの野菜やチャーシューも完璧だ。彼女は一口食べると、
その深い味わいに目を閉じて感動した。

「これは……最高だ。こんなに美味しいラーメン、初めて食べた」

 ラーメンマンは満足そうに頷いた。

「気に入ってもらえて何よりだ。君たちの戦士としての頑張りに報いて、
この一杯で少しでも元気が出るといいな。此度の戦い、皆、本当に良く頑張った」

「意外。ペルちゃんが美味しそうに何かを食べてる姿を初めて見たかも」
「私は、ラーメン屋の老夫婦に引き取られた。だから、ラーメンは好きだ」

(そうなんだ……)

 普段、あまり感情を激しく表現する事の無い印象だったペルの、
知られざる一面を見た月美。そう言えば、ペルのプライベートに関しては
あまり深く聞く機会は無かったかも知れない。

 ペルはラーメンを食べながら、ラーメンマンに感謝の気持ちを伝えた。

「ありがとう。おかげで、また明日から頑張れそうだ」
「ふふ……ペルちゃん、少し嬉しそう」

 その後、ペルと月美、ラーメンマンはしばらくの間、
戦士としての経験や異世界での話を語り合った。
ラーメンマンはペルの話に興味深く耳を傾け、彼自身の冒険についても語った。

「……」 

 そんな中、ラーメンマンの辛味噌ラーメンが存外に美味しかった事も手伝って、
ペルは自身の半身である、平坂たりあのことを思い出していた。
ラーメンマンがペルの考え事に気づき、声をかける。

「何か思う所があるようだな」
「少しだけ、思い出していた……昔のことを」

「何か話したいことがあるなら、聞くよ?」

 ペルは少し考えてから、決心したように話し始めた。

「たりあのことだ」

 ラーメンマンと月美は静かにペルの話に耳を傾けた。

「たりあは私の大切な人で、私はここに来る前から
ずっとたりあを守るために戦ってきた。それだけのために生きてきた」

 ペルは少し言葉を詰まらせながら続けた。

「アベレイジとの戦いの後、私とたりあはラーメン屋の老夫婦に引き取られ、
たりあは学校に通うようになった。私はその時の仲間たちと共に世界を脅かす事件を
解決する任務に就いていた。だが、禍津星穢によって、たりあの行方は世界もろとも
分からなくなってしまったんだ」
(ペルちゃんも私と同じく、グランドクロスにすべてを奪われてしまった……)

 禍津星穢を追ってリ・ユニオン・スクエアへとやって来たペル。
その中でメサイア教団の大司教がひとり、アザゼル・O・カルネウスとの戦いの最中、
深海の底に沈んだ時。ペルは不思議な夢を見た。

 グランドクロスの亡霊たちと戦う、暁美ほむら、藤丸立香、巌窟王……
その中に平坂たりあの姿を見つけたのだ。その場所が何処にあるのか、
そもそも夢なのか現実なのかも定かではないが……ラーメンマンは静かに頷きながら、

「君たちの絆は強いのだな。きっとまた再会できる」
「そうだろうか……」

「もちろんだ。人の絆、友情、愛……
それは時として計算では測れない力を発揮するものなのだ」

 月美も優しく微笑みながら、

「たりあちゃんもはきっとペルちゃんのことを想いながら頑張っているよ。
お互いに信じ合っていれば、再び会える日が来るはずだよ」

 ペルは二人の言葉に少し救われた気持ちになり、微笑みを浮かべた。

「ありがとう、ラーメンマン、日向月美。そうだな、たりあもきっと頑張っている。
私もここでできることを頑張る」

 その後、ペル、ラーメンマン、月美の三人は力を合わせて復旧作業を続けた。
ペルは幻想郷の復興と人々の幸せのために全力を尽くしながら、
たりあとの再会を心待ちにしていた。

「ラーメンマン、手伝わせてくれ。私はラーメン屋の手伝いもしていた」
「私も是非お手伝いさせてください!」

 ラーメンマンは笑顔でペルと月美を迎え入れた。

「ありがとう、ペルファクタリア、月美。君たちが手伝ってくれるとは心強いよ」

 ペルは厨房に立ち、ラーメンマンと共にラーメンを作り始めた。
彼女の手際の良さにラーメンマンも感心していた。
ペルは力仕事が得意で、重い鍋を持ち上げたり、一度にたくさんのラーメンを運んだり、
月美は大量の野菜を切ったりと大活躍だった。

「よっ、ほっ……」
「刃物を使うのは戦いで慣れてますから」
「ふふ、人生、何処で何が役立つか分からないものだな」

 三人は息の合ったコンビネーションで次々とラーメンを作り、
避難所にいる人々に配っていった。

「このラーメン、美味しい!」

 避難所でラーメンを食べた人々は、その美味しさに元気を取り戻していた。

「君たちは本当に頼りになるな」

 ラーメンマンは感謝の言葉を口にした。

「その力があれば、もっと多くの人を助けることができる」

 ペルは微笑みながら答えた。

「私ができることをするだけさ。みんなが元気になれるように」
「ペルちゃん……」

 こうして、幻想郷の一日が過ぎていった。ペルはラーメンマンとの出会いを大切にし、
美味しいラーメンの味と共に、三人の友情は、幻想郷に新たな希望と力をもたらし、
人々の心を温かくしていったのだった。

12人目

「ゼンカイジャーVSベリアル《後編》」

「ウワァアアアアアア!?」

空を浮遊するベリアルから一方的な攻撃を受けるゼンカイジャー

「これマジでやばくね!?」

「さっきから一方的に攻撃されてるじゃん!?」

「どどどどうするんスかこれ!?」

「と、とりあえず空に飛ばそうなセンタイギアを使いましょう!」

「えっと…空に飛べそうなのは……これとこれと……あ!これとこれも使えそう!あとはこれもかな…?」

ゼンカイザーは選んだセンタイギアを他の4人に渡し、

《43バーン!15バーン!27バーン!41バーン!21バーン!》

「「「「「ハァッ!」」」」」

そして5人それぞれセンタイギアを発動していく。

《リュウソウジャー!》

「ケッボーン!」

ゼンカイザーはリュウソウジャーのヒエヒエソウルの力で、

《ジェットマン!》

「恐竜から鳥へ!」

ゼンカイジュランはジェットマンの力で、

《アバレンジャー!》

「プラプラプラー!」

ゼンカイガオーンはアバレイエローアバレモードの力で、

《キュウレンジャー!》

「スピードスターッス!」

ゼンカイマジーヌはワシピンクの力で、

《メガレンジャー!》

「サーフィンしましょう!」

ゼンカイブルーンはメガレンジャーのサイバースライダーに乗って空へと飛び立った。

「……なぁ、これぶっちゃけ俺とガオーンの使うセンタイギア逆の方が良かったんじゃね?」

「そこは気にしちゃいけません」

「……まさか君たちも飛ぶ手段を持ってたとは……いいだろう、飛べたところでこのベリアルに勝てないことを教えてやる」

「空中戦!全力ゼンカーイ!」





一方その頃宗介はというと、

「……ここだな」

かなめがいると思われる建物の前まで来ていた。

(事前の情報ではここに千鳥が……)

『軍曹、周囲に敵の反応があります』

「っ!」

宗介と彼が乗ってるレーバテインを囲むようにアマルガムの傭兵か乗るASの部隊が現れた。

『どうやらどうしても軍曹を中に入れたくないようですね』

「チッ、邪魔をするなぁ!」

宗介の乗るレーバテインはアマルガムのAS部隊と戦闘を開始した。





一方その頃、ゼンカイジャーはレナードが乗るベリアルと激しい空中戦を繰り広げていた。

《32バーン!ゴーオンジャー!》

「ガレージランチャー!発射!」

ゼンカイブルーンはゴーオンブルーの武器であるガレージランチャーでベリアルに向けていくつもの光弾を放った。

「ふっ…」

対するレナードが乗るベリアルは飛んできた光弾を難なく回避していく。

「あの程度の攻撃が、このベリアルには当たると思ったのかい?」

「えぇ、思ってませんよ。なにせ今のは当てることが目的ではなかったので」

「なに?」

《29バーン!35バーン!マジレンジャー!ゴーカイジャー!》

「ヌヌヌマジーヌ!マージ・マジ・ゴー・ゴーカイ!」

ゼンカイマジーヌはマジレンジャーの力とゴーカイジャーの力を合わせて魔法「マージ・マジ・ゴー・ゴーカイ」を発動、ベリアルを拘束する。

「っ!?なんだこれは!?」

「ナイス拘束ですマジーヌ!」

「ブルーンも誘導あざーす!」

「いえいえ…さぁ介人、ジュラン、ガオーン、今のうちにやっちゃってください!」

「ありがとうブルーン!」

「サンキュー!」

「助かるよ!」

「よーし…!」

《26バーン!10バーン!》

「まずは俺から!」

《ハリケンジャー!》

「超忍法!影の舞!」

ゼンカイジュランがハリケンジャーの力を使い、「超忍法・影の舞」で拘束された状態のベリアルを斬りまくる。

《フラッシュマン!》

「ちょわー!」

続けてゼンカイザーがピンクフラッシュの力を使って足にプリズムブーツを装着し、必殺技の「ジェットキック」でベリアルを蹴り飛ばす。

「ガハッ!?」

「今だよガオーン!」

「OK介人!」

《23バーン!》

蹴り飛ばされたベリアルをガオーンがキャッチし…

《ゴーゴーファイブ!》

「牛乳竜巻落とし!」

ゴーイエロー(の変身者である巽ダイモン)の必殺技「牛乳竜巻落とし」で上空から地面へ思いっきり叩きつけた!



ガオーンに続くように次々と地面に着陸していくゼンカイジャー

「……やった?」

「わからない……けど、あれだけの攻撃を受けたら、流石に……」

……しかし次の瞬間……

「っ!?」

「「「「「うわぁああああああああああああああああ!?」」」」」

突如として彼らを襲う目に言えない謎の攻撃。

「い、今のは…?」

「……まさかこれほどとはな……」

「っ!そんな……」

攻撃の正体、それは倒したと思ったベリアルのアイザイアン・ボーン・ボウによるものだった。

「だが、この僕とベリアルを倒すには……まだ足りないな……」

13人目

「Doppel of escape.」

 生と死の狭間から立ち直った事で、かつて老界王神によって
潜在能力を限界まで開放されたアルティメット悟飯が復活を遂げた頃、
環いろはら魔法少女たちはウラヌスNo.ζとの激闘を繰り広げていた。

 やちよとみふゆの「コネクト」による多重幻惑によるトライデント一斉投擲、
そして、十七夜のマギア「断罪の光芒」が炸裂した。
ウラヌスは大爆発の炎の中に消える……

「みんな、気を抜かないで。まだ終わっていないかもしれない……」

 やちよの言葉に緊張感が走る一同。

(とは言え、これで倒せてなくても困るんだけど……)

「ふふふ……些か驚かされたが……だが、まだだ……!」
「!!」

 氷雪の竜巻が天へと昇り、煙が晴れると、
ウラヌスNo.ζの外見からははさほどの損傷も認められなかった。

「馬鹿な……!」
「返礼をくれてやる……受けてみろ……!」

 再び氷柱が形成され、魔法少女たちに向かって飛び出す。

「うおっ……!」
「きゃあ!!」

 十七夜やみふゆの身を掠める氷柱。さらに……

「黒江さん、危ない!」
「環さん!?」

 いろはが黒江を庇って氷柱を受け、負傷する。

「うっ……!」

 白いローブを貫通する複数の氷柱……その中の1本がいろはの右肩を深めに穿つ。

「環さん……うわあああああああああ!!」

 黒江の上に覆い被さるいろは。ローブが真赤に染まり、滲んで行く……
鮮血が黒江の頬に滴る。

「いろは……! 何と言う事……」
「黒江さん……大丈夫……?」

「た、環さん……! 環さん……!!」

 痛みに顔を歪ませながらも、自分ではなく黒江の身を案じている。
この子はいつもそうだ。自分よりも他者を守る事を優先する。例え己が身を捨ててでも……

「環さん……どうして……どうしてあなたはいつもそうなの……
どうしていつもそんなに優しく、強くいられるの……」

 私なんか守る価値は無いのに。
環さんが傷つくくらいなら私が消えてしまった方がいいのに。
弱くて、臆病で、皆の足を引っ張ってばかり。
魔法少女になった事だって、くだらない願いからだった。
助けられる価値なんか無い、路傍の石ころ……

「黒江さんが、大切だからだよ……やちよさんも、みふゆさんも、十七夜さんも……
大切だから、守りたいの……」

 環いろは。あなたは眩しすぎる。誰もいない、暗い、冷たい闇の中で蹲っているのが
お似合いの私には、あまりにも……その光に触れたくて、手を伸ばしたら、
私が私で無くなってしまうとさえ思える……

「劣等種同士で傷の舐め合いか。滑稽だな。まとめて仲良くトドメを刺してくれる」
「――うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 黒江の怒りと慟哭が、心の内底に眠らせていた漆黒の闇を呼び覚ます。

「こ、この魔力の高まり……尋常ではないぞ!」
「あれは……もしや彼女の……」

「黒江さん、冷静になって!」
「許さない……ウラヌス、絶対に許さない!!」

 ドッペル。それは、魔法少女が抱えた穢れが噴出し、顕現した力。
愛憎、怒り、悲しみ……激しい感情の発露。しかしそれは己の身をも滅ぼし尽くす
諸刃の剣……

「うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 黒江の背中に、大量の泥で集まって出来た巨大な黒い翼が出現し、空に羽ばたく。
その形状は、夜鷹。星の光さえ届かぬ夜空を辿り着く場所さえ分からぬままに
飛び続ける。逃げるように。泥の重さは積り積もって、
空を飛ぶ事も、歩く事さえもままならなくさせてやがて何処へも進めないまま、
地に這い蹲って朽ち果てるのみとなる、「逃避のドッペル」。

「な、何だこの力は……!?」
「潰れろ! 潰れろ!! 潰れろおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」

 二対の翼を巨大な拳の如く、交互に大地に叩き付ける。
ウラヌスが形成した氷の舞台も容易く砕き割り、氷柱の弾丸も寄せ付けない。

「おのれ……! 劣等種如きがこの私を脅かすなど……万死に値するぞ、貴様!!」

「黙れ! 黙れ!! 黙れ!!! もう喋るな!!! 私が環さんを守る!!!
そのためなら死んだって構わない!! 私なんかより、環さんが生きていた方が良いに
決まってるんだからあああああああああああああああああああ!!」

 暴走した黒江のドッペルがウラヌスNo.ζを圧倒する。しかし、その一撃一撃が
黒江の命と魂を着実に蝕んでいるのだ。

「いろは……しっかり!」
「やちよさん……黒江さんを止めてください……あの力は……危険です……」

 やちよに抱き起こされたいろはは、この期に及んでも黒江の身を案じていた。

「あなたって子は……」

「七海、このままでは黒江くんが危ないぞ」
「ええ、なんとかしないと……」

14人目

「明かされる真実と千鳥かなめの答え」

「ハァアアアアアア!!」

愛機であるレーバテインに乗り、アマルガムのAS部隊を次々と撃破していく宗介、しかし……

「……きりがないな……」

敵の数は今だに多く、全てを倒し切るにはまだまだ時間が掛かるだろう。

(……このまま時間が掛かれば計画を強行される可能性がある……せめて千鳥をなんとかできれば……)

なんとかいい方法はないか、そう思いながら周りを見る宗介

(っ!あれは……)

宗介が見つけたもの、それは島中に設置された監視カメラのうちの一つだった。

(監視カメラ、それも音を拾うタイプのやつか……一か八かの掛けだが、やる価値はあるかもしれん……)





一方その頃、かなめ……いやソフィアはというとモニターで監視カメラの映像を見ていた

「……宗介……やっぱり来たんだ。
わざわざ助けに来ないでほしいって、邪魔しないでって言ったのに……」

自分の言ったことを無視してCROSSHEROESと共に自分達の邪魔をしに来た宗介に対して、彼女は呆れていた

「……レナードには悪いけど、邪魔される前に実行したほうが良さそうね……」

そう言い彼女は計画に使う装置…TARTAROSがある部屋へと移動しようとした……が、次の瞬間……

『千鳥!千鳥聞こえるか!』

「っ!」

その場に響いた声……それは監視カメラが拾った宗介の声であった……

『千鳥……俺はお前に言いたいことがあってこの島に来た、今からお前が聞いてること前提でそれを言わせてもらう』

「言いたいこと…?」

(まさか説得する気?馬鹿馬鹿しい……今更なに言われたって……)

そう、わざわざここまで来た以上、説得の言葉を言いに来たと思うだろう……だがしかし

『千鳥……俺は失望している、まさか君がそこまで臆病だったとはな!』

「……は?」

なんと、彼が言い出したのは説得の言葉ではなく、罵倒の言葉であったのだ!

『なにがこの世界は間違ってるだ、散々人がなにかをやらかす度にハリセンで叩いて説教しておきながら、自分は嫌なことを世界のせいにして逃げるつもりか?そんな自分勝手な自己中だったのか君は?だとしたらとんでもないクソ女だな!今まで君のために頑張ったことが馬鹿らしくなるぞ!だいいち前々から…』

宗介はひたすらに誰が聞いても罵倒や苦情にしか聞こえないことを言っていく……ちなみにこれは彼なりの説得の言葉であり決して悪気があってやってることではないので勘違いしないように。

「こ、これがあいつの言いたいこと…?ただの罵倒じゃない!
……もういい、こんなのくだらないわ……」

そう言い彼女はその場を去ろうとするが……

(……誰が)

「……?」

(誰、が!)

「!?」

彼の罵倒にしか聞こえない説得が効果あったのか……ついに…!

「誰がクソ女よソースケぇ!!」

ソフィアに乗っ取られてた、本物の彼女の…千鳥かなめの意識が、目覚めたのだ!





千鳥かなめの精神世界にて…

「さっきから黙って聞いてりゃ自己中だのクソ女だの好き放題言って!大体あんただって…!」

宗介の言ったことに対して反論するように文句を言い始めるかなめ、そしてそれを驚きつつも呆れながら見つめるソフィア。

(……まさかあんな罵倒で目覚めるなんて……しかも目覚めて早々にやることがこんな馬鹿げた反論だなんて……)

「あ〜、すっきりした…!
さて…どうするの、ソフィア?」

「決まってるでしょ?彼の計画を実行するの。
こんな世界、存在する価値なんてないわ……だから作り直す、その方が私や彼(レナード)にとっても、あなたやあなたの大好きな彼(宗介)にとっても良いことに決まってる……何よりも、彼女のためにも絶対に達成しないといけないのよ……」

「彼女って……」

「……私を通じてあなた達ウィスパードに並行世界の情報を伝えた張本人……並行世界のあなたよ……」

「並行世界の……私…!?」

「そう……彼女はラグナロクと呼ばれる大昔に起こった全ての並行世界を巻き込んだ戦い、その戦いでミケーネや闇の巨人と戦ったCROSSHEROESと呼ばれる戦士達が存在した世界の出身だった……けど、そのラグナロクと呼ばれる戦いの中で、彼女は好きだった彼も、大切な親友たちも、全て失った……」

「っ!」

「そしてラグナロクが終わったあと、いつかまた同じようなことが起こるかもしれないと考えた彼女は、せめて並行世界の自分が同じような辛い思い味合わないで済んでほしいという願いのもと、オムニスフィアを通して様々な並行世界に自分の世界の技術を始めとした、あらゆる情報をひたすらに流したのよ。
……グランドクロスと呼ばれる存在の手によって自分の世界が滅びを迎えるギリギリまでね……」

「グランド…クロス……」

「私は自分が生きるためにも、彼女の願いを叶えるためにも、絶対に世界を変えないといけないの、そしてそれはあなたのためにもなるわ」

「私のため…?」

「そう、またラグナロクが起きても巻き込まれることがない、グランドクロスみたいな存在の脅威に怯える必要もない、ましてやメサイア教団みたいな最低な人達は1人もいない、あなたは家族と一緒に仲良く暮らせてあなたの好きな彼も兵器ではない普通の学生としている……そんなあなたにとっても理想の世界ができるのよ?だから……」

「……ごめん、あなたや並行世界の私には悪いんだけど、私はそれでもこの世界を作り変えたくはない」

「っ!?なんで…!?」

「だってその世界じゃきっと、私が好きになった……私の知ってる相良宗介はいないと思うから……」

「っ!」

「確かに嫌なことや辛いことはいっぱいあったけど……それでもあの学校で皆と過ごした日々はとても楽しかったし……何よりも私、今のあいつが大好きだから…!」

「……そう……それがあなたの答えなのね……」

「ソフィア……」

「……この世界じゃ私はもう死んでいる……だからやり直された世界でもう一度生きたかった……けど、今のあなたを見ると、そんなこともうどうでも良くなってきたわ……」

「……ごめんなさい、私のわがままであなたがもう一度生きれるチャンスを……」

「いいのよ。その代わり……私や彼女の分もいっぱい生きて幸せになって……そして彼も……レナードも助けてあげて」

「わかった、約束するよ」

「……ありがとう……」

(これで良かったんでしょ……もう一人のかなめ……)

こうしてソフィアの人格は満足そうな表情と共に消滅していったのだった。

15人目

「潜在能力vs衝撃操作」

 アルティメット悟飯とアスラ・ザ・デッドエンドの戦い。

「なぁによ、まだそんな力を出し惜しみしてたってわけかァ?」
「出し惜しみしてたわけじゃないさ……」

「まぁ、どっちでも良い。まだまだ愉しませてもらえそうなのは確かだ……」

 あくまで戦いを楽しんでいる風のアスラに対し、悟飯は冷静に構えて、

(この力を以てしても……奴の能力は厄介だ。一筋縄ではいかないな。
でも、負けるわけにはいかない)

 そう。アスラの真骨頂は衝撃操作。
如何なる攻撃も受け流し、如何なる防御をも貫通する。
これを攻略しなければ、悟飯のパワーも意味を成さない。

 クリリンやヤムチャが遠くから見守りながら、睨み合いは続く。
不敵な笑みを浮かべながら、アスラは言う。

「ふん、貴様がどれほどの力を持っていようと、俺の前では無力だ……そらぁぁぁッ!!」

 アスラは震脚にて地面を踏みしめ、突き上げた拳の風圧によって発生させた
強烈な衝撃波を悟飯に向けて放つ。悟飯は瞬時に跳び上がり、攻撃をかわす。

「速い……でも!」

 悟飯は反撃の気功波を放つが、アスラはそれを片手で受け止める。

「無駄だ、貴様の攻撃は全て受け流す!」

 そして側面に受け流し、気功波を霧散させる。

「くっ……! やはりこれでは攻撃が通じない……」

「悟飯、気をつけろ! あいつの能力はただの防御じゃない!」
「悟飯なら何とかしてくれるさ、信じよう!」

 クリリンやヤムチャの声援を受けながら、悟飯は思案する。

「あいつの衝撃操作……物理攻撃やエネルギー攻撃を全て受け流す能力か。
しかし、何か突破口があるはずだ」

「終わりだ!」

 アスラの追撃。悟飯は素早く回避し、アスラの背後に回り込む。

「ここだ! だりゃりゃりゃあああああッ!!」

 悟飯は連続する強烈なパンチとキックを繰り出すが、アスラは衝撃操作で
攻撃のダメージを最小限に抑える。

「ぐっ……! やるな……だが……!!」

 アルティメット化によって上昇した悟飯の戦闘力に比例し、
攻撃に乗るパワーもスピードも増している。それはつまり、アスラが
持ち前の拳法スキルと衝撃操作を用いて悟飯の攻撃を捌くための余裕を削っていると
言う事でもある。

「あいつ、パワーアップした悟飯の攻撃にもついて行ってるぞ……!」
「悟飯、何とかしろよ……」

 驚愕するクリリンと、不安げにつぶやくヤムチャ。
悟飯は攻撃の最中においても、内心でアスラに対する攻略法を模索し続けていた。

(衝撃操作の仕組みを見極める必要がある……物理的な衝撃を操るなら、
その瞬間的な操作に限界があるはず。もし、同時に複数の方向から攻撃すれば、
全てを受け流すのは難しいかもしれない……)

 悟飯とアスラは互いに向かって突進し、激しい肉弾戦が繰り広げられる。

「これでも食らえ!」

 アスラは強烈なパンチを繰り出すが、悟飯は素早くそれをかわし、

「まだまだ!」

 カウンターの膝蹴りを繰り出す。

「ふん、その程度か!」

 衝撃操作でそのダメージを最小限に抑えつつ、アスラはノーモーションで肘打ちを
繰り出す。悟飯は反射的に回避し、アスラの腹部に強烈なパンチを放つ。

「でやああああああああああッ!!」
(チッ……! 受け流すタイミングを外したら不味いかもなァ!)

「悟飯、すげえ……でもあの衝撃操作が厄介だ! あれが破れないんじゃ、
決定打には成り得ない……」
「頑張れ、悟飯!」

(同時に複数の方向から攻撃を繰り出す……それしかない!)

 悟飯は全身の筋肉を緊張させ、次々と高速で連続攻撃を繰り出す。
パンチ、キック、肘打ち、膝蹴りを同時に、異なる角度からアスラに向けて繰り出す。

「何!? この速さ……! まだ上がる!?」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ……!!」

 悟飯の攻撃が次々とアスラに命中し、衝撃操作が追いつかなくなる。

「へへ……! 受け流すだけが能ってわけじゃないぜ!?」
「何ッ……」

「受けたダメージを溜め込み……拳に集中ぅぅぅう……!!」

 アスラの右腕に高エネルギー反応が収束していく。

「――返すぜぇぇぇぇッ!!」
「うおっ……!!」

 寸での所で後方に飛び、難を逃れる悟飯。アスラのカウンター攻撃で
大地が易々と砕け、陥没する。

「……何て奴だ……!」
「へっ……へへへっ……ここまで力を使うのは本当に久しぶりだァ……
強ええ……アンタホントに強いわ。賞賛に値する程にィィィ……」

 悟飯の潜在能力が勝つか、アスラの衝撃操作が勝つか……
勝負の行方は未だ分からないまでも、決着は一瞬。それだけは確かだ。

16人目

「何故彼はレナードに協力したのか」

「ハァ……ハァ……」

自分の身体を取り戻したかなめは急いで建物の外へと向かい走る。

(確かこの先に出口が…!)

しかし…

「っ!」

「……どこへ行こうというのかね?」

「カリーニンさん……」

出口まであと少しのところでカリーニンが彼女の前に立ちふさがったのだ。

「……その様子だとソフィアとやらから身体の主導権を取り戻したようだな」

「えぇ……言っとくけど私はあの子と違って計画に協力する気はないわよ」

「そうか……だが、悪いが君には拒否権はない……」

そう言うとカリーニンはかなめにナイフを向けた

「君には大人しく計画に協力してもらうぞ……」

「カリーニンさん……どうして……」

「……サガラが君を取り戻しに来たように、私も取り戻したいものがある……それだけだ……」

「取り戻したいもの……」

すると……

「千鳥!」

そこへ宗介が駆けつけた

「宗介!」

「来たか、サガラ」

「少佐……」

「だが、悪いが彼女を渡せないな……」

「レナードの計画に必要だからか?」

「そうだ」

「なぜだ?何故あんたほどの男がやつの計画に協力する!?」

「……全ては妻に……イリーナに会うためだ」

「少佐の奥さん……」

「お前には話してなかったな。妻は医療事故により私の子を宿したまま死んだ……」

「だからレナードの計画に乗ったというのか!?」

「あぁそうだ。
一時期はドラゴンワールドにあると言われる伝説の宝……ドラゴンボールを使って蘇らせようともとも考えたが、私一人では7つのドラゴンボールを探すのは不可能に近しい……
それに生き返らせたところで何十年経っても今だに争いや脅威が耐えない今のこの世界じゃ未来などないにも等しい……
ともなればもはや手段はただ一つ……世界そのものを作り変えて、争いも脅威も存在せず、イリーナと腹の子が死んでない世界で彼女と再開するのみ……それを邪魔するのなら……」

カリーニンはナイフを宗介の方に向ける

「お前であっても容赦はしないぞ……サガラ…!」

「それはこっちも同じだ…!」

宗介もナイフを取り出した。

「俺は千鳥を絶対に連れて帰る…!」

「いいだろう……来い!」

「行くぞ!」

宗介はカリーニンに斬りかかるが…

「甘いな」

回避され、逆にカリーニンによる反撃を受けてしまう。

「くっ!」

「どうした。AS無しでは手が出ないか?」

「………」

「お前には戦う術を教えてきたが、前から思っていた事がある」

「何だ?」

「才能がない」

(……そんな事は言われるまでもなくわかってる。
俺は決して天才じゃない……格闘も少佐には及ばない。
狙撃もASの操縦も、俺より上手い奴はいくらでもいる。
俺の強みは…)

「来い、サガラ」

(せいぜい土壇場のしぶとさぐらいだ!)

「行くぞぉぉぉぉぉっ!!」

再び互いに斬り合う宗介とカリーニン、互いのナイフは何度もぶつかり合い、そして…!

「何っ!?」

何度もぶつかり合ったことでダメージが蓄積されたのか、カリーニンのナイフが折れたのだ…!

「あんたのナイフは折れた、俺の勝ちだ」

「…そのようだな」

「………」

「どうした?トドメを刺さないのか?」

(……覚悟は決めたつもりだったが……やっぱり無理だ……
自分には少佐は殺せない……
俺にとって少佐は…親父なんだ……)

「…だから言った。お前には才能がないと」

「うるさい…」

「お前は狼の群れの中で育った子羊だ。
血に飢える事もないし、肉をむさぼる必要もないのに狼のふりをしてきた…。
そうしなければ生きられなかった。
これほどいびつで、これほど悲しい生き物がどこにいる?」

「知った事か…」

「お前はこうしているべきではない。
カシムやウルズ7などと呼ばれるような男になるべきではなかった、もっと正しい場所があったはずだ…
あの日、お前を墜落した旅客機から救い出し、数年後、戦場で再開したお前を見て、私はずっと思っていた」

「え…」

「……もしかして、カリーニンさんがレナードの計画に協力してるのは、奥さんや子供だけじゃなくて、宗介のため…?」

「……そうだ……お前が戦いの道に進まないといけなくなったのは私のせいだ。だからこの世界を、お前が兵士としてではなく、ただの一般人として人生を歩める世界にしたかった。
イリーナと腹の子だけではなく、お前も救ってやりたかったんだ…この戦いの世界から…」

「ふざけるな!そんなものを俺は求めてない!
俺は俺の大切な人を守るため、自分の意思で戦っているんだ!」

「宗介…」

「…そのようだな…余計な…お世話だったようだ…」

「見つけたぞ、千鳥かなめ」

「っ!」

するとそこへアマルガムの兵士達がカッシーンやクダック兵を連れて3人の前に現れたのだ。

「もう追手が…!」

「……サガラ、ここは私が引き受ける。
お前は彼女を連れて外へ行け…」

「なに!?」

「……お前の今の言葉を聞いてもう未練はなくなった。
お前達が逃げる時間を稼げるだけ稼いで、そのままイリーナ達のところへ行く……」

「っ!それって……」

そう、カリーニンは宗介とかなめを逃がすためにここで命を散らすつもりなのだ!

「ふざけるな!そんな事許すわけが…!」

「イキナサイ」

「っ!」

(その言葉…どこかで…)

「ミスタ・K…我々を裏切り邪魔をするのなら例え貴様でも…!」

アマルガムの兵士達が銃口をカリーニンと宗介に向ける。

が、次の瞬間

「っ!?」

突如としてアマルガムの兵士達が連れてきたカッシーンやクダック兵が何者かに撃たれたのだ。

「な、なんだ!?」

困惑するアマルガムの兵士達、するとそこに一人の青年が現れた。

「……トジテンドの技術を手に入れて、悪用しようとしている奴らがいると聞いて、わざわざ別の世界まで調査しに来たが……どうやら本当のようだな」

「貴様…!いったい何者だ!?」

「僕の名前はステイシー、そして…」

ステイシーと名乗る青年は紫色のギアトリンガー…ギアトジンガーを取り出した。

(あの銃は…ゼンカイジャーのに似ている!?)

《邪バーン…!》

「暗黒チェンジ!ハッ!」

《ステーイシーザー…!》

ステイシーと名乗る青年はギアトジンガーを使い、紫色の戦士に変身したのだ。

「暗黒のパワー…ステイシーザー!」

17人目

「巴比倫弐屋の若旦那」

――特異点。

「バ、ビ、ロ、二……屋?」

 CROSS HEROESやカルデアとは別行動し、特異点のあちこちを探索する
ルパン三世と次元大介。ルイーダの酒場を発った彼らが次に訪れたのは、
江戸時代を思い起こさせる造りではあるが、一際目立つ佇まいの店。

 「巴比倫弐屋」。普段は見慣れない漢字の羅列に首を傾げながらも、ルパンと次元は、
店内に足を踏み入れた。

「見た所、骨董品屋ってところか? どっちかっつーと五ェ門のが似合いそうな
雰囲気だけどよ。な~んか面白ェもんが見つかるといいなァ、次元」
「酒場の次は時代劇か。今更驚きもしねえがな……」

 店内は異世界の雰囲気を醸し出しており、壁には古代の遺跡や神話の絵が描かれていた。ルパンの目は店内の所狭しに並んだお宝に釘付けになった。
宝石、古文書、神秘的な道具が所狭しと並んでいる。南蛮渡来と思われるものから
古き日本由来のものまで、骨董品屋と言うよりは「宝物庫」と形容する方が相応しいかも
知れない。

「ほーん、こんなもんまで……」

 ルパンが一つの宝石に手を伸ばすと、一人の金髪の男が彼らの前に立ちふさがった。
豪奢な衣装を纏い、鋭い目つきをしたその男は、誰もが畏敬の念を抱く存在だった。

「客か。見慣れない輩だな? 新参か?」
「まあ~な。俺たちゃただの冒険者さ、旦那さん。その言い草だと、特異点ってのにも
詳しそうだな。そ~れにしても、全身金ピカ。派手なこって、まあ」
「高貴なる者の嗜みと言う奴よ……それと、そっちの黒いの。
その手にかけているものを抜くなら、こちらも相応の動きをせなばならぬぞ」

「……」

 金髪の男のただならぬ気配を察知し、尻ポケットに突っ込んだマグナムを
抜こうとしていた次元を牽制する。

「……お見通しかい。鉄火場にも慣れていそうだ。只者じゃないな」

 次元の言葉に、男は微笑を浮かべて言った。

「ふん、我(オレ)はただの縮緬問屋の若旦那だ。
お前たちのような連中がここに来るのは珍しいが、何を求めている?」

「まぁ、堅苦しく考えずに、まずは一杯どうだい?」

 ルパンはルイーダの酒場から持ってきたボトルを取り出し、若旦那に振る舞う。

「ほう。貢ぎ物とは賢明だな。気に入った」
「そこらじゃ手に入らない酒場のマスターの取って置きなんだとよ」

 ボトルを開けると、ルパンと次元は若旦那を交えて
その香りに感心しながら、一口飲んだ。

「ほう、これは……悪くないな」
「確かに」

「ほ~んじゃま、改めて……店に並んでる品でも見させてもらっかな?」
「良かろう。許す。この巴比倫弐屋には古今東西のお宝が並んでいる。
貴様らの目利きを見せてもらおう」

 ルパンと次元は、ギルガメッシュと共に店内を回り始めた。
ルパンは次々と目に留まる品々を見定め、その価値を見抜いていった。

「この宝石は古代文明アトランティスの遺産だ。これには特別な力が宿っている」
「ふむ、見事だ。お前の目利きには感心する。しかし、これだけではないぞ」

 ギルガメッシュは棚の奥から一つの草の束を取り出した。

「これは薬草。傷口に塗れば立ちどころに痛みを癒す。毒消し草もあるぞ」
「ほ~んと色々あんだなァ。何とかポケットかってな。あ、そうだ。
今度は俺達の品をアンタが鑑定してみてくれよ」

 その時、ルパンはポケットから一つの指輪を取り出し、ギルガメッシュに見せた。
東京・港区の一件で手に入れたソロモンの指輪だ。若旦那は指輪を一瞥し、眉を潜めた。

「ソロモンの指輪……貴様、それをどこで手に入れたのか?」
「まぁ、いろいろな冒険をしてきたからな。詳細は省くが、この指輪の力は本物だ。
そいつァ俺にも分かるつもりだぜ」

「それがソロモンの指輪だと一目で分かったとすると……アンタ、何か知ってるな?」
「ふむ……ソロモンの指輪が冠位時間神殿でなく、今ここに存在するなら、
その力は計り知れぬ。その指輪が持つ力は扱い方を誤ると危険だ。心するが良い」

「ルパン、気をつけろよ。若旦那が言うように、
この指輪にはまだ俺達が知らない力があるのかもしれねぇ」
「わ~かってるさ。でも、この指輪がありゃ、色々と謎が解けそうだ。
若旦那、アンタの知識を借りてえもんだ。酒でも飲みながら、よ」

「いいだろう。だが、その指輪について深く知ろうとするのならば、
それ相応の覚悟を持って挑むがいい。我が縮緬問屋の若旦那を名乗るのも、
すべてを見定める「裁定者」であるがため」
「了解だ。俺たちも覚悟はできてる」

 こうして、ルパン三世と次元大介は巴比倫弐屋の若旦那と共に、
ソロモンの指輪とそれを取り巻く謎を解き明かすための調査を始めた。
三人の奇妙な協力関係は、新たな冒険への扉を開き、数々の困難と驚きを
彼らにもたらすこととなるのであった。

18人目

「暗黒の王子、ステイシーザー」

「ステイ…シーザー…!」

「ええい!なんだからよくわからんが、やれぇい!」

「ダックダー!」

アマルガムの兵士のうちの1人がそう指示を出すと、カッシーンやクダックが次々とステイシーザーに襲いかかる!

「本物のキカイノイドならともかく、偽物のロボットが相手なら容赦はしない!」

ステイシーザーは次々と襲いかかるカッシーンやクダックの攻撃をかわしていき、逆にギアトジンガーによる銃撃で次々と撃破していく。

「なっ!?」

「つ、強い…!」

「だ、だが数だけなら我々の方が圧倒的だ!」

「それはどうかな?」

ステイシーザーはダークセンタイギアを取り出し、ギアトジンガーにセット、そしてギアトジンガーのハンドルを回す。

《3バーン!4バーン!17バーン!》

「ハッ!」

《バトルフィーバー!デンジマン!ダイレンジャー!》

ステイシーザーはなんと、『バトルフィーバーJ』『電子戦隊デンジマン』『五星戦隊ダイレンジャー』を召喚したのだ!

「っ!?なんだコイツらは!?」

「いけ…!」

ステイシーザーがそう言い指パッチンすると、召喚された3つの戦隊はアマルガムの軍団と交戦を開始する。

「……」

「な、なんだこの動きは!?ガハッ!?」

バトルフィーバーJは各国のダンスを組み入れた格闘でアマルガムの兵士達を翻弄させながら次々と無力化していき、

「……」

「グォッ!?」

ダイレンジャーはダイレンロッドを使い、カッシーンの軍団を薙ぎ払ったり突き刺したりして次々と撃破していき、

「……」

「クダー!?」

そしてデンジマンはデンジパンチでクダックの軍団を次々と殴り飛ばして撃破していった。

「す、凄い…!」

ステイシーザーが召喚した3つの戦隊によりあっという間にカッシーンとクダックの軍団は全滅し、アマルガムの兵士達も全員無力化することに成功したのだ!

「……大丈夫か?」

「は、はい…!」

「……その銃……あんたまさかゼンカイジャーの仲間か?」

「っ!介人達のことを知っているのか?」

「あぁ…」

宗介はこれまでのことをステイシーに話した。






「……なるほど、今介人達はそのレナードという男と戦っているんだな。
そして奴らはこの世界を作り変え、更に作り変えたあとのこの世界をトジルギアで封印しようとしている……っと」

「そうだ」

「なるほど……となると話は早い、急いで介人達と合流してそのレナードとやらを止めないとな」

「あぁ」

「……」

「……千鳥?」

「……宗介、一つ話しておきたいことがあって……」



かなめはここまでにあったことを宗介に話した。

「なるほど、あの時はソフィアとやらに乗っ取られてたのか」

「そうよ」

(精神の乗っ取り……彼女も僕の身体が神に乗っ取られてた時と同じような状態になっていたのか)

「で、そのソフィアの最後の頼みがレナードを助けること……か……」

「うん…」

「……残念だが俺は兵士だ、戦うことしか知らない。ましてや説得なんてできないのはさっきのでわかるはずだ」

「そう…」

「……だが、あんなんでもヤツは大佐の家族だ」

「…!」

「それに加えて君に頼まれた以上、やれるだけのことはやってみるつもりだ」

「宗介……ありがとう…!」

「サガラ、君がレナードのところに行くのならその間に私が彼女をトゥアハー・デ・ダナンまで連れて行こう」

「少佐…!」

「安心しろ、もう二度と裏切るつもりはない」

「…感謝する」

宗介とステイシーはレナードと戦っているゼンカイジャーのところへと向かった。

19人目

「舞台裏の役者たち」

 東京港区
 メサイア教団の支配から脱却し、少しずつ復興しつつあるこの町。
 が、依然戦乱の傷痕は根深く治安もまだまだ悪い。

「また自称・教団構成員が増えてきた……いつ終わるんだよ……。」
 警視庁休憩室で一人、松田桃太は悩んでいた。
 CROSS HEROESの人数が減り、手薄になっている東京港区。
 サイクスや罪木オルタ、十神財閥の資金提供による復興は進んではいるが……それでも混沌は消えない。
 兄妹ん信者や構成員を名乗る者たちが、また少しずつ増えていたのだ。
 とはいえその実は野盗や野次馬程度。取るに足らぬ小物だが治安が悪く混沌としているこの現状。真面目に動くモノたちを疲弊させる理由にはなっている。

「よう松田。元気か?」
「あっ、あなたは……。」
 この男を覚えている。
 港区で助けた、あの悪徳刑事だ。
 しかしその眼に迷いも悪意もなく、曇り無き輝きを放っている。
 憑き物が落ちたようだ、とはこのことかと松田にいやでもわからせる。
「怪我とか……いろいろ大丈夫でしたか?」
「まだ痛む部分があるが動けるようにはなったよ。人質にされていた家族も無事だ。仕事も、暫くの減給と厳重注意は喰らったが、クビにならなかった分マシか。」
「それは……とにかく、無事で良かったです。」
 松田は、刑事の無事を聞いて安堵する。
 しかし当の刑事は申し訳なさそうに、松田に頭を下げた。

「お前には、すまないことをしたな。騙すような真似なんかして……謝っても謝り切れないよ。」
「そんなことは……そちらの事情はもう知っていますし、謝る必要はないですよ。どうか頭を上げてください。というか、あなたの勇気がなければ。港区はもっと被害が広がっていた。誇ってください。あなたの勇気を。」
 そう、優しく声をかける彼。
 悪意の類はなく、責めることもなくただ激励してくれた。
 事実、彼の勇気がなければ港区は破滅していた可能性もあったのだ。

「……ありがとうな、松田……!」
 その事実を聞いた刑事は、ただ涙を流していた。

「おいおい、いい兄ちゃんが泣いちまってんじゃねぇか。何があったんだ?」
「……ん?」
「あ、あなたたちは……!」
 と、そんな彼らの下へ懐かしい顔が。

「確か……えっと、アレクサンドル……。」
「デュマだぜ、松田の兄ちゃん。」
 アレクサンドル・デュマ。
 そして彼が引き連れているのは、特異点から故郷のギリシャへ、そしてここまで来た英霊アルケイデスだった。
「アレクサンドル・デュマって……確か巌窟王の作者だろ!?どうして、」
「」
「で、でも背後のバケモンは!?お前誰だ!?そこののっぽの!!」
 刑事は背後のアルケイデスを指さす。
 長身痩躯で、まるで人間とは思えない威圧。
 こんなものを見せつけられ感じさせられたら、嫌でもバケモノと錯覚するだろう。
「我が名はアルケイデス。何、貴様らに弓を引くつもりはない。そちらの事情は知っているつもりだ。」

 アレクサンドル・デュマ、アルケイデス。
 歴史の教科書や本屋でもない限り聞かない偉人や英雄の名前に、刑事は頭を抱えだした。
「……頭が爆発しそうだが……今更案件か。」
「でも、あなたたちみんなギリシャに行って……。」
「俺たちがギリシャでやることはやり終えたから、帰還してきたって訳さ。」
「我としてはもう少し故郷の風景を見ていたかったが、この者が強引でな。断り切れなかった。」
「でも、確かもう2人くらいいたはず……彼らは?」
「燕青とフィオレの嬢ちゃんは、今せっせとジャバウォック島に行く準備してるぜ。後はシャルル遊撃隊の面々が来ればいつでもだ。俺たち2人は、港区で十神君と一緒に待機さ。」
 絶海の孤島、ジャバウォック島。
 次なる戦場へ向かう準備は出来ている。
 後は主役が舞台に上がるのを待つばかり、というわけだ。

「ジャバウォック島、か。確かリゾート地で今は取り壊された孤島だったはず……。」
「……あーあそこか。あれは表向きの話だよ。」
「表向きって……。」
「表向き、あの島は取り壊されている。が、実際はまだ取り壊されていない部分があんだよ。そこにはある一族が残したメサイア教団の最終目的の内容、そして真実が隠されていてな。それを取りに行くのが今回の狙いなんだよ。」
「よくそこまで知ってますね……。」
「まぁな。調べたし。」
 刑事は自慢げに話す。
「でも、どうしてそんな危険なことを……!」
 危険すぎると思うのも無理はない。
 ばれたら家族の命が危ない。
「悔しいじゃないか、何もできないまま隷属だなんてよ。だから連中の目を盗んでこっそり調べた。普段大人しくしてたおかげかバレなかった!奇跡だったゼ!はっはっは!」
 隷属は悔しいから。
 それはあまりにも単純で、あまりにも人間臭く、だからこそ彼にとっては確実に動ける理由だった。

20人目

「ずっと、スタンド・バイ・ミー《前編》」

その頃、ゼンカイジャーとレナードが乗るベリアルの戦いはレナードが優勢の状況になっていた。

《24バーン!14バーン!》

《タイムレンジャー!》

「ボルブラスター!」

《ファイブマン!》

「ファイブブラスター!」

ゼンカイジュランはタイムレッドのボルブラスターで、ゼンカイマジーヌはファイブマンのファイブブラスターでベリアルを攻撃する。

が、しかし…

「っ!うぉっ!?」

「ぬぅ!?」

ベリアルはラムダ・ドライバの力で二人の攻撃を防ぎ、逆に装備された機関砲で反撃する。

「ジュラン!マジーヌ!」

「どうした?さっきまでの強さはどうした?」

「クッ…!これならどうだ!」

《5バーン!》

「ハッ!」

《サンバルカン!》

「ワン!」

「ツー!」

「スリー!」

「アターック!」

ゼンカイザーはゼンカイガオーンゼンカイブルーンと共にサンバルカンの必殺技であるバルカンボールをベリアルに向けて放った。

「無駄なことを…!」

がしかし、ベリアルはアイザイアン・ボーン・ボウでバルカンボールを破壊、更に矢はそのまま貫通し、ゼンカイザーに直撃してしまう。

「がぁ…!?」

「介人!?」

「介人さん!?」

「どうした?もう終わりか?」

「クッ…!まだだよ!」

「はい!まだ私達が残ってます!」

《34バーン!8バーン!》

「「ハァ!」」

《ゴセイジャー!》

「ランディッククロー!イエローショック!」

《バイオマン!》

「スーパースカイダイビング!」

ゼンカイガオーンはゴセイイエローの技イエローショックで、ゼンカイブルーンはブルースリーの技スーパースカイダイビングでベリアルを攻撃しようとするが…

「遅いな…」

ベリアルは目にも止まらぬ速さで二人の後ろに回り込み…

「ぐわぁ!?」

「ぬぉ!?」

技を放ってスキだらけの二人を手刀で攻撃したのだ。

「ガオーン!ブルーン!」

「どうした?これで終わりか?」

「クッ…!」

(駄目だ……もう力が……)

既にゼンカイジャー

「さて……これで終わりだ」

ベリアルがゼンカイザーに再びアイザイアン・ボーン・ボウを向ける。

「ま…まだ…!」

「さらばだ、ゼンカイジャー…!」

アイザイアン・ボーン・ボウを引き、矢を放とうとした……次の瞬間…!






「っ!」

突如として無数のミサイルがベリアルに向けて飛んできたのだ!

「チッ…!」

レナードはすぐさま攻撃をやめ、ラムダ・ドライバで力場を発生させてミサイルを防いだ。

「なるほど、それがラムダ・ドライバとやらの力か」

「っ!今の声って……もしかして!」

ゼンカイジャーが声のした方向を向くと、そこにはステイシーザーとレーバテインに乗った宗介がいた。

「宗介!それに…ステイシー!!」

「久しぶりだな、介人」

「どうしてここに?」

「事情は後で話す、それよりも…」

「レナード、千鳥は返してもらった」

「なに!?」

「ついでにソフィアとやらも消えて少佐もこちら側に戻った、貴様のくだらん計画はもう終わりだ!」

「クッ……まだまだ…!まだ終わってたまるか!」

「っ!」

「こうなったら貴様らを倒してもう一度彼女を手に入れる!」

「どうしてもやるつもりか…!」

「当然だ!全てはこのクズだらけの歪んだこの世界を正すため、そして……俺を捨てたあの女への復讐のために!」

「あの女…?」

(……ここに来るまでに宗介が話してくれたこと通りなら、恐らくは……)

「……介人、お前たちは少し休んでろ。あとは僕と彼がなんとかする」

「ステイシー……わかった…!」

「……そうか……いいだろう、貴様がその気なら、こちらは容赦はしない。
貴様のその考えとプライドズタズタにして二度とそのような態度を取れないようにしてやる!」

「やれるものならやってみろ!サガラソースケ!」

ついに、レナードとの最後の戦いが始まった…!

21人目

「Starting the case:Jabberwock Island-CCC_1」

「ちょっと早いけど、俺たちはそろそろ行くぜ。」
「そうか。気をつけてな。」
 人間の里。
 シャルル遊撃隊の4人は一足先に幻想郷から出る予定なようで、八雲紫が外へつながるスキマを開けて待機していた。
 それを、天宮兄妹の2人は見送る。
「俺たちももう少ししたらそっちに行く。それと、リク!」
「あ、ああ。」
 月夜の声に、リクは振り向く。
「お前が言ってた例の件についてはこっちで対応しておく。そちらは任せた。」
 八雲紫が感じていた瘴気の在処。即ち、この空の果てにある『暗黒魔界』の存在と対処。
 だからとて今、幻想郷に全勢力を集中させるわけにはいかない。
 一方に力を集中させれば、集中していない点から攻め込まれる可能性もあるからだ。

「持っていくソロモンの指輪は、1つでいいか?」
「ああ、あまり持っても持て余すだけだしな。」
「もう時間がないんでしょう?早く入りなさいな。」
「それじゃあ、行ってくる!」
 こうして4人はスキマの中に入り、幻想郷の外へと出た。
 それを見送った天宮兄妹。
「さて……と。」
「……次は魔界、か。」
『まだまだ試練は続くぞ、気を付けよ。』
 2人と一柱は、ソラの果てを睨んだ。
 あの先にある、暗黒の魔界を。



 東京湾 ボートレンタルショップ

 天気は快晴、絶好のボート日和。
 そんな中、この店に奇妙な客が2人。

「ボートを一台用意してくれ。6人乗れる分でいい。運転はこっちでやる。連れはもう少ししたら来るんでね。」
 シャルル遊撃隊と同様、ジャバウォック島へ向かおうとする燕青とフィオレ。
「それはいいですけど、どこに行くつもりです?」
 店員も、随分と懐疑心の強い人だったのか疑いの目で質問を投げかける。
「この辺。遊覧って奴さね。」
 燕青が地図の一部を指さす。
 そのエリアには『ジャバウォック島』と書かれていた。
「ゑ?そこですか?」
 指さしたあたりを凝視する店員。
 その顔は少し暗い、というより驚きと困惑に満ちていた。
「なんかあったのか?」
 そう言うと、店員はため息交じりに話し始める。

「いや……別にあなたがたがどこに行こうが私らの知るところではないんです。ただね、最近知りあいから聞いた話なんですが。そのジャバウォック島に変な人たちが集まってなんかやってるっていうんで。ちょっと心配になりましてね。」
「変な人たち?」
「その人たちについてなんかわかっていることは?」
「知りあいも遠くから見たってだけで詳しくは分かりませんが、遊覧するにしてもなるべくその島に近づかないなどしてとにかく気を付けてくださいとしか。我々としても変なことに巻き込まれたら色々と大変ですのでね。」
「応、気を付ける。」
 こうして2人は先にボートに乗った。

 店員は彼らを疑っていたわけじゃない。
 ただ変なことに巻き込まれるかどうかが心配だっただけ。
 しかし、事実としてジャバウォック島には謎の連中が集まって何かをしている。
 そこから導き出される仮説はただ一つ。
「先回りされたようですね。」
「十分ありえるか。」
 ―――メサイア教団の兵士たちが先回りしてしまっている。
 これは一刻も早く向かわなければ大変なことになるだろう。
 目的の資料を回収されたり燃やされたりしたら一大事だ。
「……大丈夫かな。あの2人。」
「もしもし、店員さん。さっき燕青って方と……。」
「あっハイ。燕青さん達ならもう乗ってますよ。2番ボートです。」
「おう、ありがとよ!」
 かくて幻想郷から駆け付けたシャルル遊撃隊の4人もボートに向かった。
 店員たちは彼らの恰好をみて、頭をかしげる。
「何だあの4人は。さっきの2人といい。もしかして、船上仮装パーティか何かですか?」
 そう愚痴りながらも、店員はいつもの業務に戻るのだった。



「待ってたぜ遊撃隊諸君。」
「おう、待たせたな。」
 シャルル遊撃隊と流星旅団の2人を乗せた計6名。
 彼らの行く先は絶海の孤島、ジャバウォック島。
 其は超高校級の絶望、江ノ島盾子の因縁の地にして新たなる戦場。
「天宮兄妹の2人はどうですか?無事、でしょうか?」
「あの2人は無事だって。でも幻想郷でまだやることあるから来れないって言ってたよ。」
「そうですか……無事でよかった。」
 天宮兄妹の無事に、フィオレは安堵する。
 同じ目的を持ったものとして、彼らの安否が心配だったのだろう。

「そんじゃ、出航だ!」
 かくて6人を乗せたボートは次なる戦いの地、ジャバウォック島へと舵を切った。



 力ある者故に、道を踏み外す。
 力無き者がに、絶望は訪れる。
 危機と慟哭を前にした時、人の本質は現れる。
 だが、それならば。どうか見せてほしい。

 ―――かつてそうであったように、己の罪と絶望の果てに。
 確かな希望と決意を見いだせるかどうかを。

 ―――其は、己が罪業に向き合う冒険。

Chase Remnant ACT4          人理定礎値:B-
―――――――――――――――――――――――――

  A.D.20XX 絶望回帰孤島 ジャバウォック島

―――――――――――――――――――――――――
         黎なる絶望の深層

22人目

「すべてを黒く塗り潰す、ヨダカの夢」

 ゼンカイジャーの助っ人であるステイシーの登場、
レナード・テスタロッサと相良宗介の戦いもクライマックスを迎えようとしていた頃。
無人島の中心で、眠らせていた潜在能力を開放し、アルティメット状態に覚醒した
孫悟飯とアスラ・ザ・デッドエンドも激しい闘いを繰り広げていた。
二人の戦闘は地鳴りを伴い、島全体を揺るがしていた。

「カカカカカカッ、パワー、スピード、気迫! そのどれもが段違い! 
男子三日会わざれば、どころの話じゃねェ! 秒でコロッと変わりやがる!!
まったく愉しませてくれるぜ!!」
「僕たちは負けるわけにはいかない! 行くぞ、アスラ・ザ・デッドエンド!!」

 悟飯とアスラは互いに拳を交え、圧倒的な力をぶつけ合っていた。
悟飯の拳はアスラの防御を打ち破り、アスラの攻撃も悟飯の体を揺るがせた。

「くっ……!!」
「波あああああああああッ!!」 

 先に追撃を仕掛けた悟飯のエネルギー波がアスラに直撃し、爆発音が響き渡る。

「まだまだだ、孫悟飯! 我が力、侮るなかれってなァ!!」

 アスラは巨大なエネルギーを拳に集中させ、
振り抜いた拳圧を次々に悟飯に向かって飛ばす。

「――!!」

 しかし、悟飯は瞬時に高速回避し、反撃の拳をアスラの腹部に叩き込んだ。

「ぐあっ……!!」
「これでどうだ!」

「――何とおおおおおおおおおッ!!」

 アスラは身を屈めながらも、衝撃操作によって致命傷を逃れ、
すぐさま回し蹴りを繰り出して悟飯を吹き飛ばした。

「おわっ……!!」

 岩山を2つ、3つと貫通していく悟飯だったが、舞空術を使ってその勢いを殺す。
その表情にはまだまだ余裕が残されていた。

「いいぞ、悟飯……!! あのアスラとか言う奴を相手に戦えてる!」
「流石は悟空の息子ってか……まったくあいつは大したもんだ……ん……?」

 強敵、アスラ・ザ・デッドエンドとの戦いにようやく好転の兆しを見出したクリリン。
しかし、傷ついたヤムチャは、別の方角から漂ってくる邪悪な気配を感知していた。

「お、おい、クリリン……何かヤバそうなのがこっちに来るぞ……!!」
「え!? ほ、ホントだ……悟飯たちの事に気を取られて……い、一体何が……」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」


 その時、別のエリアで戦っていた魔法少女たちとウラヌスNo.ζたちが、
予期せぬ形で戦闘区域に突入して来る。
負の感情が引き金となり、彼女の「逃避のドッペル」の力が暴走して
周囲を破壊しながら猛威を振るっていた。
環いろはがウラヌスに傷つけられたことで、これまで積もり積もった黒江の中の感情が
爆発し、制御不能の力が解き放たれたのだった。

「許さない……環さんを傷つけた奴らを、絶対に許さない!!!」

 黒江の周囲にはドッペルの影響で暗黒色のオーラが渦巻き、
背中に広がる泥で出来たヨダカの翼は敵味方の区別なく襲いかかった。

「や、やべええええっ……!! ヤムチャさん、掴まって!!」

 クリリンは降り注ぐ岩石の雨からヤムチャを庇いつつその場を急速離脱する。

「黒江さん、冷静になって! これ以上そんな戦いを続けたら、皆が危険に晒されるわ!」
「私は、環さんを守るんだ!!!!」

 やちよの言葉も、今の黒江には全く届いていない。目に映る全てを、破壊し尽くす。
全ていなくなれば、いろはを傷つけるもの一切を取り除けるのだ。

「く、黒江さん、どうしたんだ……!?」
「今の黒江さんは危険です、孫さん、今は離れて……」


「うああああああああああああああああああああああああッ!!」


 みふゆの警告をかき消す慟哭とともに悟飯とアスラの頭上に叩きつけられる黒江の攻撃。両者は分断され、その戦いも中断される。

「何だァ、あのバケモンは……おいウラヌス、どうなっていやがる!?」
「黙れ、私に質問をするな!」
「こっちは折角の愉しい戦いを邪魔されたんだぞ、これが黙っていられるか! あァ!?」
「ええい、どいつもこいつも……劣等種風情がこの私を掻き乱すなど……!!」

 口論を始めるウラヌスとアスラ。しかし、尚も黒江の進撃は止まらない。

「ど、どうすればいいんだ……!?」

 しかし、撤退する余裕などなく、戦場はさらなる混乱に陥った。

「黒江くんを無力化する以外には仕様が無いが……それも一筋縄で行きそうにないな……」

 ベテラン勢である十七夜を以て、容易に鎮圧出来るものではない事は確定的。
とは言え、このままにしておけば、すべての魔力と使い果たし、
黒江はもはや魔法少女としてのカタチを保てなくなってしまう。

「黒江さん……! 絶対に何とかしてみせる……」

 いろはたちは必死に黒江を止めようと試みたが、その暴走は止まる気配がなかった。
悟飯やクリリンたちもまた、黒江の攻撃を受けながらも反撃を試みたが、
その力に圧倒されている。

「きゃあああああああッ……」
「だ、駄目だ! 全然止まらない!」

「黒江さん……今の彼女の状態は、まるで、かつての僕みたいだ……!」

 サイヤ人と地球人の混血児である悟飯は、幼少時から怒りの感情がトリガーとなって
常識を外れたパワーを発揮する事が度々あった。
それは時に、地球の危機を救う鍵となる事もあったが、反面、自分自身でも
コントロール出来ない危険さも孕んでいた。ドッペルの力を操ると言うよりも
振り回されてしまっている黒江はまさにそれだ。

「あれは……!」

 その混乱の中で、崖の上からルフィ、ゾロ、承太郎、ゲイル、
そしてCROSS HEROESに新たに加入したヒートが合流した。

「あれは……ヒート!」
「貴様! 何故CROSS HEROESと共にいる!? まさか……」

 アスラやウラヌスと視線がかち合うヒートは2人を一瞥すると、

「お前らか……ふん、風向きが変わったって事さ。色々とな」
「裏切ると言うのか!?」
「元々手前勝手にやってた連中が集まってただけだろう。俺は俺の目的のために
動かせてもらうぜ」

「黒江……! 己の中の悪魔の力に取り込まれたか……あれは、悪魔化ウィルスを身に宿す俺達自身が迎える末路かも知れない……だが、お前を見捨てはしないぞ。
この誇りにかけてな……これこそが、俺達と悪魔を二分する唯一の事なのだから……!」

 魔法少女と悪魔。ゲイルはかねてより、この2つの存在に近しいものを感じていた。
自分自身の中に巣食う魔の力。魂の在処。その力の扱い方を誤れば、
たちまち自分自身の身を滅ぼす諸刃の剣であると。

「ルフィ君! 黒江さんを止めてくれ!」
「任せろ、悟飯! ゾロ、承太郎、みんな、一緒にやるぞ!」

「ああ、暴れるのは得意だ」
「やれやれだぜ。吉良吉影は姿を眩ましたままだが、仕方ない……今はこの場を
どうにかするのが先決だぜ……」

「ヒート、手伝ってくれ」
「女の子ひとりを黙って見殺しにするってのも目覚めが悪いからな……仕方がねえ」

 悟飯は戦況を見て、何とかしてこの混乱を収拾しようと考えた。
CROSS HEROSや魔法少女たちと協力することを決意し、黒江を止めるために動き出す。

23人目

「暗黒魔界へ向けて:アビィその1」

悪霊事変を経て、CH一行は一旦の分裂を経る事になる。
幻想郷に残る者、撤退を選ぶ者、復興を手伝いながらも先を目指す者…
一通りの選択が成され、各々がそれに向けての準備を進めている。
新たな非日常が動き出したのだ。

「鶏ガラ一つ!」
「俺は味噌を頼むぜ。」
「おら、キムチってのを食ってみるだ!」

その一つの、ここはラーメンマンの店。
村の復興を手伝う人々が昼飯時に駆け付けるのは、何時もの商店街や家が潰れてからは、決まってここだった。

「うむ、直ぐに作る。ペル、月美、用意を。」
「あぁ、任された。」
「はい!」

落ち着いた声でオーダーを受け、調理に取り掛かるラーメンマン達。
巧みな技量で複数のオーダーを並列調理し、一つのミスも無く完成させていくのはワザマエと言わざるを得ない。

「鶏ガラ、味噌、キムチ一丁!」
「キタキタ、頂きます!」

そうして程無く出されたラーメンに、人々は一礼の後、少しの迷いも無く口へ流し込む。

「_うんまぁーーーい!!やっぱ昼はラーメンだなぁーーーッ!」
「ありがとうなラーメンマンさん、これでまた昼も頑張れるだ!」

あちこちから上がる感嘆の声。
振舞われたラーメンは、日夜作業に追われ飢えた人々の心身を、確かに暖かく満たしていた。

「お店、受け入れられているみたいで良かったです。」

笑顔満ち溢れる店内で、手伝いをしていた月美が言う。

「戦いの後はあんなに暗くなっていたのに、皆さん今やすっかり元気になって…」

安堵を浮かべる月美。
脳裏に過ぎるのは、誰も彼もが疲れ切っていたあの悲惨な光景。
それがこうも覆された事に、良い意味で予想を裏切られた気分だ。
そんな月美に、ラーメンマンは諭す様に言う。

「月美よ。人は一先ずの衣食住が満たされれば、明日を向いて生きていけるのだ。それが良い物であればあるほどな。」
「少しばかり即物的だな。」
「そう言うな、誰もが信念だけで生きていける訳では無いのだ。」

「人は欲に弱い。だがその弱さも、裏返せば強みになる。こうしてな。」

ペルにそう返したラーメンマンの視線は、客の方を向いている。
人々の未来を見据えるかの如き厳かな、しかし何処か柔らかさを感じる目付きで。
そう、彼等は満たされた事で明日に向けて生きられている。

「_だが。」

だが、不意に少し震えた声で、彼は言う。

「そうして満たされた心がもし明確に脅かされれば、その絶望は計り知れないだろう。」
「えっ?」

不穏な言葉に、思わず声が漏れる月美。
思わず見返したラーメンマンのその表情には、少しばかりの険しさが纏ってあった。
見据えた先に何か、不穏なものを感じ取ったかの如く。
何処か焦燥感を思わせるその素振りは、心ここに在らずと言った所か。

「それはどういう…っ!」

そんな変化を感じ取ったペルがその意味を尋ねようとして、そこで気付く。
ラーメンマンの見据える先、窓に映る遠い地平から来るものに。

「これ、は。」
「なんてドス黒い、感情…!?」
「君達も感じ取れたようだな、ここ一帯を埋め尽くさんばかりの、淀んだ気を。」

山一つは離れているが、分かる。
途方も無い、膨大な悪意。

_ぞわり。

否、「ソレ」に気付いた瞬間、二人は一瞬にして鳥肌が立った。
恐怖、畏怖、嫌悪。
あらゆる畏れの感情が湧き出したかの様な錯覚を覚えさせる程に、重い。
悪意と名乗るには、余りにも煮詰められ過ぎたドス黒い何かだった。

「_アレは、倒した筈の…!?」

驚愕の声を挙げるペル。
この凄まじい重圧に覚えがある。
地を埋め尽くし、何もかもを蹂躙せんとした、あの悪意の実体。

「_悪霊!?」



「間違いない、この方角であってる!」

迷いの竹林を駆ける、ペルと月美の二人。
一歩一歩正確に竹を飛び移りながらも、焦燥に駆られた表情を隠しきれない。
それもその筈。

「まさか、これ程の圧気を放てる者がまだ生きていたとはなっ…!」
「えぇ、これだけ肌がひり付く程です。一体どんな悪霊なのか…」

退魔士の名門と、魔を殺す少女。
両者共に、邪気を機敏に感じ取る事に長けている。特に悪意は、事細かに。
そんな二人が肌を震わせるレベルの悪意を感じ取ったのだ。
余りにも歪な、圧の強大さ。
緊張が解けぬのも、無理は無い。

それに一つ、解せない事もある。

「暗黒魔界からの邪気は感じていたが、アレとは全く違うな…」

元々の目的である、暗黒魔界。
彼女らはそこからこの幻想郷、いや外の地球へ向けられた悪意を感じてはいた。

「はい。そっちは欲望や嫉妬心といった物で、ある意味人間的で分かりやすかったのですが…」

月美の言う様に、暗黒魔界由来の悪意は目的が読み取れた。
世界が欲しい、富が、土地が、生活が…
端的に言えば、物欲だ。

「あぁ、如何にも欲深そうな悪意だったな。だがこっちは…」
「まるでごちゃ混ぜです。失意、絶望、憤怒、憎悪…」
「本意がまるで分からない、下手な悪霊よりもな。」

二人の言う様に、こちらの膨大な悪意は意図が読めない。
恨みだけでも、渇望だけでも、失意だけでもない。逆にどれか一つでも無い。
まさに未知(Unknown)。
それだけでも、警戒するには十分過ぎた。

「ですね。それをこれだけの圧で放ち続けるなんて…」

その悪意が膨大である事も、二人の焦燥に拍車を掛けていた。
これが動き出せば、何が起きてもおかしくない。

「怖ろしい、と久しぶりに思えたな。ラーメンマン達を里に置いておいたのは間違いないだろう。」

そんな未知の脅威に向かうのが二人というのも、理由がある。
今、幻想郷は復興や復旧、準備に全ての人手を割いてる。
それ故に里の復興に携わっているラーメンマンは、感じ取ったこの悪意を前にして動けずにいた。
そこに、二人が具申した。

_あれを、任せさせてくれませんか?私達も、CHの一員です!
_辛味噌ラーメンで、懐かしい想い出を語らせてくれた恩もある。

まさに渡りに船。
戦う事においては最上位に位置するペルと、邪気に対する強みを持つ月美。
この二人ならば、そう思ったラーメンマンは首を縦に振った。

そうして二人は悪意の源である、ここ「迷いの竹林」へ向かったのだ。

「…話していたら、もう間近ですね。」
「あぁ、何が出てくるか全く分からない。注意して入るぞ。」

これまでを振り返っている内に、どうやら悪意の元へ辿り着きそうだ。
警戒心を最大限広げて、上空から竹林の中へと入る。

「っ見えました、あそこです!」

そうして竹の間から、一つの開けた空間が垣間見えた。
同時に、蒼と白の何かも。

「二人組、か?」

緑一色の竹林の中で、酷く目立つ色。
悪意がそこから放たれている事も相まって、より一層目を惹いた。

「一先ず、向こうの出方を_」

様子見、その選択肢を取ろうとして。

_ゴオォッ!

「ッ!?」

転身。
一瞬遅れて、自分達が先程まで居た場所が焼き払われる。
同時に自分達と相手を遮る竹が消し炭になり。

「_おっと、レディ達だったか。こりゃ失礼。」
「…アビィ君?と、誰?」

そこで漸く、相手の正体を思い知った。

24人目

「Starting the case:Jabberwock Island-CCC_2」

 ジャバウォック島に向かうボートは進む。
 天気は快晴。時化の気配もない。
「前後左右問題なし!」
「シャルルって、ボート運転できたんだ。」
「直感で運転できるっていうのか?勝手に船も動いてくれるし、こう見えて結構楽だぜ?」
 ボートに搭載された自動運転システムと高ランクの騎乗スキルを持つシャルルマーニュがいる。
 道中は何も問題なさそうだ。

「なぁ、あの二人本当においてってもよかったんでしょうか……?ちょっと心配です……。」
 同じ流星旅団として、同胞かつ頭脳格の天宮兄妹が心配でたまらないフィオレ。
 そんな彼女に対し、デミックスはシタールを弾きつつお気楽そうに話す。
「まぁあの2人なら大丈夫でしょ。結構やる時やるし。」
「ほんとかぁ?そのセリフ、やな予感がするんだよ……。」
「……とか言っているうちに……見えてきたな。」
「あれが、ジャバウォック島!」
 4人の目の前に待ち構える、巨大な孤島。
 これこそが目的地のジャバウォック島だ。
「江ノ島ちゃん。」
 この島に最もかかわりのある人物、江ノ島盾子。
 呼吸を整え、決意を固めた。
「うん。覚悟はできている。」
 それぞれが武装を整え、島への上陸を試みようとする。
 しかし島の湖畔には、兵士数十名が見回りをしていた。
「やはり先回りされてたか。」
「予定通りさ。やることはただ一つ、突っ切るぞ!」
 覚悟を決めた6人はボートを飛び降り、島の中心目がけて走り出した。

「なんだあいつら!」「知っているぞ!我らの敵だ!」「撃て!撃てッ!!」
 周囲を警備していた兵士たちは機銃を構え、4人を攻撃せんとする。
 そんな風に襲ってくる兵士はシャルルマーニュとリクが対応する。
 剣戟と魔術が、無数の弾幕をけん制する!
「銃がダメなら!」「迫れ迫れ!」「近接でかかれ!!」
「おっと、そうはいかないんだなぁ!」
「させません!」
 ナイフを手に迫ってくる兵士は燕青とフィオレが迎撃する。
 ナイフの一撃一撃を圧壊し、弾き、兵士を退かせる!

「この先だ!急ごう!」



 ジャバウォック島。
 中央の島と周囲を取り囲む5つの島から構成された絶海の孤島。
 周囲には牧場や病院、遊園地や軍事施設までいろいろあった。
 が、突然の閉鎖と同時に老朽化が進み、今となっては文明と自然の混じった一種のジャングルだ。

「何とか撒いたが……。」
「時間がないな。江ノ島、どこに例の『江ノ島邸』の入り口があるか、分かるか?」
「ちょっと待ってろ、今メモを確認している。」
 そういいながら、江ノ島はスマホのメモアプリで情報を確認している。
 記憶と十神からの情報が正しければ、ジャバウォック島の『中央の島』のどこかに入口があるはずなのだ。
「どこかにあるはず……。」
 そうして、江ノ島は地面を足でカツカツ叩きながら
「なぁ、あれなんだろ。」
 デミックスが指さした先にあったのは、蓋の開いたマンホール。
 ご丁寧に蓋にはダイアル式の鍵がかかっている高級仕様。
 この先に何かがあるのは明らか―――だが、それよりも。
「もう誰かが先に潜入したようだ。」
 既に自分たち以外にこの島に上陸している勢力がいることは分かっていた。
 それはメサイア教団であり、決して彼ら以外の勢力ではないはず。
 だが、もし自分たちとメサイア教団の他に誰かがいるとしたら?
「抜け駆けする奴がいるか……?」
 そう思いながら階段を駆け下りていった。



 階段の先は薄暗く、段数こそ比較的少ないが奥のしれない感じが怖い。
 内部も絶妙にかび臭い。
「この先なんだな?目的地は。」
「……うん。」
 この先で間違いはない。
 やがて階段を降り終えると、少し広い部屋に到達する。
 部屋はかび臭く、古ぼけた印象だ。
 しかして、その壁には。
「エレベーター、か。」
「動いている、というよりここだけ新品まであるぞ?」
 かび臭い部屋の中にひと際浮いた印象を思わせる、新品のエレベーター。
 それがなおの事怪しさを醸し出している。
「そして。」
「この先が、江ノ島邸。」
「……いこう。」

 6人はエレベーターの中に乗り込む。
 エレベーターの行先は現在止まっている地上と、地下の「実験棟」のみである。
 江ノ島は「実験棟」のボタンを押し、ドアを閉めてエレベーターを動かした。



 長く深く、エレベーターは地下目がけて落ちてゆく。
 3分ほど経ったころ、ようやくとその動きを止め、重厚な重みのドアを開けた。
 はたして、この先に広がる光景は一体————。

「おいおいおい、マジかよ。」
「なんだ?道中間違えたか?」
 刹那、リク達が絶句するのも無理はなく。
 皆、眼前に広がる光景に一様に驚いていた。

 そこは地下であるにもかかわらず、外と何一つ変わっていない。
 大まかな光景だけを地下に持ってきたような感覚だった。
 まるで、地下に島そのものを移動させたような。そう錯覚させるような風景に愕然としていた。
 ただ地上と変わっていたのは、中心を含む6つの島のそれぞれに白い塔のような大きな建物が建っていたこと。
 そして、誰もいないのに今以て繫栄し活動しているということ。
「とりあえず、ここは地上のそれとは違う、ってことは変わらないらしい。」
「あの塔の内のどれかが……目的地、か。」
 こうして調査を始めようとする4人だったが、その刹那、地下全域にアナウンスが鳴り響いた。

『地下施設管理システム『MONOKUMA.exe』 再起動 おかえりなさい』

25人目

「暗黒魔界へ向けて:アビィその2」

見知らぬ竹林の中で出会ったのは、意外な知人だった。

「…アビィ君、だよね?」

思わず、月美は素性を尋ねた。

「そうだよ、皆の良き隣人アビィさ。」
「…嘘、ではないな。」

ペルがそう断じた
彼からこちらへ飛んだ炎から、彼だとは分かる。
それでも今までの緊張からか、確かめざるを得なかった。
ペルが判断し、漸く肩肘から力が抜けた月美。

「おい。」

だがそこで、もう一つの蒼い揺らめきに気付く。
そう、アビィと一緒に見えた紅白の色の主。
ドスが効いた女性の声で、掌から蒼炎を吹かして此方を睨みつけている。

「私を忘れて貰っちゃ困るな。」
「_ッ!」

再び、両者の間に緊迫感が生まれる。
そうだ、途方も無い悪意を頼りにここに来たのだと月美達は再び思い出した。
そして、一つの結論が出てくる。

(悪意の正体がこの人で、アビィ君は先に戦ってた?)

成程、それならアビィと少女がここにいる事に納得がいく。
そう考えて少女と相対し、そこでふと気付く。

「_あの悪意が、感じられない?」

肌がひり付くあの感覚が、綺麗さっぱり消えている事に。

「本当だ、悪意が跡形も無く消えている…?」
「どちらかと言うと、退魔の力?」

目の前の少女から、蒼炎から。
敵意こそ有るものの、あの歪な悪意を一切覚えない。

「さっきから悪意悪意って、何言ってんだ…?」

月美の様子の変化に、流石に訝し気な声が出る少女。

「待った待った、両者ストーップ!」

そこへ、アビィの一声が飛んだ。
気付けば、彼は両者の間に割り込む形で立っている。

「悪い妹紅嬢、彼女達は僕の知り合いでね。」
「_なんだそうなのか。悪い、驚かせたな。」

たったその一言で、少女…妹紅からの敵意が奇麗に消え去る。
次いで、アビィが月美達に向かって言う。

「月美嬢達、彼女…妹紅嬢は君達の言う悪意の源では無いよ、ただの道案内人さ。」
「案内人…?」
「そうさ。この『迷いの竹林』の案内人、それが妹紅嬢さ。」

その言葉で視線を向けられた妹紅は、俯きがちの視線でぶっきらぼうに答える。

「あー、藤原妹紅だ。」

何処か心に壁を作っているような印象を受ける態度。
だが悪意の類いは感じない。
月美達はそこに、妹紅の不器用さを感じ取った。

「あー、彼女はちょっとした人見知りでね。仲良くなろうとはしてくれるから安心してくれ。」
「おい、私が何時人見知りを起こした??」

アビィの補足に少しムッとした表情で噛みつく妹紅。
そこに先程の隔壁感は覚えず、気の置けない間柄を思わせる。

「それに素直で根は良いし、人付き合いも良い、何より可憐さと美貌が_」
「ちょっ、人様がいる所でそういうの言われると、その、恥ずかしいんだが?」
「おっと、申し訳ない。魅力的だからつい、ね?」
「よくそんな台詞がスラスラ出るなぁ!?」

妙な事まで言い出したアビィに、少しばかり頬を赤らめて怒号を浴びせる妹紅。
彼女の顔には、先程とは毛色の違う生暖かい険しさ。
そんな人間味溢れる応対を見て、月美はいつの間にか緊張が解けていた。

「…私達、礼を失してしまいましたね。」
「まぁ、それはあいつも同じらしい。またあの口調で口説いたりでもしていたのだろう。」
「全くもう、アビィ君って見境無しなんですかね?」

序でに十中八九行われたアビィの悪癖に、溜息を付いた。

「…それにしても、アビィ君と仲良さげですね。前から会ってたんでしょうか?」
「あ、いやさっき知り合ったばかりさ。」
「えっ。」
「…本当らしい。」
「コイツがやたら話しかけてくるだけだ。」

そう返す妹紅。
アビィのコミュ力が凄いのか、或いは妹紅が絆されやすいのか。
どっちでもあるような、無いような。

「とにかく、そのキザッたらしい口癖で変な事言うなよ。」
「ははっ、レディの頼みなら断れないな。」
「そういう所だっつってんだよ…」

最早糠に釘と言った所か。
すっかり呆れた様子の妹紅は落ち着きを取り戻し、そのまま流れで月美達の方を向いて言う。

「あぁ、悪かったなあんたら。えっと…」
「あ、私は日向月美です。アビィ君がすみませんね。」
「私はペルファクタリアだ。コイツの事はあまり気にするな。」
「君達酷くないかい?」

意見具申するも、誰も触れない。
自業自得、因果応報。

閑話休題。

改めてアビィと向かい合うと、彼は何時もの不敵な笑みを浮かべていた。

「さて済まないね、レディに対して手荒い歓迎をしてしまって。僕の失態だ、今度良いお酒を奢るよ。」
「子どもがお酒は駄目ですよ?」

酒の件について、腰に手を当て前のめりになって説教する。
が、アビィは悪びれない様子で続けた。

「ははっ、そんな固い事言わないでくれ。これでも3歳なんだ、良い年だろう?」
「もっと駄目ですよ!?せめて桁を一つ増やし_」

声を荒げて、気付く。
そう、3歳。

「_3歳ぃ!?」
「えっ、3歳?」

妹紅からも素っ頓狂な声が飛ぶ。
今明かされるアビィの謎の一つ、年齢。
なのに何故だろう、彼の存在に対する謎が余計に深まった。
身長の低さも相まって幼いとは思っていたが、流石に鵜呑みに出来なかった。

「嘘じゃない、らしい、な…」
「ホ、ホントに…??」

が、そこに嘘を見抜けるペルの補足が入る。
流石のペルも3歳という事実に半信半疑だったが、最終的に自身の能力を信じた。
月美は緊張の糸が切れた所で突然出た衝撃の情報に、正直混乱気味だ。
人騒がせな人物だと、改めて認識を強めた。

(本当に、アビィ君って何なんでしょうね…?)

元々、CHのメンバーとしては謎が多い。
正直人間なのかも怪しい。
3歳、普通なら赤ん坊だ。だがアビィはどう見ても少年。
そんな容姿で裏社会に通じてるらしく、その上で素性が何もかも分からない。
特段に異質だった。

「僕の事、気になるって顔してるね?」
「えっ、うひゃあ!?」

そうして物思いにふけっていた時、不意にアビィが此方の顔を下から覗き込んできた。
懐から此方を見上げる、幼さの残る綺麗な顔立ち。
それが視界の大半を占めてる事に慌てるも、何とか平静を取り繕って返す。

「そ、そりゃまぁ気になりますよ、いつも飄々としていて謎が多いし…」
「そっかそっか!まぁ僕だからねぇ!」

月美の様子が愉快なのかアビィは笑みを深め、両腕を軽く広げてクルリと回った。
その動作にすら、愛嬌が有る。上手にからかっているかの様に。
そしていつもの様に、彼は口を開き。

「アビィ・ダイブ、ただのナイスガイ_」
「_嘘、だな?」
「_ははっ、やっぱ自分に嘘は付けないか。あんなのが出たからかな。」

ペルの言葉で、自嘲の色を浮かべる。
突然の変貌。
呆気にとられた月美に、アビィが続ける。

「そうだね、白状する時が来たか。場所も丁度良い。」
「場所…そういえば、あの悪意を知ってる口ぶりだったな。何を知っている?」
「それも含めて、本当の自己紹介をしよう。」

その言葉と共に、膨大な悪意がアビィから解き放たれる。
肌がひり付き鳥肌が立つあの感覚に、思わず構える二人。
そして、アビィが語りだす。

「_僕は、同族殺しさ。」

26人目

「CROSSHEROES VS アマルガム FINAL」

レナードとの最後の戦いが始まった一方で、各地での戦いも終わりへと近づいていた。

《リバイブ疾風!》

「ハァ!」

リバイブ疾風になったゲイツがラムダ・ドライバ搭載機の軍団を相手に目にも止まらぬスピードで戦闘を繰り広げていた。

「な、なんだコイツ!?」

「馬鹿な!?こっちはラムダ・ドライバ搭載機に乗ってるんだぞ!?なのに何故ヤツはこちらの動きについてくれるんだ!?」

「所詮、どんな兵器も使い手次第だな」

「なに!?」

「お前たちの戦い方はそのラムダ・ドライバとやらの性能に頼ってるだけ……その程度の実力で俺達に勝てると思うな…!」

《ジカンジャック!》

「!?消えた…!?」

一瞬にしてアマルガムの兵士達の目の前からゲイツの姿が消え、
そして次の瞬間…!

「!?」

《疾風!スーパーつめ連斬!》

アマルガムの兵士達が乗るラムダ・ドライバ搭載機はあっという間にバラバラに切り裂かれたのだった。




「なるほど、ラムダ・ドライバで防がれる前に相手が認識できないほどの速度で一気に撃破したか……流石はゲイツくんだ。
……私も負けてられないな」

《ファイナリー!ビヨンド・ザ・タイム!》

「アマルガムの諸君、この攻撃を防ぐことを想像できるかな?」

《バーニングサンエクスプロージョン!》

「馬鹿め!どれだけ威力の高い攻撃だろうと……なっ!?」

なんとウォズは小型の太陽のようなものを生み出したのだ。

「小型の…太陽だと…!?」

「む、無理だ…!いくらラムダ・ドライバでも太陽なんて…!?」

「ハァ!」

そしてウォズは生成した小型の太陽をアマルガムの兵士達が乗るラムダ・ドライバ搭載機に向けて飛ばすと、
慌てふためいてたアマルガムの兵士達はそれ回避することができずに焼き尽くされたのであった。



「ゲイツもウォズも凄いなー!よーし…!だったらこっちは!」

《グランドジオウ!祝え!仮面ライダー!グ・ラ・ン・ドジオウ!》

ジオウはグランドジオウへと姿を変えた。

「今日はちょっとゴージャスな感じのやつでいこうかな!」

「ゴージャスな感じの?それっていったいどういうやつなの?」

「えっとね、こんな感じの!」

ツクヨミの質問に対してそう答えるとジオウは頭部にある自身のライダーレリーフをタッチした。
すると……

《ジオウ!》

なんとグランドジオウの両隣にジオウとジオウIIが召喚されたのだ!

「うそ!?ソウゴが増えた!?」

「これは…祝わねばなるまい!
祝え!グランドジオウ、ジオウII、そして仮面ライダージオウ……3人の我が魔王が時を超えて集結した瞬間である!」

「……相変わらずだなお前は……」

「「「これなら、いける気がする!」」」

《フィニッシュタイム!グランドジオウ!》

「「「ハァ!」」」

《オールトゥエンティ!タイムブレーク!》

「「「ハァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」」」

「う、ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」

3人のジオウによるライダーキックは、ラムダ・ドライバの力で生成した斥力場すらも貫き、アマルガムの兵士達が乗ってたAS部隊を撃破したのであった。

「へへッ、凄いでしょ!」

「う、うん…確かに凄いんだけど……」

「……今のどこがゴージャスだったんだ…?」

「うーん……わかんない!」

「おい」





一方その頃、別の場所ではマジンガーやゲッターロボといったCROSSHEROESのスーパーロボットがアマルガムの大型AS『プラン1501 ベヘモス』の軍団と戦っていた。

「死ィねよやぁー!」

「チィッ!オープンゲット!」

ベヘモス軍団の機関砲による弾幕をゲッターチームが乗るゲッターロボはオープンゲットによる分離で回避する。

「なんだあのデカブツは!?」

「ゲッターロボと同じぐらいあるぞ!?」

「あれもASなのか…?」

「上等だ!全部片っ端からぶった斬ってやる!ゲッタートマホゥーク!」

ゲッターロボはゲッタートマホークを取り出し、ベヘモスを次々とぶった斬る。

「っ!」

ベヘモスのうちの一体が後ろから太刀でゲッターロボに斬りかかる。

がしかし

「グレートブーメラン!」

「!?」

グレートマジンガーが投げたグレートブーメランがベヘモスの太刀を持ってた腕を切り落としたのだ。

「大丈夫かゲッターチーム」

「鉄也か、余計になことしやがって」



「鉄也さん!竜馬さん!下がってくれ!」

「「っ!」」

甲児にそう言われるとグレートマジンガーとゲッターロボはすぐさまその場を離れた

そして…

「輝くゼウスの名のもとに!全てを、原子に打ち砕け!
ビィイイイッグバァアアアン!パァアアアアアアアアアンチッ!!」

甲児の乗るマジンガーZは巨大な黄金の拳に変形し、必殺技のビッグバンパンチでベヘモスの軍団を次々と貫き撃破したのであった。

27人目

カミングスーン

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