灰を海に沈めて生きる
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10人リレー
6日前
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桜音
1人目
私に力があったなら、友だちになったのが私じゃなければ彼女は死ななかったのだろうか。
今となってはもう遅い、そんな後悔が駆け巡る。
今日も生きる。生きる希望がない夜を。
あなたが教えてくれた、あの夜を知るために、
LIBE
3人目
「いつ掘り出すって?」
「俺たちがめちゃめちゃ売れてから!FIRE WORKS 最初期の音源だって言って、めっちゃレアアイテムになってるから!」
あの夜の他愛ない会話。
クッキー缶の中には、今思えば子供のお遊びのような”オリジナル・ソング”でいっぱいのテープが入っていた。
彼女の声も、ギターの響きも、思い出も、全部閉じ込めて、未だそこにある。
「でも、今掘り出すのは違うな。」
一人残された私がまだ何物にもなっていないのに、約束を違えてそれを掘り出すのは、何か違うような気がするのだ。