ホテルの一室で、朝日を感じながら、バスルームからあがり、バスローブ姿で佇む一人の女性がいた。彼女の名前は峰不二子である。

彼女は、以前の仕事仲間だったウォンから大事な荷物と手紙を送り届ける依頼を引き受けて、彼から荷物を受け取った後、ホテルへと泊まっていた。不二子は、服を着ていると、ラジオで一報を知ることになる。

「どうやら、ウォンが言っていたことが現実になったわね」

不二子が聞いた一報は、ウォンの遺体が見つかったとの知らせだった。

不二子は、ホテルのチェックアウトを済ませると、バイクに跨ると走り出していた。
暫く、バイクを走らせていると、ミラーを通して、背後から怪しい黒い車が近づいてきているのが見えていたのである。

「さっきからなんなのかしら?もしかして、ウォンが言っていた殺し屋がもう私のことを嗅ぎつけたのかしら」

不二子は、背後の黒い車を振り切るために速度をあげると、背後の黒い車も後に続くかのように速度をあげていた。

「どうやら、狙いは私のようね。彼から荷物を預かったことがバレているみたいね。でも、そう簡単に捕まえられるかしら？」

不二子は、更にバイクの速度をあげて走らせていた。不二子は、背後の黒い車を確認しようとした瞬間、一発の銃声が鳴り響く。

なんと、背後の黒い車の窓から男性が身体を乗り出して、拳銃を発砲してきたのである。
不二子は、周囲を確認しながら、振り切ろうとするが、発砲を続けられ、思うように振り切れられないでいた。

「なんとかして、振り切れないかしら。このままじゃ……あ、あれは！？くっ、しまっ……イヤァァァ……」

不二子は、思考を巡らせることに夢中になり、背後の黒い車から拳銃だけでなく、ライフルで狙われ、バイクに被弾してしまい、投げ出されてしまう。

「うぐぅっ！？」

不二子は投げ出された衝撃で立ち上がれずにいると黒い車から降りてきた男性に首を掴まれてしまっていた。

「お前が峰不二子だな。ウォンから受け取った荷物を渡してもらおうか？」

「な、なんのことかしら？ぐっ！？」

男性は、不二子が惚けた反応をしたため、首を絞め始めていく。

「さっさと、吐く方が身のためだぞ……」

「知らないと言っているじゃない……そんなに、大事な荷物なのかしら？」

「やれやれ、仕方ない。おい、降りてこい。ヴェル」

不二子の首を絞めている男がそう言うと、車から首輪を付けられた白髪の青年が降りて出てきた。

「お前の力で、この女に荷物について吐かせろ」

「わかった」

ヴェルは、地面に倒れている不二子の身体に近づいていく。

「峰不二子、俺の眼を見ろ！！」

「うう……」

ヴェルの眼を見た不二子の眼の色が藍色に変わり始めていく。

「ウォンから受け取った荷物の在処を教えろ！！」

「ウォンから受け取った荷物の在処は……」

眼の色が変わった不二子は、洗脳されているかのように、言われた通り、口に出していく。肝心な在処を言おうとした瞬間……

「パンッ！！」

「不二子！！」
銃声と共に不二子の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。

「ルパン！？」

「不二子、早く乗れ！！」

ルパンは、次元が撃った拳銃によって、ヴェルが不二子から離れた瞬間を逃さず、すぐさま、車の扉を開けて、不二子に手を伸ばしていた。

「ええ……」

ヴェルが離れたことにより、洗脳が解けた不二子は、差し出されたルパンの手を取り、車に乗っていた。

「おい、動くんじゃねえぞ。ルパン、今のうちだ……早くここから離れるぞ」

次元は、車の中からヴェル達に構えながら、走り出すように指示を出すと、ルパンはその場から離れるように、車を走らせていく。

「おい、何をしている。早く追いかけろ！！あの女を捕まえて、荷物の在処を何としても吐かせろ！！」
男性は、コートの懐から取り出したリモコンを操作する。すると……

「うぅぅあああ………や、やぁぁめぇぇぇろおぉぉぉ………」
ヴェルの首輪から身体全身に電気が走り、苦しみながら叫んでいた。

「痛い思いをしたくなければ、さっさとしろよ」
「はぁ……はぁ……わ、わかった」
ヴェルは、ふらつきながら立ち上がると、近くにあったバイクを奪うと、ルパンの車を追いかけるように走り出していく。

ヴェルが追いかけてきていることを知らないルパン達は、橋の手前で車を止めて、後部座席で横たわっている不二子の方を向いていた。

「不二子、あいつら何者なんだ？お前を操って何かを知ろうとしていたが？」
「ルパン、あなたには関係ないわ。これは、私の仕事なんだから……」
不二子は、ゆっくりと身体を起こしながら、話していた。

「おいおい、せっかく助けやったのに、そんな態度かよ」
「誰も助けてなんて言ってないわ」

「おい、ルパン。不二子のやつ、話す気がないようだし、ほっておこうぜ。俺たちまで危ない橋を渡る必要は……おい、ルパン。早く車を出せ。さっきの奴が追いかけてきているぞ」
次元は、呆れてしまい、前を向き直すと、後ろから、バイクに乗って追いかけてくるヴェルの姿が見え始め、ルパンに車を出すように伝えていた。

「やれやれ、しつこい奴だぜ。不二子、お前よほど奴らにとってまずい何かに関係しているみたいだな」
ルパンは、追いつかれないように車を再び走らせていく。

「見つけた……不二子が乗っているのは、あの車だな。逃がさない」
ヴェルは、不二子を乗せた車を発見したため、バイクの速度を上げていた。

「ルパン、あいつ速度を上げてきたぞ。こっちも速度を上げねえと追いつかれるぞ」
「分かってる。おい、不二子。狙いはお前なんだから、協力……あれ？不二子どこ行った！？」
ルパンの車の後ろに乗っていたはずの不二子がいつの間にか、姿がなくなっていた。

「まさか不二子の奴、橋の下の川に向かって、飛び降りたんじゃ！？」

「仕方ない。時間を稼ぐために迎え撃つか……」
ルパンと次元は、近づいてくるヴェルに向かって、発砲をして迎え撃っていた。

「フン……無駄だ。その程度では、当たらないぞ」
ヴェルは、二人からの発砲を交わして、徐々に距離詰めていた。ヴェルは、バイクから飛び降りるとルパンと次元に近づいていた。

「ルパン三世、次元大介。銃をおろせ」
ヴェルが指示すると、二人は銃を地面に下ろして、倒れてしまっていた。

「さあ、不二子。二人はしばらく動けない。もう観念しろ……な、何！？居ないだと…どこ行った！？まさか……」
ヴェルは、不二子の姿が見えないと知ると、橋の下を見ながら、怒りを露わにしていた。

「なんて、女だ。ここから飛び降りるとは……」
ヴェルは、不二子を追いかけるために、自らも橋の下に飛び降りていた。

不二子が飛び降りてから、時間が経ち、辺りは日が暮れて暗くなっていた。

「ここまで流されてくれば、暫くは時間を稼げるかしら。とりあえず、どこかで一晩を越す必要があるわね」

不二子は、傷ついた身体の痛みに耐えながら、ゆっくりと泊まれる場所を探していた。
すると、灯りがついている宿を発見して、宿まで歩いていき、扉を開けて中に入っていく。

「あ、あの、大人一人、一部屋空いているかしら？」

不二子は、身体の痛みでふらつきながら、宿の主人に聞いていた。

「ああ、今のところ、大人一人分ぐらいの部屋なら、空きがあるぜ」

「そう……なら、一部屋貸してもらえるかしら？」

「うちは、前払いだから。先にお金をもらおうか?」

「ごめんなさい……実は、財布をなくしちゃったの……」

不二子は、宿の主人に向かって、前屈みになりながら、胸を揺らしていた。

「うちは前払いなんだ。前払いできなくて、冷やかしに来たなら、他所でやってくれよ……」

宿の主人は、財布をなくして先払いができないと分かると、不二子を追い払おうとしていた。

「払うのは、お金じゃないの、払うのは、私の身体よ。一晩、私の身体を好きにして構わないわ」

不二子は、宿の主人の手を取り、自分の胸に手をやり、触らせていた。

「ほ、本当にいいのか？」

「ええ……一晩だけ、泊まらせてもらえるならね……」

不二子は身体を密着させて、宿の主人の耳元で囁いていた。

「し、仕方ないな。一晩だけだぞ……」

宿の主人は、顔を赤くしながら、不二子に部屋の鍵を渡していた。

「それじゃ、後程部屋に来てちょうだい。待っているわ。チュッ……」

不二子は、宿の主人の頬にキスをしてから、鍵に書いてある番号の部屋へと入っていく。

不二子は部屋へと入ると、川に落ちて濡れた身体を温めるために、バスルームでシャワーを浴びていた。傷ついた身体にシャワーが当たると痛みを感じ、痛みで唇を噛み締めていた。

「そういえば、ルパンと次元は、大丈夫かしら？あの二人だから、そう易々とはやられたりしていないだろうけれど……」
不二子は、助けてくれた二人のことを気にしていた。

「私を殺すために雇われて言いなりになっていたあの殺し屋、一体、どんな特殊能力を持っているのかしら。今回は、なんとかなったけれど、何か対策を考えないと、また来られたら、今度こそ喋ってしまいそうね」
不二子は、何か対策を練らないと無意識に操られてしまうことが分かっていたために考えごとをしながら、バスルームから身体にバスタオルを巻いてあがり、ベッドに座っていた。

「ウォン、殺し屋を雇ってまで奪いにきたあなたの荷物の中身は一体なんなの」
不二子は、依頼の話を聞いていたときのことを思い出していた。不二子が当時のことを思い出していると、不二子の部屋に近づいてくる足音があった。

「トントン……宿の主人だが、約束通りきたんだが、入ってもいいだろうか?」
不二子は、足音の主が、先程約束した宿の主人だと分かると、扉に近づいていく。

「ええ……待っていたわ。どうぞ……」
「あっ……ああ……」
宿の主人は、扉が開き招き入れた不二子が、バスローブ姿だったため、宿の主人は、不二子の姿に見惚れてしまい、言葉を失っていた。不二子は、宿の主人を部屋の中に連れて行くと、抱き付いていた。

「今日は、突然無理を言ってごめんなさい。おかげで助かったわ。ありがとう……チュッ……」
不二子は宿の主人の頬に手を触れると顔を近づけて唇を奪っていた。

「ああ……そうだ。お嬢さんにこの荷物を渡すようにと、刀を持った侍がきたよ」
「五ェ門、誰にも気づかれずに持ってきてくれたのね。助かったわ。ありがとう」
不二子は、事前に五右衛門に荷物を預けていたために、なんとか切り抜けることができたのだった。そして、宿に持ってくるように五ェ門に連絡して、持って来てもらったのである。

「あの侍はあんたの男なのか？」
「フフ……まさか、ただの知り合いよ。あんな男に興味はないわ。それより、代金の代わりの支払いをさせてもらえるかしら？」
不二子はバスローブ越しに胸の感触が伝わるように押しつけていた。

「ウホッ……な、なんて素敵な身体をしているんだ。それじゃ約束通り、お嬢さんの身体を好きにさせてもらうとするよ」
宿の主人は、代金の代わりを受け取るために、不二子の身体をベッドに押し倒していた。

「今夜は楽しい一日にしましょう……」
ベッドに押し倒された不二子は、宿の主人の首の後ろに腕をまわし、笑みを浮かべていた。

それから、宿の主人は自らの欲に従って、不二子の身体を抱き始める。

抱かれながら不二子は、宿の主人を満足させるために、身を委ね、時には喘ぎ声をあげていた。

不二子の身体を抱きながら、不二子の喘ぎ声を聴いていた宿の主人は、更に興奮を抑えられなくなっていた。

「今日は迷惑をかけちゃって、ごめんなさい……」
「いいさ。おかげで、ナイスバディな身体を抱かせてもらえているんだからな」

不二子は、宿の主人の身体に触れて、温もりを感じながら、顔を見上げると、宿の主人の満足している表情が見えていた。

「道端で寝てしまう危険に晒されなくて助かったんだから、このくらいお安い御用よ。本当に助かったんだから……ありがとう。チュッ……」

不二子は、宿の主人の頬に手を触れて、キスをしていた。

宿の主人は、不二子にキスをされ、何が起きたのか理解ができないまま、頬を赤らめていた。

不二子は、宿の主人の反応に笑みを浮かべながら、頭では今後の事に思考を巡らせていた。

（今日はなんとか乗り切れたけれど、ヴェルというあの殺し屋に、彼を操る組織からどうやって逃げ続けるか、徒歩だけじゃ確実に追いつかれるわね）

不二子は、追っ手が来るまでに距離を取る算段を考えていた。

「お嬢さん、もしかして、身体の具合が悪いのか?」

「どうしてかしら？」

「いや、急に様子が変わったから。もしかして、怪我している身体に無理をさせたのかと……」

「いえ、大丈夫よ。ごめんなさい。せっかくの楽しい時間なのに、ちょっと、考え事を……気分を損ねちゃったかしら？」

「俺が無理させたんじゃなかったのなら、良いんだが……確かに、ちょっと気分は損ねてしまったかもな」

宿の主人は、不二子の身体から離れると立ち上がって、部屋から出て行こうとする。

「ま、待って！！二人きりの時間に水を差してしまってごめんなさい」

不二子はすぐさま、宿の主人を追いかけて背後から抱きついていた。

「代金の代わりで、満足するまでと言ったのに、ごめんなさい。今夜だけで良いの……泊めさせてちょうだい」

「こんな時間だから、出て行けとは言わない。だが、明日の朝には出て行ってもらう。それに、怪我をしているから、無理して倒れられたら、目覚めが悪いから」

宿の主人は、そう言うと不二子の部屋から出て行ってしまう。

「はあ……やってしまったわね。この私が、男に気分を悪くさせてしまうなんてね」

不二子は、そのままベッドで倒れ込むように眠ってしまう。

翌朝、日が昇り始めた頃、不二子は目を覚ますと、身支度を済ませていく。
宿を出る前に、まだ眠っている宿の主人に向けて、置き手紙を置いていた。

「お世話になったわ。ありがとう……」
不二子は起こさないように軽くキスをして、宿を出ていく。

「あっ……来たわね」
不二子は、バイクを昨日に破壊されてしまったため、タクシーを呼んでいたのである。

不二子を乗せたタクシーがしばらく走っていると、タクシーの後ろを追いかけてくる怪しい車があった。

「本当にしつこいやつらね。ドライバーさん、なんとかして、後ろの黒い車から逃げ切って……」
不二子は、タクシーのドライバーに必死に指示を出していた。

「そ、そんなことを言われても……うわっ！？」
「キャッ！？」
タクシーが背後からの黒い車に夢中になっていて、前から現れた車に気付けずに衝突してしまう。

「やれやれ、ようやく追いついたぜ。観念しろ、峰不二子」
タクシーの前に現れた車から降りてきたのは、昨日不二子を狙って現れた組織の男だった。衝突した衝撃で動けないでいる不二子を引っ張り出していた。

「ううっ……だ、誰が観念するもんですか」
「逃すはずがないだろ！！」
ふらついて立ちあがろうとした不二子に向けて、鞭を打っていた。

「やっときたか、おい、ヴェル。今日こそ、例の荷物を手に入れて、お前の手で峰不二子を始末しろ。今度は失敗を許さないぞ」
組織の男性は、タクシーの後ろから追いかけていた黒い車からヴェルの姿が見えると、不二子から荷物を奪い、始末するようにヴェルに指示を出していた。

「ま、まずいわね。彼の能力に対して、何も打開策がない今、捕まったら、確実に抵抗できない」
不二子は、ヴェルに捕まれば、終わりだと分かっていたため、なんとしても逃げようと立ち上がっていた。

「逃すわけがないだろ」
「うはっ！？」
不二子が立ち上がって、逃げようとした途端、瞬時に不二子に近づき、首を掴んだまま、地面に叩きつけていた。

「峰不二子、命令された通り、お前の殺す。覚悟しろ」

「あなた、確かヴェルと言ったかしら？どうやら、あなたには人を操る呪いの力があるみたいね。そんな、素敵な力を持っているあなたが、あんな奴の操り人形でいいの?」

不二子は、自分の首を掴み、締め殺そうとしているヴェルの首の後ろに手を回していた。

「何をしている、ヴェル。早く、峰不二子を殺せ！！」

組織の男性は、不二子を始末しないヴェルに怒りを露わにしていた。組織の男性は、ヴェルの首輪のリモコンを操作する。

「ううぅぅ……ああああ……」

ヴェルは、首輪から電気が走り、苦しんでいた。

「そのリモコンが邪魔なのね」

不二子は、胸元から拳銃を取り出して、リモコンに向けて発砲し、破壊していた。

「ヴェル、あなたのその素敵な力で私をモノにしたいと思わない？」

「なんのことだ？」

「あなたという人間を知りたいのよ……うぅん……あぁ〜ん……」

不二子は、ヴェルの手を取り、自らの胸に手を当て、胸から下へ撫で下ろしながら、声を漏らしていた。

「ふはっ！？」

「男のくせに意気地なしなのね」

不二子は思わず、ため息を漏らしていた。

「はあ……いい加減、早く始末しろ。お前は安くなかったんだぞ！！出来ないなら、俺が峰不二子を始末する」

組織の男性は、自らの手で峰不二子を始末しようと近づいていた。

「峰不二子、本当にお前をモノにしていいのか？」

「フフ……私をモノにできるならね」

「フッ……面白い。なら、邪魔者は排除しないとな……」

「なっ！？どういうつもりだ！？組織を裏切るのか！？ぐぅうう……ああああ……」

ヴェルは、不二子から離れると、ターゲットを組織の男性に変えて、逃げようとする組織の男性に瞬時に近づき、始末してしまう。

「さあ、邪魔者は消えた。次は、峰不二子。お前の番だ」
ヴェルは、不二子の方に振り返ると、ゆっくりと近づいていく。

「そのようね……」
不二子は、改めてヴェルという存在の恐ろしさを感じていた。

「それじゃ……お望み通り、俺の力でお前をモノにしてやる」
ヴェルが不二子に能力を発動して、洗脳をしようとした瞬間……

「ねえ、待って。こんな市街地じゃなくて、別の場所で、二人きりで邪魔がされないところがいいわ」

「わかった。なら、移動しようとするか」
ヴェルは、不二子を車に乗せると、人気のないところまで移動を開始する。

ヴェルが、車を走らせてしばらく時間が経つと周りの景色が変わっていく。辺りは、人気がなく、古びた街並みが見えていた。　

「ここは？」

「この街は、俺が昔住んでいた街だ。昔と違って、もう今は誰も住んでいない。滅びた街だ。ここなら、誰にも邪魔されないだろ？」

「そうね……確かに、今はもう誰かが住めるような環境じゃないわね」
不二子が、周りの景色を見ていると、ヴェルは目的地に到着したからか、車を停めていた。

車を止めたヴェルは、不二子を降ろし、木造の建物の中へと連れていく。建物の中に入ると、以前誰かが住んでいたと思わせる家具などが置いたままになっていた。

「ここまで来れば、誰にも邪魔されないだろ？」

「そうね。確かに、こんな場所まで来たら、誰も来ることもなさそうね」
不二子は、ヴェルに近づいていき、ゆっくりと抱きしめていた。

「ねえ？女をモノにしようとするのは、私が初めてかしら?」
不二子は、胸を押し付けて、ヴェルの顔を見上げていた。

「あっ……ああ、お前が初めてだ……」
ヴェルは、不二子の胸の感触が伝わってきて、胸の鼓動が高まっているのを感じていた。

「私をモノにしたくて、仕方なくなってきたんじゃないかしら？」
不二子は、ヴェルの股間が膨らんで、お腹に当たっているのを感じていた。

「お前を必ずモノにしてやる……峰不二子、俺の眼を見ろ！！」

「ううっ……」
不二子はヴェルの眼を見た後、瞳の色が次第に藍色になっていく。

「あんなことを言っていたから、簡単に支配させないのかと思ったが、どうやら、違ったみたいだな……」

ヴェルは、不二子が呆気なく、支配されたことに驚いていた。

「俺のこの胸の高鳴りは、不二子の身体に触れてからだ……俺は、この胸の高鳴りの理由を知りたい」

ヴェルは、自分の胸に手を当てると、鼓動が速くなっていることを感じていた。ヴェルにとっては、初めての経験、この胸の高鳴りについて、気になってしまっていた。

「不二子、服を脱げ」

「はい。わかりました」

不二子は、ヴェルの指示通り、服を脱ぎ始めていき、素肌が露わになっていく。

「これが不二子の裸……はぁ……はぁ……な、なんだ…不二子の裸を見てからか、更に我慢ができなくなってきた……欲しい……不二子が欲しい……」

ヴェルは、不二子の裸体を見た途端、更に心臓に何か突き刺さって締め付けられる物を感じて、息が荒くなっていた。

「わかりました。私の身体を抱いてください」

「不二子、お前をモノにしたいと言ったが、具体的にどうしたら、良いのか俺にはわからない。こういったことは、初めてなんだ」

ヴェルは、いざ、不二子をモノにできるとなっても、経験がないため、何をどのようにしたら、いいのかわからないでいた。

「あなたのこの股間の硬くなった逸物を、私の身体の中に入れたら、良いんです」

支配された不二子は、ヴェルの股間にある硬くなった逸物に触れて、自分の下腹部に触れさせて、誘導させていた。

「不二子、俺はお前を抱いて、俺のモノにしてやる」

ヴェルは、支配した不二子の誘導され、不二子の身体をいつの間にか床にゆっくりと押し倒していた。

「はぁ……はぁ……今から、不二子の身体を抱く。不二子の身体を抱けば、この胸に突き刺さって、締め付けられる物がなんなのか、わかるはず……」

ヴェルは、不二子になぜ惹かれたのか、胸に突き刺さり、締め付けられる物がなんなのかを知るために、不二子の身体を抱くために、身体を密着させていく。

「はぁ……はぁ……これが、女の身体なのか……」

「あっ……そう……そうです……もっと……もっと……私の身体に触れてください」

ヴェルは、女性の身体に触れる自体が初めてで驚いていた。不二子は、ヴェルに自分の身体をもっと触れるように伝えていた。

「不二子の身体に触れていると、ますます胸に何かが突き刺さる感覚に襲われる。胸の高まりも感じる……」

「それは、私の身体にあなたが本能的に求めていているからです。あなたは、私の身体に恋しているの……」

「殺しのターゲットの不二子に、俺が恋をしている……この胸の痛みは恋の痛みなのか」

ヴェルは、左胸に手を当て、胸の鼓動を感じていた。

「あなたのことをもっと、身体の奥で感じさせてください……腰を振って……腰を振って….身体の奥まであなたのその硬くなっている逸物で、私の身体の中まで支配してください」

「腰を振ればいいのか……」

「そうです……」

ヴェルは、不二子の言う通りに腰を振っていた。不慣れなためか、うまく腰を振れずにいた。

「はぁ……はぁ……うまく腰を振れている自信がない」


「誰だって、最初は不慣れなもの……経験していけばいいです……」

不慣れで自信がないと言うヴェルに対して、不二子は、身体の腰を振って、ヴェルを誘導していた。

「す、凄い……不二子の身体の中にまるで、吸い込まれていくみたいだ……」

ヴェルは、自らの下半身の逸物が不二子の身体の奥の方に、どんどん入っていくのを感じて驚いていた。

「あん……はっ……んっ……どんどん、奥に入っているのが、私にも伝わってきてます」

ヴェルは、先ほどよりも不二子の身体が反応しているのが逸物を通して、伝わっていた。不二子の誘導のおかげで、どんどん自らも腰を振っていくのだった。

最初の頃よりも慣れてはきていたが、初めての経験だったせいもあるのか、時間が経つにつれて、ヴェルの方に疲れが見え始めていた。

「はぁ………はぁ………な、なんだか……ね、眠たくなって……眠るわけには……い、いかない……」

ヴェルは、必死に眠気に抗おうがするが、眠気は更に強くなっていた。そして、それほど時間がかからないまま、不二子の身体の上で眠ってしまう。