原始時代

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  • 歴史・時代
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1人目

大地は湿り気を帯び、草の間から湯気が立ち昇っていた。空は青く広がり、太陽が眩しく輝いている。彼の世界には、ただ生きるための力と本能だけがあった。

 少年と呼ぶには逞しく、男と呼ぶには若すぎるその男は、腰に巻いた毛皮一枚だけを身につけ、引き締まった筋肉を露わにしていた。風が吹くたびに、乾いた血の匂いが鼻を掠める。狩りを終えたばかりだった。獲物は小さな鹿。長い槍を脇に抱え、食糧を得た満足感を胸に帰路につこうとしたその時だった。

 突然、前方の茂みがざわめいた。鳥が飛び立ち、草が不自然に揺れる。彼は瞬時に身構えた。

 現れたのは、自分よりも一回り大きな男だった。肉付きの良い四肢は力強く、胸板は厚く広い。その男もまた、腰に粗雑な毛皮を巻いただけの姿だった。大地の泥が筋肉に貼りつき、体の至るところに傷跡が走っている。鋭い目がこちらを睨みつけた。

2人目

男はゆっくりと間合いを詰めてきた。足音は土を踏みしめるたびに低く響き、獣のような気配が空気を重くする。少年の喉は渇き、背筋を汗が伝った。槍を握る手に力がこもる。
 相手の視線は槍ではなく、腰に吊るされた鹿の肉へと向けられていた。その目には明確な飢えがあった。
「……それを寄こせ」
 低く、しかし確かな響きで男は言った。声は威圧ではなく、生き延びるための切実さを帯びていた。
 少年は一瞬、返事をせずに相手の瞳を見返す。そこに敵意はない――だが、譲れば自分が飢える。互いに譲れぬ理由があった。
 風が再び吹き、二人の間の草を揺らす。その瞬間、男の膝が沈み、腕が伸び――。
 少年は反射的に槍を構えた。しかし、次に聞こえたのは鋭い叫びではなく、背後の森から響いた異様な咆哮だった。
 二人の視線が同時に森へ向かう。
 茂みが裂け、暗い影が姿を現そうとしていた――。

3人目

現れたのは淫らな触手の塊だった。無数のぬめった触手がうねり、地面を這い、まるでそれそのものが欲望の塊であるかのように蠢いていた。その表面には粘液が光り、触手の先端には突起が無数に生えている。
少年と男は一瞬、互いの敵意を忘れ、目の前の異形に目を奪われた。
「なんだ、あれは…!」
男が低く唸る。
少年は槍を握る手に力を込めた。
触手の塊は音もなく近づき、少年の足元に伸びてくる。少年は跳び退き、槍を振り下ろした。鋭い刃先が触手を切り裂くが、切り口から紫色の液体が噴き出し煙を上げた。
男も動いた。腰から短い骨のナイフを抜き、触手の塊に飛びかかる。しかし、触手は男の腕を絡め取り、締め上げる。男の顔が苦痛に歪む。
少年は一瞬迷った――この男を助けるべきか、それとも自分の命を優先すべきか。

迷っているうちに触手は男を持ち上げて引き寄せてしまった。

4人目

触手は男を拘束し、まるで生き物ではなく意思を持った悪意そのもののように蠢いていた。
荒い呼吸の中で、男の筋肉は強張り、声にならない呻きが漏れる。
少年はその姿に恐怖を覚え――逃げるべきだと判断した。
しかし目の前の異形はただの獲物を喰らうのではなく、「意志を砕き、屈服させよう」としているように見えた。

触手は男の胸を、腰を、四肢を、臀部をも執拗に撫でまわす。粘液が皮膚に光を走らせ、男は必死に抗うが、その表情には羞恥の色が混じり始めていた。
「やめろ……!」
怒号とも懇願ともつかぬ声が夜気に響く。
今触手は男の秘部の中に侵入しようとしていた。

その瞬間、少年の胸に熱が走った。恐怖と混ざった、得体の知れない感情――。
槍を構え直した少年は、己の本能に従い叫んだ。
「離せ――!」

槍先が闇を裂き、触手の塊へ突き立つ。
紫の液が飛び散り、異形は獰猛な声をあげてのたうった。

5人目

少年の槍は触手の塊を貫いたものの、その中心には届かなかった。怪物は痛みを感じたのか一層激しく暴れ出す。触手は男の体を弄ぶことを止め、今度は少年の方へと伸びてきた。
「来るな!」
少年は後ずさりしながら次の攻撃の機会を伺う。しかし触手は予想外の動きを見せた。一本の太い触手が少年の脚を掴み、軽々と持ち上げたのだ。
「ぐっ!」
宙に浮いた少年の身体は自由を失い、触手はそのまま彼を男の隣まで運んだ。男も依然として拘束されたままだった。触手の塊は二人をX字のポーズをさせて並べると、まるで観察でもするように動きを止めた。
少年は初めて間近で男の全裸の姿を見た。鍛え上げられた肉体は汗と粘液に濡れ光り、その中央で男根が確かに硬く屹立していた。かなりの巨根だった。
「見るな…」
男が絞り出すような声で言う。しかし少年は目を逸らせなかった。
少年の巻いていた腰布はいつの間にか剥ぎ取られていた。
そして自身の雄の象徴も男と同様に勃起していたとようやく気づく。それがどういう意味なのかわからない年齢ではなかった。
生物として最も原始的な反応だった。この極限状況で子孫を残すべく、生存本能が精巣を刺激し始めていた。
恐怖と生命の危機が、逆に生殖機能を高めているのだ。少年の股間では硬くなった陰茎が脈打ち、先端には透明な露が滲んでいる。
陰嚢も縮まり上がり、その奥にある睾丸で精子が大量に作られているのが感じられる。
男はというと少年以上に深刻だった。全身を触手に責め立てられたことで、睾丸がバクンバクンと膨縮を繰り返している。

6人目

男は羞恥と屈辱に朱に染まった顔を歪めながら、獣のような咆哮を上げる。

「う、ぬぐぉォおオオオ……ぼ、坊主!ぼうンぬぐふ……坊主!」

男の呼びかけに、触手に締め付けに健気に抗っている少年が、首だけをそちらに向けると、僅かに男の自由となっている左手が、ある一点を指差している。

「ふぅーッ……!ふゥーッ……!槍だ、まだヤツには槍が刺さったままだッ!」

少年の槍は核を貫いていなくとも、確かに怪物に刺さったままだ。少年の大きく広げられた右足指が僅かにその石突に触れる。

「それを何とかこっちに向けろ!」

少年は力を振り絞り足指で槍を確保すると、触手に振り回される勢いのまま、引き抜きながら男の方へと蹴り出した!

「ひひぇ!こな!こなくそォ!」

男は自由な左手のみで槍先を怪物の中心に向けると、胸筋、肩、上腕から下腕迄を強引に捻りながら、螺旋を穿つように突き通す!

「!!!!!!!」

とても文字に起こさぬような奇怪な咆哮がステップにこだまする。触手は狂乱し、責め堕とそうとしていた動きとは全く変わり、暴力的かつ無軌道に暴れ狂う。二人は裸形のまま互いにぶつけ合わされ、汗と汁と屹立したモノの存在とを互い違いに意識し合いながら、最後には草地の上に投げ出された。

触手は既に力を失い、びくりともしない。
投げ出された2人は男が上となり、重なり合うようにして倒れ伏している。既に両者体力を著しく消耗しており、動くことができないのだ。2人の体の間にはかの紫色の粘液が糸を引き、モノとモノがぐちゃぐちゃの粘液の中で熱くかち合っている。

7人目

「…どうにもならねぇな」
男の声には疲労とともに何か別の熱が宿っていた。
少年は目を閉じ、唇を噛みしめる。快感と疲弊の狭間で思考が霞んでいく。
互いの呼吸が混ざり合い、汗と粘液が絡み合った身体はさらに熱を増していく。触手との戦いで消耗しきったはずの身体が、今度は互いの体温と雄の匂いに反応し始めた。