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1人目

外に出ると、潮風が頬をなでた。二人が向かうのは、海に面した訓練場だ。そこでは、日の光を浴びて健康的に日焼けした男たちが、砂の上でパンクラチオンに興じていた。

彼らは笑いながら互いの肉体をぶつけ合っている。砂まみれになりながら、楽しそうに組み手を行う姿は、まるで少年時代の遊びのようだった。

「あれを見てください」
イムセンが指さした先に、特に大きな男がいた。
その男は、他の男たちを次々と投げ飛ばしていた。そのたくましい筋肉は、まるで彫刻のように美しい。そして、その男の胸には、少年が知っている紋章が刻まれていた。

2人目

「…あの紋章は」
記憶の底に沈んでいたはずの意匠が、男の分厚い胸板の上で陽光を跳ね返している。
それは、かつてこの辺りを荒らしていた山賊の象徴か、あるいは幼い頃に父が語っていた英雄の証か。
男が吼えた。最後の一人を砂の上に沈めると、彼は汗を拭うこともせず、こちらを向いた。