新人破壊工作員の初作戦

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完結済
3000文字以下 10人リレー
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  • 自由に続きを書いて
  • 残酷描写有り
  • 性的描写有り
  • 暴力描写有り
  • 二次創作
  • アニメ・ゲームのキャラ出すのあり
1人目

とあるジャグルへの入り口に立つ一人の男がいた。

「こちら、アキラ。作戦開始エリアに到着。今から、作戦を開始します。」

「こちら、作戦本部。エリア到着了解した。」

「本部、本当に俺一人で今回の作戦を遂行しなければならないんですか?」

「ああ……施設の詳細が詳しくわからない状況である以上、人数を割いてまでやる必要がないと言うのが上の考えだ。」

「だったら……」

「わがままを言うな。それに、最近その施設に怪しい動きがあるという噂もある。念の為に、調査員を派遣することになったんだ……」

アキラは、話を聞く度にますます不安が募っていた。

「了解しました。」

「そこのバックパックにナイフなどの必要最低限しか入れていないから、食糧や武器などは現地調達で頼む」

「了解しました。」
アキラは、無線に聞こえないように、ため息を吐くと、バックパックを装備していく。

「いいか?決してみつかったりや捕まったりするんじゃないぞ。そんなことになれば、誰も助けられないと思ってくれ……必要最低限、無線機でサポートする。では、健闘を祈る」

「やれやれ……本当に俺一人でやりきれるんだろうか……」
本部との通信が切れ、ジャングルの中へと足を踏み入れて行く。

2人目

ジャングルの中へと足を踏み入れて行く。アキラは、周りの空気が妙に重いことに気づいた。湿度が高いというだけでなく、何かしらの圧迫感、あるいは不自然さを感じるのだ。
進むにつれて、彼の目に映る景色は徐々に異様な様相を呈し始めた。
木々の幹には、不規則な間隔で、いくつもの人工的な傷跡が残されている。
それは、切り傷というよりも熱で溶かされたような、あるいは何らかの強力な力でえぐられたような奇妙な痕跡だった。
「本部、進行ルート上に不審な痕跡を確認。木々が不自然に損傷しています。熱、あるいは高エネルギーによるもののように見えます」
「こちら本部。痕跡の詳細をメモリーしろ。施設の設備に関連するものかもしれん。警戒を怠るな」

3人目

「了解しました。」
痕跡のメモリーを続けていたアキラ、警戒をしながら、作業を続ける。しばらく、作業を続けていると、遠くから人の気配を感じて、作業を止めていた。

「どうやら、一人だけじゃないみたいだな……」
アキラは、生体センサーを使用とすると、一人だけでないことを理解して、離れたところで身を隠していた。

「人数は、3……4……いや、5人か。ただ、二人は白衣を着ていて、後ろの3人は、武器を所持しているな。どこかへ、連れていくつもりなのか?」
アキラは、相手側に気配を感じられないように気をつけて、無線に手を触れていた。

「こちら、アキラ。作戦本部、痕跡のメモリーの途中、進行ルートの方角に向けて、移動する人影あり、数は5、そのうち、2人は白衣を着た男性。残りの3人は、武器を装備した男性の姿を確認」

「こちら、作戦本部。了解した。進行ルートの方角に向けて移動しているということは、我々の作戦内容に関わる可能性も否定できない。痕跡のメモリーは、中断。彼らに気付かれないように、尾行してどこへ向かっているのか、調査してくれ……」

「了解しました。フゥ……気付かれないようにか、足音にも気をつけないといけないな……」
アキラは、無線を終了すると、再び装備の確認を行い、彼らの尾行を開始する。

4人目

アキラは、尾行を開始した。ジャングルの地面に敷き詰められた腐葉土は、慎重に踏み込まないとすぐに音を立てる。
彼は呼吸の音すら最小限に抑え、忍びの術を極めたかのように木々の影を縫って進む。
ターゲットの5人組は、まるで道を知り尽くしているかのように迷いなくジャングルの中を進んでいた。
前を行く白衣の2人は、時折手元の端末を確認しながら何かを議論している様子だ。
後方の武装した3人は、周囲を警戒しつつ一定の間隔を保って護衛している。

尾行を開始して数分後、彼らは奇妙な構造物の前で立ち止まった。
それは、ジャングルの緑に半分埋もれるように佇む黒い金属製の壁だった。壁には周囲の不自然な損傷と似た、熱で溶けたような痕跡が生々しく残っている。

5人目

「あれは、なんだ!?どうして、こんなジャングルの中になんか……」
アキラは、双眼鏡を用いて、眺めていた。

「さあ、この中だ……早く開けろ!!」

「うう……うう……わ、わかった。」
武装した男性達に、銃を突きつけられながら、言われると白衣の男性達は、反射的に怯えてしまっていた。銃を突きつけている男に言われながら、壁に近づくと、白衣の男性達は、それぞれ何かを取り出していた。そして、二人はそれぞれ持っている物を扉の所に差し込んでいるのが遠くからだが、うっすら見えていた。

少しすると、突如、ガタゴトガタゴト音が鳴り始め、扉がゆっくりと開いていく。

「扉が開いた!?中に入るのか……俺も、見つからないように一緒に………ま、まずい!?」

「私は、誰か近付いたりしないように警戒しておく。増援部隊もまもなく到着するだろう。お前達は、研究員達を例の場所に連れて行け……」

「はっ!!」
アキラは、扉が開くと中に入っていく姿が見えたため、見失わないように近づこうとするが、すぐさま足をとめ、身を潜めていた。なぜなら、全員入るかと思われたが、一人だけ残り、突然振り返ったからである。このまま、突き進んでいれば、危うくみつかっていたところだ。

「あぶない……あぶない。こちら、アキラ。作戦本部、武装した集団を尾行した後、謎の構造物を発見。その中に、白衣を着た男性二人と武装した男性が二人中へと入って行きました。残りの一名は、建物前で警戒をしているところだと思われます。」

「こちら、作戦本部。了解。なんとしても、中に入る手段を探すんだ。残りの一名の男性に背後から近づき、吐き出させても構わない。」

「了解……。中に入る手段を探せと言われても……おや?」
アキラは、中に入る手段を探す手立てを考えようとしていると、知らない無線通信が入ってきた。

6人目

「もしもし……」

「もしもし……もしかして、あなたが、最近部隊に入ったという新人さん?」

「あなたは、誰ですか?どうして、わかったんですか?」

「フフ……私にしたら、あなたの無線の通信に割り込むなんて造作もないわ」

「あなたは、一体何者なんですか?」

「そうね。名乗ることは出来ないけれど、私は、あなたの協力者よ。」

「協力者だって!?僕は聞いていない。それに誰かもわからない人のことを信用なんて出来ないし、この作戦だって、僕一人で遂行しなければならないと聞かされていたし……」

「作戦本部も、半ば何かあるとは信じてなかったのよ。私は、部隊に所属していない部外者だから、別件で動いていたけれど、情報だけは、渡すという約束をした関係だから……」

「そちらにも事情があるというなら、仕方がありません。了解しました。名前を教えてもらえる時が来たら、教えてください」
アキラは、女性とはいえ、協力者が増えたことに少し力をもらえた気がしていた。

「わかったわ。その時を楽しみにしているわ。それじゃ、話を戻すわね。その建物の中に入るためには、それぞれ違うパスキーが必要なの。研究員達の中でも、それぞれ分けられていたみたい……」

「そうなんですね。それで、パスキーが二枚必要とのことですが、さっき、二人中に入っていったので、誰か研究員が出てくるのを待つしかないんですか?」

「いいえ。パスキーを持っている人物の一人の所在は把握しているから……」

「す、すごいですね。」
アキラは、女性がパスキーが二枚必要なだけでなく、その片方の一枚を所持している人物の所在まで入手していて、驚きを隠せないでいた。

「フフ……ありがとう。でも、こんなの容易いことよ。あなた、地図を持っているかしら?」

「はい。」
アキラは、彼女の指示通り、地図を開いていた。

「あなたが、今いるところから南東に五km進んだところに、今は使われていない廃墟があるわ。その廃墟の中にある昔使われていた牢屋に、ゲイル博士が囚われているわ。その博士からパスキーをもらうのよ。但し、気をつけて、その廃墟にも武装した男性達が複数人で警戒しているわ」

「廃墟にまで!?」

「彼はね。無理矢理やらされる研究に嫌気をさして、施設から抜け出そうとしたの……それがみつかってしまい、廃墟にある牢屋から一生出られなくされてしまったの……。だから、先ずは、廃墟に向かってちょうだい。必要物資は後から、あなたに届けに行くわ。頑張って……」

「わかりました。頑張ります……」
アキラは、謎の女性との無線を切っていた。

「こちら、アキラ。作戦本部、これより南東にある廃墟にいるゲイル博士の救出に向かいます。」

「こちら、作戦本部。了解した。但し、警告しておく。あまり、彼女のことを信用しきらないことだ。彼女は、信用しきれない部分がある女性だ。充分に気をつけろ!!」

「りょ……了解しました。」
アキラは、何を信じればいいか不安になりながらも、廃墟へと移動を開始する。

7人目

アキラは、廃墟へと向かう途中にも、何人もの武装した男性兵士達と遭遇しては、麻酔銃や近接格闘で気を失わせながら、少しずつ廃墟へと距離を縮めていく。

「はあはあ……大分、歩いた気がするが、まだ廃墟は見えてこないな。」
アキラは、初任務という緊張と不安からか、神経を張り巡らせていたことや歩き続けてきたことで、体力を消耗してしまっていた。

「少し休憩したいが、この辺りにも武装した奴と遭遇したから、どこか身を隠せる所に着いてから休憩するか……」
アキラは、今の場所で休憩すると、もしもの時に対応できないため、身を隠して休憩できる場所を探していた。しばらく歩き続けていると、少し離れた場所にコテージのような建物が目に入り始める。

「あ、あそこなら、姿を隠せるかもしれない。みつからないように気をつけて近づこう……」
アキラは、周囲に警戒しながら、少しずつ建物に近づいていく。建物に近づくと、建物の中に人の気配がないか気をつけながら、ゆっくりと扉を開けていく。

「フゥ……どうやら、誰もいないようだな。それにしばらく使われていない様子だな。とりあえず、この建物の中で、少し身体を休めよう……」
窓や扉に人の気配が近づかないか、確認した後、姿勢を低くして、水分や食事を補給しながら、休憩していた。
休憩をしている間に、地図を開いていた。現在地を確認して、廃墟までの距離の確認をしようとしていた。

「どうやら、廃墟まではまだもう少し距離があるみたいだな。なんとかして、早く廃墟に到着して、パスキーを手に入れないと……」
アキラは、緊張と不安だけでなく、早く着かないといけないという焦りが募り始めていた。しかし、焦りが募ってしまうと冷静な判断が出来なくなってしまうが、初任務であるアキラは、そこまで頭がまわっていなかった。

8人目

アキラが不用意にコテージを飛び出した時、茂る草木の間を抜けて複数の影が現れる。
その頭部は獣のようでありながら、どこか人間めいた体つきをしている。
隆々とした筋肉に覆われた体躯と肉食獣の顔は、アキラに本能的な恐怖を植え付ける。
局部を際どく隠す小さな紫の布きれと金属製のクローだけを装着したその人型の存在は、アキラに対して明確な敵意よりも不信感や警戒心のような物を露わにしていた。

9人目

「ま、まずい。みつかった!?」

「ウォォォ……」
人型のモンスターは、上を向くと、雄叫びをあげ続けていた。

「く、くそ……今の雄叫びを聞いて、武装した集団が増援として、近づいてくるかもしれない。早く対処しないと……」
アキラは、雄叫びを聞いて、増援が来られるとまずいため、麻酔銃を構えて、人型のモンスターを眠らそうと銃撃していく。

「は、早く眠ってくれ……早く、増援が来てしまう前に……」
アキラは、廃墟に向かう道へ、周囲を警戒しながら、進んで行く。

「ウ、ウォォォ……」
麻酔銃の麻酔が効いてきたのか、人型のモンスターは次々と眠っていた。

「はあ……はあ……な、なんとか、眠ってくれたな。油断した。まさか、コテージに近づいてくる気配があったなんて……泥濘による足跡と人間の匂いで気配に気づかれたのかな。」
アキラは、恐怖で身体が震えてしまっていた。呼吸を整えると、増援部隊に気をつけながら、移動をしていた。

しばらく、歩いていると、辺りはどんどん日が暮れ始めていた。その間も、武装した集団との遭遇はしたが、麻酔銃や近接格闘を駆使して、気づかれずに移動することができて、ようやく、古びた廃墟へと到着することができたのである。

「こちら、アキラ。作戦本部、ゲイル博士が囚われているとされる廃墟に到着。これより、捜索を開始します」

「こちら、作戦本部。了解した。協力者である彼女の情報通りであれば、武装した集団が厳重警戒している可能性がある。充分に気をつけるんだ。可能であれば、背後からゆっくりと近づいて、ゲイル博士の居場所を聞き出すんだ。それでは、健闘を祈る」

「了解しました。よし、それじゃ、ゲイル博士を探すとするか……」
アキラは、無線の通信を切断すると、ゲイル博士の捜索を開始する。

「あそこにいる男性に近付いて、先ずは聞き出すとするか…」
アキラは、廃墟の近くにいる男性兵士に近付いていく。

「うぉ!?だ、誰だ!?」

「答えろ!この廃墟の中にゲイル博士はいるのか!?」
アキラは、背後から近づき、ナイフで脅していた。

「誰かは知らないが、答えるわけがないだろ!!」

「死にたくなければ、早く答えろ!!」
アキラは、全く焦らない男性兵士に更に強気で脅そうとしていた。

「殺したければ、殺せばいいだろ!!」
アキラの脅しにも屈せずに、男性兵士は全く吐く気はない様子だった。

「くそっ!!仕方ない」

「ううっ!?」
アキラは、男性の首を絞めて気絶させていく。

「みつかるとまずいから、草っ原が生い茂っているところに隠しておくか…」
アキラは、周囲に気をつけながら、男性兵士の身体がみつからないように隠していく。

「さて、また別の奴に聞いてみるか。」
アキラは、身を隠しながら、ゲイル博士の居場所を吐いてくれそうな男性兵士を探していく。

「次は、あいつにするか……」
アキラは、廃墟への入り口に立っている男性兵士にターゲットを決めて、近付いていく。

「ぐっ!?だ、誰だお前は!?」

「一つ聞きたい。この廃墟の中にゲイル博士はいるのか!!答えなければ、このナイフで首を切ることになるぞ!!」
アキラは、別の男性兵士に背後から近づいて、吐かせようとしていた。

「ま、待ってくれ。殺さないでくれ……。た、確かにこの廃墟の中に地下室があって、その地下室は牢屋になっている。恐らくそこにいるはずだ。入って右奥に地下室へと向かう階段があるはずだ。但し、その地下室にある牢屋には鍵がかかっている。牢屋の鍵は、地下室を警備している奴が持っているはずだ……これで良いだろう!?」

「ああ……助かったよ。ありがとう。それじゃ、眠ってくれ……」
アキラは、ナイフを構えながら、気絶させていた。

「こちら、アキラ。作戦本部。ゲイル博士が廃墟の地下室に囚われていることは、間違いないと情報を得た。これより、ゲイル博士と接触するために、地下室に向かいます。」

「こちら、作戦本部。了解した。中もどうなっているのか、わからない。充分に気をつけるんだ!!」

「了解しました。うん!?」
アキラは、廃墟の中に入ろうとすると、別の無線が入ってきた。

「もしもし、新人さん?」

「あ、あなたは!?」

「どうやら、無事みたいね。そろそろ、廃墟に到着した頃かしら?」

「は、はい。今から、廃墟の中に入って、地下室の牢屋に向かうところです。」

「フフ……流石ね。やるじゃない……私も、今あなたに必要な物資を届けるために、バイクで向かっているところで、もう少ししたら到着するところよ」

「そうなんですね。了解しました」

「あなたなら、出来るはずよ。頑張って……」

「はい。ありがとうございます……」
アキラは、彼女との無線を終了すると、廃墟の中に入っていく。

10人目

廃墟の中は、埃とカビの匂いが充満していた。情報通り、入り口から右奥に地下室へと向かう階段がある。
(あの「人型のモンスター」は何だったんだ?あんなファンタジーのモンスターみたいな肉食獣の頭をした化け物が居るなんて、異常すぎる。武装集団と関連があるのか?それとも…)
アキラは、道中遭遇した異形の存在に改めて疑問を抱きながら、階段を降りた。
地下室は鉄格子が並ぶ牢屋になっていた。奥には警備兵が二人いる。
アキラは、音を立てないよう慎重に警備兵に近づき、一瞬の隙を突いて二人とも首を絞めて気絶させた。懐から鍵を回収する。
「よし、これで…」
牢屋を一つ一つ確認していくと、一番奥の牢屋にゲイル博士らしき人物が座り込んでいるのを発見した。
「ゲイル博士ですね?助けに来ました!」
アキラは声を潜めて鍵を開け、博士を外に出した。
「ああ、君は…アキラ君か!助かった。まさか、君が来てくれるとは…」
ゲイル博士は疲れ切った様子だったが、目に光が戻った。
「急いで脱出しましょう。博士、お聞きしたいのですが…道中で獣の頭をした人型の化け物に遭遇しました。あれは一体何なのですか?この武装集団と関係が?」
ゲイル博士は、疲労困憊の様子で息を整えると、アキラの目を見て言った。
「アキラ君、君の任務は私を『救出』することではない。私が助け出されたのはたまたま流れがそうなっただけだ。本部が君をここに送り込んだ本当の目的は、ここに居る男達を殺さずに眠らせる事にあるんだ」
アキラは一瞬、思考が止まった。
「な、何を言っているんですか、博士?作戦本部からは…」
「本部は私が囚われているなんて伝えてこなかっただろう?」