部屋
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30人リレー
1週間前
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1人目
部屋は不自然なほど整然としていた。真っ白な壁には何も飾られておらず、中央には一輪の赤い薔薇だけが生けられた花瓶がある。その花びらの深紅が、不気味なまでに鮮やかに映える。
異様な部屋だった。
俺は食べ物じゃないぞ❗️
2人目
「う、うん…」
その部屋の床に寝転んでいたのは、20代半ばの長身の男。黒を基調とした服に黒い髪で、その姿は白い部屋に相反していた。
男は唸り声をあげたのちにゆっくりと目を開く。先程まで暗闇に覆われていた視界に真っ白な天井がうつる。
だが天井は眩しくはなく、どこかほんのりと、天井全体が光っているようにも見えた。
男は目を瞬かせ、のっそりと身体を起こす。そして、部屋全体を見渡して言った。
ぽんきち
3人目
「ここから私が王となる」
男はただ一言そう言って花瓶の薔薇を手に取り口に咥えた。
そして顔の横で手拍子を打った。
その姿は余りにも美しかった。
男は名前をライデン・ブルースカイという日本人だった。
東北出身と偽る鹿児島出身者だった。
部屋の証明を反射し、まるで漆塗りのような高貴な光沢を放つ漆黒の長髪は腰元ほどまで伸びていた。
次にライデンは口に咥えた薔薇を取って頭に簪の様にさした。
「美しい薔薇こそ王者に相応しいレガリアだ」
男は再びそう発言すると体を捩らせ、両手を大きく開きながら踊りを舞った。