ハンバーグ
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1人目
事件は、瀟洒な洋館で起きた。資産家の老女が毒殺されたのだ。現場に現れたのは、警察組織とは一切関わりのない、一匹狼の私立探偵。
「やあ、ハンバーグ。また奇抜な名前で登場か」
警部が皮肉を込めて挨拶する。彼の本名を知る者はほとんどいない。しかし、その肉々しい不可思議な名前は裏社会でも探偵業界でも有名だった。
ハンバーグという名前は、彼が過去に解決した猟奇的な連続殺人事件の犯人が、遺体に添えたメッセージから生まれたと言われている。
ハンバーグは、その名前に似つかわしくない、痩せた長身の男だった。
戦術家
2人目
警部の挨拶にも、ハンバーグは平然とした様子で対応した。
「警部こそ、また現場に登場ですか?」
と、冗談交じりに言う。それに対し警部は「当たり前だろ」と軽く言い返す。
「感謝しろよ?本来殺人事件に立ち会う探偵なんて、必ず警察から嫌われる。俺が警部じゃなかったら、お前は捜査に関わること自体出来ないのだから」
そう。
本来探偵が殺人事件の現場に立ち会うことはめったになく、もし立ち会えば警察からすれば捜査に割って入って来る厄介者だろう。
この人が警部で良かったと心底思うハンバーグ。
「で、捜査の進捗はどうだ?」
警部が本腰を入れると言わんばかりに話を切り替えて来た。
「今回は毒物ですからね。殺傷とは違って、少し時間が掛かるかと」
「まぁ、言ってしまえば頭脳犯だからなぁ……。鑑識の方に情報を共有するよう伝えてくるよ」
さすが警部。本業だから当然と言えば当然だが、よく分かってる。
「あ、歩行帯以外の場所は歩くなよ。ゲソ痕が付いちまう」
「えぇ、分かってます」
そうして、捜査が本格的に始まった――。